MRのリストラに関する本当と嘘!現役MRが真実をしっかり書く!

MRと早期退職

どうもこんにちは、だいさくです。

MRに関するリストラの記事って結構たくさんあります。

特に今年(2018年)は本当に沢山書かれています。

ただ、間違ってる情報も多いです。

今日はMRのリストラに関して、

僕がしっかりと真実となる情報を書いていきたいと思います。

 

製薬会社のリストラ=MRのリストラではない


まずMRのリストラに関する情報の一番の勘違いとして、

製薬会社のリストラ=MRのリストラとされているところです。

こちらの記事は私が2018年にリストラを発表した製薬会社に関する情報を

まとめたものになります。

2018年の製薬会社リストラまとめと世間の勘違いについて

この記事の中でも書いてありますが、

確かに2018年は製薬会社のリストラが一番多かった年になります。

しかし、その対象の大半はMR以外の職種です。

リストラを発表した時に対象は誰か?というのはしっかりみなければなりません。

2018年のリストラの対象者で一番多かったのは、

研究職です。

その対象の多くは営業部門ではなく、

R&D部門でのリストラが一番多かったんですよ。

「2018年はMRのリストラ2000人」

これは真っ赤な大嘘です。

MRのリストラは一番最後の手段




MRというのは簡単にいうと営業職です。

確かに普通の業界の営業職よりも特殊な営業職ではありますが、

基本的には成果報酬型の職種である以上営業職です。

一般的な業界ではリストラを行う時に一番最後にリストラの対象となるのは、

営業職なんです。

リストラを行う時に営業は一番最後になるのが一般的です。

それはなぜかというと、一番会社の数字に影響が出る職種だからです。

それは製薬会社でも同じです。

MRのリストラに手をかけるのは一番最後というのは製薬会社でも常識です。

しかし、製薬会社でも一般的な業界と同じように、

MRのリストラは基本的に最終手段なのです。

なので、

MRは不要だから淘汰される、

でも創薬ができる研究職は重宝されている、

この情報は大きな間違いです!

こちらは以前ツイッターで、

私から研究職のリストラに関する現状をツイートした際に、

現役の製薬会社の研究職の方からいただいたリプライです。

「正直いうと、製薬の研究職って相当厳しい。MRの比じゃない。創薬できないなら研究部門切る。存続のための薬は他から買えばいい、だから営業と開発は最後に手をかけるって感じにしか見えない。創薬とは一体・・・」

製薬の研究職の方「ご指摘ありがとうございます。その通りなのです、製薬研究職はすごく厳しいのです。前職の私のキャリアはリストラのような形で終わりましたが、いまも研究職を続けられてるのが奇跡です。国内はそれほど厳しいですが、創薬研究者がかなりニッチなのか、現状が世間的には知られていません・・・」

 

研究職が成果を出せてない現状


研究職の方は創薬できなければ全く意味がないんです。

こちらは大手製薬会社の2013年から2018年1Qまでの、

上市された薬剤の導出元を表しています。

灰色がいわゆるオリジン(その製薬会社が創薬した)になります。


※Evalute Pharma

見にくくてすいません。

大手製薬会社ではノバルティスファーマが自社の創薬率6割とダントツです。

こちらは世界のトップ企業のデータですが、

国内最大手の武田薬品でも自社創薬率はほぼ0%になります。

現在の製薬会社のリストラ状況は、

創薬できない研究職は生産性がない、

というのが一番の理由であり,

一番のリストラの対象になっているのです。

それが真実であり、それ以上でもそれ以下でも無いのです。

MRのリストラに関する本当と嘘!現役MRが真実をしっかり書く!

では、実際に製薬会社のリストラが一番多かったと言われている2018年に、

MRのリストラ人数はどれくらいだったでしょうか。

これは2018年にリストラを発表したというだけの会社もあるので、

本当の真実はまだわかりませんが、

製薬会社全体のリストラ人数は、

約5500人超です。

その内のMRの人数はかなり多く見積もっても1000人です。

※恐らく800人くらいではないかと考えられます

あくまで発表してる会社のデータから算出してます。

これは私の書いた記事や、ダイヤモンドさんの記事から計算してます。

2018年の製薬会社リストラまとめと世間の勘違いについて

大正製薬が創業以来初リストラ、製薬業界「異常事態」の背景

 

MRのリストラ理由はMRが不要だからではない


MRのリストラ=MRが不要、というのも大嘘です。

後述しますが、確かに昔よりMRの役割が難しくなってきてるのは確かです。

だからと言って「MRが不要」にはつながりません。

もし、業界全体で本当に「MRが不要」という結論になるのであるならば、

儲かっている製薬会社、

例えば創薬率ナンバーワンのノバルティスファーマや、

新薬が相次いで上市されている中外製薬が、

なぜMRのリストラをしないのでしょうか?

むしろ儲かっている製薬会社のMRの人数は微増してます。

それはなぜでしょうか?

MRが本当に不要なのであれば、

全ての製薬会社でMRのリストラや削減をしなければ辻褄が合わないと思います。

MRの人数は確かに減少しています。

MRに求められているものが以前より変わってきているとは言えますが、

それはMRが不要だからではないのです。

2018年にMRがリストラされた理由は?

では、MRがリストラされる理由はどういった所にあるのでしょうか。

MRをリストラする理由というのは実際にはいくつかあります。

ただ、今回(2018年)製薬会社がリストラした1番の理由は、

2018年の薬価算定に関する改定による減益と、

候補化合物の枯渇化により新薬が出づらくらなってるのが理由です。

そのため製薬業界全体が下降路線を辿っており、

社員全体がリストラの対象になっており、

その一部でMRもリストラの対象になっています。

MRのリストラ理由は他にもある

ただ、これまでにもMRのリストラというのは行われてきました。

MRをリストラする理由は業界全体の下降路線以外にもあります。

・売る薬がないから

・MRのやれる仕事が少なくなったから

・MRの若返りをはかりたいから

・新薬が思ったより売れてないから

 

売る薬がないから





これは単純にその会社で売る薬がなくなったからというものです。

今回のベーリンガーさんのようなパターンです。

ベーリンガーは今回30代以上で勤続1年以上のMRが対象となってます。

つまりほぼ全部のMRと言えます。

プラザキサやミカルディスに続く大型新薬が出せなかったことや、

ジオトリフという薬剤の登場により、

オンコロジー領域(抗がん剤領域)が立ち上がったが、

多剤に臨床試験で負けてしまったことなどから、

現在の母体を支えるほどの売る薬がなくなってしまったのです。

ただ、ベーリンガーは見ているとコンパウンドはあるので、

うまくいけば、その内復活すると思います。

 

MRのやれる仕事が少なくなったから


MRのやれる仕事が少なくなったというのは間違いなくあります。

私がMRになった10年前は接待にしても、

臨床試験に関する情報提供や、

学会情報の提供も普通にできましたが、

接待はほぼ全面禁止になりましたが、

最新情報や適応外の情報はMSL(メディカルサイエンスリエゾン)

という部署が担うことになりました。

2014年頃からMSLがどんどん増え始めていますが、

その多くはMR出身者です。

現在では、よりサイエンスの方に活動がよっていることもあり、

リストラ後の研究職の方の受け皿的な部署になりつつありますが、

MSLの半数以上は元MRになります。

実際塩野義製薬では100人程度が今回MRからMSLへの配置転換されるという話ですし、

数年前のノバルティスや中外製薬もMRからMSLに配置転換しておりましたので、

MRの人数は減っていますがMSLへの配置転換による要因があるともいえます。

 

MRの若返りをはかりたいから


2018年以前であれば、

MRのリストラの一番多かった理由はMRの若返りをはかりたいというものです。

今でもそうですが、

MRをリストラする上で対象者が45歳以上などになっている事は多いです。

以前までは45歳以上のMRを対象にリストラして、

そのリストラした数と同じだけの20代のMRを採用するというが、

それこそしょっちゅうありました。

なぜ45歳以上のMRをリストラしたいのか?

45歳以上のMRをリストラしたい理由は、

単純に給与が高いという理由と、

仕事をしないからというのがあります。

45歳というと20年近くMRをやっている人も多いです。

その間に何のキャリアチェンジもなく、

ずっとMRだけやっていると、

頭が固くなって先入観で仕事をしてしまったり、

上司が年下で扱いにくい存在になって組織としての目標が達成しにくくなったりで、

給与に見合った成果が得られにくくなってしまいます。

そのためMRの若返りをはかりたいと考えて、

入れ替えのためにリストラをするという事が、

特に外資系製薬会社ではそれこそしょっちゅうありました。

これは儲かっている会社ほどやっていたイメージがあります。

 

新薬が思ったより売れてないから


このパターンは、新薬が出てMRを増員した結果、

蓋を開けて見たら大して売れなかったときです。

思ったより売れてないためにリストラをするというものです。

これは社員からしたらとんでもない事で、

クレームも当然たくさんでた結果、

最近は上市のあたりではそういったことを避けるために、

コントラクトを採用するケースも多くあります。

最近のアッヴィの採用がまさにそれで、

今回の新規募集が150人でしたが半分の75人がコントラクトでした。

MRのリストラに関するまとめ

いかがでしたでしょうか。

MRのリストラに関してお伝えできましたでしょうか。

今回の内容をまとめると、

・製薬会社のリストラ=MRのリストラではない
(その多くは研究職であった)

・MRのリストラ=MRが不要ではない

・MRのリストラ理由は別にある
売る薬がないから
MRのやれる仕事が少なくなったから
MRの若返りをはかりたいから
新薬が思ったより売れてないから

MRのリストラに対する対策

最後になりますが、

MRの形っていうのは変わってきてます。

「MRが不要である」という意見に、

自分も賛成してるようなMRの方がいれば、

きっとそれは不要なんだと思います。

僕は今オーファンの製薬会社にいますが、

現場のMRがいなかったら間違いなく会社は終わります。

それくらいMRの存在は重要です。

本社のマーケティングにしてもMSLにしても、

開発にしても、営業戦略部にしても、

全てMR頼りなんです。

オーファンの会社の人間もそうですが、

例えば中外さんのMRにしてもノバルティスさんのMRにしても、

彼らが自分自身の存在を「不要だ」と思ってるようには見えません。

MRの情報がなければ会社が成り立たないんです。

これだけ訪問規制が進み、手足もぎ取られてるような状況でも、

MRが重宝されている会社は沢山あります。

大手も良いけど、僕はオーファンはオススメしたいです。

希少疾患(オーファン)系製薬会社への転職を考える人にオススメの転職サイト

今後はしっかりとした会社選びと、

自分のスキルアップをしっかり考えなければなりません。

自分の能力×経験=自分の価値って感じです。

英語の勉強もしっかりやりましょう。

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ではまた!




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