ファイザーの早期退職と競業避止義務に関して製薬会社の社員として思う事

MRと早期退職

どうもこんにちは、だいさくです。

ファイザーさんが早期退職を募集されておりますね。

ファイザーさんは数年単位で早期退職をされているので、

今回も別にそこまでびっくりするような事もなかったんですが、

今回は業界初の競業避止義務を強制しているという点が個人的にかなり気になったので、

今日はその辺に関して書いていければと思います。

ファイザーの早期退職と競業避止義務に関して製薬会社の社員として思う事




ファイザーさんの今回の早期退職の概要と競業避止義務に関しての概要を簡単にまとめてみます。

退職日:11月末

募集人数:200人弱

対象:50歳以上のMRを含む営業部門

割増退職金:通常の退職金+年収ベースで4年分の上乗せ

競業避止義務:会社が指定する競合他社への転職を禁止し、破った場合は割増退職金の返還

会社が指定する競合他社(公表されている会社のみ記載)

オンコロジー領域→MSD、ノバルティス、その他1社

希少疾患領域→アルナイラム

このような概要となっております。

詳しく知りたい方はミクスの記事が一番わかりやすいと思います。

今回のファイザーさんの早期退職と競業避止義務に関して、

個人的に思った事を書かせていただければと思います。

1、競業避止義務は妥当か?

競業避止義務って製薬業界では初と書かれているんですが、

あくまで製薬業界の一般職、MRや営業部門のマネジャーでは初というだけで、

ある程度の高いポジションの方は、この競業避止義務を結ばされている事は良くある話です。

僕の会社の上の方も競合に転職していった場合に、

退職金の返還などを求められる文書を交わした事があると言ってました。

また、調べてみたら、外資系の生命保険の会社で、

過去に判例があったようで、その際には退職して競合に転職していった方が勝訴してます。

競合他社への転職制限で退職金不払い「無効」 東京地裁

なので、今回のファイザーさんの措置が妥当か?と言われるとよくわかりません。

基本的に転職というのは今までの経験を活かしてするものです。

特に50代の年配の方であれば当然で、

それができないとなると転職は難しいと考えられます。

それができない代わりに積み増しされた退職金4年分が、

競業避止義務として妥当か?というのが論点になりそうなんですが、

ファイザーさんは労使協定を結ばれているので、

結局はそれを承知で今回の手上げに応募するかしないかを前もって選べるというのが、

コンフリクトを起こさない要因になっているのかなと思います。

2、競業避止義務を結んでまでなぜ転職させたくないのか?

というより、そもそもこの競業避止義務って必要なんでしょうか。

ファイザーさんの社員が競合に転職していったとして、

例えばMSDやノバルティスのビジネスが加速するものなんでしょうか。

もちろんファイザーさんの社員に価値がないとか言いたいわけではなく、

アルナイラムのような小さな会社で今後大きくなりそうなので、

ファイザーさんのような会社で、

同じ領域を経験していた方を引っ張りたいと思うのは当然あると思うんですが、

ノバやMSDは大きな会社でそれなりにビジネスが成功していると考えるんですが、

4年分の積み増しを行なってまで、競業避止義務を結ぶ意味ってあるのかなとか思ったり。

例えば、昔パナソニックや東芝の社員が年収の3倍くらいの高給でサムスンに引っ張られて、

日本の家電業界の衰退を招いたみたいなのはありましたし、

外資の保険会社や証券会社では競合他社に行くって結構タブーらしいんですが、

それは顧客流出が要因なんですよね。

今回の件はその類の話ではないような気もするんですよね。

3、コントラクトに転職して競合他社に配属された場合はどうなるのか?




今回対象が50歳以上の営業部門の方なので、

その場合MRの方が対象となったら、

そもそもMSDやノバルティス、アルナイラム側もそこまで積極的な採用はしない気がします。

そうなると、当然次の職場となるとコントラクトの会社になるのが一般的になると思います。

そこでコントラクトの会社だったら、

当然ノバやMSDなどの競合他社側は派遣として来てもらいたいと思うんじゃないかと思います。

その場合はどうなるんでしょうかね。

そうなったら競業避止義務に抵触するんでしょうか。

それともコントラクトの会社に対して、

3年間はノバやMSDには派遣しない事を前提に採用してもらうんでしょうかね。

でも別に在籍してるのはあくまでコントラクトの会社なので、

そこは抵触しないと思うし、

もし訴訟となったら、先ほどの判例と同じで、

「それはやりすぎである」という理由で会社側が敗訴するのではないかと考えられます。

結論

ちょっと今回のファイザーさんの早期退職に関する疑問点を書かせていただいたんですが、

結局僕は何が言いたかったのかな?と考えますと、

ファイザーさんのやってることって意味があるのだろうか?と。

会社側は競合他社に転職して欲しくない、

その代わり積み増し4年分出す、

それを分かった上で応募するかしないかは本人が決めるので、

まぁこういうことは別に僕みたいなものがあーだこーだいう事ではないんだろうなとは思うんですけどね。

なら書くなよって感じなんですが、

今回はあくまで積み増し退職金が4年分というのがネックで、

こんな競業避止義務をこの業界のスタンダードになったら大変なので、

それはそれで嫌だなぁと。

そんな風に思いました。

ではまた!




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