憧れた武田薬品がとにかくヤバイ・・3つのヤバイ理由をまとめてみた

武田薬品

どうもこんにちは、だいさくです。

先日、武田薬品が新たなリストラ計画を発表されていました。

武田薬品2020年リストラ概要の全貌!割増退職金が60ヶ月!?

その際に、武田薬品の経営状態は現在極めてマズい、

もう後戻りができないくらいヤバイぞと書きました。

詳しくは別記事で書こうと思っていますと書いていたので、

今日は武田薬品がなぜ今ヤバいのか?ということにテーマを絞って書いていきたいと思います。

憧れた武田薬品がとにかくヤバイ・・3つのヤバイ理由をまとめてみた




僕は今製薬業界で働いて10年以上が経過しましたが、

僕がこの業界で働き始めた頃は、

武田薬品工業といえば、みんなが憧れる製薬会社、

ハイスペックで頭の良い優秀な集団で営業力もあり武田には勝てない・・と思わせる会社、

そして彼らの年収や福利厚生などは業界トップクラスでした。

当時はまだ無借金企業で、社長が経済同友会の代表幹事を務めるなど、

製薬業界外にも武田薬品といえば、

日本が誇る超一流企業という名前が響き渡っていたのではないでしょうか。

ただ、現在の武田薬品はかなりマズい状況だと言えます。

今日はなぜ武田がマズい状況なのか3つのポイントに絞って書いていきたいと思います。

1、武田薬品は製薬会社ではない

武田薬品は武田長兵衛(ちょうべい)さんが、

1781年に今でいう薬局のような業種として創業しました。

その後西洋医薬品の輸入販売を始め、

アリナミンなどをきっかけに日本でのビジネスが大きく拡大していった会社です。

なので、元々薬を研究して開発する会社ではなかったので、

武田薬品は製薬会社ではなく「医薬品商社」と仰る方も沢山いらっしゃいました。

ただ当時はまだ武田で創薬した薬もありましたし大成功した薬もありましたので、

ギリギリ製薬会社であるという看板は背負うことができていました。

しかし、今は日本での研究所の社員を1000人から300人までリストラを行い、

武田薬品のリストラ手法がヤバイので製薬業界の手法を回想してみる

湘南の研究所を湘南アイパークとして開放しましたが、

2020年4月にその権利を譲渡し、実質日本の武田薬品では創薬はしない方向となりました。

製薬会社ではない武田薬品は一体何なのか?

昨今、シーズの枯渇化、創薬難易度の上昇が叫ばれており、

製薬会社がいわゆるオリジンとして医薬品を開発する確率はとても高く難しいです。

そもそも自社の研究所を閉鎖した武田薬品はオリジンの創薬ができません。
(もちろん買収した会社が持ってる研究所が創薬すればそれは創薬になるのかもしれません)

そんな会社が製薬会社と呼べるでしょうか。

沢山のM&Aを重ねてきましたが、中には成功と呼べる買収もあったのかもしれませんが、

そのほとんどは失敗と言わざる負えません。

米国の金融街で、何でも買ってくれる会社の事を「ゴミ箱」と揶揄されるんですが、

日本では農林中金に続き、武田薬品も見事米国の金融屋から「ゴミ箱」と揶揄されてしまいました。

僕が現場のMRをやっていた頃、

武田薬品はそもそも「医薬品商社」と言っていた薬剤部長がいたんですが、

今は商社どころかただの投資会社で、

数打ちゃ当たるかもしれないマネーゲームの投資会社にさえ見えてしまいます。

なので、武田薬品がヤバいと思う理由その1は、

研究所を廃止して、自社創薬を諦め、マネーゲームを行ってる会社に見えるからです。

2、のれん代と借金とリストラ

続いて2番目のヤバい理由ですが、武田薬品は沢山のM&Aを重ねた結果の、

多額ののれん代、そして有利子負債、そしてリストラです。

この辺は特にシャイアーを買収したことで大きく加速してしまったわけですが、

現在の、のれん代は4兆円超になります。

のれん代というのは、会計上では「資産」となりますが、

基本的にそこには何も無いのです。

シャイアー買収の前にはのれん代は1兆円でしたが、

シャイアー買収によって約3兆円が上乗せされ、現在4兆円ののれん代が計上されています。

これは、買収した際に買収した先の会社の価値として計上されるので、

シャイアー買収によって、シャイアーの価値をのれん代として3兆円計上してます。

シャイアーも元々は製薬会社というより、武田薬品と同じで、

M&Aで大きくなったツギハギの企業です。

ただ、シャイアー買収が本当に3兆円の価値があったのか?というのは、まだわかりません。

これは通期で「のれん減損テスト」が行われるため、

シャイアーの買収にそこまでの価値がないとされれば、

武田薬品の企業価値は大幅に下がります。

のれん代4兆円というのは、非常に大きく、ヤバい「爆弾」を抱えているような状態なのです。

武田薬品の有利子負債とリストラ

武田薬品の負債は現在8兆円を超えて、その内、有利子負債は5兆円超あります。

負債8兆も凄いですが、借金5兆円は利子を支払うだけでヤバいですよね。

武田薬品の説明では、いわゆるノン・コア事業の売却、営業キャッシュフローなどを含めて、

2023年までに返済する予定と発表してます。(本当にできるの?と疑いたくなります)

武田薬品2020年3月期決算短信

なので、今ウェバー社長はノン・コア事業の売却として、

いろんな武田の事業を売りまくって借金返済をしているのです。

眼科領域をノバルティスに売却したり、

上述の研究所である湘南アイパークを譲渡したり、

もう色々売りまくって売りまくって、借金返済に追われているのです。

そのうちの一つが武田を日本で躍進させたアリナミンやベンザブロックなどのOTC事業の売却です。

武田と言えばアリナミンじゃないですか!

売却先は大正製薬か外資の投資ファンドかどっちかになると思いますが、

日本人の感情としてはこれはどうでしょうか?僕は悲しいですよ。

そしてリストラです。

R&D部門のリストラ、そしてMRを含めた全社員のリストラ、

武田薬品は2015年頃7000人程度いた社員が公表されている限りですと、

2018年に5291人まで減少、2020年のリストラで社員はもっと減少するでしょう。

なので、武田薬品がヤバい理由2つ目は、

買収による4兆円ののれん代というヤバい爆弾を抱えていること、

そして5兆円に膨らんだ有利子負債返済のため、

ノン・コア事業と名目されたOTC事業を含む武田の事業の売却、

リストラにより、社員よりも有利子負債の返済を優先させている(もしくは社員に払う給与が負債のせいで工面できない)ことが挙げられます。

3、外国人社長ウェバー




武田薬品がやばい理由の最後3つ目はウェバーです。

まぁウェバーに限らず現在の武田薬品の役員の半数は外国人で、

なぜか日本の製造部門のトップも外国人です。

武田薬品 トップマネジメント

ウェバー社長が武田薬品の社長になったのは2014年で、

ウェバーが武田で行った仕事として、

一番大きなものはやはりシャイアーを6.2兆円で買収したことです。

シャイアーを買収した事による武田のヤバさは上述の通りですが、

その借金を返すために、

・OTC事業あっさり売却

・湘南アイパーク譲渡

・創業の地、大阪の本社ビル売却

・人員削減(いらない人材を子会社出向させて、会社ごと売却する)

こんな感じで、合理性重視のビジネスライクな仕事をされています。

ウェバー社長の報酬額とその条件がヤバい

ウェバー社長の報酬額は2018年度では、17億5800万円です。

そして2020年の報酬額は何と20.73億円です。

役員報酬トップ10のうち5人がソフトバンクグループ : 日本人最高は副社長の佐護氏

これだけ会社がやばい状態なのに20億円ももらっています。

図体はでかくなりましたが、利益は下がっていて、2015年に続き2020年の決算も赤字です。

ただ、ウェバーを含む外国人役員の多額の報酬に対する条件がまたヤバいのです。

「クローバック制度」というものが導入されており、

例えば今回のシャイアー買収に関して、その後何かしらの損失が発生した時や、

財務情報などに不正があった場合などは、

役員に支払った支給済みの報酬を返還させるという制度です。

なので、ウェバーが必死でシャイアー買収を成功だったと証明するために、

なりふり構わず武田が自社創薬できなくなろうが、

日本国民から愛されたOTC事業を売却しようが、

社員が何人辞めようが関係ないのです。

とにかく数字の切り貼りを行って、

自分に不利益がないように仕事してるのです。
(ウェバーからしたらそれが彼に与えられた仕事である)

武田薬品の魅力は高配当だけ

以前、高配当銘柄、武田薬品は買いか?という記事を書きました。

高配当銘柄「武田薬品」の株は買い時か?資産売却と黒字化は?

今武田の株を買うと、利回りが大体4.5%程度で3%以上は高配当と言われるので、

配当を考えるととても魅力的ですが、やっぱ借金とのれんが気になるので、

僕は業績が落ち着くまで待ちます的なことを書きました。

例えば武田薬品と国内売上高第2位のアステラスを比べてみると、こんな感じです。

売上 総資産 自己資本比率 借金 ROE ROA
武田薬品 3.2兆 12.8兆 36.88% 5.91兆 0.90% 0.33%
アステラス 1.3兆 2.3兆 66.30% 0.23兆 17.59% 11.84%

ちょっと株をやってる人にしかわからない指標かもしれませんが、

これはアステラスに関わらず、中外や第一三共、大塚HDと比べても全く同じことが言えますが、

武田は他の国内製薬会社と比べて、図体がでかく、配当が高いだけで、

その他の指標はボロボロで、国内製薬メーカー大手と比べてダントツでヤバい会社です。

また武田薬品の株は買収しすぎて、誰が保有してるのかわからない状態です。

もはや創業家の名前も無い状態なんですよね。

なのでいつ誰が売っ払うかわからないんですよね。

ROA,ROEから分かるように、売上金額は高いけど、利益の出ない会社でボロボロの状態、

だから配当だけは高水準を維持しないと捨てられてしまうのです。

なので、高配当につられてしまうのはまずいので、

先行き不安は否めない状態なので、今後の業績を注視した方が良いのかなと思います。

ヤバい爆弾を抱えている武田薬品はもう後戻りできる状態ではありません。

最後に

最後に言いたいことは、

この買収、そしてウェバーの就任は誰を幸せにしたのでしょうか?

外国人取締役達を肥えさせた事、武田に借金を背負わせた金融屋のインセンティブ、巨額買収の手伝いをして多額の報酬を得たであろうゴールドマンサックスだけではないでしょうか。

先代の創業家社長武田国男さんが、

「日本の良さは残しつつグローバル化をしてほしい」と前長谷川社長に伝えてから、

完全に創業家と対立構造が出来上がり、

無理な買収を重ね、

多額ののれん、借金返済のための研究所閉鎖、リストラ、

10年前までは無借金企業の日本が誇る超優良企業だった武田はどこに行ったのかと思いました。

ではまた。




コメント

  1. 独身MR より:

    特に10年くらい前まで、武田薬品はやっぱり特別でしたよね。
    誰もが憧れて、得意先からも他社メーカーからも一目置かれる存在でしたもん。
    競合することが多かったアステラスや第一三共と違い、合併なしでずっと名前も「武田薬品」なのも、さらに一目置かれる要因だった気がします。

    それが今はこの状況ですからね…。
    ウェバーが良い悪いというより、彼は彼の仕事を全うしているだけで、それ以上でも以下でもない気がしますね。
    とりあえず自分たちがいる間は頑張ってそれなりの形にするけど、その後は知ったこっちゃないと。
    シャイアーに関しても、なんとか捻り出して形式上は整わせたウルトラCって感じです。

    • 大作 大作 より:

      ウルトラC(笑)
      秀一な例えですね。

      おっしゃるようにウェバーというより、社内の体質の問題もあるんだろうなぁとは思います。

      頑張ってほしいっすけどね。
      グローバル化は国内企業ではダントツでできてますからね。

      いつもコメントありがとうございます!

  2. のりびー より:

    長谷川は頭痛過ぎたが、ウェーバーは良くやってる創業家もやっと認め始めた。アリナミンやベンザも広報が無能過ぎて馬鹿ばっかりCM採用して情けない。厚生労働省は天下りを受け入れる企業ばかり優遇で利点皆無。それなら国外に出た方が良い。それらのタイミングが一致した段階で国内の民剤事業の売却は良い判断。何もせず指を咥えてるばかりではジリ貧で死ぬなら国内は他社に任せた。完全なグローバル企業Takedaは緩い日本人ばかりを採用する企業では無くなった。それを世界が日本国が望んだ結果だ。企業経営とは薄情なものだ。座して死を待つなら大海に身を委ねると言う千倍屋の哲学だな。

    付け加えるが本社を売ったとか色々言われてるが裏を調べてみろ。同名企業ばかりがグループ会社じゃ無い。何の為に政略結婚を繰り返して来たかそれが答え。意外な程堅実なんだよこれが。

    • 大作 大作 より:

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通りだと思います。
      ウェバー社長は本当に与えられた仕事をされていると思います。

      確かに調べてみたら武田以外の名前の同族がいらっしゃるんですね。。。
      僕は働くのは外資系が好きですが、心は完全に内資系を応援しています。

      大変勉強になるコメントありがとうございます。

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