こんにちは、現役MRのだいさくです。
このブログはこれからMRを目指そうと思ってる学生や、
異業種でMRを目指してる方も多く見ていただいてます。
MR職はブラックなのか?
今後MRになりたいと思ってる方は知りたい情報かと思いますので、
他業種から転職して、
MR歴約10年の私がMRのブラックだと思う部分をまとめてみたいと思います。
製薬会社(MR)はブラック企業リストに入って無い
一応厚労省が認めるブラック企業のリストがありますが、
まぁバイアスも多少あるんでしょうし、
基本的には上場してるような会社しかリストアップされていませんが、
製薬企業で、このブラックリストに入ってる会社は一社もありません。
パナソニックとか普通に入ってます。
MRのブラックポイント9個でまとめてみた
MRはブラックか?と言われると、会社によります。
僕は大手外資系、大手内資系と転職をし、
現在は外資系バイオベンチャーでマネージャーをやっております。
また当ブログを運営して約5年が経ちましたが、
ブログ経由でMRの方とお話しさせていただく過程で、
どういう会社がブラックなのか?というのがしっかり見えてきました。
今日はブラックな製薬会社のポイントを書いていきたいと思います。
MRのブラックポイント1、リストラ
製薬企業にはどうしてもリストラがあります。
薬剤というのは8年間で特許が終わってしまうので、
計画的にリストラや早期退職が行われます。
元々異業種にいた私としては、
いきなり会社が無くなるよりは良いと考えていますが、
突然のリストラはキツイですね。
アストラゼネカの追い出し部屋について思った事をMRの僕が書いてみる
アストラゼネカは新薬やその候補がふんだんにある状態でもリストラを行っています。
特に外資系は年間10%の人を入れ替えるという方針がありますので、
特許期間云々に限らずリストラの対象になる可能性があります。
リストラされてもどこにでも行けるようにしておく、
もしくは副業などを行なっておくという事は必要になると思います。
基本的には、
40歳になるまではリストラの心配は無いと思いますが、
こちらの記事でも書きましたが、
2019年の製薬会社リストラ状況と原因、今後まで全部まとめてみる!
鳥居薬品は突然のHIV薬ギリアドへの返還のため、
新卒3年目からリストラされています。
MRのブラックポイント2、キャリアプランが少ない
MRの80%はMRのまま退職(定年)を迎えていくと言われています。
私の周りを見渡してみても、MRって年齢に関係なくやっているんですよね。
新卒の22歳の子も50歳のおじさんも基本的にはみんな同じ仕事をしています。
もちろん年齢によって担当する規模の病院が違ったりもするんですが、
MRは若い子でも50歳代のおじさんでもできる仕事と言われればそうかも知れません。
なぜそうなるかというと、MRは選べるキャリアが少ないんですよね。
MRからのキャリアはいくつかあります。
・マーケティング
・MSL
・学術
・マネジャー
・PMSなどの内勤職
これ以外にもあるんですが、
圧倒的にポジションの数が少ないんです。
製薬会社の社員の45%はMRと言われており、
MRの人数が圧倒的に多いため、MRの次のキャリアを考える上で、
上記のようなポジションにつけないのです。
MRを辞めて行く人に多い理由の一つがこのキャリアプランの少なさがあります。
MRは給与ベースも他の職種に比べて高く他の職種にいきづらい事もあると思います。
MRのブラックポイント3、新卒や女性の在宅勤務
これは僕なんかは逆に悪いことではないと思ってますが、
外資系製薬会社が10年くらい前に一気に社員の在宅を進めた時に、
起こった問題です。
特に外資系では営業所を設置してない会社も最近増えてきていますし、
おそらくこの流れは今後内資にも広まっていくと考えられています。
例えば、東京出身の新卒の女性が佐賀県1県を広域で任されることもあります。
それまでは実家から大学に通っていたような女の子が、
いきなり見ず知らずの佐賀県に送られるわけです。
周りには同僚の社員もいない、上司は福岡に住んでる、
そんな状況で鬱病を発症してしまうような子もいるのです。
現在では新卒の女の子は人の多い都市部や、
営業所のある都市に配属したりする工夫をしてる会社もあります。
僕は在宅の方が絶対に良いのですが、若い女性には確かにキツイかもしれません。
MRのブラックポイント4、ノルマがきつい
まぁこれはどの業界のどの営業職でも言えることですけどね。
MRを営業職だと認識しないで入ってくるとキツイですね。
結構新卒入社とかだと人事が嘘言って
MRは営業職ではないような事を言ったりする話も聞いたことがあります。
しかし実際はしっかりノルマのある営業職です。
特に顧客が医師なので、医師は自分よりもはるかにスペシャリストなんですよ。
普通の営業職って顧客が自分よりも知識がない人が多いですよね。
MRは逆なんです。顧客の方が上なんです。
その上で数字を上げなければいけないので、
数字が上がらない時や、慣れるまでは結構キツイですね。
数字は基本的に社内の人間が全員見ることができるし、
露骨に優劣が付きます。
数字が出ないときは会議でも辛いです。
数字が出ない人間の発言権は無いに等しいですからね。
その辺も慣れていかないとキツイかもしれませんね。
MRのブラックポイント5、担当先で働き方が変わる
MRといっても様々あります。
大学担当から、病院担当、がんセンターなどの専門施設、開業医担当。
担当する病院によって働き方も変わってきます。
訪問規制が無い大学なんかは朝早くから夜遅くまで入りっぱなしになることもあります。
一方で開業医担当なんかは昼休憩と夕方だけ行けば良いこともあります。
開業医は楽そうだと思いますが、民間病院なので、
忘年会や納涼会などのプライベートな付き合いも多いです。
その辺は自分のタイプによってですけどね、
コテコテの人間関係を求められるところに
学術派の人が配属されると嫌だと感じてしまいますね。
MRのブラックポイント6、期末の詰め作業
期末の詰め作業というのは、年度末や、売上を一度締める期末に、
売上が足りないため、薬局や病院にお願いして、
自社医薬品をたくさん買い込んでもらう作業です。
これは内資系のプライマリー領域の会社に多く、
非常にブラックな製薬会社の特徴です。
内資系のプライマリーに配属されたらほぼ100%この作業を強制されます。
この詰め作業は自分自身も嫌な作業ですが、
開業医などの医師も嫌がっています。
この詰め作業があることによって、普段から医薬品卸の方と人間関係を構築せねばならず、
朝8時に卸さんに行くという、卸さんにとっても迷惑な行為を強制されます。
MRが月末に詰め作業をするのは超絶くだらない事情のためだった
MRのブラックポイント7、副業が禁止されている
現在では自分のビジネスを持ったり、
SNSで発信して商品を売ったりなど、副業がしやすい時代に入っています。
一部の外資系では副業を大々的に解禁にしてますが、
まだまだ副業を禁止している会社も多いです。
そのため隠れて行っていた副業がバレてクビになった、
会社が中々副業を認めてくれないなど、
副業が禁止されていることで、
会社への忠誠を強制されるような会社があります。
全ての製薬会社が副業を解禁すれば良いと思いますが、
中々難しいのが現状です。
MRのブラックポイント8、医療従事者から必要とされないケースがある
いわゆる何を使っても一緒という薬剤を扱っていると、
医療従事者から必要とされてないケースがあり、
とても冷たくあしらわれたりします。
昨今のオーファンドラッグやオンコロジー、再生医療など、
最先端の薬剤を扱える会社ばかりではありません。
もうすでに古い薬で何を使っても同じような薬剤を扱ってしまうと、
昔であれば接待やゴルフができて自分を売るということができましたが、
今は中々難しいため、お金が使えないMRなんてこなくて良いと、
医療従事者から拒絶されてしまいます。
しかし、会社からはそれでも売上のために行け!と言われ、
ひどく辛い思いをすることがあります。
MRのブラックポイント9、生産性が低い
いわゆるプライマリー領域のMRになってしまうと、
月の売上が1000万にも満たない会社も往往にしてあります。
非常に生産性が低く、当然自分が稼いでる金額が少ないので、
中々給料も上がりません。
安価な薬を沢山扱うのもそれはそれで辛いですが、
まだその方が博学になるので良いと思います。
いわゆる長期収載品だけを数種類扱うだけの会社は生産性が低いため、
注意した方が良いと思います。
MRはやめとけと言われる職業の代表格
今は「MRなんてやめとけ」と言われる代表格のような仕事になっています。
なぜなら、やれることがほとんどないからです。
今は医療用医薬品販売提供ガイドラインというものが制定され、
MRは接待、最新情報の提供、臨床試験情報の提供、適応外の情報、
10年くらい前までは全てできましたが、これら全てが今は全面的に禁止されています。
少し前まではルールも多少緩くて良かったのですが、
今はそのルールを守っていないと、
医療従事者側から一方的に通報される覆面制度というものがあり、
しかもその覆面制度に通報されたらその責任は会社の経営者側に責任が及ぶ事になりました。
要はMRに何もさせるな!
何かしたら医療従事者から通報させる!
そしてその責任は会社にある!とされているのです。
なのでMRは医療従事者(顧客)からも睨まれており、
会社からも睨まれている状態になっています。
MRは非常に営業スキルがつきにくく、リスクも高い職業なので、
MRなんてやめとけにつながるわけです。
ただ、MRがブラックかどうかの判断は人による
ただしかし、MRがブラックなのはその人によります。
言ってもMRの待遇は他業種と比べると断然良いし、
要はルールを守れば良いのです。
製薬会社というのはとても儲かっている業態だし、
超絶ホワイト企業の集まりです。
冒頭の通り、ブラックリストに入ってる製薬会社は無いのですが、
ブラックかどうかは正直、人によります。
その人がブラックだと思えばブラックだし、
ホワイトだと思えばホワイトなんです。
僕の場合は外資系の成果主義が肌にあっていたので、
内資系のコテコテな擦り寄り主義は本当に嫌でした。
でも逆の人もいるのです。
この記事の中でふんだんにホワイトな部分を書いています。
製薬会社(MR)がホワイト企業だと思う5つの理由を現役MRが語る
最後に
いかがでしたでしょうか。
会社が自分に合わせてくれることはありません。
自分が会社に合うように頑張るか、自分が合う会社に転職するか、
自分で会社を作るかしか選択肢はないのです。
自分に合う会社を探し続けるというのは大事なことです。
僕も現在4社目のベンチャー製薬で働いていますがとっても楽しいですし
やりがいもあります。
最初のトヨタの子会社の時は年収270万円でしたが、
今は1,500万になりました。
人間は入った会社で人生が変わります。
僕はそれでもMRはとても良い職業だと思っています。
未経験から挑戦したい!という方も是非チャレンジして見てください!
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