MSL(メディカルサイエンスリエゾン )の今後や将来性について

メディカルサイエンスリエゾン

どうもこんにちは、だいさくです。

MRの将来性や今後については結構不安視される情報も多いですが、

数年前から本格的に立ち上がったMSLに関しての将来性はどうでしょうか。

MRの職務がどんどん奪われていく過程、

MRがそれまで行なっていた、臨床試験に関する情報提供や、

学会情報を含む最新情報の情報提供ができなくなる中で、

そういった臨床試験や最新情報を提供する専門部隊として出来上がったのが、

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)になります。

最近では、製薬会社の研究職のリストラが吹き荒れる中で、

そういった方の受け皿になっていたりもありますが、

MSLという職種に関する将来性や今後はどうなるのでしょうか。

僕は現在のバイオベンチャー の会社に入社した直後、

数ヶ月間MSLの職務を行なっておりました。

今はMA部(メディカルアフェラーズ)の部門がしっかりできましたが、

彼らとも一緒に仕事をする機会がありますので、

今日はMSLの将来性や今後について書いていきたいと思います。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン )とは一体なんなのか?




MSLは一体なんなのか?

MSLの位置付けはとても難しく、会社によってその仕事内容や、

彼らの立ち位置や考え方が大きく異なっています。

製薬会社は基本的に、

「営業・開発・研究・製造」この4つの大きなファンクションから成り立っています。

当然MRやマーケティング部は営業になります。

しかし、MSLという部門はこのどれにも当てはまらないのがこれまでの考え方でした。

営業によってはいけない、営業とは違う職種、

営業とは違う情報提供ができるからこそ、

価値があったわけです。

中には開発によってる会社もあります。

特に大手の外資系で開発品目が多いような会社は営業と完全に切り離して、

開発に関わるような仕事をしてる会社もあります。

そのためMSLって一体なに?という問いかけに対しては、

会社によるというのが今までの回答になっていました。

MSLは営業部門である

そして、

2018年に製薬会社の医療用医薬品の販売活動に関するガイドラインが策定されました。

【超重要!】製薬会社MR活動のガイドライン改定を分かりやすく解説してみる

この中でも説明してますが、営業の活動を規制するガイドラインの中に、

MSLも含まれることが決定されました。

MSLが含まれることによって何が変わったかというと、

MSLがもし医師に対して不適切なプロモーションを行なっていたとしたら、

例えば、適応外での使用を促すような表現、求められていない論文の提供を行っていたら、

MRと同じように罰則規定になるということです。

これはMSLもMRと同じ営業部門だという認識をされているということが、

各製薬会社で認識されたということになります。

疑問視されるMSLの役割

MSLの役割は本当に難しくなっていると思います。

先ほどのガイドライン通りに考えると、

医師から適応外に関する情報や、

臨床試験に関する情報を求められているにも関わらず、

その情報提供を行っているときに、

プローモーションだと思われるような振る舞いをしてしまうとアウトなわけです。

医師は患者さんの同意さえ得られれば、適応外での使用を行うことができます。

その医師が適応外に関する情報を求めている時点で、

適応外での使用を試みているのにも関わらず自分はその振る舞いをしてはいけないというのは、

なかなか難しいと思います。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン )の今後や将来性について




ここままででなんとなくMSLの成り立ちや現状をお伝えできましたでしょうか。

こちらの記事でも詳しく説明していますので、詳しく知りたい方はご参考ください。

メディカルリエゾン(MSL・ML)の仕事と将来性について(読者さんからのQ&A)

MSL(メディカルサイエンスリエゾン )の仕事は激務なのか?現役MSLに聞いてみた

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)への転職に必要な条件やスキルを解説するよ

ではここからはMSLの将来性や今後について、

どのようになっていくかということについて書いていきたいと思います。

MSLはそんなに沢山はいらない

結論から言うとMSLは恐らくこれからも微増して行くと思います。

しかし、あくまで微増です。

まだMSLを設置してない会社は、

MRを含むキャリアチェンジをしたいと思ってる社員や、

なんらかの圧力や興味本位もあり、設置して行く会社が今後増えて行くと思います。

しかし、そのうち気づきます。ん?MSLってそんなにいらなくない?と。

MSLという職務ができて数年経ちましたが、

どんどんMSLを増やし続けている会社というのはほとんどないです。

むしろ縮小傾向にあったり、

自然発生的に退職して言った社員の穴埋めはしてないところも多いです。

開発依存するMSLは減らない

特にMSLが営業とは完全に切り離された会社、

どちらかというと開発系に属してる(依存してる)会社で、

MSLを早くに設置して、

今でもMSLのタスク管理がしっかりしてる会社のMSLは減少してません。

どう言った会社かというとアメリカ系の会社や一部のヨーロッパ系の会社です。

その辺はタスク管理がしっかりできていると感じますし、

働いている社員のスキルも上がってるという印象です。

しかしそれでも、それって結局開発がやればいいんじゃない?という声は出ており、

わざわざMSLという小さなファンクションを作ることで、

変な軋轢が生まれたり、コミュニケーションのすれ違いが生まれるのであれば、

そこまで増員しないのでも良いのではということもあります。

営業に依存したMSLは増えるけど増員はない

今後恐らく一番増えて行くであろうMSLは営業依存のMSLです。

恐らくこの種のMSLは増えて行くと思いますが、

優秀な学術情報部がある会社や数字を持たないKAMが手厚く設置されている会社では、

あまり増えないというか設置しても意味ないと言われています。

MSLで働く方はサイエンスが得意な人で、

セールストークがあまり得意でない層の方も多いため、

新しくそういったMSLを設置する会社は増えて行くと思いますが、

すでにそういった部署がある会社の増員は見込めないと考えられます。

MSLとM部を含んだ営業部との軋轢

結局MSLが鳴り物入りで設置されて、

今後の花形はMSLだ!と言われたものの、

MSLの価値に疑問符がついたり、

MSLっている?みたいな疑問が投げかけられているのは、

MSLとマーケティング部を含んだ営業部門との軋轢です。

変に軋轢が生まれて会社として同じ方向を向くという意味で足かせになるのが、

MSLの存在だったりするのも事実です。

MSLとは名ばかりのただのコンプライアンス部みたいにチクチク言ってきたり、

くだらないことを指摘したりして業務の遂行を邪魔するのMSLの部門だったりするのです。

各製薬会社ではメディカル、マーケ、営業とありますが、

どこが力を一番持っているか?というのははっきりしておいたほうが良いものです。

そのイニシアチブになぜかMSLが参戦してきたりするとややこしいので、

MSLのやってる仕事は開発や学術がやれば良いと思ってる会社も多いのです。

まとめ

MSLに将来性はあるのか?ということに関するまとめです。

・MSLを設置してない会社はこれからも前向きに検討される

・すでにMSLを設置してる会社で増員は考えられない

・MSLの仕事はMSLがやらなければならない仕事ではない(代替えが可能)

僕は正直MSLっている?って思うことはよくあります。

ただ、いてくれて助かったなって思うこともあるのも事実ですが、

MSLがやってる仕事は頑張ればできるんです。

しっかり勉強しておけば何の問題もなくできます。

10年くらい前のMRはみんなもっと勉強してたし、

最新情報には敏感だったし、

もしかしたら自分がプロトコール書くくらいまで臨床試験に詳しい人もいたと思います。

変にMSLという職種の人に頼る必要もないといえばないのです。

結局はMSLという部署がその存在意義を主張せずとも存在価値をしっかり、

見出せるように努力して行くことが必要なのではないかと感じます。




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