MSL(メディカルサイエンスリエゾン)への転職に必要な条件やスキルを解説するよ

MSLの転職

こんにちは、だいさくです。

最近ではMRからMSLに転職する人も増えてきましたね。

今(2017年)から5年位前なら結構簡単にMSLになれたんですが、

現在では結構厳しいです。ハードルが高い。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)は何をする仕事なのか

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の仕事を簡単にいうと、

自社医薬品を育てることです。

自社医薬品を育てる仕事は大きく分けると3つあります。

・企業主導臨床試験を行う

・医師主導臨床試験の支援をする

・論文作成の依頼や支援をする

MSLは会社によってはMA(メディカルアフェラーズ)という呼び名で

活動してる会社も有ります。

また、会社によっては、MSLもMAもどちらもある会社も有ります。



MSLの仕事をもう少し詳しく

もう少し詳しくMSLの仕事をお伝えすると、

上記の三点を満たすためには、

アンメットニーズを把握する必要が有ります。

医師や、患者さんのアンメットニーズを把握しそれを満たすためには、

医療従事者との製品及び疾患領域に関する科学的な情報交換とディスカッションであったり、

アドバイザリーボードミーティングを実施したり、

メディカルプランの実行を行うためにKOLマネジメントも必要になります。

MSLの仕事は元々MRがやっていた

私がMRに転職をした頃は上記にお伝えしたMSLの仕事は

基本的にMRが行っていました。

企業主導臨床試験だけは会社の開発部が関与してましたが、

医師主導試験なんかはそれを医師と一緒に行えることは、

超一流MRの証しでもありました。

その後、ノバルティスのディオバン問題や、

武田薬品のブロプレス問題をきっかけにMRが臨床試験や、

論文に関わることが一切できなくなりました。

これは私の私見ですが、ディオバン問題もブロプレス問題も

元々は会社の本部の人間が行ったことなので、

それにより、MRの規制を強化する事は矛盾してるんじゃないかと考えています。

MSLの登場で医師の負担は増大

その後、MRが行っていた臨床試験の支援や、

論文支援は全てMSLが行うことになりました。

全てと言っても、MRが支援していたプロトコールの作成などは、

基本的に全て医師が行うので、

医師の負担はMSLが登場したことによって

むしろ大きくなったといえます。

昔はMRが全て行っていたことを

MSLというポジションができたことによって

医師が全て行わなければならないようになったのです。

MSLはどんどん増えている

しかし、そんなMSLは各社どんどん増やしています。

MSLという職業ができた約7年くらい前はMSLを配置してる会社の

MSLの人数は平均10人でしたが、現在では平均22人といわれています。

元々MSLという職業を設置してなかった国内企業も

最近ではほとんどMSLという部署を立ち上げています。

むしろMSLがない会社はなんていうかダサイ、時代遅れ、

昔ながらの製薬会社、というイメージをどうしても持ってしまいますね。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)に転職するために必要なスキルとは?

では、製薬会社の花形!?的存在である、

MSLになるためにはどうすれば良いのでしょうか。

MSL(メディカルサイエンスリエゾン)の転職に必要な2つのスキル

MSLになるためには各社いくつかのハードルを儲けています。

ほとんどの会社で求められているスキル、key wordは2つです。

・理系

・英語

この2つです。

1、理系であること

これは必須です。

理系の基準は会社にも寄りますが、

薬学部・薬剤師、医学、獣医学等修士以上、

もしくは看護師や臨床検査技師であること。

社内公募などでMSLになれるのであれ文系の人でもMR経験があればなれるパターン

もあるかもしれませんが、転職のケースはMSLの経験があっても、

PhDや薬学部出身者や理系出身者、

ポスドク経験者でなければ受けられないケースが多いですね。

2、英語

英語力は大体TOEIC750点といわれています。

ただ、MSLの仕事は医師主導臨床試験や、

企業主導臨床試験を行うために

予算を取得しなければなりません。

予算を取得するためには外資系であれば本国と交渉する必要があります。

正直MSLになりたいのであれば英語がそれなりに喋れないとお話にならないと思います。

新薬の試験なども本国と協力して行う必要があるので、

英語力はTOEICの点数以上にスピーキングやリーディングの力も必須です。

英語力はかなり高いものが求められるのは確実です。

製薬会社の社員におすすめの英語勉強法7選!




MSLの基準は会社によって様々

基本的には理系、英語力が必要ですが、

会社によって理系の基準、

英語の基準が大分違います。

例えば、

GSK(グラクソスミスクライン)のMSLの基準

・薬学部・薬剤師、医学・獣医学の修士以上

・募集領域の専門的な知識を持っていること

・MSL、学術情報担当、臨床開発担当、もしくは開発モニターでディスカッションを必要とする業務経験が3年以上

・読み書きを行うことが可能な英語力

・英語で交渉可能な英語力

・ライフサイエンス系の博士号

GSKでは上記の能力・経験が必須になります。

バクスターのMSLの基準

・臨床研究経験または臨床試験経験または臨床開発経験

・理系出身の方は歓迎

・海外の論文や文献を読める英語力

・大学以上

バクスターのMSLの基準はこれくらいです。

これくらいなら30代のMRであればほとんど経験してます。

行う仕事はGSKでもバクスターでも大差は無いと思います。

MSLの基準は転職サイトでチェック

他にも、例えばイーライリリーなんかは、理系、英語の

基準に加えて、専門施設や大学などで研究職で2年以上従事した経験

必要だったりします。

一方では、MRの名刺をMSLに変えただけ?のような会社もあります。

そういった会社のMSLのハードは非常に低いのでお目当ての会社がある場合には

しっかり転職サイトを使ってチェックしてみた方が良いです。

ビズリーチは私も使用していますが、

「MSL」と検索するだけで網羅的に今募集してるMSL案件が

チェックできますので

お手軽に情報収集する事ができます。


会員制求人サイト『BIZREACH(ビズリーチ)』

MSLへの転職を本気で考えている方は、

案件があまり多く無いのも特徴ですので、

MSLの転職に強いエージェントはあまり無いですが、

こちらでまとめられています。

MSL転職サイトおすすめランキング!

MSLの現在の課題

各社がMSLというものを設置し、

会社にもよりますが厳格な採用基準を設けた結果、

でてきた課題があります。

それは、「コミュニケーション能力が乏しい」ということです。

理系=医学薬学知識に長けている、研究職経験

英語=ペラペラ

そんな高い能力を有してる人材の欠点がコミュニケーション能力です。

MSLの仕事は高い学術知識を有していればOKではありません。

重要なのはそれを生かしてアンメットニーズに答えていくことです。

そのために必ず必要なのがコミュニケーション能力です。

MSLの3人に1人は元MR

各社がMSLの基準を厳格にしてしまったために、

コミュニケーション能力に乏しい集団ができてしまったことが現在の課題です。

そこで、昨今ではMSLの3人に1人は元MRの人にしようという流れになっています。

社内異動でMRからMSLになることはそこまでハードルは高く有りません。

文系でも可能です。

ですので、上述したようなMSLに求められている資格

を有していないけどMSLになりたい人はとりあえずMRから社内公募で

MSLになるのが一番の近道になりそうです。

ただ、転職には不利です。

MSLとして転職したいとなれば、

どっちにしろ上述のような基準が現状では必要になりそうです。

社内異動でMSLになった文系出身者には少しきついかもしれません。

MSLの年収

MSLの年収は決して高くは有りません。

大体35歳で900万くらいといわれています。

年収で言ったら間違いなくMRのほうが高いです。

基本的に基本給以外に何も手当てが出ないので、

MRであれば営業手当てとか、日当がつきますが、

MSLになると一切ありません。

MSLをあきらめる選択肢

個人的に思っていることは、

MRがMSLを無理に目指そうとすると

あまりよくない結果になることがあります。

MRは基本的に営業職なので、数字で測られます。

しかし、MSLというのは基本的に個人プレーは厳禁です。

自分の判断でKOLに「その試験できます!」といって、

もしできなかった場合には

会社としても大きな損害を生みます。

正直、年収も自由度もMRのほうが断然高いと思います。

MSLにこだわらない、あきらめるのも一つの選択肢だと私は考えています。

最後に

いかがでしたでしょうか。

なんとなくでも現在の製薬会社がMSLに求めている、

スキルや資格をイメージしていただけましたでしょうか。

「理系であること」「英語ができること」

この2つがあればMSLになるチャンスは結構有りそうです。

興味のある方は是非チャレンジしてみてください!




コメント

タイトルとURLをコピーしました