製薬会社のMR領域制度廃止が相次ぐ!?なぜジェネラリスト制に戻す?

MRの今後

どうもこんにちは、だいさくです。

2020年度に入ってから外資系を中心に、

これまでの領域制度を廃止している会社が増えているようです。

個人的には結構びっくりしたのですが、

僕が聞いた限り、現状では外資系3社がその方向にすでに舵を切っているそうで、

実際にそのような組織運営になっている会社もあるそうです。

今日は領域制度廃止の内容や、その背景についてご紹介させていただきます。

製薬会社のMR領域制度廃止が相次ぐ!?なぜジェネラリスト制に戻す?




以前に中外製薬さんが、それまでの領域制度を廃止したことに関して、

偉大なる中外製薬が領域性を廃止したことについて現役MRの僕が思う事

領域制度を廃止して反乱が起きずに組織運営をするなんて、すごい!さすが!

って感じで書かせていただいたのですが、

まさか外資系でそんな事が起きてるとはちょっと予想だにしなかったです。

ただ、この領域制度廃止に関しては、会社によってだいぶ違うみたいですし、

背景にある理由も様々違うようです。

元々はジェネラリスト制度(1人で様々な薬を扱う)が主流の業界ではあったので、

これまでの専門性自体が特殊だったのかもという話もあります。

製薬会社のこれまでの領域制度とは?

簡単にこれまでの製薬会社の領域制度を振り返りますと、

例えば、A社でオンコロジー、プライマリー、希少疾患と3つの領域があったとします。

東京担当者が、

オンコロジー領域15人、

プライマリー領域50人、

希少疾患領域2人、だとします。

この場合当然同じA大学を担当する同じ会社の人間が3人いることになります。

これがこれまでの領域制度でした。

領域制度廃止の概要①

僕自身もMR歴は10年程度ありますが、

僕が入社した時代から上記のような制度を敷いている会社が多くありましたし、

当時ジェネラリスト制でも、

だんだん領域制に変化していった会社も多かったのでは無いかと思います。

ただ領域制度廃止!と言っても、

一人の人間が全ての薬剤を担当して、担当先を狭くするというわけでも無いようで、

実際には、例えば、上記の例で言うと、

オンコロジーの人間が1人辞めたとしたら、

他の県から持ってくるとか、新しい人材を外部から採用するなどをせずに、

他の領域から異動させることをマスト化させるようです。

狙いは転勤や異動を少なくする

昨今のトレンドとして、転勤や異動を頻繁に行うことによる弊害、

家族の問題や、単身赴任の増加を懸念する動きがあり、

そう言った問題に対する対策としての領域制度廃止が一つの理由だそうです。

特に人数の少ない領域だと、1人退職すると玉突き人事で、

3人動かさなきゃいけないみたいな事態になる事が珍しくなく、

1人辞める事で3人分の異動経費もかかることや、

家族や社員への負担も考慮した場合に、

例えばオンコロジーの人が1人退職や、本社異動などになった場合は、

プライマリーから1人異動させるなどの措置を取るようにするそうです。

もちろん逆も然りです。

なので今後はプライマリーもオンコロジーも関係なく領域間異動が当たり前になるような制度になっていくような組織運営をしていく会社が増えてきているそうです。

領域制度廃止の概要②




またもう一つのパターンはいわゆるジェネラリスト制に戻すような形で、

全員が自社医薬品全ての薬剤を担当する事で、

単純に重複担当者を減らし、担当範囲を狭めるような動きになります。

この背景として、

そもそも専門領域制が流行った理由は、

領域や扱う薬剤によって同じMRでも考え方や働き方が大きく違う事から、

そう言った制度を敷いたほうが合理的であり、

また領域制という社内ベンチャーのような形を敷く事で、責任の所在が分かりやすく、

機動力が上がるというのが理由でした。

しかし、昨今の販売ガイドラインの制定や、

それを強制的に遵守させるモニター制度によって、

領域毎のMRの活動にそこまで差が無くなってきているというのが理由になるそうです。

領域制廃止の一番の狙いはリストラ対策

あとは領域制を廃止することによって余計なリストラを行わずに済みます。

昨今だとオンコロジーは増員、プライマリーの方は減少という流れがどうしてもありましたが、

増員する領域は外部から人をとって、減少領域はリストラをするというのは、

やはりあまりにも非合理的であるため、

会社としては、

全員が自社医薬品全部を扱えるようになった方が舵取りが行いやすいというのがあります。

一方で領域制をガンガン強化する会社もあり

今後日本は、高齢者の数は増えるし、医療行為自体の件数は増えるけど、

薬剤費用は横ばいもしくはマイナス成長にすると既に宣言されております。

ですので、今後の日本国内の医療用医薬品市場に成長は期待できません。

世界的には2025年までに大体9%程度は成長すると言われていますが、

先進国で唯一日本だけは医療用医薬品市場はマイナス成長もしくは0%成長と言われています。

伸びない市場でこれ以上人員拡大は望めないことを考えると、

ジェネラリスト制へ戻す事はありえない話でも無いと思います。

しかし、当然ミクロで見ると今後成長する会社もあり、

新薬がどんどん出てくる会社もあります。

しかしそういう会社ほど、大きなマスを狙う薬剤ではなく、

特殊な治療薬や希少疾患に特化したものになります。

そう言った会社は今後少人数で大きな担当領域という流れになっています。

時代や会社の方向性によって取るべきアクションが分かれていっているのが、

今の一つのトレンドでは無いかと思います。

最後に

僕のような領域制全盛時代に入り育った人間としては、

マジかーって感じがします。

僕はあまり器用な人間では無いので、できれば領域制の会社の方が良いですが、

それぞれ考え方は様々ですし、ある意味では安心して働けるのかもしれません。

転勤をさせないようにするって、自分に都合の良い場所に住んでる人には良いですけどね・・・

一方の今後はもっと領域制強化というのは、

ある意味ではノバルティスさんのリストラ背景や、

営業所廃止制度はそのモデルになるのでは無いかと超個人的には感じております。

とにかく今後の医薬品市場氷河期時代を迎えるにあたり組織運営の方法にも、

各社様々な工夫をされているという事だと思いました。

ではまた!




 

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