どうもだいさくです。
私は27歳の時に年収270万円のトヨタの子会社からMRに転職しました。
私がMRになったのは2010年でした。
その頃はMR職はどちらかというと売り手市場で、
企業側が優秀な人材を確保しようと必死でした。
特に外資系は優秀な人材であれば他業種からでもどんどん引き抜いていましたし、
現在では完全に買い手市場となったスペシャリティ領域のMRである、
オンコロジーMRやCNS系MRも当たり前のようにMR未経験者を募集をしていました。
MRが減少している本当の理由を現役MRがぶっちゃける
そもそも、MR減少時代は本当なのか?
MR認定センターによると、
MRの人数は2013年度がピークで6万5752人でした。
2013年度をピークに徐々に減少を続け、
この3年間で2567人減り現在では6万3185人となっています。
最近では大日本住友製薬がリストラを行い、
主に営業部門が295人早期退職したこともニュースで取り上げられていました。
確かにこのMR認定センターのデータを見るとMRの数は減少しています。
※MR認定センター調べ
MR不要論は間違い
MRの人数が減少しているというニュースは良く出てきます。
すると決まってこんな声が聞こえてきます。
「MRはやっぱり必要無い」
微妙な文言は違えどこのようなネガティブコメントは本当に多いです。
MRが必要ないということに関しては、
半分本当で半分嘘です。
必要の無いMRは無くなり、
必要であるMRはより存在感を大きくして存在してます。
MRが減少している原因
そもそもMRが減少している理由は、
MRが必要無いからではありません。
MRが減少している一番大きな理由は、
これまで製薬業界でブロックバスターと呼ばれていた、
降圧剤や抗生剤、そして糖尿病系の薬、
いわゆるプライマリー領域の薬が相次いで特許切れを起こしたからです。
はっきり言って理由はそれだけです。
プライマリー領域=MR暴露量が大事
プライマリー領域の薬というのは競合品がとても多いのです。
患者さんが沢山いるということもあり、
開発がしやすいことも理由に挙げられます。
降圧剤なんかは同じような薬が10種類前後あります。
10種類あるということは血圧を下げたい患者さんが目の前にいた時に、
10メーカー、10人のMRがいるということです。
そこで、どれを使っても同じような効果が得られる降圧剤の売り上げを上げるためには、
MR暴露量が必要になるのです。
薬の効果うんぬんかんぬんではなく、まず自分を売り込む。
医師に尽くして尽くして自社医薬品を使ってもらう。
他社が何か企画を打ったら同じような企画を打つ。
それがプライマリー領域の売り上げUP=MR暴露量のUPといわれる所以です。
プライマリー領域の終焉
そんなプライマリー領域も終焉を迎えました。
理由は接待規制と後発品の登場です。
2012年4月からMRによる医師への接待は原則禁止になりました。
接待だけでなく、ゴルフや医師へのプレゼント関連も全て禁止になりました。
医師に尽くすことが仕事であったプライマリーMRは
完全に羽をもぎ取られてしまったのです。
医師側としても蜜がないプライマリーMRは必要ないと感じるようになりました。
MRが減少した理由の「MRが必要ないから」の半分本当の部分がこれです。
MRの接待規制の後におとずれた後発品の登場、
これで完全にプライマリーMRが終焉を迎えたのです。
本当にMRの人数は減っているのか?
プライマリーMRが終焉を迎えたことでMRの人数が減少したのは間違いないです。
確かにデータを見てみても2,567人減少しています。
しかし、MRの人数は減っても、
MSLの人数は倍以上に増えています。
残念ながらMSLの正確な人数を測る手段がありません。
こちらの記事にもあるよう5年前から各製薬会社に設置された、
MSL(メディカルサイエンスリエゾン)は毎年倍々ゲームで増加してます。
調査できた31社の平均在籍人数が約24人です。
31×24人=744人。少なく見積もってこれくらいいます。
ただ、ノバルティスのMSLは現在200人を超えていて、
中外製薬のMSLも100人を超えています。
現状では1,000人以上は間違いなくいると考えています。
MSLの仕事は5年前まではMRがやっていた
MSLの主な仕事は、
・医師への最新情報の提供
・KOL(Key Opinion Leader)のマネジメント
こちらの二つになります。
そうです、4,5年前(2012年頃)まで普通にMRがやっていた仕事です。
現在MRは、武田薬品のCASE-J問題、ノバルティスのディオバン事件をきっかけに、
学会情報などの最新情報の提供ができなくなりました。
CASE-J試験に関する 第三者機関による調査結果についてのお知らせ
その二つの事件をきっかけにMSLという職種が生まれたのです。
僕の勤めている会社にもMSLはいますが、
彼らの仕事は僕が普通に行っていた仕事です。
MRは2567人減少しましたが、
MSLという名前に変えて約1000人増えています。
会社によっては高いハードルを設けているところもありますが、
MR経験があればMSLになれる会社も多いです。
PMSモニターという職種も生まれた
皆さんはPMSモニターという職業を知っていますか?
これまたMRの仕事である、PMSや副作用の収集、報告、
市販後調査を中心として行う仕事です。
この仕事もMRが行っていた仕事を代行して行う仕事です。
現在はファイザーやノバルティスが各50人体制で行っています。
MRは減少していると言えるのか?
これまでのことを踏まえるとMRは本当に減少しているといえるのでしょうか?
MRがこれまで行っていた仕事をMSLやPMSモニターが代行して行っているだけと
言えばそのように感じます。
スペシャリティMRの存在意味
上述したようにプライマリーMRはもう終焉を迎えます。
しかし、これからは(もう既になっていますが)スペシャリティ領域の時代です。
これからMRを目指す方も、
他業種からMRに挑戦しようとしてる方は間違いなくスペシャリティMRを目指しましょう。
スペシャリティMRというのは大きく分けると、
・オンコロジーMR
→オンコロジーMRへの転職を考える人が抑えておくべき製薬会社7社!
・CNS系MR
→CNS領域へのメーカーに転職を考える人が抑えておくべき会社8社!
・希少疾病系MR
→希少疾病医薬品の製薬会社へ転職を考える人が抑えておく会社5選!
こちらになります。
特に希少疾病系の会社はMRでも年収2,000万を超えることがあります。
大変ですがやりがいもあるのでお薦めです。
中々狭き門ですが・・・
スペシャリティ領域は大変
ただ、スペシャリティ領域のMRは大変です。
医学のスペシャリストである医師に理論立てて自社医薬品がなぜ良いのか?
これをしっかり伝える必要があります。
常に最新情報をチェックしなければなりませんし、
自社医薬品だけではなく、
併用する薬、副作用の対策、投与方法の工夫から何から何まで、
スペシャリストにならなければなりません。
簡単ではありません。
しかしやりがいは抜群です。
MRの情報提供はAIに勝つ
MRの今後の話になると決まってMRの仕事はAIにとられるんじゃないかとか、
ネットが普及してMRはいらないんじゃないかとか言われることがあります。
断言します。
それは絶対にありえません!
むしろ、「いや、それググればすぐ出てくるし!」ってこっちが言いたくなることが
あるくらいです。
ネットには余計な情報も多いし、教えてほしいことを教えてくれません。
AIを使った情報提供はm.3がそれっぽいことを試みましたが失敗してます。
超絶忙しい医師に正確で、かゆい所に手が届く情報を届けることができるのは、
AIではなくMRです。
AIの一方的な情報提供は無意味です。
MRが直接行って届けるしかありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
MRの今後に不安になることは僕は無いと思います。
しかし、プライマリーMRはほぼ全員が不安を抱いていると思います。
今のスペシャリティ優勢の状況を考えれば当たり前だと思います。
プライマリーMRのかたはすぐスペシャリティMRに転職した方が良いです。
今後MRになりたいと思っている方も是非チャレンジしてみてください!
コメント