どうもこんにちは。
オンコロジーMRのだいさくです。
私は27歳の時にトヨタ系の会社から、
オンコロジーMRとして外資系製薬会社に入社しました。
当初はMRになりたいとだけ漠然と考えていて、
オンコロジーMRに大きなこだわりは有りませんでした。
しかし、面接の際「領域の希望は有りますか?」と言われ、
なんとなく「日本の死因の第1位は癌なので、癌に向き合ってみたい!」と答えたら、
オンコロジー領域に配属されました。
現在ではその外資系製薬会社は
未経験オンコロジーを募集してないので、
今考えると本当にラッキーでした。
MRの転職でオンコロジーは花形!
私が最初に転職をした外資系製薬会社では
オンコロジーの他に4つの領域がありましたが、
会社の利益を牽引しているのはオンコロジー領域がダントツでした。
そのため、オンコロジー領域で成果をあげた人間は、
昇給や昇格が、他領域よりも早い傾向にありました。
私はトヨタ系の会社で働いていた時の年収は270万円でした。
27歳で外資系製薬会社に転職したときは570万円。
オンコロジーMRとなり成果をあげられたおかげで、
その後は1年ごとに約100万円ずつ年収がアップしていきました。
32歳の時に初めて年収が1,000万円を超え、
35歳の現在では1,200万円になりました。
MRへの転職がオンコロジー領域で良かった
現在では国内の会社でオンコロジーMRをやっておりますが、
私は本当にオンコロジーMRでよかったと思っております。
給与面でももちろんですが、
やりがいも大きなものが有ります。
私は今まで先生と患者さんの話をして泣いたことが2回ほどあります。
それもオンコロジーMRになったからだと思っております。
そこで、今後オンコロジーMRを目指そうという方に、
外資系、内資系どちらのオンコロジーMRも経験した私が考える、
おすすめの製薬会社をご紹介させていただきます。
オンコロジーMRへの転職で抑えておきたい会社
1、武田薬品オンコロジー
【オンコロジー領域人数】約200人
【対象疾患】大腸癌・多発性骨髄腫・悪性リンパ腫
【入社難易度】☆☆☆☆☆
【特徴】
いわずと知れた、日本一の製薬会社。
オンコロジー領域が立ち上がったのが、2015年4月。
2017に新薬の上市を果たし一気に人数が増えましたが、
まだまだ募集はかかりそうです。
オンコロジーMR未経験者の入社はかなりハードルが高いですが、
可能性はあります。
実際何人かいるそうです(武田オンコロジーMR談)
武田に中途で入社する人間は、
以前の会社で№1だったMRが多いため、
業界内でも製薬会社で一番優秀なのが、
中途入社の武田MRといわれてます。
また、国内企業ならではの、
様々なキャリアプランも希望でき、
福利厚生、年収面は業界随一の呼び声が高いです。
【デメリット】
特に大きなデメリットは考えられませんが、
比較的ハードワークな会社だと言われてます。
薬のイノベーション度や
差別化に関しては他の外資系の方が優れていると思います。
自社で開発する能力が低くなり、
特にオンコロジー系の大型買収をしたので、
現在ではその買収先から出てきた薬剤を扱うことになります。
2、中外製薬 オンコロジー
【オンコロジー領域人数】約400人
【対象疾患】(主に)悪性リンパ腫・大腸癌・乳癌・肺癌 など
【入社難易度】☆☆☆☆
【特徴】
中外製薬は日本ではオンコロジーのナンバーワンの会社になります。
日本のオンコロジー治療のプラットホームを作り上げたと言っても過言ではありません。
現在ある薬もBest in classも多く、今後控えているパイプラインも優れています。
ただ、その多くは親会社であるロシュからの導入品になります。
中外はロシュパワーの恩恵だと揶揄されていた時期もありますが、
最近でもALK阻害剤のアレセンサの登場などで中外オリジンの薬も多く、
その評価はうなぎ上りになっています。
中外製薬にいたと言うだけで、入れない会社はないくらい評価は高いです。
【デメリット】
デメリットは特にはありませんが、
入社難易度は武田薬品と同様に高いです。
社風はゴリゴリの内資系で、
成果を出しても人より多く報酬がもらえたり、
早く出世すると言う社風ではありません。
中外製薬は比較的閉鎖的なイメージのある会社ですが、
結構中途入社を採用していますのでチャンスは多くあると思います。
新薬が出るタイミングなどはたまに募集がかかるので、
中外製薬に興味のある人はしっかり情報とっておいた方が良いと思います。
3、日本イーライリリーオンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約300人
【主な対象疾患】肺がん・胃がん・大腸癌・今後は乳癌
【入社難易度】☆☆☆
【特徴】
特に肺がん領域、
胃がん領域では敵知らずのオンコロジー専門部隊。
会社理念として、
「治療薬の無い疾患の薬を作る」「その領域でナンバーワンの治療薬を作る」
という理念からも分かるように、とにかく良い薬が多い。
よく効く薬なので、売れます。
泥臭い営業よりは、薬の本来のパワーで売っていける。
良いものを良いと伝えることが重要である。
また、成果をだせばすぐリーダー職やマーケティング職の道もひらけ、
実力のある人間にはとてもやりがいのある会社です。
オンコロジーMRとしての腕を磨ける会社です。
オンコロジーを希望しているのであれば、
まずこの会社を経験することは決して無駄にはならないと思います。
【デメリット】
アメリカの会社であることから、
女性が強いといわれてます。
管理職比率も女性が25%と他の会社より圧倒的に高いです。
ですので逆に女性には特におすすめです!
ただ、実際には70%くらいのMR及び管理職は男性ですので、
もちろん男性にも大きなチャンスはあります。
薬の質が良いだけに、
しっかり勉強をしてその良さをしっかり伝えられないMRには非常に厳しいと思います。
4、ブリストルマイヤーズスクイブ オンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約250人
【対象疾患】白血病・肺がん・皮膚がん・多発性骨髄腫
【難易度】☆☆☆
【特徴】
オンコロジーメーカーの老舗。
オンコロジー領域を作ったさきがけ的存在の会社です。
オンコロジーとしてのノウハウが構築されており、
オプジーボという免疫領域の薬をもっているので、
今後のオンコロジー業界としては非常に有利な会社です。
ちなみにオプジーボは小野薬品と一緒に売っておりますので、
小野薬品には入れなくてもブリストルに入ってオプジーボに携わることができます。
今後免疫療法の領域は非常に熱い領域ですので、
最初に経験しておくことで自分自身の価値をあげることもできると思います。
【デメリット】
一時期、オンコロジーとしては衰退していた時期が有り、
希望退職を行っていた苦い時代があります。
まだリストラしないだけマシではありますね。
再び次の新薬がでないとリストラを行う可能性があります。
また、比較的給与水準が低いといわれております。
5、小野薬品工業 オンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約200人
【対象疾患】肺がん・多発性骨髄腫・悪性リンパ腫など
【難易度】☆☆☆
【特徴】
小野薬品は現在ニボルマブと骨髄腫に対する治療薬であるカイプロリスの2つの治療薬を
扱っています。
どちらもOne of themの薬ではなく、
Best in classに近いとても良い治療薬だと考えられます。
しかし、こちらがニボルマブの類似品である、
MSDさんのキートルーダとの売上比較の図になりますが、
ニボルマブの方が先駆け的にでた薬剤ではありますが、
今後はキートルーダに抜かれていきます。
【デメリット】
小野薬品は今でもオンコロジーの人材募集は活発に行われています。
一時期、オンコロジー領域の人材を外から取ってきた際に年収が元々いたプライマリーの
方よりも高くなってしまい、社内反発がかなりあったとのことです。
そのため人材がかなり流動的になっています。
またニボルマブの売上不振の問題もあったり、
なぜか仮採用期間が6ヶ月と長期間に及ぶことから
バリバリのオンコロジー経験者からは敬遠されています。
そのためオンコロジー経験者以外の方にもチャンスがあると考えられますので、
治療薬自体はとても良い薬ですので、オンコロジー領域への転職を考えている方は、
是非情報をとって見た方が良いと思います。
6、ヤンセンファーマ オンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約250人
【対象疾患】多発性骨髄腫・悪性リンパ腫・卵巣がん・前立腺がん
【入社難易度】☆
【特徴】
ヤンセンファーマに関しても非常に良い薬が多いです。
売りやすいので、オンコロジーMRとしての腕をしっかり磨ける会社です。
今後の新薬に関しても医師から期待されている薬剤が多く、
患者さんの予後やQOL向上にも一躍できる魅力のある会社です。
また、比較的給与水準が高く、福利厚生も良いのでお薦めです。
オンコロジー未経験でもMR未経験でも幅広く採用しているのが大きな特徴です。
日本イーライリリー同様、オンコロジーMRとして一度経験しても良い会社だと思います。
【デメリット】
ジョンソン・エンド・ジョンソンが親会社のため、親会社の意向によって、
福利厚生が変動しています。
また、成果主義、実力主義のため成果をあげられないと
上司からの風当たりが厳しいです。
7、バイエル オンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約150人
【対象疾患】大腸癌・肝炎
【入社難易度】☆
【特徴】
オンコロジーMR未経験でも比較的入りやすい会社です。
本国がドイツなので、社風がやや日本の会社に似ています。
福利厚生もしっかりしており、
組合の力もあるので、雇用に怯えることがまず無いそうです。
現状ではやや薬のイノベーション度が低い薬が多いです。
会社の中でもオンコロジーよりは、
プライマリー領域が会社の利益を牽引しています
【デメリット】
平均年齢が大体42歳ということで、
結果をだした若手が活躍できる社風ではないと思います。
しかし、その分特にアメリカ系の会社と比べると
ややのんびりしているので、
雇用に怯えず淡々と仕事をしたい人には良いかもしれません。
もちろん、面接ではそのようなことを言うべきでは有りません!
8、MSD オンコロジー領域
【オンコロジー領域人数】約150人
【対象疾患】根治切除不能な悪性黒色腫PD-L1陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
【入社難易度】☆☆☆
【特徴】
MSDのオンコロジーといえばなんと言っても、
ペムブロリズマブ※商品名キートルーダになります。
アメリカのFDAでは癌腫に関わらず、
「MSI-Hまたはミスマッチ修復欠損を有する転移性の固形癌患者」
という適応を取得しました。
これはこれまでのように、乳癌、肺癌などの取り方ではなく、
この遺伝子欠損を有する人であれば誰でも使用して良いという非常に画期的な
適応の取り方になりました。
オブジーボの二番煎じ的な位置づけだったのが、どんどんオプジーボよりも
良い成績を出したり、適応を拡大してます。
オブジーボでさえ日本で1000億以上の売り上げが有りますが、
恐らくそれ以上のものが見込まれる今後かなり注目される薬であり企業になると思います。
現状オンコロジー未経験者を採用してるイメージは有りませんが、
今後は分かりませんので引き続き情報をキャッチしておくと良いと思います。
MSDのリストラ2017年
ただ、MSDは2017年にリストラも行ってますね。
早期退職ですが、40代以上250名をリストラの対象にしています。
理由はいまだによくわかりませんが、
特に年配者はその辺は考慮しても良いかもしれませんね。
9、アッヴィオンコロジー
【オンコロジー領域人数】2019年に新規立ち上がり予定
【対象疾患】慢性リンパ性白血病・多発性骨髄腫 etc
【入社難易度】☆
【特徴】
ヴィキラックス(C型慢性肝炎)やヒュミラで大成功をしているアッヴィですが、
2019年にベネトクラクスという薬剤が多発性骨髄腫に対して日本で上市される
ことが決定してます。あとは、慢性リンパ性白血病の治療薬もほぼ確実に
上市されることになります。
今後かなり注目されるオンコロジー系の会社になります。
2025年のオンコロジー領域のランキング予想では世界3位になると書かれていますので、
この会社は要チェックです!
10、ノバルティスファーマ
【オンコロジー領域人数】約400人
【対象疾患】血液チームと固形チームに分かれています。
【入社難易度】☆☆
【特徴】
ノバルティスは上記の図の通り、
ほとんどの新薬がノバルティスのオリジナルになります。
今回紹介した会社の中ではダントツで創薬の力がある会社です。
紹介順位は10番目ですが、
チャンスがあれば絶対チャレンジした方が良い会社です。
ノバルティスは実は中途入社を受け入れているオンコロジーの会社の中では
オンコロジーの売上高は一番です。本当の1位はロシュ(中外製薬)ですが、
中外はオンコロジー未経験者は入社できません。
2015年にGSKのオンコロジー部門を買収してさらにパワーアップしました。
オンコロジーの中では本当に有名でとても凄い薬である、
グリベックを扱えます。あとはタシグナ、アフィニトールなんかも凄い薬ですね。
オンコロジー未経験であれば転職サイト登録は必須!
ちなみに、オンコロジー未経験であれば、
転職サイトには必ず登録しておいた方が良いです。
最近はオンコロジー領域への転職者が多いので、
1人で考えて受けるよりも転職サイトのエージェントの
ノウハウを利用した方が良い転職に繋がります。
オンコロジー製品はどういった製品がものになるか分からない領域でも有りますので、
いきなり募集がかかることもあります。
こちらの記事は、私がこれまで3度の転職を経験して、
転職エージェントやサイトをしっかり比較して書いた記事になりますので、
ご参考いただければと思います。
最後に
私は、最初からオンコロジーMRでしたが、
オンコロジーMRであるということは
他のプライマリーMRからはうらやましがられますね。
医師から求められて良いなと。
ただ、勉強もかなり大変ですし、
患者さんは自分でもびっくりするくらい早く死んでしまいますので、
最初は少し参ってしまう部分もあるかもしれません。
ただ、今後のMRのあるべき姿は恐らくオンコロジーMRのような、
専門性のある、スペシャリストであることに間違いは有りません。
私はなんとなく選んだオンコロジー領域ですが、
本当に幸せなMR人生を送れています。
是非挑戦してみてください!
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