オンコロジーMRの転職に成功するための事前準備とは?【読者さんからのQ&A】

オンコロジーMR

みなさんこんにちは。

現役MRのだいさくです。

私のブログを読んでいただいた読者さんから、

ご相談をいただきましたので、私なりの考えを書いていきたいと思います。


こうきさんより

だいさくさん初めまして。 いつもMRの話から髪の話まで感心しながら記事拝見しております。 このたび内資プライマリーから「時代遅れのw」外資オンコロジーに転職が決まりました。 ちなみにだいさくさんと同じく27歳での転職です。 まだ入社まで余裕があるので限られた研修期間で効率よく基礎知識を学習できるように今から勉強しておこうかと考えています。 というのも私は地頭が悪く講義形式の学習では全く頭に入らず自己学習で知識を集積する人生を送ってきたので、少しでも講義形式の研修を有意義なものにする為に事前に出来る限り勉強しておいた方が良いと思ったからです。 そこで だいさくさんにおススメの書籍などあれば教えていただきたくコメントしました。 その他アドバイス頂けると嬉しいです! 宜しくお願い致します。


こうきさん

こんにちは。まずは転職おめでとうございます!

27歳の時って色々考える時期ですよね。

製薬会社という安定した業界にいながら、

自分の将来を見据えて決断するというのは簡単なことではないし、

勇気のいることだと思います。是非がんばって下さい!

また、コメントありがとうございます。

いただいた、ご相談内容からこんなタイトルを付けさせていただきました。

オンコロジーMRの転職に成功するための事前準備

こうきさん
「限られた研修期間で効率よく基礎知識を学習したいので今から勉強しておきたい」

→私が現在の国内製薬会社に入る前に行った事前勉強をお伝えしますね。

ガイドライン→医師の考え(講演、文献)→ASCOバーチャル

事前にできる準備としては、まず最初にガイドラインを読みます。

ガイドラインには治療の基本が全て書かれています。

書籍を購入しなくても、「~~癌 ガイドライン」で調べれば出てきます。

ステージⅠからⅣまでを全て読んでおいた方が良いと思います。

ステージⅢB~Ⅳは熟読したほうが良いと思いますが、

early stageは熟読しなくて良いと思います。

癌の種類にもよりますが、肺がん以外の固形癌は外科の先生が抗癌剤治療も一緒に行っている

ケースが多いので、外科の先生の目線で話についていけるように、

外科治療の部分も目を通しておいたほうが良いと思います。

特に消化器系の癌はステージⅣでも切除するので、

消化器系を担当するのであれば

間違いなく読んでおいた方が良いです。

しかし、early stageをそんなに詳しく勉強する必要は有りません。
(詳しく勉強してもすぐ忘れます)

なんとなく、こんな流れでこんな治療をするんだな~くらいで良いと思います。

医師の講演を聞く

え!?事前にできんの?って感じだと思いますが、

最近はYoutubeで検索すると市民公開講座の様子なんかが、

出てきたりします。

もしくはガイドラインを書いている著明な先生の名前で

検索すると出てきたりもします。

あとは、製薬会社によって見れたり見れなかったりあるみたいですが、

m.3が提供している、CiWORKSで最新論文を著明な先生がご自身の意見を交えながら

解説してます。(CiWORKSの論文紹介は医師専用サイトです)

m.3CIWorksオンコロジー

このCiWORKSは医師もガッツリみているし、とても参考になります。

もし今の会社でみれるシステムがあればチェックしておくと良いと思います。

ただ、医師の講演は事前にチェックするのは限界があります。

入社してから会社のイントラにMR勉強用に保存してあるのがあれば、

それは絶対みた方が良いです。

その中で伝えられている自社医薬品の訴求ポイントは必ずメモにとって

覚えておくといつか使える時が来ます。

現場に出てからも積極的に医師の講演は聞きに行った方が良いと思います。

あとは、文献です。

担当する薬剤の代表的な文献は必ず目を通しておいた方が良いと思います。

文献を読む時は基本的な内容ももちろんですが、

ディスカッションをしっかり読んだ方が良いと思います。

ディスカッションの中に、例えばポジティブな試験の場合は訴求ポイントが、

ネガティブな試験の場合は言い訳が書いてあるので、現場でそのまま使えます。

ASCOバーチャル

ガイドラインや講演、文献で現在の基本の治療を勉強した後は、

ASCO(アスコ)のバーチャルで今後の治療の流れを勉強します。

ASCOは米国の臨床腫瘍学会で、

特に固形癌に関してはASCOからエビデンスが出てくることが多いです。

血液癌はASH(アッシュ)です。

ASCOバーチャルミーティング

ASCOバーチャルは本当に便利で、プレナリーセッションなど重要な講演は、

録画で見れてしまいます。

なのでASCOに行かなくても講演者が何をしゃべってるか聞けてしまいます。

無料でみれる講演もあれば、会社がお金を払ってないとみれないものも有りますので、

とりあえず、ご自身が今後扱う薬を検索に掛けてチェックしてみてください。

あとは、発表者がASCO側に提供したものであれば(基本的には提供してます)

ポスター発表でも全部みれます。

今後どの疾患で開発が進んでいて、どの薬との併用をどのラインで行っているのかが

分かります。その知識は自社医薬品そのものの知識よりも

もしかしたら現場で多く使うことになるかもしれませんので、

今後のためにもチェックしておいて損はないと思います。

もし、消化器系を扱うのであれば、毎年1月頃にASCO GIが行われます。

ASCO GIの内容も一緒にバーチャルに入ってます。

ちなみに、消化器系はググれば、結構いろんな情報が取れます

「消化器癌の広場」とか、中外製薬さんのサイトにも沢山載ってます。


消化器癌治療の広場

是非ご参考ください!

※ちなみに血液癌のASHのヴァーチャルはありません。。。

それを踏まえて、、研修で意識したほうが良いこと

オンコロジーはとにかくしっかり自社医薬品の利点をお医者さんに

訴求しないと成果が出ません。雰囲気では使ってくれません。

お医者さんのタイプに合わせて訴求方法を変えるのが重要だと思います。

訴求する時に一番注意することは、

「患者さんの利益を一番に考える」

これが本当に重要なんです。

患者さんにとって何が一番利益か?を踏まえて訴求しないとDrが話を聞いてくれません。

事前に勉強する方法は先ほどお伝えしたもの以外にもあるとは思いますが、

とりあえず上述のことを一通り行えば事前知識としてはOKだと思います。

それを踏まえて実際研修に入った時に意識した方が良いことがあります。

意識するというより、研修が終わった後の自分のあるべき姿です。

・医師から、なんでこの薬(自社医薬品)は他の薬よりも良いの?と聞かれたときにはっきりと「なぜ、うちの薬が良いのか?」を理論立ててバシッと説明ができている。

・医師から自社医薬品に関するどんなネガティブ意見にも何らかの応酬話法(反論)が言える

・現場に出た時に、担当施設全てにすぐに説明会が行えるようになっている

この状態になるまで自分のスキルを持って行って、実際現場にでたら担当施設全てに

説明会を行うのが良いと思います。(そのたび重なる説明会が終われば既に現場にいる優秀な人と同じレベルにかなり近づいてると思います)

医師によっては、

人間関係をしっかり作ってからじゃないと話を聞いてくれない人もいますし、

そんなの関係なくガツガツ訴求した方が良い人もいます。

そこは営業センスで医師のタイプによって自分のアクションの仕方を変えて

成果を出すために、やれることは何でもやるくらいの気合でのぞめば、

3ヶ月もあれば成果が出ると思います。




「私は地頭が悪く講義形式の学習では全く頭に入らず自己学習で知識を集積する人生を送ってきたので、少しでも講義形式の研修を有意義なものにする為に事前に出来る限り勉強しておきたい」

→私も地頭は良くないです、他人に教えられるより自分でまず勉強しないと頭に入りませんので、気持ちが良く分かります。一応私が考える事前にできる勉強は先ほどお伝えした通りです。講義形式の研修は確かに退屈ですよね。ただ、それはまだ余裕があるんだと思います。私がこれまで2社で受けてきた研修(外資系オンコロジー、内資系オンコロジー)の内容を参考にお伝えしますね。

研修の方法や内容は会社によって様々

私が27歳の時に転職してオンコロジーMRとして最初に入った外資系製薬会社は

研修がかなりハードでした。それはMR経験者でも、未経験者でも同様でした。

約一ヶ月間の製品研修でしたが、

インプットとアウトップの量が膨大で、死ぬかと思いました。

入社が決まってから、確か、6冊くらいのオンコロジーに関わる書籍、

看護師の勉強用だったり、ガイドラインだったりが送られてきて、

入社初日に100問くらいのテストがありました。

私と同じ中途入社のオンコロジー経験者は90点前後取ってましたね。

私は結構勉強したつもりでしたが、23点でした(笑)

外資系オンコロジーの時の研修の一般的な流れです。


8 :45~ 9:15   小テスト(前日にインプットした分)
9 :30~12:00  説明会の予演(くじ引き)とロールプレイ(前日にインプットした分)
12:00~13:00 昼食
13:00~17:30 インプットとチームディスカッション(翌日に小テストとアウトプット有)


私は外資系に入社した時はMR未経験だったので、かなり大変でした。

17:30分に終わっても、次の日のテスト勉強や、説明会の練習をしていると

いつも24時を回っていました。

次の日にアウトプットが待っているのを分かっていたので、

講義形式の学習がつまんないといっている余裕がなかったのです。

次の日どころか、講義の最中にいわば素人の私に、

「この試験の訴求ポイントはどこだと思う?」「なんでそう思うの?」と、

フィールドトレーナーに聞かれるんです。

もちろん私だけでは無く、1日の中でほぼ全員が当てられて自分の意見を求められます。

だから、いつも講義を聞くときは「この講義が終わった後に必ず自分に意見が求められる」

そんな風に思いながら聞いていました。

ただ、その時の経験は現場でかなり活きます。

というよりその繰り返しでもありました。

現在国内の会社で働いて3年経ちますが、その辺は本当に文化の違いを感じます。

外資系にいた時は、MR未経験者だろうと、

自分の意見をしっかり言えないヤツは何も考えていない、

やる気がない、みたいな雰囲気がありましたが、

逆に現在の国内の会社ではみんなと歩調を合わせることを求められます。

ちなみに、私が現在勤める国内製薬会社の研修の1日です。


8 :45~12:00 講義
12:00~13:00 昼食
13:00~17:30 講義or自習(ほとんど自習)


面白いですよね。外資と内資でこんなに違うんです。

私が入社した時はオンコロジー領域が正式に立ち上がってなかったので、

オンコロジーの研修内容が充実してなかったこともあります。

講義の内容の大半は生活習慣病の内容でしたし。

私は外資系の時の研修イメージがあったので、

入社する前にかなり勉強しましたが、完全に空振りでした。

しかし、自分でしっかり勉強の仕方を身につけていましたし、

現場にでてからやることも確立できていたので、

研修内容が充実していなくても全く困りませんでした。

だいさくさんにおススメの書籍などあれば教えていただきたくコメントしました。

→私は字を読むのも書くのも大好きなので、おススメ書籍は沢山あります。ちまたでは、スーパーMRになるために!みたいな本が何冊か出てますが、ほとんど意味なんてないです。そんなこと知ってるよ!っていう内容のものが多いです。

私のお薦め本を三冊紹介させていただきます。

一番目のおススメは「山口真由さんの7回読み勉強法」です。

 

かなり長文になってしまい、すいません。

私はオンコロジーMRしかやったことがないのですが、

とにかく日々勉強って感じです。

常に新しい情報がアップデートされるので面白いです。

転職する勇気、新しい環境に挑戦する心があるので、

きっと大丈夫です。自信を持ってがんばって下さい!

私もがんばります!






 

 

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