どうもこんにちは、だいさくです。
最近現場のMRの方への販売目標の設定方法が刻々と変化してきているらしく、
なんかちょっと聞いてて面白かったので、
今日は最近の販売目標設定の方法についてご紹介させていただければと思います。
MRの販売目標の設定方法が刻々と変化してきているらしいという話
昨今ご存知の通り、MRに対する厳しい情報提供のガイドラインが制定されたり、
思惑通り?医療用医薬品販売ガイドライン施行後現場はどうなったか考察
そのガイドラインをしっかり守らせるための、
医療従事者からの覆面制度も本格的に導入され久しいです。
厚労省モニター調査の結果違反疑いが74件、MRを監視の必要な職業にしたのは誰だ?
MRの存在価値を厳しくさせた要因の一つが販売目標の設定方法
今のMRの活動に著しく制限がされた要因というのは様々あるのはあるのですが、
その一つの要因が適切でない販売目標の設定方法だと言われています。
今、その販売目標をどのように設定したら良いのか?
これは大手や準大手の会社を中心に今でも議論になっていて、
製薬会社への就職を考える学生に知ってほしいブラックな製薬会社の特徴
こちらの記事でも書きましたが、
しっかりとした理論的な数値から算出された販売目標を設定している会社は、
もちろん存在しているんですが、
実は元を正すと、ただの「理想」から算出された販売目標を設定している会社というのがあります。
理想というのは、上の人が「これくらい売って欲しい」というよく分からない理想からの算出、
他社がこれくらい売ってるなら、うちならこの倍は売れるでしょ!とかいう理想からの算出、
また僕が聞いたことがあるのは、
「薬価が安くついたから当初の倍売ってきてください」からの算出、
患者の数から設定してしまうとボーナス出すぎてしまうから高めに・・などなど、
その理想が何故出てくるのかは、
株主が背景にいたり、
日本のトップがグローバルに大口叩いてしまったとか、
逆にグローバルの描く理想に日本のマーケ部などが「NO!」と言えなかったり、
色々な要素があるんだと思いますが、
とにかく「理想」から算出された販売目標を設定している会社というのがあります。
これは本当に大きな問題で、
こういう販売目標の設定をしている会社には絶対に入社してはいけません。
そしてその「理想」から算出された販売目標を達成するために、
営業部隊(マーケティング含み)は奮闘するわけです。
理想から算出された販売目標を達成するために不正が起こる
僕は最初の外資系の会社にいた時に、
新薬が出た際、その1、2年目は大体6割程度のMRが達成できるものであると教えられました。
それは何故かというと、
しっかりとした患者数から算出した販売目標だからで、
お医者さんというのは基本的には新しモノ好きなので、
良い薬であればあるほど、
思い描いていた患者数よりも使われてしまうからと言われてました。
ただまぁ逆にそういう良い薬を作れる大きい会社ほど、
自分が勉強してなかったり、
価値を伝えられる力がないとすぐクビになる会社が多かったりもするんだけど、
とにかくよく分からない過剰な理想から算出された販売目標が、
現場の大きな負担となって、
それを達成しようと、遠回しに患者の体に薬を詰め込む「期末詰め」が行われてしまったり、
湾曲した情報提供が行われたり、嘘つきまったりということが起きてしまい、
今の厳しい環境を作ってしまった一つの要因としてあげられています。
昨今の販売目標設定が変わってきてる
本社からのMRへの販売目標設定に大きな問題があって、
それが色々な問題を生み出してる一つの要因だよねということはやっぱり明らかで、
色々試行錯誤されている中で、
昨今の販売目標設定の仕方というのがどんどん変わってきているので、
ご紹介させていただきます。
1、自分で設定する
販売目標自体を自分で設定するという方法をとっている会社が出てきているそうです。
これは、元々いわゆる理想から算出された販売目標を設定していた会社で、
いま試みをされているらしく、
自分のテリトリーはこれくらいのポテンシャルで、
これくらいの患者数がいて、
他社品はこの程度で、
などなど自分で営業部長などに細かいプレゼンを行って、
その末に販売目標は自分で決めてそこで承認をもらうんだそうです。
もちろん提案をリジェクトされたりすることもあるんですが、
現場を知らない方は現場を知る良いきっかけになったり、
営業は本社の考え方を生で知る良いきっかけになったりするので、
実はとても良い相乗作用があるんだそうです。
当然自分で決めたからには絶対達成する!というやる気にもつながるし、
同じことでも他人からやれって言われてやるのと、
自分からやると決めたことでは後者の方がパフォーマンスが倍以上良いというデータもあります。
ただこの方法はどうしてもヘッドクォーターが日本にある会社の方が、
オペレンスを取りやすいので、内資向きなのかも知れません。
僕なら正直めんどくせって思っちゃうけど、へ〜って感じですよね。
2、学会の患者登録から算出
これは実は、弊社なのですが、
うちの会社が扱う薬ってめっちゃ希少がんで、
患者数が全部わかるんですよね。
なので、販売目標ってあってないようなものというか、
結局患者数がわからないから変な理想が生まれてきたりする部分があるんですが、
ほぼ間違いない患者数がわかるので、
全てここから算出されています。
ただ、これは僕が今いる会社以外にもこの方法は取られていて、
実際の患者数+候補患者を確認することで販売目標が決められます。
希少疾患を扱ったことないとあまり想像できないかもですが、
候補患者を見つけることも実は大きな仕事だったりするので、
そこが目標値になっていたりします。
一時期のアレクシオンさんなんかも同じ手法を取っていたと記憶してます。
なので、結構ゆるいんですよね。(アレクシオンさんが緩いわけではない)
本当に。弊社は非常に緩い会社だと思います。
ボーナスも個人目標というよりは、会社の係数の方が割合が大きいです。
最後に
製薬業界の置かれる環境も変化しているし、
当然開発費用の方向性やこれから出てくる薬剤の種類も変わってきて、
MRを取り巻く環境も変わってきているので、
販売目標の設定の仕方も変わってくるのは当然だと思うし、
色々試行錯誤されているんだなぁって思います。
販売目標は士気をあげるものでもあれば著しく下げるものでもあるので、
中々入社する前にその辺はわかりづらいですが、
終わってみたら達成したの3人くらいしかいませんみたいなのは本当に嫌ですよね。
ただ、これまでのような競争ありきのキツめの販売目標がなくなってくると、
成果報酬型の職種じゃなくなる気がしますよね。
基本的にMRの年収が比較的高いのは、
儲かってる業界で成果報酬型の職種だからというのがあるので、
今後MRの年収って高くはならないのかなぁなんて事を、
今回書きながら思いました。
いや、でもやっぱり売ってくる人が重宝されるよなぁと思ったりはめっちゃしますし、
良い感じの販売目標はやる気がみなぎるのも事実ですよね。
皆さんの会社の販売目標はどんな感じで設定されてますでしょうかね。
ではまた!
コメント
基本的に市場自体のポテンシャル、他社品のシェアや年次推移を参考に計画は立てられることが多いんですかね。
この辺て、会社から有無言わさずトップダウンで降りてくるから文句言うだけ無駄で、言い訳や苦戦するロジックは用意しとくぐらいですね汗
最近は詰める文化というのも薄まってきたと思うし、内資も外資も大手・準大手クラスは詰めなくなってきましたよね。
どうもです!
最近、詰める文化薄まってきたんですか?それは本当に何よりですね。
大手から変わっていくと業界全体が良い方向に行くでしょうね。
ありがとうございます!