がんと生きる緩和ケア医40の言葉、悲しくなるけど是非読んでほしい

おすすめ本書評

どうもこんにちは、だいさくです。

ちょっとですね、読み立てホヤホヤの本を是非ご紹介させていただきたいんですが、

まぁ正直言うとですね、この本、あくまで僕の個人的な感想なんですが、

この本の帯にはリンパ腫に罹患されたフリーアナウンサーの笠井信輔さんの帯がついており、

そこにはがんの本なのにこんなに面白くていいの?って書いてあるんですが、

まぁ確かに明るい気持ちにはなるし、自然と笑ってしまうような場面もあります。

きっとがん闘病中の方が読んだら絶対勇気をもらえるんだと思うんですが、

ただ、その反面、

所々なんというか、気持ちが落ちてしまう本だったりします。

とても読みやすいんですが、少し悲しい気持ちになってしまう本。

でも、癌に関連するお仕事をされている方には是非読んでもらいたいです。

別に内容が特別暗いわけでは無いんですが、この底抜けの明るさと言うか、

前向きさに逆に辛い気持ちを覚えてしまったりもしてしまうと言うか・・・

「書評」と言うものを書くような種類の本では無いので、

僕の感想を綴っていければと思います。

著者の緩和ケア医:大橋洋平先生とは?




どうしても医薬品業界で働いているとドクターのご略歴は気になると思うので調べてみました。

今回ご紹介してる本の著書である大橋洋平先生は、

1963年に三重県でお生まれになり、現在58歳。

三重大学医学部を卒業され、

総合病院の内科医を経て、2003年に大阪の淀川キリスト教病院で1年間ホスピス研修、

翌年の2004年から現在の勤務先である愛知県JA厚生連海南病院の、

緩和ケア病棟で勤務されています。

医師として30周年を迎えた2018年度に、

希少がんである「消化管間質腫瘍」いわゆる”ジスト”が発見され手術。

その後抗がん剤治療を続けながら仕事に復帰されています。

ちなみにですが、最初で最後の著書として書いた”緩和ケア医が、がんになって”

こちらが初めての著書だったんですが、

最後のお願いやからみんなこうてや〜と言ってとても売れた本なんですが、

今回の本はおかげさまでまだ生きとるからまた書いたで〜、

本当の最後のお願いやからこうてや〜と言って書いたのが今回ご紹介してる本になります。

書籍の中で、最後のお願い詐欺や!(笑)と友人の方から言われているという部分があったりして面白いです。

この本は”正直”な本

この本を一言で表すならとても正直な本です。

え?たとえ自分が癌になったとしたって、お医者さんがこんな正直に言うの?

って言うくらい医者として、そして癌患者として正直に書かれた本です。

ご自身の癌は残念ながら根治は難しいのですが、

いわゆる癌サバイバーの方に対して正直に嫉妬しています。

癌は辛かったけど、あんたたちはそれはもう過去のものなだけええやないかと。

ワシらは辛い闘病を頑張っても、再発してしまったんやと。

でも、ちょっとした咳でも、もしかしたら肺に転移してる?と、

実際サバイバーの方も再発に怯えている現状があったり、

抗がん剤や手術の後遺症が今でも残っている人がいたり、

サバイバーの人にはそれはそれで辛い現状があるんやぁと、

ご自身は緩和ケア医にも関わらず、自分が患者になって初めて見えてくる景色があるようです。

コロナのワクチンも健康人は、腕が痛い、発熱がキツイetc、

勝手なこと言ってんじゃ無いよと。

ワシなんて白血球がそもそも少ないから、

熱もでんし、だるさも無いし、ただ腕が痛いだけや。抗体ができてかも不明や。と。

まぁでも結局コロナに感染してないので、ワシ、抗体あるんちゃう?となってますが(笑)

なぜこの本は少し悲しい気持ちになるのか




冒頭に、なんだか少し悲しい気持ちになる本とお伝えしましたが、

正直はっきりと理由は自分でもわからないのですが、考えてみました。

著書の中に、

”もしかしたらみんな、元気なうちは、幸せに「なる」事ばかりに目が行きすぎて、今、幸せで「在る」事を疎かにしてるんと違うんかな・・・って”

と言う文言があるんですが、

皆さん今幸せですか?

私は何も言うことがないくらい幸せだ!って言う人の方が少ない気がします。

でも、普通に歩けること、食事ができること、愛する人がそばにいること、

私たちにとっては当たり前のことが、幸せと感じるくらい、

やっぱり辛いんだなぁなんて思ってしまったんですよね。

確かにがんのお薬を販売してると、

なんとなく普通の人より「死」を意識する時間が多いと思います。

でもここまでなんと言うかリアルに感じたことが実はなかったのかなぁなんて考えて、

ちょっとオチてしまいました。

とても明るく、前向きに書かれてはいるんですが、

やっぱ昨日までとても仲良くしていた人が旅立ってしまう事を何度も経験されているお話を聞くと、

悲しい気持ちにはなってしまいます。

こう言った末期癌の患者さんの本とか、

闘病中の方の闘病日記とかってそれこそ何度も読んだことがあるんだけど、

ちょっと言葉は悪いんだけど、そう言う本って、

カッコつけて難しい文言がよく出てくるんですけど、

この本はなんというかお医者さんだからこそ使えると言って良いような、

緩い言葉、それこそ目の前でこの大橋先生が喋っているような感覚で読める不思議な本です。

だからこそのリアルというか、あまりにもリアルに見えてきてしまって、

少し悲しい気持ちになったのかもしれないです。

がん患者特権を応援したい!

本の中の大橋先生は元気そうですが、実際はかなり辛い状態にあるようです。

抗がん剤の副作用で足の裏の皮が破れ、まともに歩けない、

胃のほぼ全てを切除しているため食事も取れない。

体重100kgあった大食感は現在60kgまで減っている。

その中で、なぜがん患者特権がないんだ!と声高に叫ばれているんですが、

確かに考えてみると、癌って昔と比べるとずいぶん早期発見率も高くなり、

いわゆるサバイバーも増えてきた、

それでなくても予後が長くなっている中でなぜがん患者に対するケアを医療者以外の人が、

積極的に行うような世の中にはなってないですよね。

妊娠中の方にマタニティーマークがあるように、

がん闘病中のひとにもあっても良いし、

電車やタクシーを半額にしたり、飲食店を割引にしたり、

大橋先生は通院が朝のラッシュにぶつかってしまうと、相当しんどいと訴えていて、

座れないし、呼吸器機能も落ちているとそれだけで呼吸困難な状態になってしまう。

女性用車両も良いですが、がん患者用車両なんかがあっても良いのかなぁって本気で思いました。

もしかしたらそれで、患者さん同士の情報共有だったり、

精神の安定に繋がったら良いのかなぁなんて。

周りの人ってマタニティには気付いても、

がん患者には気付かないですよね。

それってどうなのかなぁって思いました。

かなり声高に内閣総理大臣にも伝えたりしているようですが、

中々実現できないみたいです。

具体的に何をしたら良いのかわからないですが、もし自分に何かできる機会があれば、

僕も参加したいなと思いました。

製薬会社の社員としてやっぱり良い薬を届けたい!

僕は昔から逆転するドラマとか物語が大好きなんですが、

何やっても全然ダメな人が、何かをきっかけに努力してどんどん自分の人生を逆転していくような、

わかりやすいところで言うと、半沢直樹的な、はじめの一歩とか。。

僕は実は何度かこう言った末期の患者さんが、

素晴らしい医薬品の治験に入って投与を受けたことによって、

劇的な回復を見せたケースを知っています。

肺癌でも、それこそ血液癌でも。。。

きっと長く癌の領域を経験されている方は身に覚えがあると思います。

そして、いつもこういう末期癌の患者さんの本を読むと、

医薬品の力で大逆転するような未来を夢見てしまいます。

こう言った人が劇的な回復を見せたり、根治が難しい患者が根治できるようになったり、

今まで無理だと言われていたことがいとも簡単に奇跡のような効果をもたらす薬がありましたが、

そんな薬にもっともっと携わっていきたいなぁと、

自分も微力だけどその一助になれると嬉しいなってやっぱり思ってしまいます。

最後に





これ以上書いてしまうと本当に長くなってしまうのですが、

末期癌患者さんのアンケートで、後悔してることの一つに、

「もっと自分らしく生きれば良かった」ってのがあるんですが、

本の中に、人の目は気にしない、気にして良いのは己の目っていうのがあって、

人の目なんてな〜んもしてくれへんでぇと。

人の目気にする事は、言い換えれば己の目を他人に乗っ取られてるって言ってて、

なんというか、ハッとしたりしました。

変な言い方なんですが、自分が病気になったらこういう患者になりたいって思わせてくれる本で、

自分のこれまでの人生や、これからの人生を考える一冊にもなります。

実は、大橋先生コロナの影響もあって緩和ケア病棟がコロナ病棟になってしまったりで、

今は常勤ではなく非常勤で働かれています。

貧乏やで〜、みんな本こうてな!とおっしゃっているので、

きっと読んでみて後悔のない本だと思いますので、是非読んでみてください!

ではまた!

 

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