シンバイオの株価上昇に関して現役MRが考える注意点

シンバイオ

どうもこんにちは、だいさくです。

シンバイオの株価すごい上がってますね。

昨日(2018年10月16日)に書いたこちらの記事、

シンバイオがついにエーザイ離して自販体制開始!現役MR目線で書いてみる!

この時点でもストップ高で、28.1%上昇して、226円でした。

本日もまたストップ高で、終値は256円になってましたね。

すごいっすね!

シンバイオの自販は夢がある

昨日存分に書かせていただきましたが、

シンバイオの自販体制には夢があります。

現実的にも成功する確率がとても高いと思います。

シンバイオのようなビジネスモデルのバイオメーカーはおそらく増えてくるでしょうし、

シンバイオが成功するということは、

このビジネスモデルを取るであろうバイオベンチャーが今後も増えてくるということです。

ソレイジアなんかにしても今は明治とコプロモーションしてますが、

シンバイオの動向次第では同じ道を進む可能性は十分にありえると思います。

日本のバイオベンチャーからこのような会社が生まれてくることは、

同じバイオの会社で働く僕としてもとても嬉しいです。

シンバイオの株価上昇には注意が必要




ただね、僕はあまり株の取引に精通してはいないので、

わからない部分ですが、なんでこんなにも株価って上がるんですかね?

だって、ただ単に2021年からシンバイオがエーザイを切り離して、

自販体制を敷くって発表しただけですよ?

発表しただけ、まだなんの成果もあげてない、

不安要素もいくつかあるわけで、

なんでこんなに株価って上がるんですかね。

要は、シンバイオへの期待がそれほどまでに大きかったということでしょうかね。

シンバイオの株価上昇に関して現役MRが考える注意点

ただ、そんなにも期待の持てることだらけでは無いと思いますよ。

僕も同じバイオの会社で働いています、

シンバイオの人やエーザイの方とも現場でしょっちゅうお話しします。

そんな僕が今回のシンバイオの自販体制に伴う株価上昇に関して、

注意点を書いていきたいと思います。

自販体制はあくまで2021年から




こちらのシンバイオのIRにも書いてありますが、

抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」の自社販売に向けた準備開始のお知らせ

あくまで自販体制は2021年からです。

しかも2021年ってなんの年だかご存知ですかね?

トレアキシンの特許が切れる年です。

特許が切れると同時にシンバイオは自販体制を構築するのです。

もちろん現在(2018年10月)から営業部隊をどんどん揃えていますし、

自販体制を少しづつですが構築して行こうとしていますが、

特許が切れる年から自販を開始するって、

普通のMR目線で考えたら、とても嫌です。

まず薬価が落ちますし、

すぐには後発品に侵食されないでしょうけど、

徐々に徐々に侵食されていき、

抗がん剤の一般的なデータでは、3年後には45%程度は後発品に変わってしまいます。

正直言って、トレアキシンビジネスに関しては、

美味しいところは全てエーザイが持って行ったのです。

2021年からの自販体制は今回の株価の上昇が示すほど楽観的な状況では無いと思います。

エーザイは2020年頃から引きだす

エーザイだって2021年からトレアキシンがシンバイオが自販すると分かっていれば、

2020年頃から間違いなく何もアクションを起こさなくなります。

そもそもレンビバという薬がありますし、

肝癌への適応追加などでトレアキシンに手をかけなくなっていくのは目に見えています。

エーザイは単独でも3000人の社員がおり、

シンバイオは高々100人弱の小さな会社です。

シンバイオの2021年は絶対黒字!が逆効果

シンバイオ側は2021年を絶対に黒字にする!と言っています。

働く社員にとってはそれが逆にプレッシャーになるのは間違いありません。

2021年に特許が切れる、2020年頃からエーザイは活動を極端に抑えて、

おそらく販売目標も与えられないような非重点薬剤になるでしょう。

そこからエーザイの20分の1の規模であるシンバイオが、

黒字化をするために社員は汗くせ働かなければならないわけです。

現場の医師が今更トレアキシンの情報なんて欲しく無いでしょう。

MDSの新薬が良い感じに育っていけば良いでしょうけど、

それもまだどうなるかはわからない。

そんな中、自販したんだから絶対黒字!というのも

それはそれで社員が疲弊するのでは?と現場のMR感覚では感じてしまいます。

それでもシンバイオには夢がある

まぁそれでもいくつかの不安要素は確かにありますが、

やっぱり今回のシンバイオの自販体制には夢があると思います。

黒字化はおそらくできる可能性の方が高いです。

MDSの新薬リゴセルチブも現状ではうまくいくように見えます。

トレアキシンとガザイバ(中外の新しい抗CD20の薬)との併用試験も進行中です。

あとは、アメリカで進めていたオピオイドの臨床試験が、

一方的な先方の会社の都合で試験中止を余儀無くされて、

入ってくる賠償金90億もあります。

シンバイオの将来性や今後を予想して見ても、

悪い要素が、自販する頃には特許が切れるくらいしかありません。

逆に良い要素は、今後の新薬の併用試験がトレアキシンベースで行われている、

MDSの新薬リゴセルチブも未来が明るい事、

オピオイドの賠償金90億が今後入ってくる可能性がある事(実際はもっと少なくなる可能性が高いです)

なので、シンバイオはやっぱり買い!だと思います。

以上、現役MR目線で今回のシンバイオの株価急騰について書いてみました!

ではまた!




コメント

  1. trm より:

    トレアキシンの特許、延びているわけではないのですか?
    https://www.yakuji.co.jp/entry61182.html

    • 大作 大作 より:

      おー!すいません、知らなかったです。
      これは良い材料ですね!

      エーザイのMRの人に聞いたら、特許切れのタイミングで離れるって話だったので、
      それを盲信してしまいました。
      記事にも付け足しておきます。

      貴重な情報ありがとうございます!

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