どうもこんにちは、だいさくです。
ちょっと前まで営業戦略部の一員として働いてきた私ですが、
ここ数年製薬企業の営業戦略というのはガラッと変化し収縮の一途を辿っていたことを感じていました。
下記記事に詳しくまとめていますが、
【2021年版】MRの今後や将来性についてガッツリまとめてみた!
新薬開発の方向性がプライマリー領域から希少疾患などのスペシャリティー領域へシフトした事、
これまで大手製薬会社の屋台骨を支えていた大型主力品の相次ぐ特許切れによって、
製品構成が大幅に変化した事、
また製薬会社の営業組織を厳しく規制する医療用医薬品販売提供ガイドラインの制定、
それを強制的に遵守させる覆面制度が施行されたことにも重なって、
以前ほどの大規模な営業体制を組む必要が薄れてきたというのが大きな理由になります。
そう言った背景もあり、MRの数は6年間減少を続け、
特に2019年、20年の2年間ではなんと6,000人近く減少しました。
特にこの2年間というのは製薬業界で本当に大きなリストラの嵐が吹き荒れていたわけですが、
2021年はちょっと落ち着いてきたのか?それともコロナ禍に入るまた加速してるのか?
その辺気になったので、
医薬品業界に絞ってかなり網羅的に2021年度にリストラを敢行した会社を調べてみました。
2021年にリストラした製薬会社をまとめてみた
2020年はイーライ・リリー社が創業以来初となる大幅なリストラを敢行し200人弱の人員が減少、
武田薬品工業もフューチャー・キャリア・プログラムと称しリストラを敢行し、
未公表ですが500人程度が退職。
(会社の想定をうわまったためその後中途採用を行い全従業員数としては384人が減少)
2020年は大きなリストラや、いつもはやらない会社がリストラしたことで話題でしたが、
今年はどうだったのでしょうか。
下記にまとめてみました。
会社名 | 条件 | 対象 | 備考 |
アステラス | / | アステラス及びグループ会社の社員450人(MR含む) | 売上に対する販管費率を 圧縮したいため |
ノバルティス | / | MR/マーケティング/メディカル | 希少疾患シフトに合わせ 人員最適化 |
ヴィアトリス | 割増退職金 | 営業部門約600人/年齢制限無し | グローバル戦略 |
JSR | 割増退職金 | 40歳以上且つ勤続3年以上 | |
武田薬品 | / | 42歳以上の管理部門(非営業) | ビジネス存続性の考慮 |
アストラゼネカ | 最大36ヶ月の上乗せ | 勤続3年以上/45歳以上のMR | 募集人数は50人 |
2021年製薬会社リストラの特徴
全体的にはいつもリストラしてる会社がいつものように行っているように見えて、
そこまで目の玉が飛び出るようなびっくりするようなリストラはなかったのかなと思います。
ただ、2021年のコロナ禍だからこその特徴として、
人を使った営業活動からDX化、デジタル化にシフトしたというのが、
アストラゼネカやノバルティスの早期退職の理由として掲げられていました。
例えばアストラゼネカのリストラの主な理由として、
22年に主力製品であるネキシウムの特許切れを迎えること、喘息薬シムビーコートの苦戦による呼吸器領域が減収する一方で、MRの活動量が低下してるにも関わらず他の主力品が好調であることを受けて
とあり、各社MRの活動量は低下しているがその分デジタル営業にシフトして、
一人当たりの生産性が高くなっているというのが2021年のリストラの特徴の一つだったのでは無いかと思います。
デジタル営業というのはコロナ禍に入る前まで、
全く機能してなかったと言っても過言ではありません。
しかし、コロナ禍を受けて、受けて側の意識としてこれまでデジタルで情報を取ってなかった層の、
リテラシーが高くなったと言われています。
実際コロナ禍に入ってから、WEBセミナーの数は5倍超、m3の製薬部門も軒並み好調で、
デジタル営業部門の転職求人も非常に活発でした。
なので、これまでの製薬業界のリストラの特徴と、
2021年の特徴の違いとしては、
コロナ禍を受けて情報提供のDX化が促進されたからというのがあります。
問題はアナーキー世代の次の転職
最近だと製薬会社の早期退職の対象年齢として一番若かったのは武田の30歳以上、
史上最悪のリストラと言われた鳥居薬品新卒2年目リストラなども話題になりましたが、
それでも若いのであればいくらでもやり直しは効くわけですが、
やはり問題なのはアラフォー以上のいわゆる製薬アナーキー世代かと思います。
どこも人員を絞っている中で、
若手ならまだしも中々40代ともなると面接までこぎつけるのも難しいと言われています。
【若手は是非ご参考に!】40代MRの転職のリアルを聞いてきた
製薬アナーキー世代はベンチャー
僕がベンチャー大好きだからいうわけでは無いのですが、
このアナーキー世代は中々大手製薬会社は受け入れてくれないかもしれませんが、
今ヘルスケア系のベンチャーはとても活発で、
沢山の会社が立ち上がり多額の投資を調達していて、
ベンチャーの特に製薬で医師向け営業の経験者の採用はめちゃくちゃ重宝されています。
直近だとコニカミノルタの遺伝子部門がオンコロジー経験者を大募集していたり、
また別途記事書ければと思いますが、
米系のバイオベンチャーである、
ガーダントヘルスケアというアメリカのゲノム解析の会社も大量募集していたりします。
しかもガーダントは中々報酬面も良い。
ちなみに案件はどちらもJAC Recruitmentが持っています。
まぁ早期退職で退職させてくれるような優良企業であれば、
そんなに急ぐ必要はないかもしれませんが、
同時にヘルスケア系のベンチャーの情報も絶対にとっておいた方が良いのかなと思います。
意外に年収も横ばい以上かもです。
まとめ
正直今年に関してはそんなにびっくりするようなリストラは無かった、
というかもはやびっくりするようなリストラがないくらい当たり前のように減少してしまっているのもあってか、
2021版のMR白書を見てもMRの人数も5万3千人台になり、
ピークと比べると1万2千人ほど少なくなってしまっています。
ずっと言ってますが、僕の予想では5万人で下げ止まりすると思いますが、
色々な記事を見ていると今後のDX加速と、フォーミュラリーの加速で、
2025年までに4万人まで減少すると予想されていたりもします。
いや、そこまで減らないでしょとは思いますけど、
本当にどうなるか分からないので、
外部に目を向けておいても損はしないのかなぁと最近思ったりはします。
ではまた!
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