米パーデューファーマ破産とムンディファーマ売却に製薬会社の社員として思う事

ムンディファーマ

どうもこんにちは、だいさくです。

結構衝撃的な事件が舞い込んできましたね。

米パーデューファーマが破産法申請、和解金1兆円超準備

米国のパーデューファーマという大手の製薬会社が破産し、

創業家一族であるサックラー一族に1兆円超の支払いを命じているというニュースです。

この事件の契機としては製薬会社の誇大広告が原因になります。

この業界にいる人間としてちょっと知っておいても良いかなと思いましたので、

本日はパーデューファーマの破産とその陰にあるサックラー一族、

そしてサックラーの持っている会社の一つであるムンディファーマも、

この事件をきっかけに売りに出されておりますので、

その辺をまとめてご紹介させていただきます。

米パーデューファーマ破産とムンディファーマ売却に製薬会社の社員として思う事




今回の事件は日本でも癌性疼痛などでは一般的に使われております、

オキシコンチンに関する話題になります。

オキシコンチンはいわゆる医療用麻薬で、オピオイドと言われております。

オピオイドはケシから採取されるアルカロイドや、

そこから合成された化合物などを指し、

鎮痛、陶酔作用があります。

適切に使用しないと強い依存症、

離脱症状、また過剰摂取による死亡の危険があると言われております。

パーデューファーマ破産の概要

今回の事件の概要ですが、

米製薬大手のパーデューファーマが製造販売を行なっていた、

オキシコンチン(一般名オキシコドン)という薬剤を、

同社が誇大広告およびリスクの過少広告を行い

アメリカ人1日約100人が現在でもオピオイドの過量投与の末に亡くなっており、

2015年には死者が17万人まで及んでいる。

そのうちの7万人が米国人であるという。

それに伴い、米国および州から数千規模の訴訟がされ、

今回その賠償責任として100億ドル(約1兆1000億)の和解金が必要となり、

破産申請を発表したという内容です。

パーデューファーマはどんな誇大広告を行なったのか?

ではパーデュファーマが破産した原因とされている誇大広告とリスクの過少広告ですが、

リスクの過少広告というのは文字通りその高い依存性や、中毒性、

副作用などのリスクに関することを隠蔽するような行為になります。

また誇大広告ですが、一体どんな誇大広告が行われていたのか?

というところですが、

まず上市前後から高額の資金を使いロビー活動の展開を行いました。

医学会にも大量の資金を投入し、

当時のガイドラインの中にオピオイドの使用を促す事に成功、

慢性疼痛に関連する患者団体にも資金を投入し、

疼痛コントロールを最大限行うよう、患者団体を使い、

担当医に要求するように促していたとの事です。

また米国発売当初(1996年頃)は、

「私も使っていてとても良い薬です。みなさんも使いましょう」という宣伝を、

患者さんを使って語らせ、

安易に使って良いものだという印象をつける広告をしていたそうです。

また一部の医師や団体からパーデューのやり方に関する疑念や批判の声があったにも関わらず、

パーデューファーマの資金力や力に屈して明るみにできなかったそうです。

パーデューの誇大広告が何故依存症者を出したのか?

そしてこのパーデューの誇大広告が何故依存症者や、

過量投与による大量の死亡者を出したのか?

というところですが、

今回のパーデューの件で調べながらツイートしたのですが、

このツイートでいくつか貴重な情報をいただけまして、

皆様の情報がほとんど正確でした。

日本ではこの麻薬製剤は癌性疼痛で使用されるケースが多く、

慢性疼痛のガイドラインを拝見していても、

オピオイドの使用に関しては、優先順位は非常に低いです。

しかし、米国では、パーデューの戦略通り、

文字通り安易に処方され、抜歯の患者さんや、

子供を産んだ後の妊婦には1ヶ月程度処方されるなど、

慢性疼痛どころか、ちょっとした痛みにも処方されているようです。

その結果、

米国では明らかな過剰投与の状況が作り上げられました。

結構有名人の薬物中毒のニュースが報じられますが、

有名人に限らず、人種や貧富に関係なくあらゆる階層の米国人に広がっており、

完全な社会問題と化しました。

しかしこの過剰投与の状況が何故大量の死者や中毒者を出したかというと、

2007年にオキシコンチンの有用性の過大広告に対して、

パーデューファーマは一度訴訟され有罪判決となり、700億弱の賠償金を支払っています。

それを契機に、米国ではオピオイドの処方が以前よりはしづらくなり、

その結果依存症者が闇で購入するようになり、

過量投与のために死亡するという事になったそうです。

またその闇ルートの市場も巨大化してしまいました。

闇ルートの中には大量に処方されたオキシコンチンも含まれています。

ちなみにそれ以前からの中毒死亡者の数は53万人と言われております。

パーデューファーマの黒幕サックラー一族




みなさんはサックラー一族ってご存知でしょうか?

知らないですよね。僕も全く知らなかったです。

2016年のフォーブスの調査では、総資産が1兆4400億円と報じられております。

世界の名だたる美術館などにもそれこそ多額の寄付をしており、

慈善事業家の大富豪という、世界的にはとても良いイメージで通っている投資家の一族になります。

実はこのパーデューファーマは上場してません。

上場してないために今までこのサックラー一族というのは全く表に出てきませんでした。

しかし、今回パーデューファーマが破産するにあたり、

サックラー一族の全貌が少し見えてきたようです。

サックラー一族はパーデューファーマを含む多数の事業に投資している投資一家で、

今回の誇大広告、オキシコンチンのロビー活動や、

不適切なCMはパーデュー一族の3兄弟のうちの1人が仕掛けたと言われ、

パーデュー一族の中では「悪の天才」とも呼ばれていたようです。

総資産が1兆4400億となり、

その資産の多くをオキシコンチンの売り上げ(計4兆円弱)によって積み重ね、

多くの米国人を詐欺のような手法で中毒にさせ、大量の死亡者を出す事で、

積み重ねた資産であると強い批判を受け、

今回パーデューファーマが破産する事で一件落着をはかろうとされたのが、

いくつかの州から猛抗議を受けサックラーも約5000億円を自費で支払うようです。

ムンディファーマは売却へ(まだ確定では無い)

ムンディファーマという会社ご存知でしょうか。

僕はムンディさんに仲の良い人が昔いたので、

いくつか記事を書かせていただいたこともあるんですが、

ムンディファーマの評判が悪い?メガファーマ脳の方はやめた方が良いですよ。

年収がめちゃくちゃ高い会社で、

日本立ち上げ当初からだいぶ方向が変わり雲行きの怪しい感じになってしまってますが、

実はこのムンディファーマという会社もサックラー一族が有する会社の一つなんだそうです。

パーデューファーマもムンディファーマも上場しておらず、

CFが読めないのでその関係がよくわかりませんが、

今回サックラーおよびパーデューファーマが払う賠償金1兆1000億円の充当目的として、

ムンディファーマが売却されると報じられています。
(2019年9月24日の段階では確定してません)

サックラーが提示している金額は1600億前後だと言われております。

その辺は諸説あり、今回の件でサックラーが負担する額は3000億円で、

その大半をムンディファーマの売却で賄うとされておりますので、

もしかしたら3000億円程度なのかもしれません。

ムンディファーマ自体は、各国で行なっているビジネスが異なるため、

各国の状況に応じて、ローカル製薬に売却されるのではないかともされています。

その辺ははっきりとした内容は提示されておりませんのでまだよくわかりません。

ムンディファーマは日本で言うところのシンバイオ のようなビジネスモデルなので、

いわゆる自社で研究は行なっておりません。

パイプラインを購入する目的でも無いと思うので、ちょっと予測が難しいですね。

オキシコンチンは日本では塩野義さんが扱っていますが、

それ以外の国ではおそらくムンディファーマが扱っていると思います。

上場してないので買収リスクが無いと思ってましたが、

いやはやびっくり仰天ですね。

パーデューとムンディは同一会社では?

ただ、今回ムンディファーマの売却を和解金の充当に当てるわけですが、

ちょっと疑問となるのが2007年の段階で、

パーデューは約700億円の賠償金を支払っています。

実はその時ムンディファーマも同時に訴訟されています。

訴訟内容はパーデューと同じです。

でも今回の訴訟に関しては、ムンディファーマは全く関係ない位置におります。

これってなんかおかしいというか、

勝手な推測ですが、元々同じ会社だったのではないかと思います。

パーデューという名前をつけないように、

米国以外ではムンディファーマという名前にしたのではないかと。

元々同じ会社だったのをパーデューの破産を見越して完全な別会社にしたのではないかと。

そうすることによって今回の充当に当てることができる、

もしくはそうでなくてもそのまま医薬品ビジネスはサックラーとしては継続できる、

という目論見があったのではないかと。

サックラー一族ってやっぱり賢いなと思うと同時に、

ムンディファーマも元々はこのオピオイド中毒者を出す活動の一助を担っていたとすると、

とても悲しいですね。

最後に残る疑問

最後に今回の件について調べていて残る疑問があって、

これって本当に製薬会社に全責任があるのかなぁと。

誇大広告やリスクの説明を全くしなかったというのは事実なんだと思うんですが、

そこに医師の責任というのはやっぱりないんでしょうかね。

日本ではオキシコンチンが大して使われてないのは、

日本の医師がしっかり勉強しているから、

もしくは塩野義さんが適正使用活動に従事しているからなんだと思います。

全てが全て製薬会社の目論見通りに行くっていうのも考えづらいなぁとも思いました。

そう思ったりはしたんですが、

まぁでも今回の件はひどいですし、

パーデューの和解金はおそらく現在のワースト1位であるファイザーのベクストラに関する和解金、

23億ドルをゆうに超えて行く後世に残る悪行の一つになってしまうと思います。

なんか製薬会社の良く無い部分が全て明るみに出て、辛い気持ちになりましたし、

それによってムンディファーマ が売却されるのも悔しいだろうなと思いました。

ではまた。




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