どうもこんにちは、だいさくです。
読者さんから下記のようなご質問をいただきました。
最近はリエゾン系の仕事も新卒採用をしてる会社もあるんですね・・
とても面白いなと個人的に思いました。
だいさく様
私は、薬学系の大学で大学院に通っているものです。
いつもtwitterやブログを楽しく拝見させていただいております。
私は現在就職活動中なのですが、メディカルリエゾン職を受験しています。
いくつかの製薬会社のインターンシップや説明会などに参加し、情報収集を行いましたが、
実際現場で働く他社の方のMLに対するご意見がとても気になっております。
・MLの将来性
・他社MRからみたMLの立ち位置
など、お聞かせいただけると幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
メディカルリエゾン（MSL・ML）の仕事と将来性について
メールいただきありがとうございました。
僕なりの意見と、現状リエゾンに対して感じていることや知っている事、
懸念の部分などを書いていきたいと思います。
メディカルリエゾンの仕事内容は各社バラバラ
メディカルリエゾンは実は、MLとか、MSL、MA部など各社色々な言い方をしてるくらいに、
このML部門は会社によって考え方や立ち位置、
仕事の仕方が違ってたりします。
MRだと、領域やどのような薬を扱うかにもよるんですけど、
取り巻く環境やルール、仕事の仕方という意味では似通ってくるんですが、
MLに関しては、会社によって考え方や仕事の内容が違う。
なので、入った会社によって得られるスキルも変わってくるのではないかと思います。
メディカルリエゾンは存在が曖昧
業界全体を見て、このMLとかMA部（メディカルアフェラーズ）って存在が非常に曖昧です。
特に大手の製薬会社は、
基本的には「営業・開発・研究」この３部門から成り立っています。
しかしMLは、営業の本体でも無い、開発の本体でも無い、研究の本体でも無いのです。
MLはどちらかというと、この３部門の「連携」のような役割をになってる形になってます。
多くの会社がMLの立ち位置が曖昧になってるため、
会社によってもその評価が真っ二つに分かれています。
メディカルリエゾンの仕事①MRの名刺をMLに変えた
元々優秀なMRが名刺をMLに変えてるような会社もあります。
こういった会社は往々にして機能していることが多い印象です。
現在はMRでは扱えないけど、MLなら扱えるデータや情報が沢山有ります。
そういった情報やデータに元々のMRのスキルが融合してるような会社は、
比較的しっかり機能してるという印象を私は持っています。
このような会社は、先ほどお伝えした、
製薬会社の３部門「営業・開発・研究」の営業への依存度が高いのかと思います。
メディカルリエゾンの仕事②MRとは完全に切り離してる
一方で、MR（営業）とは完全に業務を切り離してる会社も有ります。
こういった会社は開発部門への依存度が高いかと思います。
開発部門と連携して、KOLなどから意見聴取を行ったり、
現在グローバルで考えられている臨床試験への提案を行ったりしています。
こういった会社はMLは一切営業の現場にタッチしないため、
名前は様々ですが、KAM（Key Account Manager）のような、
オピニオン育成や高いレベルの学術を担当するポジションを
別で設けているケースが多いです。
こういったケースの会社のリエゾンは入社への難易度が高いです。
自然科学系のPhDと英語を必須としている会社も多いです。
大手のアメリカ系外資系でこのような形態をとってる傾向があります。
メディカルリエゾンの仕事③お荷物部署化してる会社もある
例えば、研究職出身の方のセカンドキャリアの受け皿的な立ち位置になっていたり、
MA部の中にPMSやメディカルインフォメーション、
安全性情報部も付けられており、
その中の一つとしてMLが存在しており、
本来の業務とは異なった仕事をさせられている会社もあります。
MLのほんの一部の人間しか開発系の業務に携わってなかったりしていて、
全然魅力が無いと言わざるおえないような会社もあると思います。
新卒入社でメディカルリエゾンに入るデメリット
また、今回は新卒入社でメディカルリエゾンの職務を受けられているという事でしたが、
多分、そういったドラスティックなことをしてる会社も無いのではないかと思います。
今までのリエゾンの歴史を考えても、
営業職や研究職を経験してる人が次のキャリア、
次のステップとして配属されるイメージがあります。
なぜかというと、上述したように、メディカルリエゾンに与えられている仕事が、
どのような形態であるかに関わらず、
MLは「営業・開発・研究」の連携のような職務は必須になります。
なので、新卒入社でリエゾンの仕事をする１番のデメリットは、
その各ファンクションがどのような業務を担っているかが
分からないのではないか？ということです。
そこが分からないと業務に支障をきたすのではないかと思います。
新卒で入社すると、周りは各ファンクションの経験者で、
言い方は悪いですが、結局彼らの小間使いとか、
雑務をする役割になってしまうような予感がしております。
まぁMRでも最初は雑務のような仕事を、
「経験だから」という名目でやらされることもあるし、
実際それは大きな経験になったことの方が多いと僕自身が振り返って思います。
→ちなみにこのデメリットのお話をした時には、
実際はすぐにMLの仕事ではなく、
最初はいくつかのファンクションを数年間かけて経験してから、
MLのポジションに就くことを教えてもらいました。
そう考えるとすごくアグレッシブに人材を採用してる印象を持ちましたし、
面白そうな会社なんだろうなと個人的には感じました。
ML経験者でもトラブルはある
ただ、各ファンクションを経験していたとしても、
３部門を円滑に回していくためのコミュニケーションがうまく取れなかったり、
KOLへの扱いに慣れてなかったため、現場との軋轢が生まれたりすることはあります。
なので、必ず各部門をがっつり経験してなくても、
何事にも勤勉で相手の気持ちをしっかり考えてコミュニケーションを取ることができれば、
経験者が云々というのももしかしたら関係ないのかもしれないと思いました。
新卒入社でメディカルリエゾンに入るメリット
最後にメリットですが、
実際MRで、薬学部出身でPhDも持っていて、英語もそれなりに喋れる人でも、
MLの希望をずっと出してるけど、中々希望が叶えられない人って沢山います。
なので新卒の段階でリエゾンに行くことが約束されているのであれば、
それは絶対に良いと思います。
３部門の連携役って少し表現は悪く聞こえるかもしれませんが、
世界のファンクションと連携をとったり、
本社から日本全国を見る仕事ですし、
各ファンクションの仕事を意識しなければならない仕事というのは、
この先とても貴重な経験になると思います。
どうしても、営業だけやっていると、営業の目線に偏りますし、
もっと視野が狭いと、自分の担当先しか見えてない人もいます。
そうなってしまうと、力があるのに、
会社からの目線というのを持ってないばかりに管理職になったり、
次のステップへの機会を逃してしまうことがあるのです。
新卒でML採用しようと考えているくらいの会社なので、
きっとMLの位置付けは大きいものだと捉えているのだと思います。
きっとそんな会社での経験は、
この先の人生でかけがえのないものになるのではないかと思います。
是非自分に求められている成果とは何かということを忘れずに、
勤勉に頑張ってください！
最後に
僕が時代遅れなだけなのかもしれませんが、
最近はリエゾンも新卒で採用する時代なんですね。
MRの数って年々微減ですけど、その減った数は、
今まではそういったリエゾンやPMSモニターなどに
再配置されているケースもありましたが、
今後はそういうことでもなくなって行くかもしれませんね。
個人的にはグローバルの治験に関われる業務というのは魅力的だと思います。
世界から日本を見たり、大きな目線で薬というものを捉えることができるのは、
このリエゾンの魅力的な部分なのかなと思います。
リエゾンの中途募集もたまに落ちてますので、
リエゾン希望の方はこちらもご参考ください。
では！
コメント
正直、リエゾンと現場の関係は悪い会社の方が多いのが実情かと思います。
よく聞くのが、KOLを怒らせて関係をこじれさせた、担当MRとの連携や事前連絡も無く勝手に動く、MRに出来ない情報提供ができるので過剰なPRと捉えられて怒られる、等々…。
現場の目線も必要ですが、あまり現場が長くてもバイアスがかかるのは事実なので、難しいですね。
リエゾンの仕事って長らくMRやってる人間からすると元々はMRでやれてた仕事だからというのもあって、ジレンマを感じちゃう部分あるんですよね。
それならMRを全部リエゾンにすりゃいいじゃんとか思っちゃいますしね。
完全に営業よりのリエゾンにするか、完全に切り離して開発よりのリエゾンにしちゃうかの２択になるでしょうね。
まぁマーケにしてもリエゾンにしても結局は文句出るので、その辺は本当に難しいですね。
個人的には新卒採用してるところにびっくりしました。。。