こんにちは、だいさくです。
社員に聞いてきたよシリーズ第4弾ですが、
今回は武田薬品のMRの方がインタビューに答えてくれました。
私の以前の記事、
武田薬品オンコロジー領域に社会的意義は無いので転職は辞めたほうが良さそう
こちらの記事も読んでくれたみたいで(汗)
ディスカッションにも花が咲きました(笑)
武田薬品といえば、言わずと知れた日本一の製薬会社ですよね。
ただ、昨今はCASE-J問題(ブロプレス問題)による厚労省からの
業務改善命令や、社長が長谷川さんからクリストフ・ウェバー社長に交代したこと。
オンコロジー系の会社を次々買収して、オンコロジー領域が立ち上がったりetc
色々変革が起こってる中で、実際の武田MRの方にお話を聞けたのは貴重な機会でした。
今回お話をお聞きできたのは、武田薬品のオンコロジー領域の方になります。
この方は元々外資系でオンコロジーMRをされていて、
武田薬品に転職して4年ほど経っているそうです。
今後武田薬品への転職を考えている方に少しでも参考になれば幸いです。
武田薬品への転職ってぶっちゃっけどうなの?現役社員の方が教えてくれたよ!
武田薬品ってどんな会社?
武田薬品は国内では連結の売上高で第1位です。
世界のランキングでは2016年度で17位となっております。
現在領域は5つの領域(事業部)に分かれているそうです。
・RS領域(主に消化器疾患)
・CVM領域(主に循環器疾患)
・オンコロジー領域(がん)
・ワクチン事業部
・ヘルスケア事業部
創業は1781年で、なんと今年で、236年目を迎えているんですね!
これまでは基本的には同族経営でした。
前会長の長谷川さんの前は武田國男さんという方で非常に有名な方です。
武田國男さん著書のこちらの本をこの記事を書くにあたって読んだのですが、
とても面白い方です。
大学は三流大学卒(自分で言ってます)で、武田家の三男坊。
会社の中ではずっと窓際にいた人なんですね。
でも、色々事情があって社長になりました。興味ある方は読んでみてください。
タケダを現在の規模まで大きくした立役者といわれていて、
リュープリンやブロプレスなどのブロックバスターを世に送り出し、
長谷川さんに引き継ぐまでに、2兆円を超える内部留保があったそうです。
武田の本社は大阪の道修町で、昔から製薬会社が沢山存在してる地区になります。
しかし、実質の本社機能は東京の日本橋にあるそうです。
武田薬品の社風について
業務改善命令で何か変わりました?
ん~かなり変わりましたね。
業務改善命令を受けた時(2015年7月頃)は基本的に講演会は全部キャンセル、
説明会は添付文書で行う。
患者さん用の冊子以外は供給無し。
僕はまだオンコロジーで、2剤しか扱っていなかったので、
そこまで大きな影響はなかったですが、プライマリー領域(現在のRS・CVM領域)
の人たちは本当につらかったと思いますよ。
上の人たちとか涙流してる人とかもいたくらいです。
タケダの歴史に汚点をつけてしまったと。
まぁそれくらい武田愛を持ってる人がいるんですよね。
今はまだゆるくなりましたが、現在でも冊子の作成に関しては
かなりシビアです。
講演会の開催についてもコンプライアンスのチェックが
厳しいですね。
まぁ当時に比べたらまだ普通の製薬会社並になってはきたと思います。
外資系とは違いますか?
全然違いますよ。同じ製薬会社とは思えないくらいです。
僕は元々外資系にいたので、最初はかなり戸惑いました。
とにかくコネ社会。すりより社会です。
外部に対する営業力も必要ですが、社内営業も必要です。
上にゴマするのは当たり前の通常業務って感じです。
まぁ上司にもよりますけどね。
外資系のような成果だすものが偉い主義では無いです。
分かります。僕もそれは今の会社にいて感じます(笑)ウェバー社長になっても変わらない?
変わらないですよ。
ウェバーって基本的にはヨーロッパの担当なんですよ。
一応社長なんで権限はあるんですが、日本の業務に関することは、
基本的には日本人が受け持ってます。
長谷川会長も退いたので今後はどうなるか分からないですけどね。
ただ、誤解してはならないのは、社内営業は日常スキルですが、
出世や昇格は成果がとても重要です。
武田薬品のブラックな部分について
実は武田薬品ってブラックなイメージを持ってる人も一定数いるんですよね。
なので思い切って聞いてみました!
武田薬品のブラックな部分も教えて!
ん~なんですかね。
イメージで申し訳ないんですが、外資系のときって、
基本的にMRのために各部署が存在してる感じだったんですよ。
だから、誰一人として成果に対して言い訳ができない。
ただ、タケダの場合はMRも、ただのいち社員。
歯車のひとつって感じ。
だから、MRの仕事量が外資系と比べるととにかく多い。
マジで激務ですよ。
例えば?
いっぱい有りますよ。
講演会の招聘状とか全部自分で作ります。
間違ってると結構うるさく言われます。
何かMR以外の役割みたいなのをあてられて、
とにかく会議が多い。週に2回は何らかの会議やってます。
これは本当にありえないと思います。
管理職じゃないのに管理職みたいな仕事もあります。
こいつを育てるみたいな。
とにかく武田に来たら自分の売り上げだけ考えていれば
良いという状況では無いです。
僕が一番ブラックだなと思う部分は成果を出してもあまり変わらないことですかね。
抜群に成果を出してる人でも全然ボーナスに差がでないですし、
昇給や昇格も全くしてません。
その辺は社内営業した人が上がって行くんですよね。
上司と飲み行って、ゴルフ行ったもん勝ちみたいな。
だから、真に実力のある人って結構辞めてしまいます。
そうゆう人にとっては本当に気の毒だし、
ブラックな会社だったんじゃ無いかなと思います。
成果を出しても良いことはないのに、でも成果は求められる。
そこは外資系と比べるとブラックな部分かなって思います。
うちの会社も同じような感じですよ。良い所は?
良い所は、とにかくみんな優しい。
会社が社員を大事にしてるし、上司とか、
その上の上司なんかも基本的には優しい。
ダメな人を絶対に見捨てないんですよね。
ダメな部分を上司を含めて周りの人がフォローするって感じです。
外資系のときって成果が出ないと、くそみそに言われるじゃないですか。
基本的に個人主義だし。
そういうのは全くない。組合もしっかりしてるから、
絶対にクビは無い。だから、安心して働けます。
あとは、武田薬品ってみんな知ってる。
相手がMRじゃなくても、武田薬品に勤めてますっていうと、
一流企業だね。凄いねっていってくれます。
親とか、妻の両親なんかも喜んでくれるんだよね。
あとは、武田の社員は基本的に武田の悪口を言いませんね。
外資系のときってみんな会社の悪口いいますよね。
武田薬品への転職に関して
社員全体で中途入社が3割って書いてあったんだけど、実際どれくらいですか?
武田薬品全体でみたらそんな感じなのかな。
オンコロジーに関しては、立ち上がった当初はほとんど外資系の中途入社でしたよ。
現在は、プライマリー領域の方が縮小傾向にあるので、
そこから異動してくる人も多いです。
それでもオンコロジーだけだと5:5って感じだと思います。
中途入社だと何か迫害されてる感じとかあるんですか?
全くないです。
みんなむしろ外部から来た人たちから学ぼうという意識が強いし、
一緒にオンコロジー領域を育てて行きたいという気持ちを持っているので、
とても過ごしやすい環境を作ってくれてます。
ただ、むしろプライマリー領域に気を使います。
まぁ彼らの方が現状武田の屋台骨であることは変わらないので。
ちょっとめんどくさいですが。
確かオンコロジー領域はボストン武田の直結なんでしたよね
そうなんですよ。良く知ってますね(笑)
オンコロジー領域だけは、日本の本社を通さないようになっていて、
オンコロジーの中枢はボストンにあるので、そこと直結してます。
だから、特に外資系から来た人間の意見がメチャクチャ通りやすいです。
年に1回事業部長が意見を聞きに来てくれて、
良い意見、合理的な意見はすぐ通ります。
半年後くらいには体制も変わったりするので、
オンコロジー領域はとてもやりがいがあるし、
一緒に歴史を作っている手ごたえを感じますよ。
どうすれば入れるの?
普通に入れますよ。
特にオンコロジー領域経験者であればチャンスはいくらでも有ります。
逆に外資系と違って、MR未経験者の採用は今はほとんどやってないです。
オンコロジーも経験者だけ。
結構辞める人も多いので、空きがあればすぐに入れます。
うちは口コミで取るケースが多いんですよ。
だから、なるべく武田の社員に紹介してもらったほうが入りやすいと思います。
あとは、人事部のほうで信頼してるエージェントがパソナキャリアらしいので、
そこと繋がっておくと良いかもしれませんね。
転職エージェントのパソナキャリア
私も実はパソナの人から紹介してもらったので。
辞める人が結構いるのは意外ですね
結構いますよ。外資系ほどじゃないけど。
オンコロジー領域でも、文化の違いがストレスになったり、
これから外資系のような体制づくりをしてる感じなので、
その体制作りの一助になるのがめんどくさいと思う人もいるんですよ。
プライマリー領域は今後の不安ですね。
武田のコンパウンドはほとんどオンコロジーと再生医療に注ぎ込まれていますからね。
あとは、湘南の研究所の一部を閉めたので、
そこの開発部の人はドンドン辞めてます。
毎月退職者のリストがでてくるんですが、
辞めてる人のほとんどは開発部門です。
まぁこの10数年間で実績が何も残せてないのでね。
辞めてまた他社でMRやるんですかね?
それは人によりけりですね。
オンコロジーで辞めた人はまた外資系でオンコロジーやってたり、
ベンチャー系行ったりしてます。
プライマリーの人は、沢山の薬を扱うジェネラル体制が嫌だったという人も多いので、
外資系で専門領域MRやってる人もいます。
あとは、他業種も結構いますよ。
コンサルとか、薬局開業とか、商社に行った人もいます。
そこは様々です。
新卒入社は超高学歴ですもんね。若ければどこにでもいけるのかもしれませんね。
武田薬品の年収は?
年収は高いですよ。
間違いなく、前職の年収よりは高くなります。
しかも武田の凄いところは、入ってからもドンドン上がるところです。
そこは成果次第です。
僕は武田に入った時、年収が170万くらいアップしました。
その後4年間でさらに200万くらいアップしたので、
本当に凄い感謝してます。
たぶんですけど、武田のMRの年収は同世代では一番高いんじゃないかと思います。
会社全体の平均年収は2016年度で久しぶりに1,000万円いきました。
まぁめっちゃ高いと思います。
武田薬品の福利厚生
福利厚生を詳しく教えて!
福利厚生は普通です(笑)
家賃手当ては、東京の家族もちで大体20万くらいは会社が負担してくれます。
ただ、職級にもよりますし、独身者だと12万くらい会社が負担する形だったと思います。
家賃手当ては、どこでいくらって言う基準があるんですが、
大体どこに住んでも個人の負担が5万円くらいになるように設定されています。
日当は、5時間以上外勤すると2,900円です。
僕が入社した当初は、アリナミンが大量に送られてきたりしましたが、
業務改善命令以降なくなりましたね。
あとは、年間2,000円分くらいのOTCが購入できます。
基本武田薬品の製品ですけど。
あとは東京勤務だとディズニーランドのチケットが1枚分無料でもらえたりとか
しますね。
あとはまぁ普通の製薬会社と同じ感じですかね。
在宅?
在宅うらやましいですね。
全然逆です。
ほぼ毎日出社します。会議も多いので(笑)
だいさくコメント
武田薬品のイメージって、国内ナンバーワン。アリナミン。高学歴。
って感じでしたが、色々模索をして変革してるんですね。
確か、京大との共同研究でもかなりの額を投資してるし、
オンコロジー関連会社も立て続けに買収してます。
潤沢なコンパウンドがあるので、今後かなり期待がされそうですね。
僕は日本男児なので武田薬品のことはめっちゃ応援してます。
頑張れ武田薬品!
では!
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