PMSモニターってどんな仕事?現役MRが教えるよ!

MRの仕事

どうもこんにちは現役MRのだいさくです。

「PMSモニター」という仕事をご存知ですか?

「PMSサポート」とは違いますよ。
※PMSサポートは社内でMR向けにサポートを行う仕事

実は最近外資系が相次いでPMSモニターという職種を立ち上げていますね。

現状(2017年7月現在)ではファイザーとノバルティスが本格的に立ち上げています。



PMSモニターってなに?

PMSモニターと聞くと、MRがちゃんとPMSの報告とか、

作業全般をしてるのかどうかを監視するような制度に一見聞こえがちですが、

全然違います。

PMSモニターがどんな仕事かというと、

簡単に言えば、副作用の報告を専門に行う部署です。

まだ立ち上がったばかりなので詳しい仕事内容は今後変わってくる可能性もありますが、

例えば、

・市販直後調査

・特製使用成績調査

・使用成績調査

・普段の副作用情報の収集と報告

・IRBの契約業務

現状ではこの仕事を専門に行う部隊になりそうです。

PMSモニターはなぜできた?

では、PMSモニターという職業はなぜできたのでしょうか。

簡単に言うと、

MRが本来の業務を忘れて副作用報告をしないからこんな部署が立ち上がったんです!

有名なニュースとしては、

2016年度にセルジーン社の「レブラミド」、「ポマリスト」「デキサメタゾン」の

3製品を服用した患者のうち、

死亡したものの原因が特定できなかった症例の4573例を

約6年間にわたって報告していなかった。

というニュースがありました。

PMSモニターを設置する理由は報告漏れ

※news answersより

大規模なものから小規模なものまで合わせると、

ここ3,4年で9社が報告漏れを指摘されているんですね。

既に「PMSモニター」が立ち上がっているノバルティスは、

なんと3回も厚労省から指摘を受けているんですね。

まぁこの流れを見ていると、

「PMSモニター」立ち上げは、

厚労省への禊(みそぎ)のような気がしないでもないですね。

PMSモニターの仕事はMRの仕事

MRの仕事は簡単にいうと、

医療機関を訪問し、自社医薬品に関する有効性、

安全性情報を収集し報告するというものになります。

※ウィキペディアより

よっし!これで売ることに専念できるぜ!

副作用報告ってめんどくさかったんだよ~。。

なんて思ってるといかんですよ。

MRの仕事の一つである安全性情報の収集はPMSモニターに置換してしまうのです。

PMSモニターが削るMRの仕事

僕がMRに転職した8年前から比べると、

格段にMRが行える仕事は少なくなりました。

私がMRをやり始めたころは、

臨床試験を医師に提案して、

プロトコールもMRが手伝うことがありました。

そういった仕事は、ノバルティスのディオバン事件、

武田薬品のCASE-J事件により、

各製薬会社がMSL部やMA部を立ち上げ、

現在ではそちらにすべて臨床試験に関する仕事は置換されました。

寄付金もMRがすべて行っていたところが、

ほとんどはWEBの公募になり、MRが一切関与しなくなりました。

そして、最新情報の提供もMSL部に移行し、

MRは文献ベースの仕事しか行えなくなってしまいました。

そして、今回のPMSサポートの立ち上げです。

副作用報告を行えば良いだけ

副作用報告の遅延が起こった理由としては、

「MRの理解不足」「システム障害」「体制不備」とか色々言われてますが、

現場のMRからしたら、めんどくさいのです。

だって抗がん剤なんてほぼすべての患者さんに副作用が起こるので、

どうしてもめんどくさいのです。

理由はそれだけなんです。

だから、だめなのです。

有効性の訴求と安全性情報の収集がMRの本来の仕事なので、

まだ、外資系の一部でしか行っていないうちに

しっかり褌を締めなければならないのです。

だからしっかり副作用報告をしましょう。

PMSモニターは次のMSL?

では今回立ち上がったPMSモニターは今後どのような位置づけになっていくのでしょうか。

これまでのMSLやMA部の流れから考えられることとしては、

現状は外資系の一部が採用してるだけです。

1、外資系(特に欧州系が)立ち上げを促進する

2、外資系(特にアメリカ系)が立ち上げだす

3、アメリカ系が立ち上げることにより高い専門性が必要になる部署になる

4、かなり遅れて国内企業が立ち上げだす。

5、このころには特殊な職種化する(中々つくことができない職業)

このような流れになるのではないかと考えられます。

アメリカ系が手を付けるころには高い専門性が必要になる

MSLは立ち上げ初期は誰でもできました。

しかし、現在では、「理系」「Phd」「英語」

この三つが必須になってきています。

やはり少し特殊人間です。

一方でPMSサポートで求められているのは、

現状では「MR経験者」「市販後調査経験者」「できれば理系」

こんなもんです。

たぶん、3年くらいMRやっていれば普通に経験してることですね。

ハードルはかなり低いです。

しかし、それはアメリカ系企業が立ち上げる前の話です。

アメリカ系が立ち上げた途端にものすごいハードルが高くなります。

深くは説明しませんが、そういう国です、アメリカは。



PMSモニターはこんな人におすすめ

もし、MRという職種から違う部署に行きたいという人には、

このPMSモニターはおすすめですよ。

主な仕事は市販後調査関連の仕事になりそうです。

この領域でスペシャリストになれれば次のPMSモニターの

波が来たときにビッグチャンスをものにできるかもしれませんね。

特におすすめなのが女性です。

実際ノバルティスなんかもPMSモニターは時短(子育て中)の女性MRを

配属したりしてるケースも多いのです。

もしくは一度MRを辞めて、子育てをしながら働きたい!

そんな人におすすめの職業になります。

誰もやりたがらない職業にチャンスはある

「副作用情報の収集なんて嫌だよ~」

っていう人も沢山いると思います。

僕も嫌です。めんどくさいです。

しかし当初のMSLもそうでした。

誰もやりたがらないのです。

しかし、そんな職業にこそチャンスがあります。

未来のビッグウェーブをつかむチャンスがそこにあります。

今の専門領域MRも同じです。

私がオンコロジーMRをやり始めたときはプライマリー全盛期です。

みんなオンコロジーなんて嫌だよ、ダサいよ、治らない疾患なんて

誰もやらないよ。って思われてました。

みんなやりたがらない職業には大きな可能性があるのです。

最後に

副作用報告は重要な仕事です。

しかし、MRが売り上げを上げることに一生懸命になりすぎて、

完全におろそかにしていました。

そこを厳しく突っ込まれた結果生まれた仕事がPMSモニターです。

今後大きな可能性があるので是非情報を取ってみてください。

私が最近使用してる情報収集ツールが、

ジョブチャットです。

私が、「PMSモニターの職業を探してください」とチャット上に入力すると、

AIもしくは人間がリターンをくれるという非常に簡単なアプリです。

ジョブチャット

転職エージェントに相談しようとすると入力や閲覧がめんどくさかったりしますからね。

もちろんジョブチャット上で応募もできます。

ただ、本格的に挑戦したいという方は、

やはりエージェントに相談してみたほうが良いです。

PMSモニターの職業は結構今出てきてますので一度チェックして見てください。

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コメント

  1. きよし より:

    だいさく様

    はじめまして。最近からブログ読ませて頂いてます、きよしと申します。
    私は現在27歳で、MSを2年、MRを2年半、CRAを半年ほど経験し、この度PMSモニターとして転職することになりました。
    ブログを読ませて頂いて、製薬会社を取り巻く環境やMRの転職事情など、とても興味深い記事ばかりだなと感じました。(だいさく様の情報力と考察によるところが大きいと思いますが)
    そこで、私もPMSモニターとして情報発信したいと思い、ブログを書くことにしました。PMSモニターのブログはまだ珍しいと思いますので、有益な情報を発信できるよう頑張ってみたいです。
    きっかけを与えてくださったお礼をさせて頂きたく、メッセージを送った次第です。ありがとうございました。

    • 大ちゃん 大ちゃん より:

      きよしさん

      どうもはじめまして。
      ブログはじめられるんですね!
      是非がんばってください!
      情報は発信する側にまわってわかることって本当にたくさんあります。
      最初は苦戦するかもしれませんが、PMSモニターになりたい!って思う人は全部きよしさんの記事を参考にするくらい、
      まだまだ分からない領域の仕事だと思いますし、今後の裾野が広がりそうな仕事ですよね。

      何かわからないこととか、私にわかることは全部お応えするので是非コメントでもメールでもくださいね。

      一歩踏み出したきよしさん、お互い頑張りましょう!!

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