MR的論文の読み方を解説してみる!MRは論文をどう読むべきか

MRと勉強

どうもこんにちは、だいさくです。

だいさくさんは論文はどれくらい読んでるのか?とか、

読む上でのポイントなどありますか?と、

MR歴になって数年という方からご質問をいただきました。

昨今論文化された情報以外は使えませんみたいな状況にもなっているので、

論文の使い方って結構大切ですよね。

でも論文って一応読むけど、

実際どのように活用するのが良いのかあんまわかってないなぁとか感じている方に、

今日はMR的論文の読み方というテーマで書かせていただければと思います。

MR的論文の読み方を解説してみる!MRは論文をどう読むべきか




正直いうと、このテーマって、理系の院卒みたいな方もいる中で、

論文の読み方はこうだ!みたいなことを語れるほど僕は精通してません。

ただ、僕も全くのど素人からMRになって手探りながら論文を読みMR人生を進んで参りましたので、

あくまでMR的な論文の読み方というテーマで書いていければと思うんですが、

この記事でも書いたんですが、

僕が担当したとても大変だったけどめっちゃ感謝してる病院

昔担当してた大学で、お医者さん同士の抄読会にMRも参加しなければならない担当先があって、

当時、帯状疱疹が出たくらいそれがストレスで、

今振り返ってみると自分の血となり肉となっているとは思うのですが、

「製薬会社のMRだから」という言い訳がマジで一切通じなくて、

論文をしっかり読むという事をそこで学んだ気もするし、

他のお医者さんが抄読してたのもがっつり聴いていて、

教授が口すっぱくしていってた事とかも少し思い出しながら書いてみたいと思います。

論文はどんな時に読むか?

論文を1日1論文読む!みたいなことを盲目的に決めて、

トライしていた時期なんかもあるんですが、

僕の場合は続かなくて、やっぱ目的意識がないと読んでてつまらないと思います。

なので、今は基本的にはセールスを行う上で読む事が目的であったり、

何かの問題解決のために検索して読んだりすることがほとんどです。

論文をどれくらい読んでるんですか?という答えにならないかもしれないけど、

めっちゃ読み漁る時期もあるし、全く読まない時期もありますっていうのを踏まえた上で、

書いて参りたいと思います。

MRが論文を読む上で必ずやらなければならない事

まずMRが論文を読む上で、絶対に、必ずやらなければならない事が一つあります。

それは、最後のディスカッションを読む事です。

これはマスト事項と言えます。

何故ディスカッションが大事かというと、

自社医薬品にとってポジティブなStudyであった論文の場合には、

その訴求ポイントが書いてあります。(しかも大げさに)

そして、ネガティブなStudyの場合では、

言い訳が書いてあります。

しかもその辺の普通の人が言ってる戯言ではなく、

そのStudyを行った中心的人物で、

スーパー頭の良い人たちが考えた訴求ポイントと言い訳になります。

そこに書いてある訴求ポイントはそのままDTLに使えるし、

言い訳は説明会の時に突っ込まれた際にそのまま使えます。

せっかくなので、昨日書いたインスメッドのArikayceの論文を例に出してみますと、

米インスメッド日本参入!転職情報やArikayceについてまとめる!

この中でご紹介させていただいた論文は、

プライマリーエンドポイントの培養転換率はポジティブでした、

セカンダリーエンドポイントの歩行率の改善はネガティブでした。

んで、ディスカッション部分を読んでみると、

事前に行ったP2試験でALIS群が単独群と比較して(31.8%vs8.9%)であった結果と、P3の今回の試験の結果(29%vs8.9%)が類似しており、再現性がある。

プライマリーエンドポイントに関しては、それを裏付けるP2試験を持ち出す事で、

この薬を実臨床でも使えば同じように再現性のある効果が実感できる事をほのめかしてます。

これは説明会でそのまま伝えることができます。

この時点で、実臨床を診ているお医者さんが自身の患者さんを想像して「使ってみたい」、

「使わないといけない」と思わせてくれるのかなと思います。

また、セカンダリーのネガティブ結果についての言い訳はこう書いてあります、

歩行訓練のネガティブ結果に関しては、有意差は出なかったが、全体において、培養転換の無い患者の悪化に対して、培養転換のある患者で優位な改善が観察された。

これ、素晴らしい言い訳だと思うんですよね。

だって、この論文の結果をそのまま受け取ってしまうと、転換培養率は改善したけど、

患者が効果を実際に実感すると考えられる歩行距離に関しては改善してないわけだから、

この薬使ったって意味ないじゃんと思ってしまいそうになる中で、

一応論文のMethodには記載されてた分析方法とは言え、

全体的に培養転換のある患者は歩行距離が改善されてたから、

培養転換率の高いこの薬は歩行距離も結局改善するんですよ〜という風に捉えることができます。

お医者さんはディスカッションまで読んでない事も多い

僕は論文は最初のアブストラクトを読んでから、

比較的すぐにディスカッション読むようにしてます。

んで、ディスカッションで著者が言ってる訴求ポイントをそのままお医者さんに伝えても、

特に色々な疾患を診られている臨床医の先生の場合は、

ディスカッションまではあまり読んでないか、

覚えてないことがほとんどだったりします。




お医者さんも自社医薬品の疾患だけを診てるわけじゃないからというのもありますが、

論文の構成って、

1、タイトル→その論文で一番伝えたい事

2、アブストラクト→論文全体の中身を短く要約したもの

3、イントロ→なぜこの研究が大事か?何が今わかってないのか?逆に何がわかってるのか?

4、メソッド→その研究の実験方法や条件

5、結果→Figures込み仮説の検証結果

6、ディスカッション

7、引用文献

大体がこのような構成になってます。

当然上から順に読んでいくので、ディスカッションの部分ってそこまで読まれてない印象を僕は持っています。

なのでMR的目線では絶対にディスカッションを読まなければならないと思います。

例えば、先ほどのアリケイスの論文で、

呼吸器内科の先生が、「この薬は、良く効くようだけど、患者さんが実感するほどの効果はないんでしょ?だって歩行距離の改善されてないじゃん」とか、もし仰られたとしたら、

MR的な論文の読み方をしっかりしておけば、

「確かに先生のおっしゃられるように有意差は出てませんでした。ただ、ディスカッションの中での著者のコメントで、全体においては、培養転換のある患者で優位な歩行距離の改善が観察された。”なので、やはり培養転換率が有意に高いアリケースを使う事は患者さんの実感する効果も期待できるのではないか”」的な事が、

あくまで自分の言葉ではなく、その治験責任者の言葉として伝えられるのではないかと。

自分の言葉だと波風たってしまったりするかもしれないけど、

その治験責任者の言葉として伝えれば怒らないでしょ。

別にそこで、「あーそうか!確かにそうだね!」なんて言われる事は無いと思いますが、

ふと、患者さんを目の前にしたそのお医者さんが、

自分の言った言葉を思い出してくれる、

何かあのMRの言った事が引っかかると思ってくれればそれで良いと思うんですよね。

論文の読み方はその目的による

ただ、僕もいつもディスカッションまで読んでるわけではなくて、

自社医薬品ど真ん中の論文はもちろん読みますが、

特に問題解決だけを目的として論文を探すケースは、

探索的な読み方しかしてません。

解決したい問題が記載されてそうな論文を見つけて、

この論文でその問題が解決されているかを探しながら読むので、

Control+Fとかめっちゃ使います。

お医者さんからこういうケースの論文ない?などの、

特定の質問を受けた場合で、

そう言ったスクリーニング的な読み方というか、

特定の問いにだけ集中して読むことをしてます。

まぁ正直いちいち全部読んでられないぞって感じもある中で、

その感じと全く同じ感覚を、自社医薬品の論文に関してお医者さんも思ってると思っているので、

ディスカッションまで読んでないのかなぁとか思ったりしてます。

あとは、単純に知識をつけるために読む論文ってあると思うんですが、

そういうのもしっかりディスカッションまで読む方が良いと思います。

紙で読むことがおすすめ

なんか論文の読み方に関してはまだまだ書けそうなんですが、

とにかくセールスのために読む論文と、

問題解決のために読む論文の読み方は違うし、

当然知識を増やすために読む論文というのも読み方は違うんだと思います。

セールスのために読む論文は、しっかりディスカッションまで読まないともったいないと思います。

僕は基本的に紙で論文を読むのがオススメです。

なぜかというとその論文にそのままメモれるからという理由と、

なんとなく紙の方が理解度が高い気がするからという単純な理由です。

まとめ

最後になりますが、

僕が昔担当してた大学の抄読会で良く教授が言ってた言葉があるんですが、

それは、「とにかく論文は疑いながら読め」って言ってました。

これ当時意味が全く分からなくて、まぁ今もわかってないんだけど、

他社の論文を読む際にはどうしてもその視点になってはいるんですが、

なんだよそれめんどくせぇよって思ってました。

疑いながら読まないと次の研究に繋がらないという意味だったのかわかりませんし、

論文を肯定するのは簡単で、否定するのは勇気がいるってことなのでしょうかね。

当時はとにかく乗り切ることだけ考えていたので、聞いておけばよかったですが、

とにかくずっと仰ってました。

まとめとして、

論文はディスカッションまでしっかり読むこと、

そこには頭の良い人たちが絞り出した、

MR的なDTLポイントと、ネガティブスタディには言い訳が書いてあります。

そして問題解決のために読む論文はControl+Fを使いまくって、

早めに解決論文を見つけましょう!ということを書くのにこんなに時間がかかってしまいました。

最後までお読みいただきありがとうございます。

ではまた!




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