CNS領域は今後どうなるのか?経験者が考察してみました

CNS領域への転職

だいさくさん

いつも楽しく拝見させていただいております。

私自身は以前CNS領域を担当しておりましたが、

だいさくさんのブログにもあるように、

CNSはこれまで大きな投資がされておりましたが、

残念ながら開発が中々進んでない領域の一つでもあります。

CNSの領域にまた戻りたいと考えている人もいらっしゃるかと思い、

CNS領域の今後について少し思う部分があるので、寄稿させていただきました。

CNS領域は今後どうなるのか?経験者が考察してみました




まずCNSについて簡単に説明したいと思います。

CNSはCentral Nervous Systemの略称で、

日本語では「中枢神経系」と訳されます。

この神経系を構成するのは、

頭蓋骨の中にある「脳」と脊髄管内にある「脊髄」。

その名の通り、身体をコントロールするための「中枢」となる神経系で、

多くの神経細胞が集合しています。

この領域が侵される障害・疾病としては、

アルツハイマー病や認知障害、脳卒中、パーキンソン病他、精神疾患などが挙げられますが、

治療法はもちろん治療薬の分野でも未だ満たされない医療ニーズが数多く存在しています。

私はプライマリー・CNSともに経験をさせていただきましたが、

やはりCNS領域は非常に魅力のある領域だと感じています。

いくつか魅力を記載させていただきます。

CNS領域はまだまだ伸びしろのある領域である

CNS領域の疾患にも様々な疾患がありますが、

上記のグラフにもあるように、

アルツハイマー病だったり、

うつ病やパーキンソン病など、

まだまだ医療満足度が高くない疾患が多く存在しています。

だからこそ、うまくいっているかはどうかとして製薬会社は様々な新薬を開発し、

先生方も期待されているかと思います。

CNS領域は症例ベースでの話がメインである

これはもしかしたらオンコロジーや希少疾患にも通じる話かと思いますが、

本当に1例1例が重要になる領域だと感じています。

特にこの領域では多くの薬剤を併用し、

用量や併用薬の微調整を行いながら症状の改善を目指します。

患者さんやその家族の夢や目標を先生と共有・治療ゴールを設定し、

面談を行っていきます。

時には、自社医薬品を使わないで欲しいとお伝えしないといけない場面もあるかもしれませんが、

疾患特性上、誠実な提案が必要であると実感しています。

MRとしては、先生とディスカッションしている患者さんに自社製品を使っていただき、

症状が改善し、患者さんが何かできるようになった時などは、

涙が出るほどうれしかったです。

非常にやりがいがある領域だと思いますし、そのために勉強は常に必要で、

非常に細かな提案が必要になる領域です。

CNS領域って今後どうなるの?

ここまで述べたように、

CNS領域は伸びしろもやりがいも多く存在する領域だと考えています。

だいさくさんのブログでも過去におっしゃられていたように、

疾患の原因がはっきりしていないもの多いので、

創薬も難しいのは間違いないです。
(エーザイ・バイオジェンのアデュカヌマブの件もそのひとつだと思います)。

きっと中にはまだまだCNSでやっていきたい、

もう一度CNSに戻りたいって思われている方いらっしゃるのではないでしょうか?

この領域がどうなるのか個人的結論から申し上げますと、

「メーカーを選べば、まだまだいける!」ということです。

CNSは今後どのメーカーが熱いのか?




その理由を、国内の開発状況も踏まえ、下記に記載して参りたいと思います。

各社の状況をご覧いただくとわかるのですが、

国内での全領域での薬剤開発状況としては、

がん、消化器系、免疫系、骨・関節の開発品目が目立ちます。

オンコロジー領域がやはり多くを占めているのは、実感がありますね!

一方で、国内のCNS領域の治験届け出数をみると、

実は2014年~2020年では横ばいであり、

一定数の開発が保たれているんです!

これまでCNS領域大手として存在感を示していた田辺三菱・大日本住友の開発品目が継続して、

多く有している状況です。

外資系では、UCBジャパンがてんかん領域でのイーケプラに続くラコサミド、ブリバラセタム開発での売り上げアップを今後目指している状況。

イーライリリーも開発中期の段階で、アルツハイマーを2製品保有。

今後市場の拡大が予想される偏頭痛領域でも期待ができそう。

CNS注目は中外製薬!

各社パイプラインの中でも、特に注目すべきは、中外製薬です!

オンコロジー、免疫、ヘムライブラのイメージが強い中外製薬ですが、

開発品目の中にCNS領域を多く有しています。

アルツハイマー2品目、統合失調症1品目、パーキンソン病1品目です。

今後中外製薬が、台風の目となるのかが注目です!

まとめ

業界全体として開発状況としては、まだまだ横ばいであることから、

やはりCNSにMRとして貢献していくには、

しっかりと投資している会社を見極められるかでしょうかね。

数年前に比べたら開発しているメーカー数は少なくなっているかもしれませんが、

まだまだ治療満足度が低いという点から、

製薬会社の投資は減らすことができません。

私としても、やりがいのある領域であると感じましたし、

チャンスがあるならもう一度チャレンジしたいです!

ご参考にしていただけたら幸いです!

だいさくより

全国のCNSファンのMRの皆様にはとても参考になったのではないかと思いました。

てか、ここも中外さんなんすね。

日本の製薬会社ではもはやダントツの時価総額で、

コロナの時も微動だにしなかったですよね。

ロシュパワーもあると思うんですが、やっぱすごいっすね。

実は、CNSについてどう思いますか?というご質問って結構いただくことがあったんですが、

僕正直全然わからなくて、

一体何がCNSなのか?ということすらぼんやり気味だったので、

今回の記事は本当に助かりましたし、

自分自身でもとても勉強になりました。

やはり経験者の方に教えてもらうのが一番良いですね。

本当にありがとうございました!

ではまた!




 

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