セルトリオンの将来性を考えてみた

セルトリオン

どうもこんにちは、だいさくです。

セルトリオンはみなさんご存知ですかね?

私的にはかなり注目してる会社で、

いわゆるバイオシミラーの会社です。

セルトリオン・ヘルスケアジャパンってどんな会社?現役MRが徹底解説するよ!

こちらの記事でも紹介しておりますが、

韓国の会社で、2002年に設立された新しい会社になります。

新しい会社なんですが、恐らく韓国の財閥系の会社ではないかと思います。

そんなことが財務諸表にも書いてありました。

ただ、文字がハングルなので詳しくはわかりません。

今日はバイオシミラーといえばセルトリオンなので、

セルトリオンの将来性についてちょっと考えてみたので記事を書いていきたいと思います。

なぜこの記事を書こうと思ったか




そもそも、なんでこのバイオシミラーの将来性に関する記事を書こうかと思ったかと、

言いますと、

先日、いつもコメントをいただく独身MRさんから、

後発品、特にAGに関してのご質問をいただき、記事を書かせていただきました。

後発品メーカーの今後の動向は?転職状況からGE・AGまで

私はそれまで、あまり後発品市場のことをよくわかっておらず、

この記事を書くことをきっかけに結構勉強しました。

その時にAGについて結構調べたんですが、

あれからふと思ったのが、バイオシミラーも危ないんじゃないか?

ってことです。

バイオシミラーこそAGの流れになる?

後発品がイマイチ浸透が進まなかった理由の一つに、

「先発品と同じじゃない」という医療従事者からの指摘があったことがあります。

その部分を完全に打破したのがAGになります。

考え方としては合理的だし、まぁそういう流れはあるかとおもいますよね。

でも、それってバイオシミラーこそAGの流れにしたほうが良いんじゃないかと、

当然のことながら思いますよね。

なぜなら、バイオシミラーって治験をしなきゃいけない訳じゃないですか。

バイオシミラーが後発品と違うところは、

治験をして有効性・安全性が同一であるということを証明しなければならない訳です。

バイオシミラーは医療資源の無駄遣い?

ここまでAGが台頭してる世の中ですし、

先発品メーカーも正直、新薬開発に難渋してる今、

どんどんこの後発品市場にも参入してきている訳です。

当然バイオシミラーのAG化は考える訳です。

だって、もう既に有効性も、安全性も証明されている先発品があるのに、

その後発品を出すために、なぜ医療資源を無駄にしなきゃいけないんでしょうか。

お金もかかるし、患者さんも治験に入らなければなりません。

特に新薬開発が進んでいるような疾患の場合は

新薬の開発に患者さんが入ってもらったほうが良いですよね。

もう既に有効性が証明されている製品の再評価のための治験に入るよりは。。。

グローバルのAGの状況は?

ただ、AGって日本だと、第一三共さんや、

一部は武田テバなどがやってるイメージがあります。

なので、なんとなくAGという考え方は日本だけなのかな?

と思い調べてみました。

2015年の文献ですが、谷島智徳という方が執筆されています。

アメリカにおける後発医薬品業界分析

こちらの中ではむしろ、アメリカの方が後発医薬品に関する、

GE(後発医薬品)

AG(オーゾライズドジュネリック)

BG(ブランドジュネリック)→これは先発品メーカーがだすGEのこと

この三種類の後発品が強豪ひしめき合っていると記載されています。

アメリカは日本とは比べ物にならないくらい後発品の浸透は進んでいますね。

ただ、バイオAGに関しては少し古い文献のせいか全く言及されておりません。

バイオAGの状況

ではバイオ医薬品のAG化に関してはどうなのか?というところですが、

これもやはりありました。

早速協和発酵キリンが協和キリンフロンティアという子会社を設立して、

腎性貧血治療薬ネプスのバイオAGの承認取得に向けて動き出してるとのことです。

バイオAGおよびAGにはかなり批判がある

AGを作ることや、

バイオAGを作ることにはかなり批判がされています。

それはアメリカでも日本でも同じように批判されています。

どんな批判かというと、AGやバイオAGを作ることによって、

今後のGE業界における研究開発の停滞化が主な批判になります。

まぁここは賛否両論あるんでしょうけど、

個人的にはなんでしょう、、

別にAGやバイオAGで良いんじゃないかなと思います。

AGやバイオAGを必要とさせてしまったGEメーカーにも問題があるのかと。

GEって厚労省が元々かなり守ってきた部分があるんですよ。

先発品メーカーに参入させないように、

彼らの雇用を守るために厚労省がいわゆる忖度をしてきた訳です。

でもそれを許されないような状況に先発品メーカーがなってるんですよね。

先発品メーカーもAGやバイオAGに手を出さざるおえない状況になっているということです。

AG化の流れは止められない

おそらく、アメリカや、日本の状況を見ていると、

このAG化の流れは止められないと思います。

調べていても、その流れを止める合理的な理由が見つかりません。

自分が患者になった時にやっぱバイオAGやAGを使いたいなと思います。

バイオAGの治験に入るよりは、画期的な新薬の治験に入りたいと思います。

それはやっぱり世の中の流れとしてはそうなるのではないかと思います。

セルトリオンの将来性は大丈夫か?




ここまで長々と前置きを説明してきましたが、

バイオAG(バイオAGという名前は仮)やAGの流れを止めることはできそうにありません。

そうなると、バイオシミラーの先駆け、セルトリオンは大丈夫か?ってことです。

鳴り物入りで、セルトリオンジャパンを立ち上げて、

今は結構募集も活発に行っています。

派遣社員も多いですが、日本人の正社員も採用を行っています。

セルトリオンの現状

セルトリオンは、リツキサンやハーセプチン、

レミケードのバイオシミラーを中心に扱っており、

ヨーロッパを中心に爆発的な売上を作っている会社です。

2018年5月2日の段階の株価は日本円で大体25000円です。

こちら損益計算書です。

もっと詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

セルトリオン損益計算書

セルトリオンはめちゃくちゃ儲かってる

私は最近、武田薬品とシャイアーの買収を調べるに当たって、

財務諸表や株式に関するデータを貪るように見てまして、

この財務諸表が全般的にわかるようになりました。

そのにわか仕込みの知識ではありますが、

控えめに言って、セルトリオンはめちゃくちゃ儲かっています。

莫大な利益を出していますし、

それがしっかり研究開発費に回っています。

しかも、グローバル企業でありがちな、

無形固定資産と暖簾代という見せかけの資産の割合が少ないのです。

これはしっかり現金ベースで会社を回せている証拠ですし、

経営が安定しており、いわゆる儲かっているということです。

ちなみに、武田もシャイアーもこの無形固定資産と暖簾代の割合がやばいので、

名だたる投資家が武田薬品終わりの始まりと言われています。

セルトリオンの生命線は新薬開発

セルトリオンはバイオシミラーで稼いだお金を全て新薬開発に回してます。

非常に賢いと思います。

これがうまくいくかいかないかはわかりませんが、

現状のバイオAGの流れを見ていると、

間違いなくそうしないとセルトリオンに生き残る道はありません。

セルトリオンの新薬開発は容易ではない

ただ、セルトリオンに限った話ではないですが、

新薬開発は容易ではありません。

セルトリオンは新薬開発に売上高の4割をつぎ込んでいます。

この割合は日本の製薬企業の倍以上の値になります。

ただ、かなり難航してるのは間違いありません。

しかもセルトリオンは元々磁場の製薬会社と(日本なら日本化薬)提携して、

ビジネスを展開しています。

利益は上がっているのM&Aをかけるのも考えられますが、

ノウハウがありません。磁場の後発品メーカーと提携してることから、

ネットワークも構築できてないと考えられます。

セルトリオンの将来性まとめ

セルトリオンの将来性をまとめると、

・セルトリオンは現状とても財務状況は良いです。(規模は大きくはない)

・しかし、今後バイオAGがどんどん登場してくることは容易に想像できる。

・バイオAGに待ったがかかる可能性ももちろんある

(承認のボーダーラインの明確化、今後のGE開発の停滞化を招くなどが理由)

・セルトリオンの新薬開発に関しては全く読めない

・M&Aをかけるにはネットワークとノウハウが不安視される

と言った感じです。

今後もセルトリオンにはちょっと注目していきたいと思います。

セルトリオンは活発に募集かけているので、

興味ある人は是非受けて見てください。

そして、どんな感じの会社か是非私に教えてください!

では!

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コメント

  1. 独身MR より:

    そもそも論として厚労省も、
    ジェネリック=先発品と同等、と断言してますが、
    バイオシミラー=先発品と似ている、としか表現していないので、そもそもBSは先発品とは違うものという認識が正しいでしょうね。

    レミケードのBSも発売から3年ほど経ちますが、浸食率は未だに3%未満(2%?)だったと思いますので、適応違いは多少あれど、ほぼ置き換わっていないのが実情ですね。
    低分子のGEは数億もあれば開発から発売まで出来ると聞いたことがありますが、BSは百億単位のコストがかかりますし、今のままではBSでどこまで商売できるか疑問符だと思います。
    そもそもBS自体がGEと比べても信頼性が乏しいのもありますが、基本的にこの手の薬剤を使っている患者は殆ど高額医療費制度を利用しているので自己負担の上限が決まっているため、BSに切り替える経済的なメリットが無いんですよね。
    むしろ、下手に安くなると高額医療から外れる可能性も出てくるため、患者側からすると変えるメリットは少ないのが実情です。

    ただ、国が本格的にメスを入れ始めれば一気に風向きが変わることもあり得るので、同行は注視していく必要はありますね。

    • 大ちゃん 大ちゃん より:

      BS=あくまでsimilarなんですよね。。
      確かに。
      セルトリオンって、世界的にはBSで成功してる会社なんでしょうけど、、実際日本ではどうなのかなと考えていたら、
      AGの話を思い出して、もしや?と思って調べて見たら、協和発酵がバイオAGなるものをやっていて、
      もしかしたら今後はその流れになっていくのかなと。
      国も患者負担より国の財務を考え始めてるのは間違いなさそうなので、
      メスが入りそうな感じはありますけど、BS自体に着目するほど市場が無いので、
      このままスルーかもしれませんね。。。
      動向は僕も注目して見ます!

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