製薬会社のPV職(安全性情報部)の仕事と将来性【読者さんからのQ&A】

製薬会社のPV職

どうも、だいさくです。

ブログの読者さんから下記のようなご質問をいただきました。

今後、製薬会社のPV職に関してご興味のある方はご参考になるかもしれませんので、

ご一読いただけましたら幸いです。


だいさく様

こんにちは。私は薬学系の大学院生です。
いつもだいさく様のブログを楽しく拝見させていただいております
私は現在就職活動中で、PV職に興味を持っています。
OB訪問や会社説明会などで情報収集を行いましたが、多様な立場の方の視点から意見を伺いたいと思っております。そこで、複数の製薬企業で働かれた経験のあるだいさく様に、ぜひPV職の実態と将来性について、お聞きしたいと考えています。

製薬会社のPV職(安全性情報部)とは何か?




私もとうとう自分のブログで製薬会社の3責の1つに関して記事を書く日がきたのか〜

なんて思っています。

PV職に関しては、OB訪問などで情報収集を行なっているということでしたので、

恐らくPV職がどのような仕事かということは私よりもご存知なのではないかと思います。

なので今日は、リクエストにお答えしまして、

私が大手外資系、内資系、そして今のベンチャーの会社と渡り歩いてきた経験から、

PV職に関して知ってることや現場目線での意見という形で書いていければと思います。

製薬会社のPV職とは何か?

正直言うと、ただMRやっていた頃は、

「いつも調査票遅くなってすんません」

「とにかくいつもありがとうございます!」

的な印象を誰もが持ってるのではないかと思います。

しかし、このPV職っていうのは知れば知るほど面白いと思いますし、

結構な高学歴の理系軍団が集まっている部署でもあります。

製薬会社の中でも特に薬の安全性、及び有効性に関わる重要な職種です。

恐らく私のような文系出身者の適当な人間には務まらない、

緻密で、大変な職種だと思います。

MRが接するPV職の方って多分2、3人くらいしかいないのかもしれませんが、

私が以前働いていた大手の内資系でも、

ゆうに150人とか200人くらいはこのPV部門に人がいました。

製薬会社のPV職の主な仕事

PV職の実践的な主な仕事は、非臨床と臨床、治験から上市後までの医薬品の安全性を監視する

一連の流れにおける活動、

いわゆる「ファーマコヴィジランス」が製薬会社におけるPV職の主な仕事になります。

なので、簡単にPV職の仕事をまとめると、

・データ収集と入力

・分析と評価

・ライティング(当局への報告)

この3つの仕事が実践的な仕事になってくると思います。

ただ、非臨床や治験中の話も入れてしまうとかなりややこしくなってしまいますし、

基本的にはPV職の方の大半は上市後の仕事がメインになるかと思いますので、

そちらの方を中心に話して行きたいと思います。

製薬会社PV職に対するちょっとした不満

完全に僕の私見ですが、

例えば上市してからちょっとしたあととか、

数年後とかに何か未知の副作用が出た場合、

因果関係は不明だけど未知の副作用が出た場合に、

すぐに情報を取り出してくれないケースって結構多いんですよ。

それは結構フラストレーションが溜まっていたし、

医療従事者の方の役に全くたってない瞬間だったので、

その辺は個人的には結構不満でしたし、

PV職の課題なのかなと思っていました。

原因はPV部が信頼性保証本部の一部だから?

仮説ですが、その辺のフィージビリティというか、

フレキシビリティが無いのは、

PV部が信頼性保証本部の一つとして存在してるからでは無いかと思っています。

PV部が独立して存在していればもっとフレキシビリティが上がるのでは無いかと思います。

それは、なぜそう思ったかというと、

中外製薬がそのようにしてるからです。

中外製薬は日本国内では、ご存知の通りオンコロジーのリーディングカンパニーです。

オンコロジー系の情報の収集やネットを使った発信力は凄いし、とても便利だし、

先生方も一目置いていて、何より本当に助かっていると思います。

オンコロジー製品はほぼ全ての薬剤でほぼ全ての患者さんに何らかの副作用が出ます。

そのオンコロジーのリーディングカンパニーである中外製薬は、

上市後の副作用発現に対する対応は他の会社と比べてダントツで早いです。

これは僕というより、オンコロジーの先生方が持ってる印象です。

(あくまで私が担当させていただいた先生の話です)

それで中外製薬と他の会社の体制として何が違うのかと考えると、

中外製薬は信頼性保証本部PV部が独立してるので要因がそこなのかな〜と思っています。

上市後の副作用対策が完璧にできるというのはオンコロジー系の会社では、

とても重要だと思います。

なぜ中外は独立してるのか

他の会社を全部知ってるわけではないですが、

僕が今までいた会社は全てPV部は信頼性保証本部の傘下にいました。

でも、なぜ中外製薬はPV部を独立させているのでしょうか。

それはやっぱり、医療従事者と患者さんとMRのためだと思います。

やっぱ未知の副作用への対応が早いのは良いことだと思います。

対応が早いということはMR側も嬉しいし、

それが医療従事者側も小さいデータでもあるのはやっぱり安心します。

その辺はやっぱりさすがって感じがします。

製薬会社のPV部の将来性




将来性は抜群に高いと思います。

MRの数が減少してもPV部に携わる人が減少することはあり得ないと思います。

しかも昨今は副作用報告の遅延問題も起きていますし、

とにかく報告してなんぼ、報告した人が偉い世界になっています。

医薬品がこの世からなくならない限り、

PMDAが報告しなくて良いよと言わない限り絶対無くなりません。

製薬会社のPV部で求められる人材像

ただ、上述したような、情報収集部門と、入力部門は、

結構CROに委託したりしてるケースも多いです。

情報収集と入力作業部隊をわざわざ自前で持たなくても良いというのは、

とても合理的だと思います。

では今後どのような人間がこのPV部で重宝されるのかと言いますと、

・ライティング力

・分析力

・非臨床の経験者

・堪能な語学

この4つがある人間だと思います。

ライティング力と分析力は、

会社に入ってから身につけるケースが多いと思いますが、

重要なスキルになると思います。

PV部は子育て女性が片手間にやってた時期がある

このPV部って会社にもよるかもしれませんが、

結婚して子供を産んだ後の女性が内勤を希望して異動する部署の一つでもありました。

もしくは、何らかの理由で現場から離れなければならなくて、

たどり着いたのがこのPV部だった人が多くいた時期があるのです。

その時にあまりにもライティグ力と分析力が無い人間が増えてしまい、

ひどい状況になった会社があったのです。

そこで結局、開発職でメディカルライティングに携わっていた方が移動することで、

対応した経緯があり、

このことから、PV部には分析力とライティング力をしっかり持っている専門性の高い人間を

配備するようになった経緯があります。

なので、このライティング力と分析力がある人間は、

むしろPV部でとても重要なスキルの一つになります。

情報収集と入力作業をアウトソーシングしてるケースが多い昨今では、

PV部はプロフェッショナルな集団になりつつあります。

非臨床と語学力

ご質問者さんのような非臨床の経験は結構重要だと思います。

PV部の仕事は大きく、非臨床と臨床に分けられますし、

非臨床の段階の仕事ができたり、その経験があるというのは、

自分のPV職でのキャリアを考える上でもとても重要だと思います。

最近PV職もガンガン新卒入社を採用するようになってきていますし、

そのほとんどがご質問者さんのようなスペック高そうな方です。

ルールはグローバルで違う

語学力がなぜ重要かというと、

この安全性情報に関するルールって国によって違ったりします。

これが外資系だと本国があって、

グローバル基準に関する知識や経験は本国の人に任せておけば良いのです。

しかし、それが内資系の場合は違います。

内資は日本がヘッドなので、

内資で働いていてグローバル基準に精通していたり、

海外のファンクションとのやり取りができればスーパーPV職人になれると思います。

(バカっぽい例えですいません)

PV職もガンガン転職する

製薬会社って比較的どのファンクションでもガンガン転職します。

MRもそうだし、MSLも研究職の方も転職が横行してる業界です。

PV職もガンガン転職します。

新薬の安全性情報の経験は非常に重要です。

やっぱり特殊な職業なので、

未経験入社みたいなのはまずありえません。

うちみたいな新設された製薬会社なんかは、

3責の1つである安全性管理部門なんかは結構な高額で引っ張ってきますからね。

なので、MRに限らず製薬会社で重要なファンクションを担っている仕事をしている人は、

どこからも引っ張られるんだと思います。

新卒PV職は最初は先発品の内資が良い

最近は新卒者もかなり採用しています。

私は、PV職は最初は内資が良いと思います。

超個人的には中外製薬が良いと思っていますが、

特に先発品メーカーで新薬がよく出てくる会社で、

スペシャリティ系が良いと思います。

なので、大手内資とか中外製薬とかは外資と比べると、

やっぱり貴重な経験ができるのではないかと思っています。

外資は逆にすごくPV部の中でもすごく細分化されているので、

様々なファンクションの経験ができないのではないかなと。

最後に

いかがでしたでしょうか。

僕も今回の記事を書くにあたって知り合いのPV職の方にちらほら聞いたのですが、

どんな上司にめぐり合うかでスキルや知識に差が出ると言っていた方が何人かいました。

その上司がいろんなファンクションを経験してると、

PV職がどのような役割をしていて、

どのような部署の人にどのように役に立っているかを教えてくれるとのことでした。

まぁどの仕事でも、自分の部署が会社全体を見てどのような役割を担っていて、

他の部署がどのような役割を担っているかというのを知ることはとても大事だと思います。

PV職は収集した情報を集めて分析して、ライティングするという、

普通の仕事に比べたら特殊度が高い仕事だと思います。

かけがえのない仕事だと思いますので是非頑張ってください!

では!




 

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