製薬会社の教育研修部ってどんな部署?仕事内容から楽しい事辛い事まで!

MRエピソード!

だいさくさん

私は、過去に一時期 営業を離れて内勤の「教育研修部」におりました。

なかなか無いエピソードかと思い投稿させていただきました。

私は訳有って、MRから1年半教育研修部に所属していました。

私の場合は途中で、MRに戻してくれてと言って異動させて頂きましたが

その際のエピソードをご紹介します。

製薬会社の教育研修部ってどんな部署?仕事内容から楽しい事辛い事まで!




異動のきっかけは軽い気持ちで上司に言った一言です。

「ウチの教育システムはダメですね、いつか変えてみたいです」とか、

飲みの席にて話していたことだと思いますが、

何故か覚えていたようで、内示の際に絶句したのを覚えています。

1、教育研修部の社内での位置づけ

教育研修部の位置づけは会社によって様々です。

社長直下であることもあれば、

営業部・マーケティング部と横並びにある場合も有ります。

私の場合はマーケティング部の中に教育研修部が有りましたので、

いわば配下に置かれマーケティング部の意向が大きく反映される部署でした。

この方法であればやることが明確になり楽ではありました。

自社製品に絡む教育をピックアップして行います。

一方、それ以外はすべて切り捨てられるため、本に書いてあった内容や、

他社の実践例を試したいなどもってのほかで、

とにかくこういう人材を求めているから、こうやれみたいな指示となります。

教育研修部に配属される人材はどんな人か

教育研修部に配属される人は様々です。

トップの課長には営業出身の元所長クラスが配属されることが多いですが

悲しいことにバリバリな人は中々来ません。

仮にいたとしても、他の部署に持っていかれてしまうのかもしれません。

後はマーケティング部からの出向組がいて、意向を伝えるアドバイザー、

悪く言えば監視を行う役割をしてくれる方が数名おり、

実務を担当する5~6人からとなります。

ここは本社から転勤はしたくないので異動を希望した方や

不祥事等にて営業を外され、引き取られたみたいな方もいます。

残念ながら、エース級の人はゼロでした。

営業出身から見て、非常に物足りなかったのを記憶しております。

異動は頻繁にあり、常時10人いたりいなかったりの部署でした。

教育研修部の年間予定

製薬会社における教育研修部の年間予定ですが、

通年:MR認定資格更新の継続教育

4月~9月 新人研修(MR認定試験対策)

10月~3月 役職別研修(主任から管理者まで) がメインとなります。

勿論人事に伴う昇格者が出る際は別途研修が入ります。

※詳細は次の章にて詳しくご紹介します。

なんだかんだで年間何らかの予定が入っており、

営業でいえば決算期みたいなメリハリは無かったですが、

外部の顧客からの連絡は一切入ることはないため

終業後や土日のストレスは無かった事を覚えております。

教育研修部の主な仕事内容




研修部なので、研修プログラムを作成し実施する。

その下準備として、課題を作ったり全国の社員へ要望の聞き取りを行ったりします。

いわば裏方の仕事がメインとなりますが、

研修は大きく分けますと下記の3つとなります。

①MR認定資格継続教育
②新人研修
③役職別研修

① MR認定資格継続教育

こちらの継続教育は規定に基づき作成します。

年間の時間数が決まっており、それを12で割った時間を

何に割り振るか?の話し合いから始まります。

ここも自分たちの意思では決められません。

新薬の発売が迫ればその分野の研修が増えますし、

それ以外でもこれは必須だから入れてくれと各部署から依頼が入ります。

更に不祥事が発生した際は、コンプライアンス研修の割り込み依頼が来るなど、

なんだかんだ盛りだくさんになり、現場に迷惑をかけていました。

基本はWEBでの研修の個人受講となり、研修サイトの接続視聴時間にて

研修の参加可否を判断、課題進捗の悪い人に催促したり等の仕事でした。

ここが一番現場と接するかつ、やりがいはなかなか無いのに関わらず

批判や折衝が多い仕事でした。

②新人研修

こちらも年間通してやっています。

キックオフは2月です。入社してくる新入社員の履歴書を見て、

今年はこんな人が多いから、こういうやり方で行こうみたいな指針を決めます。

体育会系が多い、文系が多いとなると少し困ったのですが、

先入観ほど成績にはリンクしなかった事を記憶しております

4月から9月まではいわば研修期間となります。

集合研修では学生のノリを引きずった新入社員を時には締めたり、

ガス抜きの為に飲み会を企画したり、悩み相談をしたりなどがあります。

自分の新入社員時を思い出す、貴重な時間でもありましたが、

一番困ったのはテキストの質問を受ける時です。

一応MR認定試験は通過しておりますが、内容などとっくに忘れております。

自分たちの時と制度も変化しており、何か質問されたときは非常に緊張しました。

9月末にて研修終了にて、新人は現場に一度出ますが、

ここからもMR認定試験の勉強時間を確保して欲しい研修部側と、

とにかく数字を上げてほしい現場側の意見はぶつかります。

模試の成績不振者に対する、電話での講義などをしたり

悩みを聞いたりモチベーションを上げるなどして、本番を待ちます。

試験翌日は全員の回答を確認し、想定合格率を出します。

1月の合格発表を見て、ほっとしたものです。

私は個人的に一番好きな仕事でした。

③役職別研修

主任クラスからリーダー、管理者といった役職別に行う研修です。

年功序列の会社であれば、おおよそ同年代が集まる同期会にもなります。

役職別研修は研修という名の同期会を兼ねた息抜きの時間でも有ります。

勿論受講する側も息抜きと分かっていますので、

程よい距離感にて実施することが出来ました。

テーマは割と自由に決めることが出来ましたが、

出来る限りリラックスして受けて頂きたかったので、

悩みを吐き出させる箇所は必ずご用意しました。

リーダー研修であれば「チームにいる働かないオジサンMRをどう動かすか」

管理者研修であれば「部署にいる今どきの若者MRにどう伝えるか」みたいな

テーマを選んだものです。

一方正論ですが、たまに空気を読まずガチガチの研修を強いる人もおり

その際のアンケートのブーイングはすさまじいものがありました(笑)

3、教育研修部の仕事で楽しかった事

楽しかった事は、純粋に営業を一度離れた立場からMRを見て、

違った目線にて話すことが出来たことです。

また研修の際に優れた営業の方とお話しする機会もあります。

年上年下問わず、優秀な方とお話しするのは楽しい時間でした。

また研修は数少ない全国から人が集まる機会です。

昔お世話になった上司が来たり、

同期が来たり、そこで飲みに行ったり情報交換をしたりと、

色々な人と昔話をすることが出来たことも貴重な機会でした。

あくまで肌感覚ですが、営業はマーケティング部にはよく敵意識を持っていますが

教育研修部に対しては無かったので、本音を聞くことが出来ました。

普段は嫌われ者にならなければならない管理者も、こんな悩みがあるんだなと

今一度人間のエピソードを見ることができました。

教育研修部の仕事で辛かったこと

辛かった事は現場からの意見や不平不満を受け止める時です。

忙しいんだから余計な研修を作るなとか、

研修プログラムを聞いたが、何の役にも立たない等の、

さんざんな研修アンケート結果を見せられた時は凹みます。

一度、優れた営業に集まっていただき、アドバイザー的に

どのような研修をしてほしいかの意見を募るいわば改善プロジェクトのようなものを立ち上げたのですが、

ダメ出しと批判の嵐にて開始3分にて帰りたくなったものです。

特に営業経験のある私に対する批判はすさまじく

「営業の気持ちが分かるくせに、何をやっている」だの

「本社の犬に話すことなど何もない」だの、まあ公開処刑でした。

私もMRの時は同じことを思っていたので、文句は言えませんが。

4、肝心の評価は?

これは基本ど真ん中の評価となります。

上げるにもプラス要素が無く、下げるにもマイナス要素が無い仕事だからです。

他の部署にはできて当然、後はミスがあった時だけマイナスになるだけという、

減点主義の部署もありましたが、100%顧客が社内になるため、

そういうことは有りませんでした。

唯一数値にてプラス要素になるのは新人のMR試験合格率ですが、

これは卸が大量に受験していた時代もあり、製薬会社はほぼ100%合格していたため、

あまり影響を受けることは有りませんでした。

過去には合格率が悪く、責任者が更迭された時もあった様子です。

教育研修部の年収や働き方

また当然MRでは無いため、日当は無くなり、

手当や残業も無いため、年収でいえば100万円くらい下がったかもしれません。

しかしフレックスの為、満員電車に乗ることも無く、

また終業後・土日の拘束は一切なかったため、

それはそれで、良い生活であったかもしれません。

家族や子供とゆっくり過ごすことができるようになった等、

少なくともQОLは格段に上がりました。

最後に:教育研修は数少ないブルーオーシャン?

私はMRがやりたかった為、すぐに離脱してしまいましたが、

会社によっては教育研修は非常に重きを置かれている事も有ります。

製品や疾患の知識であれば、それはAIやタブレットがあれば解決しますので

今後求められる教育研修は「それ以外を教える事」になると考えております。

それはヒアリング能力やスピーチ能力と言った

優れた営業マンが知らず知らずのうちにやっている事です。

名選手名監督・・・の言葉がある通り、

優れたスキルがあっても人に伝えられない人は確かにいますが

それを弱点と認識し、本当に伝える方法を勉強したり、

努力している人は少ないと思います。

それを伝えることが出来れば、まさに営業が求める教育研修となります。

これこそまさにブルーオーシャンです。

営業力に自信が有るが、営業職という将来に不安がある

MR不要論がある今、何かスキルを身に着けたいと思いましたら

勿論会社にもよりますが、教育研修部にて自分の力を試してみてはいかがでしょうか?

これこそ社内社外、業界を跨いでも必要とされるスキルかもしれません。

以上となります。

だいさくより

とても貴重なエピソードありがとうございました。

僕も今本社にいて思うのですが、結構製薬会社の本社って、

一つの部署が強い力を持っていたりするケースだと、

昔の参勤交代のように息のかかった人材を送り込んだりしてますもんね。

マーケの直下っていうのも大きい会社の特徴な感じがしました。

僕は異業種からこの業界に入って一番良かった事は、

受けた教育だと思っているので、

それ以外を教えることができるってのって本当に大切なスキルだと思いました。

今はなんでも情報がシェアされる時代なので、

とても貴重な情報をいただけて本当に嬉しいです!

この度は本当にありがとうございました!!!




 

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