楽天メディカル(旧アスピリアン)はオンコロジーMR要チェックだよ!

楽天メディカル

どうもこんにちは、だいさくです。

楽天アスピリアンの転職案件が立ち上がってますね。

楽天アスピリアンは、以前書いたこちらの記事の中でも紹介させていただきましたが、

営業部門立ち上げが予想される今後注目のバイオベンチャー 7選!

2019年に立ち上がるであろう有望株の製薬会社の筆頭が、

この楽天アスピリアンですが、

まさかまさかこんな早く案件が立ち上がってくると思わなかったです。

テレビでも大々的に特集されていて、

オンコロジー領域の方はご存知の方も多いと思いますが、可能性のある治療法です。

数例の報告ベースの文献しか現状出てないので、

情報が限定的ではありますが、

楽天アスピリアンとRM-1929に関する情報をまとめて見ました。

楽天アスピリアン社とは

楽天アスピリアンHP

楽天アスピリアンジャパン株式会社

【創業】2017年11月

【本社】東京都世田谷区玉川(楽天本社内)

【従業員数】不明

【社長】三木谷 浩史

楽天アスピリアンの光免疫療法とは?




楽天アスピリアンの特徴は光免疫療法です。

光免疫療法(近赤外光線免疫治療法:NIR-PIT)は、

がんに対する分子標的薬に、IRDye 700DXという近赤外蛍光色素を結合させた、

薬物複合体になります。

今回頭頸部癌に対してPhaselllが行われているRM-1929は、頭頸部癌に使われる、

セツキシマブというEGFRの抗体にこのIRDye 700DXが結合してます。

セツキシマブにIRDye 700DXを結合させた薬物複合体の名前を「RM-1929」と呼びます。

IRDye 700DXは光吸収体と呼ばれ、EGFRの抗体であるセツキシマブに、

がん細胞まで連れて行ってもらい、その後外部から近赤外線を照射することにより、

IRDye 700DXががん細胞内で熱を発する物質に変化して、

物理的にがん細胞を破壊してくれるというのが作用機序です。

また、急激に細胞破壊を行う事から、放出された腫瘍抗原により免疫が活性化されるため、

光が届かない部位の腫瘍にも有効性を示すともいわれています。

IRDye 700DXを開発したNCI(米国国立癌研究所)がyoutubeで作用機序の動画をアップしてます。英語ですが視覚的に見るだけでも、めちゃくちゃわかりやすいです。

RM-1929開発の背景

RM-1929の開発の背景ですが、

RM-1929の「RM」は三木谷社長のお父様、三木谷良一さんのイニシャルなんだそうです。

そして1929というのはお父様の誕生年である1929年から、

RM-1929と名付けられたそうです。

三木谷社長のお父様が2012年に膵臓癌に罹患し、

三木谷社長がなんとかお父様の癌を治せる治療法はないかと世界各国の研究者を訪ね、

良い治療法を探すために世界中で最新のがんの治療を調べていたそうです。

その際に、三木谷社長の友人を介してNCIにおられた、

小林久隆先生にお会いすることになります。(下記写真)

このRM-1929を開発されたのがNCIの主任研究員である小林久隆先生です。

2013年に小林先生が学会での講演のため日本に訪れた際に三木谷社長と会合を行い、

三木谷社長のがん治療に対する深い知識に非常にびっくりされたそうです。

当時、小林先生はRM-1929のパテント(特許)を取得したばかりだったのですが、

小林先生が三木谷社長に真剣にお話をされたところ、

三木谷社長がRM-1929に大きな可能性を感じ、

RM-1929のライセンスを取得している米国のアスピリアン社に、

数億円に上る支援を行ったそうです。

ちなみに、その際の支援は楽天では決済が降りなかったため、

三木谷社長が個人で行ったという話です。

結果的には、楽天アスピリアン社となり、

楽天含めて他の出資者から3億ドルを超える出資がされ開発が加速し、現在に至ります。

のちにいくつかの記事で書かれていましたが、

小林先生も当時はNCIで臨床応用への予算が中々つかなかったため、

治験の準備を進めることが難しかった時期で、

三木谷さんの支援や、

この治療法をがんで苦しんでいる人々に早急に届けたいという思いを受け、

アスピリアン社とも相談しRM-1929と名付けようと提案したそうです。

RM-1929臨床成績

RM-1929の臨床成績に関する報告は限定的です。

米国のPhasell試験において、

再発頭頸部癌を対象に複数の病院で30例に対して治験が行われました。

しかし、現在公表されているのがトマス・ジェファーソン大学の7例と、

Phaselの8例の合計15例の結果が報告されて降り、

再発の頭頸部癌に対して奏功率が93%、7例(43%)で完全奏功しています。

この事からFDAから米国のファストトラック指定(早期承認制度)に指定されてます。

ただ、治療抵抗性の頭頸部癌に対するPhasella試験の結果(30例を対象)が、

2018年度のASCOで発表されており、奏功率が28%、

完全奏功率が14%、PFSが5.7ヶ月、OSが9.1ヶ月と報告されています。

※2019年のASCO(米国腫瘍学会)において結果が発表されました。

楽天メディカル、光免疫療法P2a試験で結果発表

P2aの発表でしたが、

RR:43%(うちCR4人)
PFS:5.2ヶ月
OS:9.3ヶ月

という結果でした。

P3試験である、LUZERA-301試験は概要だけ発表されておりました。

患者群がかなりシビアに見える中ではそれなりの結果ではあると思いますが、

期待されていたほどではないという印象ではあります。

RM-1929 photo-immunotherapy in patients with recurrent head and neck cancer: Results of a multicenter phase 2a open-label clinical trial.

副作用に関してですが、

標的のがん細胞に結合した細胞のみを壊すので副作用が少ない、

正常な細胞に影響が出にくいと考えられます。

光免疫療法はコストが安い

また、光免疫療法は日帰りで治療ができる事、

治療期間が長くないこと、

特許が切れた抗体が使える事、

光感受性物質が構造的に簡単で、

製造価格が高くないことがあり、

低コストな治療が実現できるそうなので、

コストの面でも患者さんや医療経済的にも優しい薬だと言えそうです。

楽天アスピリアン社の将来性




2019年に発表される頭頸部癌のPhaselllのデータが待ち遠しいですが、

RM-1929の問題点としては、

近赤外線照射が届かない部位のがんには使えないという点です。

逆にいうと、照射が届くがんにはなんでも可能性があるという事です。

現在は頭頸部癌以外の2癌腫に対してPhasel/llが決定しております。

どの癌腫かは公表されておりませんが、

肺がん、乳がん、すい臓がん、大腸がん、前立腺癌のどれかだと思われます。

また頭頸部癌にはセツキシマブがパートナーの抗体として選択されていますが、

抗体は癌腫によって変更される予定で、

乳がんではおそらくHER2抗体が選択されるのではないかと思います。

そして今後は癌腫によってではなく、

ゲノムの異常によって使い分けて行くように計画されているようです。

昨今、ペンブロリズマブがMSI-Highの固形癌に承認を取得したり、

中外製薬がNTRK融合遺伝子陽性固形がんに承認取得したように、

いわゆる臓器横断的な承認の取得を目指すように見えます。

また、小林先生の提案もあり、

現状ではがん細胞を直接叩くような作用機序ではありますが、

今後は同時に制御性T細胞に対しても治療行えるようにし、

併用して行くことでさらに高い効果が期待できると述べられています。

癌細胞を直接叩く治療と、

癌細胞を攻撃するリンパ球を活性化させる治療を同時に行うというものです。

この方法は転移巣へのアプローチにも効果的であると記載されてます。

もし、頭頸部癌に対するPhaselllの主要評価項目(PFS及びOS)がポジティブに出れば、

副作用が少なく、治療効果が高い、さらに医療経済的な面でも利益がある、

非常に期待の持てる治療選択肢になると思います。

さらに他癌腫への横展開も可能になれば非常に大きな可能性のある会社だと思います。

 

楽天アスピリアンの転職案件が立ち上がったぞ!

僕は楽天アスピリアンはかなり注目していたので、

今回立ち上げ案件が出ていたので興奮してしまいました。

ご興味ある方ぜひ情報とって見てください。

案件はJAC Recruitmentがとりあえず持っているようです。

※セールス部門はまだ上がってません。

NCIで開発され、アスピリアン社がライセンスを取得し、

三木谷さんが支援に加わり、且つ自ら社長になり陣頭指揮をとったことによって、

非常に早い速度で加速していった治療法です。

研究者の情熱と創薬に必要な資本がうまくからみあった結果なんだと思います。

最後に

現状募集がかかっているのが、グローバルアライアンスとプロマネが上がってます。

光免疫療法であるRM-1929(ASP-1929とも呼ばれる)の、

頭頸部癌に対するPhaselllにおける、

あくまでトップラインの結果ではありますが、

早くも2019年の1Qに発表される予定とされています。(あくまで予定)

ちょっと早すぎではと思いましたが、結果が良さそうだというの見越してんのかな??と。

もし、結果が良ければプレスリリースで発表されて、

2019年のASCOで何らかの発表がされるんではないかと予想してます。

ASCO後あたりから薬事系に続いて営業部隊の募集がかかるかもしれないですね。

現状どこかに導出するという話もコプロするという話も出てなくて、

こんなに早く案件が出てるということと、

今後のRM-1929における、

他癌腫への治験や併用療法の可能性を考えると立ち上がる確率はかなり高いと思います、

どう方針が転換されるかわからないですが、

コプロとか導入されないように個人的には願っております。

三木谷さんの熱と性格的に自分でやりそうな感じは何と無くしますよね。

情報が限定的ではありましたが、ご参考いただければと思います。

ではまた!




 

 

コメント

  1. Vincent yoko より:

    娘 43歳 8年前に乳がん その後肺がん 肺ガンは回復 しかし 肝臓に移転 何度かのchimiothérapieにも 良い 結果が見られません 、当方治療法 希望しています、診察 していただけでしょうか、返答 お願いします。

    • 大作 大作 より:

      コメントありがとうございます。
      おそらく楽天の光免疫はまだ乳がんのしっかりしたデータが無いように思います。
      私自身は詳しくありませんので、主治医の先生にお尋ねいただいた方が良いかと思います。

      力になれずに申し訳ございません。
      娘さんが回復されますよう心からお祈りしております。

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