オンコロジーMRと希少疾患MRの違いについて【Q&A】

読者さんからの質問

どうもこんにちは、だいさくです。

ツイッター経由で、ご質問をいただきました。

内容としては、希少疾患のMRとオンコロジーMRの違い、

特にDTL、コンテンツ、メール、講演会(WEB込み)、チーム医療について、

オンコロジーは製品自体のエビデンスや、

ガイドラインの位置づけでも売れるかどうかが決まって、

MRは適正使用よりの情報提供になるのかと考えているのですが、

その辺どうなのでしょうか?

といったご質問です。

オンコロジーMRと希少疾患MRの違いについて




今まで何回か記事を書いた事はあるのでご存知の方も多いと思いますが、

僕も希少疾患の領域ではあるんですが、

オンコロジーなんですよね。

オンコロジーの領域って多くはオーファン指定されるくらい患者の人数が少ないんですが、

僕が扱っている薬が適応になる患者さんは年間300人程度しかいません。

投与経路が煩雑で患者さんの侵襲度が高いので看護師職のMSLも若干数います。

ちなみに現場とMSLは結構仲悪いです。

大体1人のMRが3、4県またがって担当してる状況です。

ということを踏まえて書いて行きたいと思います。

オンコロジーも希少疾患もその疾患と薬剤による

オンコロジーだからこう、オーファンだからこう、

とは一概に言うことはかなり難しいですよね。

オンコロジーもがん種によって先生のタイプも違うと言われてて、

オンコロジーマーケティング上では、

例えば、乳腺の領域とかは、

乳がんを診てる先生はがんを診てる多くの診療科の中で、

一番MRの情報提供に影響を受ける率が高いと言われてます。

なので、同じような薬効で、

後発参入してもいわゆるSOVでシェア捲れるっていう話もあります。

確か、、ウロと消化器外科も比較的SOVが影響されやすかったと思います。

厳しいのが血液内科ですが、内科全般は基本的に結構厳しかった記憶があります。

ただ、あくまで薬剤が拮抗した場合の話です。

確かにガイドラインは重視されますけど、

Best in Classならガイドラインに載っても載らなくても使われるでしょうけど、

オンコロジーでも同じ薬効で拮抗したら結構きついとは思います。

ただ、プライマリー製剤のように、

あそこまで同じ薬効で沢山の薬剤が出てくるわけではないのと、

投与経路とか副作用の若干の違いとかで住み分けができるとは思います。

ただ、大腸癌のEGFR抗体は全く同じに見えるし、

あれは武田の後発参入のくせにシェアまくってんのは完全に武田の営業力でしょうね。

領域が消化器外科なのも良いんでしょうね。

乳がんのCDK4-6のリリーとファイザーの戦いは、

来年あたりどんな結果になってんのか個人的にすごい興味有りです。

オンコでも群雄割拠してて、SOVが有効な領域に少人数の会社が参入したら、

まず勝てないと思います。

希少疾患とオンコロジーの活動の違い

希少疾患の場合も薬剤によるんですよね。

あくまで弊社の場合ですけど、基本的に大変です。

大手と違って部門が細分化されておらず、

基本的にMRが全部やる感じです。

いるのは数人のマーケとMSLです。

MSLは僕が入社した当時に在籍してたんですが、

今は元MRが1人、元研究職が1人、元看護師が1人です。

元看護師さんは投与経路が複雑なので雇用されてるんですが、

実際は現場の看護師さんとか先生に聞くことがほとんどで、

看護師職の方を採用した意味ってなに?と個人的に思ってます。

研究職の方は先生のアンメットニーズの把握とか、

こう言ったらお医者さんはこう言うだろうみたいな予測がかなり下手で、

現場にどんどん出ていって活躍してくれるのは元MRのMSLです。

余談ですが、うちみたいな営業よりのMSLは元MRがやった方が絶対良いと思ってます。

MSLへのクライテリアを厳しくしてる会社は開発に依存してるケースが多いし、

MRとMSLの間の職種が充実してますよね。

そういう会社は研究職の方とかでも良いと思うんですが、

そうじゃない場合は僕は元MRのMSLの方が断然頼りになると思ってます。

あくまでうちの会社ではですけど。

希少疾患の会社で希少疾患だけ担当することと、

大手のオンコロジーMRとの違いは、

・MR以外の部門がそもそも少ないし人数がいない

・人がいないので講演会の運営がかなり大変

・育薬意識がかなり薄いため新しいトピックが出づらい

DTLの仕方や、コンテンツに関してはそこまで変わらないです。

ただ、やっぱメールの頻度はかなり増えることと、

年に1人の患者がいるかいないかみたいな施設に行くことがほとんどないので、

お薬相談室に電話が来る頻度がかなり高いです。

講演会の運営




ちょっと話が前後しますが、講演会の運営は本当に大変です。

1回DTLとか説明会とかしてしまうと中々興味示してくれないパターンもあるし、

患者がそもそも少ないので、

最初の2年くらいの活動が命だと思います。

運営は流石に遠方のMRを動員するのは迷惑なので、

本社の方がかなり助けにきてくれます。

僕は今関東圏のマネージャーやってるんですが、

僕も含めて、MSLとかマーケの仕事の半分は講演会の運営という感じだった2018年でした。

今年はほとんどやらない予定です。

何より大変なのが招聘活動で、

処方医自体がそもそも少ないので、

基本都会で講演会をやって遠方からも来てもらうスタイルが1パターンと、

2パターン目は田舎の方は結構WEBでやってます。

その現地のMRがスタジオ抑えてWEB講演会を仕切って、

あとは各施設につないでDr to Drでやるというシステムです。

弊社はマーケティング部門がWEB講演会はほとんどやらないで、

むしろマーケの仕事は大きい全国講演会の仕切りって感じですかね。

まだ看護師さんと薬剤師さんが深く関わる疾患なので、

コメディカルが来てくれますが、

そうじゃない疾患で希少疾患で少人数だったら、

講演会の運営は想像できないくらいしんどいと思います。

最低20人縛りとか無理なんじゃないかな・・

希少疾患・少人数の会社の活動は基本説明会

なので、希少疾患で少人数立ち上げの会社の基本活動は、

説明会だと思います。あとはWEB講演会。

頻回訪問とかまず無理ですし、医局待ちとかもしたいんですけど、

やっぱ勿体無いんですよね。

なので基本説明会ばっかやってます。

だから昨今騒がれてたお弁当問題も、

一応大丈夫みたいなので僕は嬉しいです。

共催の講演会は提供不可になったって話ですが、

それ以外はOKと聞いたので僕は安心してます。

お弁当提供できない施設の説明会は最初はできましたけど、

新しい情報提供とかの場合はやっぱ取れないですね。

それがお弁当あれば全然違うと思います。

お弁当は良い潤滑油になるし、

本当に提供禁止にならなくて良かったなと思ってます。

販売目標が基本ない

あと、多分うちの会社だけっぽいんですけど、販売目標が基本的にありません。

何で評価されるかっていうと、会社全体の数字です。

なぜかというと、オンコロジー系って学会に患者登録してますよね。

うちの会社の薬剤を使う患者さんはどこに何人いるかってのが大体把握できています。

正直わかる人にはもう分かってるとおもうんですが、そういう疾患でそういう薬剤です。

結局販売目標って、元データの根拠がよくわからなかったりするじゃないですか。

誰かの理想から産出された患者の数、誰かの理想から産出された希望のシェア、

そこから販売目標が決められたりすることもあると思うんですが、

うちの会社は基本患者が何人どこにいるかが大体わかっているので、

そこまでガツガツしてないです。

基本MRはみんな考えがゆるいです。

しかも結構給料高いので、絶対辞めません。(転勤がないのもあるかも)

その代わり人数がかなり少ないし、病院側の都合で自分のスケジュールが決まるので、

QOLが高いかわからないですけどね。

宿泊も多いですし。

逆に販売目標があんまりないので、ツイッターでも呟いてましたが、

ボーナスが年に一回少しだけ出る程度です。

基本給が高いので、心の安定はありますが、寂しいです。

まとめ

まぁ何が言いたいかというと、

そんなに大きな違いは無いです。

人数が多いか少ないか、頻回訪問不可なので、

病院側からの要望に振り回される感じはかなりあります。

移動時間と距離と宿泊の回数はめっちゃ多いです。

自分で戦略立てて云々って感じでも無い。

なので、希少疾患の会社で少人数の会社を選ぶ際は、

大手と競合しない薬剤を扱ってる会社で、

基本給が高い会社を選んだ方が良いと思います。

ボーナスがあんま期待できないので、

年棒の20%くらいが平均だと思います。

あと、希少疾患の会社は人と人の繋がりがあんまりないイメージがあるかもしれないですが、

結構ファミリー体制が多いと思います。

人数が少ないので結構みられてはいるし。って感じです。

ちょっとあんまりマシンを捉えられてないかもしれないですが、

まぁ事実ベースで書いてみました。




 

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