どうもこんにちは、現役MRのだいさくです。
製薬会社の社員(MR含み)になったら退職金ってどれくらいもらえるんだろう?
と考えたことありますよね。
実は、同じ製薬会社でも会社によって退職金に対する考え方は全然違います。
私は、27歳の時に異業種から外資系製薬会社に転職して、
その後32歳の時に内資系製薬会社に転職しました。
35歳の現在ではベンチャー系の製薬会社で働いています。
今日は大手外資系、大手内資系、ベンチャー系の製薬会社を経験してる僕が、
その退職金に関する考え方の違いなど赤裸々に書いていきたいと思います。
製薬会社(MR)の退職金の金額はいくら?現役MRがぶっちゃける!
製薬会社で働くためには退職金事情というのは知っておいて損はないと思います。
2回、3回と転職する人も普通にいる業界ですので、
特殊な退職金制度を敷いている会社もあります。
大手製薬会社の退職金はいくらか?
一般的な企業の退職金、ここでは22歳から60歳まで働いた場合ですが、
日本経団連の調査で、いわゆる総合職と言われる分類では、
大卒の60歳平均が2,374万円となっております。
「2016 年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」日本経団連
残念ながら製薬業界の退職金平均金額を統計的に出したデータは見当たりませんでしたが、
大手製薬会社の退職金は、仮に新卒(22歳)から定年の60歳まで勤務した場合、
私が働いていた、大手の外資系では、
ずっと平社員だった場合での退職金の平均は、4,000万円前後と言われておりました。
それは大手内資系製薬会社でも同様のレベルの金額になります。
もちろん、職能給が上がればその限りではありません。
何歳で管理職になったか?などにもよりますが、
課長クラス:6,000万円
部長クラス:8,000万円
本部長クラス:10,000万円
こちらが大体の目安になると思います。
もちろん他の業界でも職能給が上がれば退職金も上がっていきますが、
製薬業界の退職金は普通の業界よりも1.6〜1.8倍程度は高いと思います。
中堅の製薬会社の退職金はいくらか?
ただ、他の業界と比べて1.8倍程度高いのは大手の製薬会社です。
医療用医薬品を扱っている会社は日本国内で約400社あります。
上記で説明したような高い退職金をもらえる会社はいわゆる大手だけです。
大手の会社は世界ランキングで20位以内に入ってくるような外資系製薬会社か、
国内の製薬会社だと、中々世界ランキングに入ってきませんが、
目安としては、国内の年収ランキングで10位前後くらいに入ってくる会社です。
【2017年版!】製薬会社年収ランキング!現役MRの僕の年収も教えちゃうよ。
なので、製薬業界=退職金が高いではありません。
中堅の製薬会社の場合は大手のような金額はもらえません。
普通の他業界の平均と同程度だと考えて良いと思います。
退職金は勤続21年目から旨味が出る
大手の製薬会社で4,000万、5,000万退職金がもらえると言っても、
それは多くの会社がそうしているように、
35年以上同じ会社で勤めた場合を指します。
※モデル退職金と退職所得控除より
通常の会社でも上述したような大手の製薬会社でも、
退職金は大体35年以上勤めて初めて満額に近い金額がもらえます。
こちらのデータを見る限りでは、
21年目でやっと退職金は1,000万円を超えます。
21年目からは毎年約100万円ずつ積み上がって行く計算です。
逆に15年働いたところで、500万円ほどしかもらえないのです。
大手製薬会社でもらえる退職金は35年以上勤めあげないともらえないのです。
製薬業界で35年以上勤め上げるのは難しい
製薬業界というのは転職が頻繁に行われる業界でもあります。
言い方を変えると転職が横行してる業界です。
医薬品は特許期間があるので、
その特許期間の満了を考えて定期的にリストラや、
早期退職を募集したりいたします。
また自分のキャリアのステップアップしたいなどのため、
転職をする人はとても多いです。
離職率が非常に低い大手の内資系でも新卒から停年まで勤め上げる人は、
70%程度です。
外資系になるとその利率は逆転します。
大手内資系に新卒入社すれば35年以上勤めて、
4,000万円以上の退職金をもらうことは可能かもしれませんが、
製薬業界だから全員が4,000万円以上の退職金をもらえることは難しいかもしれません。
もちろん職能給をあげてそもそものベースをアップすれば可能です。
製薬会社の退職金最近のトレンド
ここまでで大体大手の製薬会社の退職金事情をお伝えできましたでしょうか。
しかし、退職金の制度や支給の仕方というのは日々変化しています。
私が現在働いているベンチャー系の製薬会社や、
オーファン系の製薬会社では退職金という考え方が異なってきています。
上述したような20年以上勤務しないとそれなりの金額の退職金をもらえないというのは、
30代、40代での転職組が多い、
ベンチャー系製薬会社やオーファン系製薬会社では非常に不利な制度になってしまいます。
そこで採用されているのが、積立退職金制度です。
実際は積立退職金制度という文言ではありません。
会社の中では普通に退職金という表現してるケースがほとんどです。
わかりやすいように積立退職金制度と言っています。
製薬会社の積立退職金制度とは?
これは20年以上勤めないと旨味がない退職金制度を廃止して、
数年間でもそれなりの金額がもらえるように設定されています。
積立退職金制度には下記のようなケースで支給されます。
・月に10万円ずつ年間120万が積立られそれが退職金となるケース
(月10万円×12ヶ月)×3年で退職=360万円
・年間100万円など取り決めし、それが積立られ退職金となるケース
3年半で退職=350万
・基本給の10%が積立られそれが退職金となるケース
(基本給80万×10%)×12ヶ月×3年で退職=288万円
この積立退職金制度はベンチャー系製薬会社や、
オーファン系製薬会社では比較的採用されています。
仮に大手の製薬会社で10年勤務しても、
上述したように21年目から初めて旨味が出る退職金制度の場合、
200万程度しか退職金は出ません。
しかし、この積立退職金制度で、10年勤務した場合、
年間120万円×10年=1200万になります。
こういった違いがあります。
製薬会社の退職金制度を調べるためにはどうすれば良いか?
では、自分がいる製薬会社、
もしくはこれから製薬会社に入ろうと考えている人がその製薬会社が
どのような退職金制度を敷いているのか、
大体定年退職するときにどれくらいの金額がもらえるのかは
どうすればわかるでしょうか。
正直、面接の際に聞くことはちょっとおこがましいというか、
聞きづらいと思います。
退職金の制度というのは、すべてその会社の就業規則に書いてあります。
たまに就業規則をHPで公開してる会社もありますので、
「会社名 就業規則」で調べるか、
募集要項のところに福利厚生で退職金と書かれていればそれなりに退職金は支払われます。
一番早いのはその会社の社員に聞くのが良いと思います。
製薬会社の企業年金は401Kに
また退職金を考える上で忘れてはならないのが、
企業型確定拠出年金、401Kです。
この制度はこれまで大手の国内の会社では多く採用されていた、
いわゆる企業年金のことを指します。
製薬企業でも企業年金はほとんどこの401Kに変更となっています。
401Kも会社によって様々な違いがあります。
大手の外資系でよく採用されているのが、
基本給の10.2%を毎月積み立てて拠出するパターン
大手の内資系でよく採用されているのが、
毎月0〜5万5千円を拠出するパターンです。
確定拠出年金は絶対に入った方が良い
実は大手の場合でも確定拠出年金は個人で設定しないと入ってないケースがあります。
これは現在製薬会社で働いている人で、
・一度も運用状況を確認したことがない人
・多分入っていると思い込んでる人
そんな人は一度絶対に確認した方が良いです。
自分でしっかり設定しない限り入ってない会社もあります。
これは本当に勿体無いので絶対にMAXの金額で入った方が良いです。
確定拠出年金がなぜ良いか?
確定拠出年金は例えば、基本給が50万円だった場合、
毎月5万5千円を貯金したいと思ったら、
50万円から税金を差し引いた金額から貯蓄しなければなりません。
しかし、確定拠出年金は50万円から5万5千円を引いてくれるのです。
なので、44万5千円が課税対象になるのです。
なので非課税で勝手に毎月貯蓄してくれる制度です。
これは税金の対策にもなりますので入ってない人は絶対に入りましょう。
会社が企業型確定拠出年金に加入してない会社でも、
個人型idecoで入ることができます。
確定拠出年金の受け取り方
これもとても重要なので是非覚えておいてください。
確定拠出年金の受け取り方は2パターンあります。
1、退職金として受け取る
これは退職金制度自体がない製薬会社に勤務されている方は退職金として受け取った方が良いです。
なぜなら確定拠出年金を退職金として受け取る場合、
退職金控除が使えるからです。
仮に新卒から定年まで働いた場合、
5万5千円のMAXプランで加入していた場合は、
約2,500万円の拠出金があります。(運用している場合はそれに限らない)
この場合2,500万円はほとんど(大体2,000万円超)は退職金控除の対象になります。
なので、ほとんどが課税されずに現金で受け取ることができます。
運用して2,500万が4,000万円になっている場合は話が変わりますのでご注意を。
退職金控除の計算方法は難しくありません。
こちらの記事が非常に分かりやすく解説されているので、
興味ある方はご参照ください。
2、年金として受け取る
これは拠出金を月々年金として分割で受け取ることもできます。
これは会社で退職金を受け取る場合は、
会社の退職金の金額にもよりますが、
退職金控除の対象になりますので、
会社から退職金がある場合は年金で受け取っても良いと思います。
しかし、年金で受け取る場合は課税対象になりますので、
普通に所得税が引かれます。
製薬会社の退職金は予想できない事もある
製薬会社といってもずっと経営状態が良いわけではありません。
そうすると退職金がなくなったり、
少なくなったりすることも考えられます。
また逆に早期退職などから通常もらえるはずだった退職金よりも高い金額の
退職金をもらえることもあります。
そういった可能性があることだけは頭の片隅に入れておいてください。
製薬会社の退職金は魅力だけど拘らない
ここまでで製薬会社の退職金状況、
最近のトレンドをお伝えすることができましたでしょうか。
昨今は確定拠出年金の登場や、
積立退職金制度の登場によって、
昔ほど退職金にこだわらなくても良い時代になっています。
一昔前のように1つの会社に勤め上げる時代でもありません。
どんどん自分のやりたい事や可能性を求めて転職を自由にできる時代です。
また個人で稼ぐ時代ですし、
稼げる時代なので副業もガンガンやって個人資産を形成することも可能です。
数十年後にもらえる数千万円の退職金のために、
一生無理して仕事しなくても良い時代ですし、
そんな制度に変わっています。
もちろん一つの製薬会社で立派に勤め上げるというのも貴重な選択肢になります。
その辺はしっかり自分の将来と向き合って考えて行きましょう。
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