どうもこんにちは、だいさくです。
製薬業界では大きな買収が吹き荒れていますね。
製薬業界はもともと買収が多い業界の代表格ではありますが、
統計を取ってみると実は買収の件数自体は、
2015年が年間290件なのに対して、
2017年は約134件と半分以下になっています。
昔から買収を繰り返してきたため、
日本国内の製薬会社の数も少なくなってきていることもあり、
小さい会社同士の合併よりは最近は超大型買収が多いのが特徴かと思います。
セルジーンとブリストルの買収は世界最大規模
2019年初頭に発表された米ブリストルマイヤーズによるセルジーンの買収は、
8兆円と言われています。
ブリストルマイヤーズがセルジーンを買収合併!もう製薬業界は合併ありきで考えよう!
武田薬品がシャイアーを買収したのが約7兆円で世界最大と言われていましたが、
それをも上回る金額で買収が締結されました。
セルジーンは現在血液領域がメインで、
乾癬の領域もあります。
レブラミドが世界的にも利益を牽引しており、
CAR-Tなどの再生医療のパイプラインも有している有望な会社です。
ブリストルのセルジーン買収合意後セルジーンの社員はどうなるのか?
小規模合併よりは今後はBMSとセルジーンのような大型合併もありそうです。
日本に支社を持つ会社どうして合併した場合、
その会社にいる日本の社員はどうなるのか?ってのは、
気になるところではあると思いますので、
BMSに買収されたセルジーンの社員は待遇面なども含めてどうなっていくのか?
というところを今日は書いていきたいと思います。
セルジーンの社員のストックオプションはどうなる?
まず気になるところといえば、セルジーンの社員に与えられている、
RSU(Restricted Stock Unit)ですね。
セルジーンといえば年収はまぁそれなりだけど、
普通のサラリーマンでは得られないようなRSUでしたよね。
トップMRになると800万近くのRSUがついたり、
立ち上げメンバーはRSUだけで高級マンションが購入できるなんて言われてました。
ではその人たちのストックオプションはどうなるのか?ってとこですが、
これは通常の株主と同じような対応がされると考えられます。
今回の両社の合併内容を読んでみると、
セルジーンの株主は1株につきブリストル株1株と現金50ドルを受け取るとあります。
なので、セルジーンの社員に付与されているRSUに対しても同様の処置が、
ブリストルから行われると考えられます。
これは武田薬品とシャイアーの買収の際にも、
今回のBMSとセルジーンのような処置がされると考えられています。
セルジーンの給与ベースはどう変わる?
それでは買収される側の給与ベースはどうなるでしょうか?
給与ベースは一般的にも今回のケースも買収する側に合わせられると考えられます。
セルジーンは元々そこまで年収ベースとしてめちゃくちゃ高かったわけではありませんので、
ここは大きな問題はなくBMS側の給与ベースに合わせられると考えられます。
しかし、BMS側の給与ベースに合わせると言っても、
職能給がセルジーン出身者の方が下げられたりすることは考えられると思います。
例えば年収1,000万のセルジーンのMRの社員がいたとした場合、
BMSで年収1,000万の人の給与は完全な管理職のベースだとしたら、
セルジーンのMRは管理職でBMS側に行くことはできないので、
非管理職の職能給になり、年収は800万円になるということは大いに考えられると思います。
僕の個人的な予測では今回のBMSとセルジーンのケースは給与に関してはそこまで問題にならない気がします。
むしろ武田とシャイアーの方が問題で、シャイアーの人間は、
立ち上げで入ったメンバーはMRベースでも年収2,500万行く人もいたりします。
最近入った人はそこまで高くないのですが、
2年間はシャイアー ベースになると思われますが、
2年後は、武田の給与ベースに合わせることになりますので、
年収は3分の1程度まで下がるのではないかと考えられます。
正直シャイアー の人間を沢山の薬剤を扱う武田側が手厚くもてなすことは考えづらいので、
辞めさせられてしまう可能性もなきにしもあらずです。
セルジーンの管理職はどうなる?
あと気になるのがセルジーンの管理職ですよね。
まぁ基本的にどんな買収の場合でもそうですが、
末端の社員よりリスクが高いのが管理職になります。
管理職以上はおそらくなんらかの処置が下されるのではないかと思います。
特に今回のケース、セルジーンのメインとなる骨髄腫とリンパ腫は、
一応BMSも同じ領域の薬剤を扱っていますので、
わざわざセルジーンの管理職を置く必要性が無いと考えられます。
これがBMS側が骨髄腫やリンパ腫の領域を全く知らないというような状況であれば、
半分くらいの管理職はそのまま残されたり、
学術系のポジションなどで残されるケースもあるかもしれませんが、
今回のケースはBMS側の管理職がそのままつくのでは無いかと思います。
なので買収される側のリスクが一番大きいのは管理職以上の人間だと思います。
ただ、セルジーンの管理職の方はRSUも相当だとは思います。
コストカットシナジーがどう影響するか?
あとは、営業所はおそらく統合されると思います。
詳しくは知らないですが、セルジーンはMRの人数が200人程度だったと思うので、
BMS側の営業所に移るのでは無いかと思います。
セルジーンのドル箱製剤であるレブラミドやポマリストって催奇形性の観点から、
適正管理手順(レブメイト)が定められているので、
ちょっとめんどくさい資材なんかも多いと思いますので、
営業所統合しても拡充は必要だったりするかもしれませんね。
ブリストルマイヤーズがセルジーンを買収合併!もう製薬業界は合併ありきで考えよう!
あと、こちらの記事でも書きましたが、
コストカットシナジーの部分も今回の買収で重要視されておりますので、
R&D系もなんらかの組織改編がされるのでは無いかと思います。
研究職の方が両社ともに日本にいたのかはわからないですが、
少なくとも開発やメディカル系、
コーポレート関連の内勤職もなんかしら統合されると思われます。
最後に
とりあえず予測される買収後の変化を書いて見ました。
ここまで大きなびっくディールも中々無いと思いますが、
明日は我が身の製薬業界です。
隣にいる競合の会社に買収されてしまうこともあり得る話です。
いつ買収されても良いように次の会社でも必要とされるスキルを磨いておきたいですね。
努力してスキルや経験を身につけることが一番の安定をもたらすような業界だと思います。
それではまた!
コメント