どうもこんにちは、だいさくです。
中山祐次郎先生が2018年の8月に出版された、
「医者の本音」を読了致しましたので書評記事を書かせていただきます。
この本は、医者と患者のコミュニケーションを円滑にするために、
「医者」という人間がどういう実態なのか?ということを中山先生が本音で書いている本です。
今年のGWは長いので是非読んでみてください。
【書評】中山祐次郎先生の「医者の本音」には本当に本音が詰まっていた
この本は別に真面目一辺倒な本ではないです。
目次を後述いたしますが、
医者の恋愛事情とか、合コン事情、リアルな年収など、
なかなか普段聞き辛いことまでざっくばらんに書いてあります。
多分長らくMRをやられている人には6割くらいの話は、
だいたい予想のつく内容だと思います。
医者の年収や恋愛、激務の事、癒着系はまぁ大体予想通りの内容ではありました。
中山先生は大腸外科が専門なので、外科系を担当したことのある人には特にです。
終盤には製薬会社との癒着に関するまさに本音の話や、
MRが昔ほど重宝されなくなったようなお話も本音で書かれています。
特にICT(情報技術)に関する話も出ていて、
個人的に今かなり興味のあるジャンルなので興味を持って読んでしまいました。
著者略歴
中山 祐次郎(なかやま ゆうじろう)
1980年生まれ
聖光学院高校を卒業後2浪を経て、鹿児島大学医学部卒。
都立駒込病院で研修後、同院大腸外科医師(非常勤)として10年勤務。2017年2月〜3月に福島県高野病院病院長を務め、その後、福島県郡山市の総合南東北病院外科医長として勤務。
消化器外科専門医、内視鏡外科技術認定医(大腸)、外科専門医、など
また医師である傍、日経ビジネスオンラインや、Yahooニュースなど多数の媒体で連載を持つ。
著書に「幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたい事」がある。
医者の本音:目次
第1章 医者の本音:その一言に込められた真意
・「風邪ですね」なぜあしらうように言うのか?
・医者の「大丈夫です!」はどこまであてになるのか?
・なぜ医者の態度はいつも冷たいのか
・「様子を見ましょう」の裏で医者は何を考えているのか
・「名医」の条件とは何か?
・医者が困る患者とは何か?
・医者がかかりたくない医者4つの条件
第2章 医者は言わない 薬・手術の本当の所
・患者の「薬を減らしたい」を医者はどう思うのか?
・「解熱剤を飲むと治りが悪くなる」は本当か?
・インフォームド・コンセントは信頼できるか?
・がんを「告知」された時にすべき3つの質問
・がんの「民間療法」はこっそりやるべきか?
・「余命3ヶ月から奇跡の生還」を医者はどうみるか?
・手術の執刀前に医者は何を考えているか
第3章 病院の本音 患者の都合 医者の都合
・病院はなぜこんなに待たされるのか
・受信は「平日の昼」をおすすめする意外な理由
・医者が属するといわれる「医局」とは何か?
・病院ランキングやネットの口コミは信頼できるのか?
・「科」でわかる医者の性格
・名医への「紹介状」はどうすれば手に入るか(コラム)
第4章 医者のお金と恋愛 その収支明細と私生活
・医者の年収ーどのくらいもらっているか?
・医者格差ー稼げる医者 稼げない医者
・研修医は本当に清貧なのか?
・製薬会社との癒着は本当にあるのか?
・ナースと結婚する医者が多い理由
・あなたが婚活中ならこの医者
・医者の合コン相手で一番多かった「あの職業」
・医者は飛行機のドクターコールに手を挙げたくない(コラム)
第5章 タブーとしての「死」と「老い」 人の命は本当に平等か?
・どこかで治療をあきらめるべきなのか
・「死に場所は自宅がいい」は可能か?
・「安楽死」を選ぶべき時はいつか
・医者は人の「死」をどう捉えているか
・あなたの「命の値段」はいくら?
・人間が死ぬ確率は100%である
だいさくが印象に残った部分
個人的に印象に残った部分を書いていきます。
「外科医は短命」
一般的に医者は短命って良く聞くと思います。
そのハード過ぎる仕事によって、身体が壊れて短命な人が多いといわれていますが、
特に外科医は短命であることが多いそうです。
外科医は時には10時間以上立ちながら手術を行い、救急で呼ばれるのも外科医が多い。
仕事をしてる時間が圧倒的に長く、ストレス解消方法もお酒であることが多いため、
特に外科医は短命なんだそうです。
厳しい世界ですね。
後医は名医
後医は名医って僕は良く知らなかったです。
病気というのは時間経過とともにだんだんその全体像がわかって行くことが多いため、
前医は圧倒的に不利である。後医は前医から受け継いだ情報など、
情報量が全く違うので診断はつけやすいし治療もうまくいく事が多い。
なので、自分が後医になった時、医者の世界では「前医は絶対に批判するな」と習うそうです。
前医は診断を間違え、予想も狂っていて、トンチンカンな検査や治療をしていることは、
往々にしてある。
血液癌でも実は治療内容より、診断が一番重要だっていわれる事があります。
だから血液内科と病理医はタッグを組んで頑張るんですが、
病気の診断をつけるにはそれほど「時間」がかかるし、重要な要素なんですね。
アルバイトでレクサスを買う医者
年収は勤務医で大体1500万前後、開業医で2500万前後という統計があるそうです。
また医者のアルバイトに関して3パターン書かれており、
特に勤務医の若手外科医が行う事がある「がっつり救急系」、
24時間ぶっ通しの救急アルバイトで、
時給1万円で不眠不休でずっと働くそうです。
時にはそれを2泊3日で行い翌日は廃人になるというもの。
あとは、「寝当直」一晩3、4万円くらいで、
特に決まった仕事はないけど、何かあったら全部お願いしますというパターン。
最後が「専門活かし系」、報酬はがっつり救急系と同じくらい。
胃カメラやマンモグラフィーの画像を読んだり、専門外来を行ったりなど、
特殊技能を生かしたアルバイトになります。これが一番良いですよね。
医者格差
この本の中では日本で医者が突き抜ける事がいかに難しいかというのが書かれています。
どうやれば突き抜けられるか?というもので、
慈恵医大の外科教授である大木先生の話が出されています。
大木先生はアメリカで大成功して教授となりアメリカでの年収は1億、
若くして慈恵医大の教授で帰ってきましたが、
それでも年収はやっぱアメリカの方が断然高いそうです。
しかし、こういった米国で一旗あげて一気に登るという大木先生のパターンは、
勇気付けられた医者が多かったそうです。
また順天堂の天野先生の話も出され、天野先生の報酬は大体5000万円を超えるそうです。
(天野先生も公表済み)
天野先生は「日本で医者をやっていて稼ぐのは大変だけど、能力のある医者はもっと稼ぐべきだ」とおっしゃっていたとのことです。
これからの医者の稼ぎはおそらく減っていくだろうということにも触れられていました。
製薬会社との癒着、MRは今後どうなる?
まぁこの辺は正直いうと、知ってることばかりだと思いますので、
別に詳しくは書きませんが、現役の医師も同じように思っているんだなぁとは思いました。
個人的にICTのあたりはとても興味深いです。
最後に
読んでみると、やっぱ医者って大変だなぁって思います。
使命感が動かしているんだろうなって思います。
全然関係ないけど、こういうのを読むと、
医者ってやっぱり男性向きの仕事なんだって思います。
特に外科医は。
僕が気になった部分は一応製薬会社の方が興味を引くような部分を抜粋して書きましたが、
抗癌剤の費用対効果とか、安楽死、医者の訴訟問題のあたりもとても興味深いです。
医者の真面目な部分と、人間らしい部分と、
内容は多岐に渡りますが、ライトな本なので、気軽に読んでみてください。
コメント