どうもこんにちは、だいさくです。
読者さんから下記のご質問をいただきました。
だいさくさん
いつもブログ楽しく拝見させていただいてます。
私は地方の国立大学で薬学部に通う学生です。
製薬会社への就職を考えており、
だいさくさんのブログの中でMSLの新卒募集も増えてきてるとのことでしたが、
私もMSLもしくはMRでの就職を考えております。
ただ、MSLとMRの違い、または学術情報部の違いとは
どう言ったものになるのか教えていただけませんでしょうか。
MSL(メディカルサイエンスリエゾン )とMRと学術の違いについて
なるほどなるほど。
確かにまだ製薬会社で勤務の経験がない方には、
MSLとMR、MSLと学術情報部の違いってわかりにくいかもしれませんね。
僕も一応少しの期間だけですがMSLとしての経験があるので、
今日はその違いについて書いて行きたいと思います。
そこまで難しい違いはありませんので、
わかりやすい表現で書いていきたいと思います。
MRはプロモーション、MSLはノンプロモーション
MRというのは基本的に営業部に所属してます。
MSLというのはMA部(メディカルアフェラーズ)に所属してます。
製薬会社の中では、
営業部の中にあるのがMR、
MA部の中にあるのがMSL、
という位置付けになります。
なので、MRの仕事とは営業活動を行うこと、
いわゆる自社医薬品のプロモーションを行うのがMRの仕事です。
一方でMSLの仕事はいわば真逆です。
MSLはプロモーションをしてはいけない部署です。
MSLはノンプロモーションでなければいけないのです。
MRとMSLの仕事内容の具体的な違い
上述通り製薬会社の中でMRとMSLの違いは、
MRはプロモーションをする仕事、
MSLはノンプロモーションの仕事であるという違いがあります。
では具体的にその仕事内容にどのような違いがあるか?というところですが、
文章で説明するより図にしたほうがわかりやすいかと思いますので図にしてみます。
仕事内容 | MR | MSL |
プロモーション | ◯ | × |
説明会 | ◯ | × |
適応外情報の提供 | × | ◯ |
臨床試験(開発状況)に関する情報提供 | × | ◯ |
アンメットニーズの調査 | × | ◯ |
説明会に関しては、ノンプロモーショナルな説明会であればもちろんOKですが、
MSLの立場から見たいな感じだったり、
より学術的な目線で臨床医に対して、
プロモーションと思われるような説明会を行うことはMSLはできません。
なのでMRからもそう言った依頼をすることはできません。
後述しますが、そう言ったケースは、
会社内の学術担当の方に頼むのがベターかと思います。
MSLの役割、MRの役割が分かってないと刺されます
上述した通り、MSLの役割、MRの役割が何かをしっかり分かってないと、
社内での交通整理がしっかりできてない会社も多いです。
そのためMSLの役割、MRの役割が分かってないために
軋轢が生まれます。
MSLとMRは仲良くしなくちゃいけないけどできない3つの理由
マーケティング部やMRは基本的にプロモーションを担います。
上市された薬剤に責任を持つのがマーケティング部と営業部ですが、
MSLは違いますので、そう言った認識の違いが軋轢を生むことがあるので注意しましょう。
また、本来であればMSLの役割であるノンプロモーショナルな情報提供をMRがしてしまうと、
プロモーションコードに違反します。
逆にMSLがMRの役割である、プロモーション紛いの行為と見受けられる説明会や、
DTL、処方を促すような言動を行うとプロモーションコードに違反します。
【超重要!】製薬会社MR活動のガイドライン改定を分かりやすく解説してみる
こちらの記事の中でも書きましたが、
今回の医療用医薬品の販売活動に関するガイドラインが改定され、
そのガイドライン下にMSLも対象になりました。
MSLがプロモーションと取られるようなことを医師に対して伝えたら、
プロモーションコードに触れることになりますので、
お互いの役割を理解することはとても大切です。
MSLと学術の違いは?
では、MSLと学術情報部の違いは何か?というところですが、
これはMRとMSLの違いがわかれば非常に簡単です。
学術情報というのは、大きい枠組みでいうと営業部の中に属していることが多いです。
そのため学術情報部の中にいる学術担当者というのは、
プロモーションをする仕事にあたります。
学術情報を担当する人のグランドルールは基本的にMRと同じです。
そのため、MRができないことはできません。
んじゃなんのために学術情報部ってあるのかというと、
その薬剤やその疾患に対してより深く勉強していたり、
最新の論文をMR向けに紹介したり、
会社によってはエリアのKOLの育成だったり、
MRが苦戦してる医師に対して同行したり、
会社全体を見渡して企画を組んだりする仕事を行っています。
その辺は会社によって違いますが、
MSLと学術の違いは基本的にはMSLとMRの違いと同じです。
最後に
MSLとMRの違い、MSLと学術の違いについてお伝えできましたでしょうか。
MSLのできることできないことをしっかり把握してないと、
本当に軋轢が生まれます。
なんでMRはMSLに普通のプロモーショナルの説明会をお願いしてくんの?
みたいなことって絶対言われてくるんで、
特にMRもそうですが、
現場の上司の方もしっかりその違いを把握しないと、
良好な関係というのは気づけないと思います。
コメント
基本的に、MRとMSLの関係って上手くいってないパターンが多いイメージですね。
MRが必死に構築しているKOLとの関係を、MSLが平気でぶち壊していくのを何度も見聞きしてきました。
そもそもMSLはMSLで、MRとは別の独立した舞台なので、MRと連携を取る必要が無いと言えばそれまでなんですけど、この辺の価値観ややり取りでトラブるケースが多い印象です。
個人的に気になってるのは、先般のMRのプロモーションガイドラインにて、MSLはMRと結局は一緒の扱いにされてるんですよね。
この辺もあるので、各社MSLをどういう風に運営してくのかなと。ぶっちゃけ必要か?と思えなくもないですし。
結局MSL1番の問題ってどの機関に所属してるのか?ってのがはっきりしてないんですよね。
僕は営業部付で良いだろうと思ってるんですが、それを嫌がるMSLって多いんですよね。
開発よりに行きたいと思ってるんですよ。でもそれって開発で良いんですよね。
営業部付のサイエンス部門の担当で良いと思うんですよ。
なんかお高くとまってる事が多くて、結局なんのためにあんの?
採算あってんの?って感じになってしまうのかなとは思いますよね。