希少疾病医薬品の製薬会社への転職ってどうなの?【読者さんからのQ&A】

MRの転職先

こんにちは、だいさくです。

以前の記事↓
バイオジェンファーマへの転職は年収、家賃、働き方全てが魅力だったけど落ちた話

こちらを読んでいただいた、読者さんからご質問をいただいたので、

私なりの考えを書いていきたいと思います。


オンコロジーMRさんより、

とても興味深い記事で勉強になりました。

私、大手内資二社で、臨床開発、ジェネラルMR、オンコロジーMRを経験した、

30後半のものです。だいさくさんとは、異なる会社だと思います。

記載されている通り、専門性や給料を考えると、

ニッチな外資バイオメーカーにいきたいなと考えていたものの(私も数社紹介頂きました。)、

やはり年齢が増せばますほど、リストラなどの驚異が大きくなるため踏み出せないのと、

あと、ニッチな領域にいけばいくほど、次の転職などが難しいのかな?と感じてしまい、

何かリストラなどにあってしまった場合に他の製薬メーカーにいきにくいイメージがあるのですが、そのような点はどのようにお考えでしょうか?

また、専門性を磨くという上では、いま流行りのMSLを極めるのもありかなと考えますが、

どう思われますでしょうか?

是非意見交換をさせて頂けますと幸いでございます。

何卒宜しくお願い申し上げます。


オンコロジーMRさん、

コメントありがとうございます。

私も今、35歳で色々考えています。

オンコロジーMRさんの場合はまず、

自分の希望をもっと明確にしたほうが良いのではないかと思います。

自分は今よりも何をどうしたいのか?
(専門性をあげたいのか、年収をあげたいのか、雇用に怯えたくないのか)

現状の希望と不安をまとめると、

1、専門性を磨き、年収をあげるためにニッチ領域に行きたい

2、その反面、リストラや次の転職に不安

3、専門性を磨くためにMSLも検討している



1、専門性を磨き、年収をあげるためにニッチ領域に行きたい

ニッチ領域、例えば、上述のバイオジェンや、

シャイアー、アレクシオン、ムンディなどがあげられると思います。

そういったニッチ領域に行ったとしても、専門性は磨かれません。

ニッチ領域って一つの薬剤を誰からのバックアップも無しに、

1人で広域を担当して全ての患者さんに届けるのがMRの使命になります。

むしろ、ニッチ領域であればあるほど、ジェネラルのような仕事を求められると思います。

会社側も「専門性を磨きたいから御社に入りたいです」という人を採用しません。

ニッチ領域で求められるのは「情熱」です。

バイオジェンのSMAという疾患や、ヌシルネルセンという薬の勉強は、

集中してやれば、1週間で終わります。

私が面接を受けた時には、

文献も4報くらいしかなかったです。

彼らが求めているのはそれを届ける「情熱」です。

「情熱」を求めるには理由がある

バイオジェンのSMAの薬ヌシルネルセンは、現在承認になったⅠ型の場合、

お母さんのお腹の中で発症して、生後18ヶ月以内に死んでしまう病気です。

これまで全く治療薬がなかった難疾患に新しく治療薬が出たわけです。

私も、これまでに、「治療薬の無かった疾患の治療薬」に携わったことがありますが、

かなりしんどいです。

そういった薬って、イノベイティブ度が高いので、承認までの時間が短い。

なので、データがあまりないので、専門施設ではない施設のDrほど使用してくれません。

日本の市場は、マジョリティはローカルです。

専門施設だけ押さえておけば良いという

わけではないです。(大学病院は意外に市場が低かったりしますよね)

しっかり会社として数字を作るためにはマジョリティである、

ローカルを抑えなければなりません。

そんな後ろ向きなDrに使用してもらうためには、

成果をだすために何でもやってやる!という気概でMR活動をしなければ、

そういった薬を届けるのって難しいんですよね。

なので、学術的な情報提供にしっかり「情熱」を上乗せして届けないと届かないんです。

年収は確実に上がる

もし、ニッチ領域に行けば、年収は間違いなく上がると思います。

福利厚生がほとんど無い会社も多いので、

その辺も上乗せして年収を提示してくれたりしますよ。

ただ、お金のために働くのって辛いですよ。

辛いっていうか、お金のために働いてても続かないかなと思います。

ある程度のお金をもらっているのであれば、あとはやりがいや、

自分の幸せとか、自分のやりたいこと、希望を優先したほうが良いと僕は思います。

年収って900万でも、1400万でも実質あまり変わらないじゃないですか。
(これは、1000万円以上もらってないと中々理解してもらえないです)

ただ、年収はニッチ領域に関わらず基本的に製薬業界内で転職すれば、上がりますよ。

上がらないとしたら、タイミングの問題だけです。

自分が今やってる仕事、扱ってる薬剤の領域に、

これから参入してくる会社を受ければ良いだけです。

のどから手が出るほどほしいと思ってますから。

それが専門領域であればあるほど良いのです。

間違っても、上司と合わないとか、会社の方向性がおかしいなどの

理由で辞めないことです。そんなのどこにいったって同じですから。

2、反面リストラや次の転職に不安

正直言うと転職して雇用に怯えるのが嫌だったり、

次の転職に不安があるのであれば、

現在の国内企業にいるのがベターだと思います。

リストラはまだ予測できますが、シャイアーなんかはファイザーがメチャクチャ株を

買い増ししてるので、買収されるかもしれませんし、されないかもしれません。

その辺は中々予測できませんしね。

しかし、ここで一番考えなければならないことは、

もし、自分の会社がそうなった時にどこにいってもやっていける実力が

自分にあるかどうかだと思います。

それを測る指標は中々見当たりません。

ただ、私もいろんなエージェントと話しますが、

現状製薬業界で一番価値の無い人間は、40代で一度も転職経験の無いMRです。

・これまで全く挑戦してきてない。

・40代になって今の会社から窓際に追い詰められて転職を考えてる無能人間

と思われているからです。

外資系は雇用に不安があるという方もいらっしゃいますが、

実際外資系で活躍してる人は、

雇用に不安を覚えたことなんて一度も無い人も沢山います。

そういう人は恐らく自分はどこに行っても結果を出せるって思ってる人なんだと思います。

ちなみに、ニッチ領域は現状でも沢山有りますし、

今後も沢山出てきますので、次の転職に不安になる必要はないと思います。

ニッチからニッチに移ることのハードルはとても低いです。

実際バイオジェンのSMA領域の平均年齢は44歳くらいだと聞いていますし、

中には50代の人もいるそうです。





3、専門性を磨くためにMSLも検討している

MSLに行って身につけられる専門性は、薬剤や、臨床試験に関する専門性です。

そこの専門性をつけたいのであればMSLはとても良いです。

しかし、現状多くの会社のMSLは現場に依存してます。

これは中々専門施設担当のMRでないと想像しづらいですが、

MSLというのは、MRからの様々なオピニオン情報をとても頼りにしています。

大手の外資系などは、MSLとMRを完全に分けていて、一見関連しないような

感じに見えてますが、実際はMRからの現場情報を頼りに動いています。

なので専門施設の担当になるとMSLを動かし、

活用することがとても大きな役割のひとつになります。

MSLになると薬剤と臨床試験に関する専門性は上がります。

専門施設担当になるとMSLのような薬剤と臨床試験に関する専門性+人を動かす、

いわゆる現場の専門家になる必要が有ります。

能力としてハイレベルなのは超専門施設担当のMRです。

だいさくアドバイス

今の会社をなぜ辞めたいのか?

次の会社にいって何がしたいのか?

何が自分にはできるのか?

(専門性を付けたい?年収をあげたい?雇用に怯えたくない?)

まずこちらを明確にする必要があると思います。

その上で、ニッチ領域の会社に転職したいのであれば、

現状のオンコロジーMRさんの懸念点としては、

国内企業しか経験してないことですニッチ企業の大部分は外資系です。

たぶん、そこは必ず言われます。かなり文化や、働き方が違うからです。

僕がバイオジェンを受けた時は、前職の外資系のときの経験はかなり有利でしたが、

現在の国内企業での経験はむしろ足かせでした。

その辺の応酬話法はしっかり考えておいた方が良いです。

しかし、そこを超越した情熱を伝えれば大丈夫だと思います。

個人的には、「今の会社でやられている疾患や領域の超専門施設を担当する」

ということを目指してみても良いと思いますよ。

1年以内、2年以内と実現可能な期間で区切ってみて、

その目標を達成するために今の自分に何が足りないかを上司やその上の上司あたりとも

相談してみる。そして、圧倒的努力をしてみる。

会社というのは自分の希望の達成に利用するためにあるので、

それからでも遅くはないかなと思います。

ちなみに、現在無料でMRの転職に関するコンサルをskypeを使用して

行っております。

中々詳細を聞いてみないと分からないことも多いので、

必要であればコメントに記載いただいても良いですし、

私のプロフィールからメールにご連絡いただいてもOKですのでお気軽にお声掛けください!

それではお互いサラリーマン生活の中盤に差し掛かってきましたががんばりましょう!




 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

  1. オンコロジーMR より:

    とても貴重なコメントを頂きありがとうございます。記事までにしていただいてすみません^^;

    記載頂いた通り、確かに希望を明確にしないといけないですね。

    実は今の会社に大きな不満はありません。
    上司にも、まわりの同僚にも恵まれています。

    ただ、今後MRとして活動していく上で、やはり所謂スペシャリティなMRしかいらなくなるをじゃないかな?とは考えています。
    プライマリーがいらないというわけでは、勿論ないんですが、かなり限られた人でよくてむしろそれをマネジメントしていく人がプライマリーでは重要になるかなと考えています。

    ただ、このマネジメント職に関してはかなり限られた人数でよく、また、必ずしも潰しがきくとは個人的には考えていませんでして、そう考えるとやはり専門性が重要かなと考えました。いまいる内資ですと、そのスペシャリティ度合があまり強くないかなという心配は多少あります。ニッチな領域はある程度それを解決できる1つの選択肢なのかな?しかも、給料upの可能性があるなら是非情報収集したいなと感じました。

    ニッチには、情熱が必要といはうのは確かにその通りと感じます。専門施設でなければ、ニッチな領域の治療はなかなか足を踏み出せないのかもしれませんね。ただ、だからこそMRとしての存在価値や、やりがいもあるのかなとも考えます。

    もう一点ご質問なのですが、バイオジェンを受けたときに内資の経験はむしろ足枷だったとの記載が有りましたが、どのような点がそうだったのか?ご教授頂けませんでしょうか?

    お忙しい所恐縮に存じます。
    何卒宜しくお願い申し上げます。
    GWの残り素敵なお休みをお過ごしください。

    • 大ちゃん 大ちゃん より:

      オンコロジーMRさん
      コメントありがとうございます。
      返信が遅くなってしまいすいませんでした。
      またもや、記事にしてみました。
      ちょっと気合入れてかいたら長くなってしまいましたがご査収くださいませ。
      http://teigakurekikousyunyu.com/mr-iminai.html
      むしろ記事ネタをご提供いただいてる感じで助かってます。
      ありがとうございます。

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