どうもこんにちは、だいさくです。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)が現在3つの大きな問題を抱えていますね。
医療業界を代表するスーパービック企業である同社ですが、
暗雲が立ち込めているリスキーな状態になっております。
今日は医療業界で働く身として押さえておいた方が良いかなと感じたので、
現在J&Jを取り巻く3つの問題について書いていきたいと思います。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの3つの爆弾とは何か?会社は傾くか?
J&Jといえば「Our Credo」というあまりにも有名なエピソードがあるかと思います。
Our Credoと言うのは日本語でいうと「我が信条」ですが、
日本語だとかっこよく無いのでそのまま「Our Credo」とか、
「クレド」 と言う人が多いと思います。
実際は結構長いのですが、よく引用される冒頭の文章だけご紹介させていただきます。
「我々の第一の責任は、我々の製品及びサービスを使用してくれる患者、医師、看護師、そして母親、父親をはじめとする、全ての顧客に対するものであると確信する。顧客一人ひとりのニーズに答えるにあたり、我々の行う全ての活動は質的に高い水準のものでなければならない。」
J&Jは様々な外資系製薬会社にも大きな影響を与えた会社ですし、
今でもJ&Jの仕組みを真似してる会社や、
教育制度を模写している有名な企業が沢山あると言われています。
日本の製薬会社にも影響を与えており、
この業界を利益のみならず、長年にわたって牽引してきた会社だと思います。
そして、今そのJ&Jにちょっとマズそうな3つの大きな問題が浮上してきていますので、
ご紹介させていただきます。
1、ベビーパウダーアスベスト混入問題
この問題の概要ですが、
J&Jが100年以上前から販売するベビーパウダーにアスベストが混入しており、
そのアスベストが原因で卵巣癌になったと訴える女性22人がミズーリ州でJ&Jを相手に、
訴訟を起こし、同裁判所がJ&Jに対して計47億ドルの支払いを命じております。
他にも卵巣癌や、中皮腫など、同製品のアスベストが原因として、
訴訟を起こされ、その数は1万件以上と言われています。
アスベストと発がん
アスベストは非常に細かい繊維で、吸い込むことによって、
臓器に蓄積されその部分が癌化するとされ、
日本でも多くの工場や特に造船所の壁部分などに使用されておりましたが、
その使用は2006年から全面的に禁止になっています。
主には中皮腫、(悪性胸膜中皮腫(肺癌の一種)や、腹膜中皮腫)などの原因とされております。
J&J側はベビーパウダーと癌の発生には一切の因果関係は無いと主張しており、上訴しております。
個人的には、今回の訴訟の中では中皮腫以外の癌腫も含まれていたり、
またアスベストと癌の発生は、長い潜伏期間が必要でもあるので、
ベビーパウダーを使用後数年後に発症した癌に対しても、
支払い命令が起きているということに対して上訴は至極当然かと思います。
ベビーパウダーアスベスト問題は何が問題か?
この問題は癌とJ&Jのベビーパウダーのアスベストの間の因果関係を否定する事を、
証明できるか?というのが争点になると思いますが、
それだけではなく、
その事実を隠していたというのがJ&Jの基盤を揺るがすのでは無いかと思います。
ベビーパウダーというのは滑石という物質が原料となっているそうですが、
その滑石の中に無作為にアスベストが含まれているということが、
1970年代にすでに内部ではわかっていたそうです。
その事実を公表しなかったということで、
米国のマスコミにも大きく取り上げられており、
バッシングを浴びています。
今後は女性や赤ちゃんを癌化させる要因を作り、そして世論を敵にしたJ&Jという構図のなかで、
J&Jがどう因果関係が無い事を証明し、
信頼回復に努めるかというのは注目しておいた方が良いと思います。
この問題は今後まだまだ大きいな問題となっていくと考えられます。
2、リスパダールの乳房肥大化訴訟
リスパダールは抗精神病薬で、自閉症に由来する小児(5歳から18歳まで)の統合失調症や、
双極性障害の治療に用いられます。
これは、リスパダールを使用した男性が、乳房の肥大が起きたとして、
懲罰的損害賠償を含んだ金額としてなんと80億ドルの支払いを命じたものです。
確かに、リスパダールの薬のしおりなんかを拝見していても、
副作用に乳房肥大化というのは記載されておりません。
裁判の際同社が出した証拠が認められず、
リスパダールの副作用を過小に医師に伝え、
「J&Jは子供たちを食い物にし、患者の利益や安全を犠牲にし利益を追求する企業に対して懲罰的な損害賠償を科すものである」、また、
「そのリスクを隠蔽した」との理由で今回の判決に至っている。
また同じ乳房肥大化の訴えが1万数千件に登っております。
1万数千件の中で一番高額な今回の判決で、
州法によっても違うんだと思いますが、
J&J側は今回の判決は認められないとしております。
個人的にも考えられない法外な金額だと思いますし、
乳房肥大化の発生件数がどれくらいかわからないですが、
伝えていたのであれば医師や患者側にはなんの責任もないのか?とは思ってしまいますね。
3、オピオイド中毒訴訟問題
J&Jのオピオイド中毒の問題も非常に大きな爆弾だと思います。
概要としては、パーデューファーマの問題とほとんど同じで、
J&Jが何年にもわたって、オピオイドの中毒性というリスクに関して、
矮小化したマーケティングを展開し、
自社利益を追求していたと指摘されています。
主に対象となっている薬剤は、
Duragesic(日本名フェンタニル)、Nucynta(日本名タペンタドール)
この二つですが、オクラホマ州の判決時にはその限りではないとされています。
以前書きましたパーデューファーマのオピオイド問題では、
米パーデューファーマ破産とムンディファーマ売却に製薬会社の社員として思う事
和解金が約1兆2千億とされてましたが、
おそらく同じくらいのインパクトになるのではないかと思いますが、
J&J側としては米国内でのオピオイドのシェアが1%程度しか占めてない事や、
州によって公的不法妨害に関する適用がちがうことなど、
かなり猛烈に戦っております。
ただ、恐らくですがJ&J側にとって良い判決になるとは現状思えません。
タバコに関する公害の判決に関しても、そのお金はタバコに対する対策や、
治療費の財源となったことから、
オピオイド中毒は米国内で非常に大きな問題となってるため、
その治療費用などの対策費としての財源となると思います。
ジョンソンエンドジョンソンは破産するか?
現状の3つの爆弾として、
・ベビーパウダーアスベスト混入問題
・リスパダール乳房肥大化問題
・オピオイド中毒問題
こちらが挙げられますが、
予測としては和解金等、3つの爆弾を処理するためのお金として、
場合によってはそれ以上かもしれませんが、
3兆円程度は必ず必要になってくると予想できます。
またそれ以外の部分、かなりマスコミ等からJ&Jに対する批判がされておりますので、
風評被害という意味でもその損失は予想しきれません。
ジョンソン・エンド・ジョンソンはリストラをする
J &Jは今回の件をきっかけにリストラ を断行する可能性はあります。
J &Jはそれでなくてもちょくちょくリストラをしてます。
まぁ良くも悪くも外資系らしい会社なので、
これまでのJ &Jのリストラは5年に1回くらいのペースで行われてきています。
その際は全体社員の20%くらいが会社を去っていますので、
それくらいの規模のリストラの可能性があります。
ジョンソンエンドジョンソンの株価への影響は?
2019年になって様々な問題が浮き彫りになってきたJ&Jですが、
その株価はどうか?というところですが、
2019年10月の段階ではありますが、
多少は下がっておりますが、実はそこまで大きな打撃を受けておりません。
J&J株は配当も高額で、世界一の投資家バフェットさんの投資先としてもとても有名です。
また、J&Jは仮に訴訟に関わる費用として3兆円払えるのか?というと、
大体J&Jの年間の利益額が1.6兆円ですので、
支払えると思います。
最後に
今回、J&Jが現在抱える3つの爆弾要素に関してご紹介させていただきました。
J&Jといえば本当に素晴らしい薬剤の開発をしてきた会社ですし、
世界の製薬会社のお手本になってるような会社です。
日本でもJ&Jやその傘下であるヤンセン社は非常に厳しいコンプライアンスを敷いていることで、
有名ですが、こういった背景もあるのかなと感じました。
現状の経営状態では破産したり、今回のことが理由でリストラしたりということは、
考えづらいですが、なんせ風評被害というのが全く読めません。
J&Jの広報部もメディアに露出して戦っているようです。
本当にこの業界はどうなるのかっていうのがわからない業界だと思いました。
自分の価値を図るためにもしっかり転職エージェントとは繋がっておいた方が良さそうですね。
ではまた!
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