米国製薬会社のインサイト社ってどんな会社?日本立ち上げはある?

インサイト製薬

どうもこんにちは、だいさくです。

みなさん、アメリカのIncyte(インサイト)という会社ご存知でしょうか?

JAK1/2阻害剤であるジャカビをノバルティスに導出した会社です。

最近では、イーライリリーにオルミエントを導出しました。

米国の製薬会社インサイト社ってどんな会社?日本立ち上げはある?




Incyteはアメリカではとても有名な会社なんですが、

まだ日本法人はありません。

ここに来て日本で立ち上げるのでは?という話が出ているそうで、

もしIncyteが日本で立ち上がるようなことがあると、

かなり大きな出来事かと思います。

ただ、一通り調べた感じだと、日本立ち上げに関する情報は全然載ってませんでした。

水面下の話ではありそうなので、確実なことは言えませんが、

アメリカのIncyte社が日本で立ち上げるかもよ?

とりあえずどんな会社か知っておこう、

くらいの温度感で読んでいただければと思います。

ちなみにそんじょそこらの製薬会社とは比べ物にならないくらいの、

未来のある会社なので、是非チェックしてみてください。

米国のIncyte社とは?

Incyte

Incyte Corporation

【本社】アメリカ デラウェア州

【設立】1991年4月

【売上高】約2100億円

【従業員数】1,367人

【社長】Herve Hoppenot


インサイトは米国のバイオ系製薬会社になります。

主に、腫瘍学、炎症用の低分子薬剤の開発、製品化がメインになります。

一番有名なのが後述しますが、JAK1/2阻害剤であるruxolitinibになります。

現在この会社を支えている主な薬剤もruxolitinibです。

設立は1991年で実績もしっかりある会社ですので、

もし日本に参入するのであればベンチャー的なイメージでは無く、

どちらかというといわゆる普通の米国製薬企業というイメージです。

財務状況も良いと思いますし、ruxolitinibuのおかげでかなり儲かっている印象です。

Incyte損益計算書

会社の雰囲気としてはなんと無くアッビーっぽい感じを勝手にイメージします。

もしくはヤンセンやリリーが日本に参入した当時の規模感ではないかと思います。

社長はHerve Hoppenotという方で、2014年に同社の社長に就任してます。

Herve Hoppenot

現在59歳で、

いくつかの資料を確認したら、ノバルティスオンコロジーの、

代表取締役副社長兼CCOをされていた方です。

過去には、アベンティス(Rhone Poulenc社?)等にも在籍されていたようです。

名前的にはアメリカ人ではなさそうな気がしますが、出身などはわかりませんでした。

Incyte Leadership

日本には開発部門だけ

現状日本においてIncyte社は、

インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社という会社が2017年に設立されており、

本社が東京都千代田区にあります。

この会社はインサイト社の持つパイプラインを日本で開発するために存在してる会社で、

他社と提携して開発を進めている薬剤もあり、

協力して治験を進めていくことがミッションとなっています。

実は、たまたまこの会社に関連する方から日本で営業もやっていく可能性のお話を聞きまして、

僕も興味を持って調べてみたという経緯があります。

インサイト社の実績

インサイト社のこれまでの実績としては、3つの製剤が挙げられます。

1つ1つ説明するとかなり長くなるので端的にエッセンスだけお伝えさせていただきます。

1、ruxolitinib

ruxolitinib(ルキソリチニブ)は販売名がジャカビ錠という名前で、

2017年に薬価収載されており、現在ノバルティスが販売してます。

適応は骨髄線維症と、真性多血症という2つの希少疾患になります。

JAK1/2の選択的阻害剤で、JAK(ジャック)という酵素のシグナル伝達を阻害する薬剤です。

実はこのJAKという酵素が悪さをする疾患はいくつかあり、

現在多数のパイプラインを保有してる、インサイト社の利益を大きく牽引してる薬剤です。

米国ではインサイト社が販売してます。

JAK阻害剤は大手の製薬会社が手がけている阻害剤です。

ジャカビのノバルティスの説明動画が非常にわかりやすいのでご興味ある方は見てください。

ジャカビ作用機序

2、baricitinib

barixitinib (バリシチニブ)は販売名オルミエント錠で、

適応は「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」になります。

日本ではイーライリリーが販売してます。

こちらもJAK阻害剤でになります。

3、ponatinib

ponatinib(ポナチニブ)は販売名アイクルシグで、

適応は、「治療抵抗性の慢性骨髄性白血病」、「再発または難治性のフィラデルフィア染色体陽性の急性リンパ性白血病」になります。

この薬は少し複雑で、インサイト社が米国のアリアド社から欧州のライセンスを取得しました。

日本ではアリアド社から大塚製薬がライセンスを取得しましたが、

2017年にアリアド社を武田薬品が6260億で買収をしたので、

全ての情報は武田薬品のプレスリリースで確認できます。

この薬に関しては今後何があってもおそらくインサイト社が日本で取り扱うことはなさそうです。

インサイト社の将来性





インサイト社は本当に沢山のパイプラインを持っています。

そして、やはり大きな外資系製薬会社を中心に提携されているように見えます。

しかし、現在開発部門が日本に参入してきたことを考えると、

今後でてくる新薬が成功すれば日本で販売することも考えられるかとおもいます。

薬剤名 適応 段階 備考
ruxolitinib
(JAK1/2阻害剤)
急性GVHD Pivotal
慢性GVHD Pivotal
本態性血小板血症 Pivotal
itacitinib
(JAK1阻害剤)
急性GVHD Pivotal
慢性GVHD Pivotal
非小細胞肺癌
(osimertinib併用)
臨床段階 osimertinibuはアストラゼネカの製剤
Pemigatinib
(FGFR1/2/3)
膀胱癌 臨床段階
胆管癌 臨床段階
8q11転座のMPN 臨床段階
Parsaclisib
(PI3Kδ阻害剤)
FL(Follicular lymphoma) 臨床段階 主にB細胞性の疾患に対する薬剤
MCL(Mantle cell lymphoma) 臨床段階
辺縁帯リンパ腫 臨床段階
INCB53914(PIM) 進行癌 臨床段階
INCB59872(LSD1) AML 非臨床段階
INCB62079(FGFR4) 肝臓癌 非臨床段階
免疫療法
INCMGA0012(PD-1) MSI-H 子宮内膜癌 臨床段階 アストラゼネカと共同
メルケル細胞癌 臨床段階
Anal cancer 臨床段階
Epacadostat(IDO1) 非小細胞肺癌 臨床段階 Pembrolizumabと併用
多発性腫瘍 非臨床段階
INCB01158(ARG) 固形癌 非臨床段階 Agenus社と共同開発
INCAGN1876(GITR) 固形癌 非臨床段階
INCAGN1949(OX40) 固形癌 非臨床段階
INCAGN2390(TIM-3) 固形癌 非臨床段階
INCAGN 2385(LAG-3) 固形癌 非臨床段階
INCB81776(AXL/MER) 固形癌 非臨床段階
INCB86550(PD-L1) 固形癌 非臨床段階
MCLA-145(PD-L1xCD137) 固形癌 探索段階 Merus社と共同開発
自己免疫疾患/炎症性疾患
ruxolitinib cream(JAK1/2) アトピー性皮膚炎 Pivotal
白斑 臨床段階
INCB54707
(JAK1)
化膿性汗腺炎 前臨床段階
itacitinib
(JAK1)
潰瘍性大腸炎 前臨床段階
parsaclisib
(PI3Kδ阻害剤)
天疱瘡 前臨床段階
自己免疫性溶血性貧血 前臨床段階
シェーグレン症候群 前臨床段階

日本参入か被買収か?

このパイプラインはすごいですね。

製薬会社を調べてみると、びっくりするような宝の山を抱えている会社ってあるもんですよね。

日本に参入して自社で販売するということを考えるのも納得できます。

個人的には特に固形癌の化合物がうまくいくと日本参入はあり得ると思います。

アストラゼネカ以外の会社で目をつけてる会社がないのと、

アストラゼネカはあくまで肺癌だけですので、

それ以外の固形癌は可能性十分あるのかと思います。

これだけのコンパウンドを有しているのであれば、

日本に開発専用の子会社を設立するのも納得できます。

もしくは、買収されそうな気もしますね。

株価もそれなりに高いので、結構な買収額になるとは思いますけどね。

最後に

いかがでしたでしょうか。

インサイト社は現状では1300人の会社ですが、

高い将来性のある会社だと思います。

本格的な営業部門が立ち上がるのか?

コラボ部門が立ち上がるのか?

その辺はまだ不透明ですが、可能性はありそうです。

ツイッターの情報ではプロマネの求人が上がっていたという話もありますので、

もしかしたら近い将来営業部隊も上がる可能性があります。

ぜひ情報をとってみてください。

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ではまた!




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