どうもこんにちは、だいさくです。
読者さんから下記のようなご質問をいただきました。
ちなみにですが、現在いただいておりますメールやご質問に対してほとんど返信できておりません。
ただ内容は全部しっかり目を通しておりまして、
必ずご返信いたしますので少々お待ちいただけますと幸いです。
だいさく様
いつもブログ拝見させていただいております。
私とある外資系の製薬会社で事業戦略として働いております。
〜色々個人情報があり中略〜
だいさくさんは日本のバイオベンチャーにはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
だいさくさんはBD部門にいくのが目標と書かれており、
出てくる会社が外資系が多いのですが、
将来性などだいさくさんの目線で実際国内のバイオベンチャー に関してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
自分自身の転職も見据えて是非教えていただけると幸いです。
【Q&A】日本のバイオベンチャーへの転職についてどう思われますか?
ご回答は記事にて書かせていただきますとさせていただいたので、
とりあえず完全に僕の私見ではございますが書かせていただきたいと思います。
今回この記事を書くにあたって自分なりに日本のバイオベンチャーのことも勉強してみたので、
もしよろしかったら御一読いただけると嬉しいです。
世界に通じるシーズや技術が無い日本のバイオベンチャーは微妙
日本のバイオベンチャーは大きく分けると、
民間の会社か、大学発のバイオベンチャーかの2つに分けられると思います。
ただ、大学発のベンチャーに民間が投資したりもしてるので、
その境界線に関しては曖昧であることも多いと思います。
とりあえず結論から申し上げますと、
日本のバイオベンチャーはとにかくお金がないですし、
日本においては医療業界自体が衰退産業として予想されているので、
日本は戦略の一部としてグローバルで勝ち抜くシーズや技術が無いと、
ちょっと厳しいのでは無いかと感じております。
なので、これはツイッター投資家の方の若干受け売りでもあるのですが、
日本のバイオベンチャー に関する投資を考える場合は、
グローバルで戦えて製薬企業に導出できる技術やシーズがあるか?
そこに限るのでは無いかと思います。
日本のバイオベンチャーを少し振り返ってみる
日本のバイオベンチャーに対する投資というのは、
2012年の安倍総理が打ち出した「日本再興戦略」の中で、
日本発バイオベンチャービジネスの加速を謳ったことで注目されました。
むしろその前までは全く注目されておりませんで、
市場自体も乏しかったと思います。
安倍総理のアベノミクスがきっかけで、
日本医療研究開発機構(AMED)や科学技術振興機構(JST)、産業技術総合開発機構(NEDO)などもベンチャー支援に乗り出すプログラムを保持するようになり、
2013年になり日本国が約1000億円を投じて4つの国立大学に対して投資を開始し、
「特定研究成果活用支援事業」というものを開始しています。
また「大学発バイオベンチャー 1000社計画」というのも同時に打ち出しています。
しかしそれ以降日本のバイオベンチャーが台頭できたか?というと、
なんとも微妙で、2004年に日本で上場していたバイオベンチャーが12社ほどあり、
そのうちの10社が後々上場廃止になっています。
ただ、アベノミクスの一環で、バイオベンチャー への投資額は増えてきており、
バイオINDEXに関しては100円代だったものが、
現在では500円代をキープしています。
転職を考えるなら大きな資本がバックにある会社
ちなみに現在バイオINDEXにて投資対象となっている会社は下記になります。
一応INDEXの対象なのでまぁそれなりに有望な会社だとは思いますが、どうでしょうかね。。。
INDEXが上昇しているということは世の中の期待感がある証拠なんでしょうけど、
ちょっと今後どうなるかわからない会社が多いのは多いですよね。
バイオベンチャー ははっきり言って米国には勝てないんじゃ無いかと。
米国のバイオベンチャーの数は日本の10倍、
その投資額は10倍以上あると言われております。
なので僕はどうしてもサラリーマン目線になってしまいますが、
転職するなら日本に参入してくる欧米のバイオベンチャーの方が日本のバイオベンチャーよりはまだ良いんじゃ無いかと。。
ただ、調べてみると日本のバイオベンチャー でもアベノミクス以降、
時価総額を1000億超えた会社があって、
Accucela社(現窪田製薬)、ジーエヌアイグループ、スリーディー・マトリックス、そーせい、タカラバイオ、ペプチドリーム、ヘリオス、ユーグレナの8社があります。※僕が見たデータが少しだけ古いのでサンバイオなどもう少しあるかもしれません)
そう言った会社に共通しているのが、
冒頭にもお伝えしましたが、大手の製薬会社が欲しそうで、
グローバルで通用しそうな技術やシーズを持っていることだと思います。
ただ、それだけではダメで、
しっかりお金を調達できているか?というのも大切だと思います。
例えば、ジェイファーマという会社があるんですが、
杏林大学の名誉教授であった遠藤 仁先生が立ち上げた会社で、
いわゆるトランスポーターを標的とした薬剤を開発しました。
トランスポーターを標的とした医薬品ではSGLT2阻害薬しか無いのですが、
お金の関係で開発が止まっています。
またLAT2阻害剤も固形癌に確認されている受容体で、
今流行りの臓器縦断的治療が可能な薬剤ですが、それもお金の関係でストップしていました。
ただこちらは大原薬品という会社が出資して開発が再開してます。
その一方で以前ご紹介させていただいたステラファーマなんかは、
ステラケミファという超安定企業である親会社がしっかり出資して、
適切に治験を進めていったと思います。
おそらくステラファーマはBNCTを日本に導入して、
P3が出てないのでまだわからないですが、
ある程度楽天と競合しますが僕はBNCTの方が若干有利かなと思っているので、
その後のステラファーマの上場も見えてくるのかなと思います。
また、ソレイジアなんかも伊藤忠商事がバックについており、
明治さんに導入しておりますが今後T細胞リンパ腫の治療薬がうまくいけば、
自販するのでは無いかと予想されています。
ちなみにソレイジアの年収はめちゃくちゃ高いです。
福利厚生とかは全然知らないですが、血液領域の経験者でご興味ある方は要チェックかもです。
ただ、、伊藤忠商事はいきなり切り捨てたりする傾向があるのでその辺注意です。
まとめ
少し長々と書いてしまいましたが、まとめさせていただきます。
・現状は日本のバイオベンチャー への投資はされている
・今後はとにかく日本にお金がないのでかなり不透明(ただ、安倍総理である以上世界で儲けるビジネスとしてのバイオ投資はやめない可能性あり)
・現状では日本のバイオベンチャーはアメリカには遠く及ばない
→その会社の数、投資金額は10倍以上
・転職するならバックに大きな会社や安定企業がある会社が狙い目
・一番重要なのは勝負できる技術とシーズ
ただまぁ僕も夢見るバイオベンチャー 投資をやっておりますが、
怖いですが夢もあります。
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