製薬会社研究職の今後の動向とリストラ後の3つの転職先とは

製薬会社の研究職

どうもこんにちは、だいさくです。

製薬会社の研究職は今後どうなっていくんでしょうかね。

希望もあれば不安もありますよね。

私が製薬会社に入った約10年前から比べると、

業界のルールや考え方、研究職のあり方なんかも変わってきましたね。

約10年間この業界にいる私が考える製薬業界研究職の現状と

今後の動向を推察していきたいと思います。

あくまで製薬業界全体の流れという感じで捉えていただければと思います。

細かい部分はそれぞれの会社によって変わってくると思いますので。

製薬会社研究職の今後の動向−研究職には厳しい時代−





日本の製薬業界を見渡した時に一番のネガティブ要素になるのが、

研究職です。

研究職は現在よりももっと厳しい状況が続きそうです。

内資系研究職の日本離れ、USシフト

元々外資系は日本に研究機関を置いてない、

もしくは一部分しか無いことが多いので、

日本の製薬業界の研究職に関してはあくまで国内企業を指します。

武田薬品がR&D部門を人員削減、外国人幹部が指摘する低生産性

武田薬品工業も湘南研究所の人員を大幅に削減して、

そのほとんどをボストンの研究所のシフトしました。

武田薬品に限らずですが、今後の研究職は同じような傾向になります。

生活習慣病を一生懸命やってれば良い時代であれば日本だけでも十分だと思いますが、

現在のオンコロジーやCNS系の創薬に関してはUSで行った方が患者の数や、

臨床試験の進め方に関して合理的に行えるので、

研究職のUSシフトは今後も続いていくと思います。

研究職の外部委託

各国内企業はベンチャーキャピタルに創薬を外部委託する傾向にあります。

USでは一般的なんですが、いわゆる証券会社のような会社がVC(ベンチャーキャピタル)

を設立して、研究機関(日本だと大学や専門施設)と合同で研究をする方法です。

最近はこのVCが日本でもどんどんできています。

大和証券系VC、創薬ベンチャー設立 抗がん剤など開発
内資系製薬会社はこのVCと一緒に研究をしていくようになっています。

お金を共同出資して効率よく日本で創薬をしていこうというものです。

共同研究をすることで元々のノウハウはすべてその会社にバレます。

国内企業のこれまでの研究ノウハウはすべてシェアされることになるので、

かなりの損失だとは思うんですが、

そんなこと言ってる場合では無いくらい創薬が難しい状況なのです。

日本離れ、外部委託の原因

創薬が厳しいと言いますが、本当にそうなのかな?

と実は思っています。

創薬は確かに厳しいです、それはその通りなんですが、

国内製薬会社のUSシフト、外部委託化の1番の原因、

それは、成果が出せなかったからです。

正確に言うと成果の出づらい研究ばかりやっていたからです。

生活習慣病全盛期の時は日本の市場だけでやりくりできたので、

それで良かったのです。

研究職の仕事は数年単位でしかわからない仕事です。

沢山の化合物をトライアンドエラーでやっていくわけです。

 

この本読んだことありますか?

武田國男さんは武田を日本一の製薬会社に押し上げた、

武田家の三男坊、落ちこぼれの窓際社員だった人です。

でもすごい人です。

武田が日本一になった要因の一つがリュープリンの開発です。

この本にはリュープリンの開発秘話が載っているんですが、

武田國男さん以外全員が反対しているんですよね。

誰も未来が見えていない。

國男さんだけがオンコロジーの時代が来る。

だからやっておけと言ってるんです。

失敗した時は僕が責任を取ると。

カッコ良い!

簡単に読めるので見てみても良いとは思いますが、

本の内容はそこまで面白く無いです(笑)

研究職は未来を見る必要がある




研究職って1年2年で結果が出るものでは無いんですよね。

長い時間をかけて、できること、できないことを証明していく職業なので、

みんなが反対することってやりたがらないんですよ。

ストレスなんです。

だから武田國男さんのようにトップの人が責任を持って陣頭指揮をとっていく必要が

あるんだと思います。

でも国内企業の研究職はそれができなかった結果だと思っています。

武田薬品も長谷川社長になってから、

國男さんの稼いだ2兆円の内部留保を全て使って、

現在は8000億近い負債を抱えても大型買収をして食いつないでるわけです。

※yahooファイナンスより

そのためVCとの提携やUSへのシフトをせざるおえない状況になってしまった。

僕は日本男児なので、やっぱり日本の医療のほとんどは税金で払われているので、

日本の会社には絶対頑張ってほしいとは思っていますし、

小野薬品のニボルマブなんかは本当に嬉しいです。

製薬会社研究職のリストラ後の3つの転職先とは

MR減少時代云々のレベルでは無いくらいに、

現在研究職の人の転職市場というのはすごいことになっています。

研究職の方の次なる転職先で多い順としては、

1、製薬会社のMA部

2、VC

3、同じような研究職

ただやっぱり受け入れ先が中々ないのも事実ではあるみたいです。

一応傾向としてはこのようになっています。

1、製薬会社のMA部

自分の会社内で異動できるほど需要がないので、

新設された会社のMA部に行く人もとっても多いです。

実際以前の内資系の時は研究職出身のMSLの方もいらっしゃいました。

MA部って言うのはMSLだけではもちろんないので、

リサーチの方に行ったりする方もいらっしゃいますね。

まぁ現場の人間からすると製薬会社で研究職をやっていた人間というのは、

やっぱり凄いというか知らないことを沢山知ってるイメージはあるので、

人材として重宝されやすいのではないかと思います。

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2、VC

いわゆる創薬ベンチャーです。

大手の製薬会社から行った人ほど苦しんでる!?感じはしますが、

需要はかなりありますね。

ここの市場は必ずチェックしておいた方が良いと思います。

大手の時よりも自分自身に決裁権や裁量をもたらされるので、

やりがいはとても大きいのではないかと思います。

また、大学や研究機関の人間とのコミュニケーションがとても大切なので、

これまでのように社内の人間だけと付き合ってれば良いという状況ではないです。

3、同じような研究職

これは上記の職種以外ですと、

OTC系が多いですかね。

あとは、一部の製薬会社の研究職です。

最後に

いかがでしたでしょうか。

大体現在の製薬業界の研究職を取り巻く状況などがお伝えできましたでしょうか。

今後5年、10年でどう変わるか全く予想できない製薬業界ですが、

その分とっても面白い業界でもあると思います。

どんな状況になっても生きていけるスキルを身につけたいものですね。

では!




 

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