オンコロジー領域や血液領域の人は絶対に読もう!「フラジャイル」!!

おすすめ本書評

どうもこんにちは、だいさくです。

みなさんはこの連休いかがお過ごしですかね。

僕は10月の後半くらいまで仕事がかなり忙しくてあまりゆっくりできませんでした。

その中で唯一読破できた本がありまして、

それが「フラジャイル」です。

今は12巻まで出ていて、2日間くらいあれば全部読めると思います。

読むきっかけは血液内科の先生にごり押しされたから

このフラジャイルはドラマ化もされたので知ってはいたんですが、

全然読んだ事なかったんですよね。

【韓国行脚報告!】韓国のMRの方に色々聞いてきた!

僕が先日韓国行脚行ってる際に、先生からすごいお勧めされて、

ちょっと読んでみようかなと思ったんです。

僕はオンコロジーMRとして約10年間MRやってたんですが、

その多くの時間が血液疾患を担当してました。

血液疾患って病理との関係が切っても切れないんですよ。

血液系を担当してる人やオンコロジーを担当してる人って、

必ず病理診断の大切さみたいなのって耳にすることがあると思います。

昨今の個別化医療により治療が細分化されてきていて、

診断を間違ってしまったらそれだけで全く効果の無い治療をしてしまう事になりますよね。

特に血液は悪性リンパ腫だけでも、WHOの病期分類で70を超える種類があります。

最近は固形癌でもどんどん細分化されてますが、

特に血液疾患は病理診断が非常に重要になります。

講演会やっても前座で病理の講演入れると血液内科医ってすごい来てくれますしね。

今まで何回か血液や病理の先生の講演の中でこのフラジャイルが紹介されてて、

病理医が主役の漫画ができてすごい嬉しい!と言ったことを何回か聞いたことがあったので、

んじゃ読んでみるか〜と思って読んでみました。

フラジャイルは普通の人にはつまんない(と思う)




フラジャイルは血液領域やオンコロジー領域を担当したことがある人が読んだら、

めちゃくちゃ面白いと思います。

僕は面白すぎてマッハで読んでしまいました。

しかも普通に学ぶことが多いです。

むしろ血液領域やオンコロジー領域担当してる人でフラジャイル読んだことが無ければ、

絶対読んだ方が良いと思います。

ただ、、、、普通にMRじゃ無い人とか、

病理に全く関係しない人が読んだら面白く無いと思います。

専門的な言葉も多いし、わかりやすくかかれてはいるんですが、

それでも難しいと思います。

私の妻は2巻の途中で、「まじつまんない」と言ってやめてました(笑)

ただ、本当に専門領域の人は面白いですよ!

学びも多い!

蔦屋とかゲオあたりのレンタルで千円もあれば全巻読破できます。

買うと1巻600円弱くらいですね。

 

マンガ無料立ち読み

一応こちらのサイトで30ページ分くらいまでなら無料で読めます。

フラジャイルに出てくるMRの話

医療系の漫画とかってお決まりで製薬会社のMRっぽい人が出てきますよね。

フラジャイルにも出てきます。

アミノ製薬の火箱ちゃんっていう女の子です。

この写真はちょっと嫌な感じですけど、

すごいピュアで良い子です。

外資系の新卒入社の文系女子にいそうな感じのピュアな女の子です。

んで、この子の上司がまた悪いやつなんす。

JS-1っていう新薬の治験のくだりがあるんですが、

この新薬を巡って、火箱ちゃんはJS-1が本当にピュアに世界の全ての人を幸せにする!

と思って奮闘してるんですけど、その上司(部長)がデータを改ざんするんすよ。

膵臓癌でタルセバとJS-1を併用するくだりがあるんですが、

膵炎が出てしまって亡くなってしまう患者がいるのに無かったことにしようとするんすな。

まぁあんまり内容を書いてしまうとこれから読みたい人が嫌ですよね。

一方的に製薬会社=悪としてない部分が結構この漫画の好きなところです。




火箱ちゃんの言ってた印象に残るセリフ

そのアミノ製薬の火箱ちゃんが、

大学の先生に言ってたセリフで印象に残ってるセリフが一つあります。

正直ブログで書くつもりで読んで無かったので一語一句は覚えてないんですが、

「先生、小さな倫理にこだわったり、くだらない道徳観なんて、結果が出て、世界が変わった瞬間に全てホコリ程度のものだったと思うようになります。」

ってところ。

このセリフを火箱ちゃんが大学病院の先生に言う事によって、

出禁っぽい扱いになっちゃうんです。

僕は、このセリフは火箱ちゃんに賛成だなって思ってます。

外資系(特にロシュとか)がね、世界で進めてる臨床試験って、

臨床で残されている小さな疑問を飛び越えて、

なんでそんな臨床試験やるの?って思うような臨床試験あると思うんですよ。

いや、まだその段階じゃ無いだろ!みたいな。(何と無くわかりますかね?)

でもその試験が少ししてポジティブな結果が出たら、

やっぱその通りに標準治療って変わるんですよね。

僕はそんな瞬間を今まで何ども見たことがあって、

その度に日本の先生が、もっと段階を踏むべきだ!!とか言ってて、

その指摘って正しいんだけど、

世界はそんな隙間の部分は見てないって思ったりもするんですよ。

確かに僕も、外資系製薬会社の臨床試験の組み方見てると、

なんか汚ねー組み方だな〜とか思うことはよくあるんですけどね。

日本の先生って、AとA+の違いにこだわって、

こっちの方が少し良いかも?みたいな事にすごいこだわるんです。

でも製薬会社目線ではそんな小さなこだわり必要ですか?みたいな。

そこは会社は介入しないので医師主導でやってくださいって言うやりとり。

医師主導試験自体が臨床研究法の改定でやりにくくなっているの知ってて言いますよね。

なんかそんなリアルなニーズの違いが垣間見れたセリフだなって思います。

ちなみにこのシーンは多分、製薬会社=悪を表そうとしてたと思いますが、

僕は完全に火箱ちゃん派です。

病理医はDrs Dr

病理医って医者の中の0.6%しかいないんだそうです。

若手が入ってきたらかなり珍しいしすごい歓迎されるそうですね。

病理医はDrs Dr(ドクターズドクター)ってこの漫画の中でよく出てきます。

治療医は患者さんを診てるから、感情が入ってしまう事で、

誤診が起こったりする、でも病理医は検体を見て正しい診断を行うので、

常に治療医の思い込みを正すのが仕事である、と。

病理検体ってやっぱり各種癌が多いんですが、

それ以外にもあるので、いろんな診療科との連携が必要で、

いろんな疾患の勉強をしなければならないみたいでかなり大変みたいですね。

最後に

ちなみに、アミカスのミガラスタットも漫画の中で出てきます。

この本の作者凄いな〜と思って調べて見たら、、、

なんと、、、ただの漫画家さんなんですね!

てっきり医療関係者かと思ってました。

凄い勉強されたんだろうな〜と思いました。

ご興味ある方、ぜひ読んで見てください!

では!




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