厚労省モニター調査の結果違反疑いが74件、MRを監視の必要な職業にしたのは誰だ?

厚労省覆面モニター

どうもこんにちは、だいさくです。

恐らく各会社からフィードバックされているのではないかと思いますが、

平成30年の厚労省のモニター調査の結果が厚労省のHPで発表されていましたね。

医薬品等の広告規制について

結果としては74件が違反が疑われた件数として報告されていたそうです。

年々報告内容も変わってきているようです。

厚労省のモニター調査の結果違反疑いが74件、大きい転換期が来てるんだと思う




もうすでに3回目の報告となったいわゆる覆面調査ですが、

ご存知だと思いますが、

この覆面調査のきっかけはノバルティスのディオバン事件、武田薬品のCASE-J事件です。

この2つの事件をきっかけに、

医療用医薬品の広告の適正化のために、

行政機関による監視・指導体制の強化を測ることが必要とのことが、

平成26年度に決定され、平成27年度の活動から一部の医療機関がモニターとなり、

監視モニター制度が始まりました。

そして今回の報告が平成30年度分の報告書がまとめられたものになります。

平成30年度モニター調査の結果

今回の調査結果として、違反が疑われた延べ項目数は74件でした。

調査を開始した3年前から増えていっていますね。

これは下記の通りモニタリングの対象期間が長くなったことや、

モニタリング対象施設になっていないけど、

過去に対象になった施設からの報告もあるのが要因かもしれません。

この結果から今後変わっていく事

今回の結果は去年2018年度のモニター調査の報告になります。

今回の結果からというわけではないですが、

今年2019年度からはその対象がMSLにも範囲が広がって、

厚労省の覆面モニターが増員!次はスペシャリティとMSLが対象っぽい・・

MSLもこの覆面モニターの対象となっています。

あとは、モニターの対象となっていない医療機関からも疑義報告ができるようになるみたいです。

一応下記のじほうの記事では今年の夏から開始されるとされています。

全医療機関からの報告、今夏にも開始  厚労省、MR活動の不適切事例で

なので、報告数はもっと増えてくると思いますし、

この医療機関はモニターになってるらしいよ・・とか、

そんな予想しなくてもほとんど全ての医療機関が疑義を報告するようになるんだと思います。

人間ブロックチェーンって感じですかね。

疑義内容が完全にメーカーを特定できるようになっている

んで、今回の報告書を隅から隅まで読んでみたんですが、

導入の文言とかは基本的にはこれまでの報告書と似通ってるんですが、

疑義内容がだいぶオープンになっていますね。

多分知ってる人が読めば、これはあの会社の事を言ってるなぁとか絶対わかります。

もうそれは完全にわかります。

全然隠す気も無いように見えるので、

それくらいMRの活動の疑義を公表したいんだと思います。

疑義はあくまで疑義

あと実は僕も良くわかってなかったんですが、この報告内容って、

あくまで「疑義」なんですよね。

これまでの僕の記事の中でも製薬会社側からのExcuseが無いから、

本当に意味のある活動にはならないんじゃ無いかって思ってたんですが、

これはあくまで疑義であって、コンプライアンス違反確定では無いんですね。

ちなみに今回一番報告が多かったのが「抗がん剤」だそうです。

僕も報告内容見てたら、これはあの会社のあの製品だろうなぁってのが完全に分かったし、

まぁ類似品も多いし、新薬も多く出る領域ではあるので、

今回の結果は別に驚くものでもなかったです。

1回の「なんとなく」「たまたま」がいけない

一応弊社の薬剤は非常にニッチで、別に疑われるようなことしなくても特段問題ないので、

多分ないだろうなぁと思ってたんですが、やっぱなかったです。

でも内容を眺めていると、僕が大手にいた頃は、

なんとなく言ってることもあるなぁとおもいました。

でも、そのたった1回の「なんとなく」「たまたま」がバツなんだなぁと単純に感じました。

今回の報告で個人的に思った事




あんまりこの手の内容に関して突っ込んだこととか書きづらくなってしまってるんですが、

とりあえず個人的に思った事なんですが、

Dr to DrのWEBとかリアル講演会で、演者Drが勝手に拡大したデータとかも、

その製薬会社の責任になるんですね。

レビューをしっかりやれ!って事なんですかね。

でもレビューしても講演の直前までPCカチカチしてる先生とかいらっしゃるわけで、

そういう先生は演者にしてはいかんという事なんですかね。

一方で、「このスライドは外してくださいとかいちいち指図してこられた」、

とかいう報告もあるんですよね。どないやねんと。

1個1個細かいこと書くと長くなってしまうんですが、

やっぱりこれまでの記事の中でも書いてるんですが、

医療従事者側のリテラシー感覚を上げるというのも大切なんじゃないかって思うんですよね。

新薬の申請書に他社品との比較とか記載させないでほしいと思います。

そういう場合にもそれはコンプライアンス上記載できませんと書けば良いんでしょうけどね。

その辺の細かいすり合わせも必要なんじゃないかなって思います。

こちらPDFの全文なので一度読んだ方が良いと思います。

厚労省からの報告書まとめ

MRを監視が必要な職業にさせたノバと武田の罪

僕自身は、この報告書がアップされた時に、

まだ内容読んでない段階なのに、

なんか、とにかく辛い、寂しいという気持ちに苛まれました。

厚労省がこんなことに4000万近い予算を組んでるという話も知っていたし、

そんなことに金使うなよ!というただの感情でムカつく気持ちもあったんですが、

やっぱMRという職業を監視が必要な職業にさせてしまっているという事に関する、

なんとも言えない辛さや悲しみを感じてしまうのです。

もう過去の事なんで言いたかないけど、ノバと武田の罪は重い。

今回製薬協会の理事が田中徳雄さんが就任されたんですが、

「MRの社会的地位を向上させることに貢献したい」と述べられています。

社会的地位を向上させないといけない職業にしてしまった両社の罪です。

しかもこのた田中さんがまた武田薬品の生え抜きであるというね。。。

まぁ関係ないけどそんなことは。

製薬協会は本当に尽力されているので頑張ってほしいです。

もし今回の報告内容読んでない方いたら絶対読んだ方が良いですよ。

厚労省からの報告書まとめ

寂しさや辛さの反面、ぶっちゃけいうとちょっと面白いです。

へ〜こんな言い方してるんだ〜みたいな。

本当にどこのメーカーかほとんど特定できるので。

本当に適正使用が目的なのか?

最後にやっぱ疑問に残るのが、これって本当に適正使用を促すのが目的なのかな?

と思います。

やっぱり日本の医療費の高騰にメスを入れなければならない現状で、

薬価は間違いなく上がらないわけです。

でもその薬価が高いのってかかった開発費用とかあるわけですが、

人件費もあるわけですよね。

その人件費を下げれば薬価を高額にしなくても良いでしょみたいな裏の理由もあったりするんでしょうかね。

薬価制度の改革によって起きた今の薬価制度は相当文句が多いみたいですし、

リリーとMSDとファイザーも相当強烈にクレームしてましたが、

第一三共の社長も厚労省に直接的に怒ってましたね。

今後どうなるかわからないですが、

とにかく今言えることはたまたま言ってしまったことが命取りになるかもしれないので、

気を引き締めて行こうぜっていうことですかね。

このままいくと製薬会社の人間を病院に出入りさせている病院の評判が悪くなるみたいな事にも、

なりかねないですよね。

最後に

「規制強化によってMRが萎縮し、医師に必要な情報まで届かなくなっている」という宮川先生の

言葉もありましたが、この夏から医療機関から全て受け付けるとなると、

もっともっと萎縮しちゃいますね。

ノバと武田の責任はやっぱ重いっすね。

っていうとノバと武田が見つからなくても違う会社が結局問題起こしてたって思うんですが、

当時かなり他社はリスクヘッジしてたので、

時代の変化に気づかずめちゃくちゃやってた両社の責任はやっぱ重いと思いますけどね。

まぁ後の祭りですけど。

とにかく気を引き締めていきましょう。




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