サーモフィッシャーってどんな会社?MR経験者を募集してるよ!

サーモフィッシャー

どうもこんにちは、だいさくです。

サーモフィッシャーという会社、みなさんご存知でしょうか。

多分ですが、普通に製薬会社に勤務しているとほとんどの方は知らないのではないかと思います。

2018年にNGS(次世代シーケンサー)が承認されたことで、

初めて知った方も多いのかもしれませんが、

もしや??と思っていたんですが、

やっぱりNGS部隊が新たに立ち上がり、

MR経験者の募集も行なっているので、

今日はサーモフィッシャーの事や、

NGSについて調べてみましたので、

ご紹介させていただきます。

サーモフィッシャーってどんな会社?MR経験者を募集してるよ!




サーモフィッシャーの事を僕が初めて知ったのは、実は2019年の年頭で、

サーモフィッシャーの研究者による川柳コンテストがきっかけでした。

研究者あるある川柳みたいなんですが、とても面白いので、是非読んでみてください。

サーモフィッシャーとは?

サーモフィッシャージャパン

【社名】サーモフィッシャーサイエンティフィック

【社員数】1,100名 世界では70,000名

【本社】東京都港区三田

【本国】アメリカ マサチューセッツ州 ウォルサム


サーモフィッシャーはとにかく巨大な外資系企業になります。

巨大過ぎてその全てを説明するにはかなり膨大な文字数が必要になりそうなので、

今回のMR経験者の募集に関連しない部分に関してはざっくりとご紹介させていただきます。

(正直いうと、勉強してはみたものの、NGS以外の分野はにわか仕込みの勉強では、深く理解することができませんでした。)

現在、サーモフィッシャーを支える事業は大きく分けると3つあります。

1、分析機器

2、臨床診断用製品

3、ライフサイエンスソリューション

1、分析機器

サーモフィッシャーといえば分析機器になります。

電子顕微鏡、質量分析、化学分析や構造解析、クロマトグラフィーです。

特に有名なのがDNA鑑定など請け負うDNA解析や性的暴行時のケースワークです。

調べた限りだと米国および日本において、

DNA鑑定を行う場合はサーモフィッシャーの機器のシェアが高いです。(多分1番)

サーモフィッシャー ヒト個別識別

2、臨床診断用製品

こちらはアレルギー反応を見るためのキットが主になります。

アレルギーや、自己免疫、敗血症、病理細胞、精度管理用コントロールのキットになります。

売れ筋なのが、

SureTect:大腸菌O157アッセイ、

Wellcogen:細菌性抗原迅速ラテックス疑集試験、

Quanti-Cult Plus:大腸菌ATCC 25922

詳しくはこちらをどうぞ。

サーモフィッシャー 微生物学

3、ライフサイエンスソリューション

こちらは、いわゆる研究用の試薬関連を取り扱う部門です。

みじかな所だと、フローサイトメトリーや、PCR、ゲノム編集になります。

今回のNGSもこちらの部門になります。

サーモフィッシャー ライフサイエンス


今ご紹介させていただいた3つの部門の他には、

ラボ用の製品や医薬品開発の受託サービス、サービスサポートなどの部門があります。

サーモフィッシャーはその部門を買収や合併をすることによって手に入れてたと言えます。

ちなみに今回のNGSをリリースした部門は、

2014年にライフテクノロジーズという会社を買収した事により手に入れました。

サーモフィッシャーサイエンティフィック、 ライフテクノロジーズの買収を完了

 サーモフィッシャーはすごい会社

サーモフィッシャーは控えめに言ってもすごい会社です。

米国で上場してますが、昨今のトランプの医療業界叩きを受けてもビクともせず、

高い株価を維持しています。

※2019年6月時点

289ドルはすごいですね。

競合優位性も非常に高いです。

直近の損益計算書になります。

売上高が約2兆6千億はこの業界ではトップになります。


とりあえずここまでで、

サーモフィッシャーという会社がとても大きい会社で、

競合優位性も高いというところがお伝えできましたでしょうか。

ここからはNGSについてご紹介させていただきます。

サーモフィッシャーのNGSとは?

今回MR経験者を募集し、立ち上げのきっかけとなっているのが、

NGS(Next Gen Sequencing)次世代シーケンサーを用いる初のコンパニオン診断薬である、

「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」が上市された事によります。

2018年11月に保険適用が了承され、

2019年6月1日に保険収載され、点数は5000点になります。

適応は切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを対象に取得しています。

厚労省の資料からは、ピーク時では年間1万5164人で、

販売金額は年間17億7000万とのことです。

このNGSについては理解するのにそこまで難しいものではありません。

簡単にいうと、肺がん治療を行うための、

遺伝子変異解析システム(抗悪性腫瘍薬適応判定用)になります。

「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」は次世代シーケンス技術を用いて、

非小細胞肺がんの4種のドライバー遺伝子の遺伝子変異等を1回の測定で同時に検出し、

医薬品の適応判定の補助を行うことができる、

いわゆるコンパニオン診断システムです。

「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」で何が変わるの?

では、この「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」が上市された事によって、

何が変わるのか?というと、結構変わります。

現在肺がんでは、

・EGFRのL858R、Exon19deletions

・ALK融合遺伝子

・ROS1遺伝子

・BRAF V600E

この4つの遺伝子変異に対する薬剤が使用できます。

一番頻度が高いのがEGFRですが、

これまでは1つずつの遺伝子変異を測っていました。

EGFRが陰性であれば、ALKを測る、それがダメならROS1、

それがダメならBRAFといった感じです。

EGFRを測る患者を100としたら、

BRAFまで測る患者というのは大体半数と言われているそうです。
(頻度はEGFR以外は数%の発生率です)

この「オンコマイン Dx Target Test CDxシステム」は、

この4つの遺伝子変異をFFPEの切片(せっぺん)5〜10枚程度で、

一気に全て検査をする事が可能になりました。1つ1つ測るより患者さんにも優しいのです。
(従来は最大31枚必要とされていた)

前述の通り、例えば、もしかしたらBRAF変異のある患者だったけど、

測らなかったとか、ALKやROSだけど測らなかったという問題がもしあれば、

このキットが発売される事によって解決されます。

こちら国立がんセンター東病院の後藤先生のミクスの記事になります。

国がん・後藤氏「少ない検体で遺伝子解析可能に」 サーモフィッシャー社のコンパニオン診断システム上市で

後藤先生のセミナーの中では、

「EGFR,ALK,ROS1,BRAFを同時に測定でき、8種類の分子標的薬における治療適応の判定が少ない検体で遺伝子解析が正確にできるようになる」と述べられています。

また、限られた検体(FFPE切片)で済むので再生検実施リスクが低減でき、患者負担の軽減ができるメリットもあると述べられています。

遺伝子パネル検査と何が違うのか?




そうなってくると、いわゆる遺伝子パネルと何が違うのか?という疑問も出てくるかと思います。

遺伝子パネルというのは、

シスメックスの「OncogGuide NCCオンコパネルシステム」や、

中外製薬の「FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル」のことです。

おそらく次世代シーケンサーというと、

こういった遺伝子パネル検査を思い浮かべる人も多いかもしれません。

実際2019年6月にNGSが保険適用となった同じタイミングで保険適用が決定されてます。

しかし、この遺伝子パネル検査はそもそも1stラインでは使用できません。

上図、左上の対象患者という部分をご参照ください。

厚生労働省HP

この遺伝子パネルは基本的に標準治療のない患者さんが対象となっているので、

1stラインから個別化治療が進んでいる肺癌では使い勝手はNGSの方が上回ります。

値段にも10倍以上差があります。

遺伝子パネルは全ての固形がん患者で治療が無い患者さんを対象としており、

治療のために測るというよりは情報登録のような意味合いが強いと思います。

NGSは4タイプの遺伝子以外も測定可能

先日、アステラスアムジェンの記事のなかで、

主に肺癌のKRASに対する阻害薬でアムジェンから良い薬が出てきたと書きました。

肺癌は個別化治療が進んでいるがんの一つでもありますので、

今後新たな遺伝子変異を測る必要が出て来るかもしれませんが、

NGSはそもそも4つのタイプだけを測っているわけではありませんので、

もちろんKRASも測定されています。

正確な数はわかりませんが、かなりの数の遺伝子変異を測定されていて、

適応の中で公表するのはあくまで4つというだけです。

なので、今後の新たな遺伝子変異の測定にも対応できます。

もちろんその都度適応追加していく必要はありますので、

現状は4つ以外の遺伝子変異を公表することは適応外になるので公表もしないと思います。

※サーモフィッシャーのツイッターより

サーモフィッシャーの顧客は?

ここまででサーモフィッシャーという会社がどんな事業を行ってる会社か?、

サーモフィッシャーのNGSがどんな役割を行い、

なぜMR経験者を求めているか?というのがなんとなくお伝えできましたでしょうか。

サーモフィッシャーというのは実は薬価収載される製品は初めての上市になります。

もともと営業というより研究職の方が多いような会社でもありますので、

薬価収載されてその部門を立ち上げている最中で、

やはりMR経験者が必要であるという判断になったのかと考えられます。

ではサーモフィッシャーに入ったら顧客は誰になるのか?というところですが、

基本的には医療機関からこの患者の検体を測ってくれと依頼されるのですが、

依頼されるのはSRLやBMLなどの検査受託会社に依頼されます。

依頼されたSRLなどがサーモフィッシャーに依頼をかけます。

なので、サーモフィッシャーの顧客はSRLやBMLなどの検査会社に加えて、

肺癌の薬を扱う製薬会社、

おそらくEGFRの薬を扱う会社でそこまでこのNGSを求めていることはないと予想されるので、

ALK関連で中外製薬、ROS1でファイザー、BRAFでノバルティスという感じだと思います。

もちろん呼吸器内科医も顧客になると思いますが、

どちらかというと、製薬会社と共闘してNGSを広めていくと思います。

なので、サーモフィッシャーの顧客は

・検査受託会社

・製薬会社

・呼吸器内科医

になると考えられます。

ちなみにこういった製品はPMSやIRBを通したりする必要はありません。

サーモフィッシャーの応募要件

一応応募要件を見てみると、

そこまで沢山の人数で営業していく感じではなさそうです。

勤務先は基本的に東京本社(港区三田)になります。

面接次第のところではあるんでしょうけど、

やっぱり肺癌の分子標的の経験者とかは欲しいのかなと思います。

年収面は前職考慮となっていますが、7〜800万くらいかと思います。

最後に

いかがでしたでしょうか。

中々MR経験を活かせる異業種というのも無いので張り切って書いてみました。

エージェントは製薬会社向けのエージェントよりは、

いわゆる大手の会社が扱ってるそうです。

DODAエージェントサービス

【リクルートエージェント】

この辺の会社じゃ無いと扱ってなさそうです。

もしご興味ある方いたら大手のエージェントに聞いてみるか、

もしくはサーモフィッシャーのHRとかに直接聞いてみても良いかもしれませんね。

ではまた!




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