サンバイオの脳梗塞に対する治験失敗に関して情報をまとめ考えてみた

サンバイオ

どうもこんにちは、だいさくです。

ご存知の方も多いと思いますが、

サンバイオのSB623・・・

残念でしたね。

本当に残念でたまらないです。

TBI(外傷性脳損傷)への治験結果が良かっただけに、

本当に残念です。

以前書きましたこちらの記事に、

サンバイオがSB623で立ち上げ準備!情報まとめ、これは要チェック!

今回治験失敗してしまいましたが、

いわゆる慢性期脳梗塞の患者さんからコメントをいただいたことがあります。
(コメント残してあります)

なんていうか、今回の件は、

株価下落の話で溢れているけど、

SB623を待っていた患者さんって本当に沢山いるんですよね。

脳梗塞を含めた脳卒中の患者さんの数は日本では123万人と言われていて、

米国では680万人とも言われていました。

慢性期脳梗塞でSB623に期待して待っていた方や、

そのご家族の落胆を考えると本当に残念で仕方がないです。

サンバイオはなぜここまで期待されたのか?




そもそもサンバイオの株価がなぜこんなに跳ね上がって、

サンバイオになぜこんなに期待がかかったのか?って所を

おさらいさせていただくと、

2018年11月に発表されたSB623の外傷性脳損傷に対して行われた、

日米Phasell試験で主要評価項目を達成したことから起因したわけです。

僕の記事でも書きましたが、

外傷性脳損傷に対する治療薬の開発はほぼ無理と言われていて、

現状ではリハビリするしかなかったわけです。

その「ほぼ無理」をやってのけたのがSB623だったわけです。

そのほぼ無理の外傷性脳損傷で成功したんだから、

外傷性脳損傷よりも患者数がさらに多くて、

しかもハードルの低いと言われている慢性期脳梗塞は、

余裕でいけるだろうと言われていたのです。

ということで株価が当時3,000円から、

3倍の10,000円を超えるくらいにとんでもなく跳ね上がったわけです。

サイバイオは買われ過ぎた?

若干余談気味になりますが、

日本の投資家はサンバイオへ過剰な期待をし過ぎたっていくつかの記事で、

書かれているんですよね。

こちらEvaluateの記事なんですが、

読んだ方いらっしゃいますかね、

Sanbio brings its Japanese retail fans down to earth

僕Evaluateと週刊ダイヤモンドはめっちゃ愛読してるんですが、

Evaluteの今回の記事はちょっと後出しジャンケンすぎるというか、

当時はそんなこと書いてなかったのに、

後からならなんでも言えるというか、

Evaluateと週刊ダイヤモンドは非常に良い記事書くので好きなんですけど、

ちょっと違和感があるんですよね。

そりゃぁ期待するだろっていう。

サンバイオと大日本住友は連日のストップ安

多分まだまだ下がるんだろうけど、

サンバイオと大日本住友(日本以外の開発責任会社)の株価は連日のストップ安ですね。

サンバイオ 5,710円(2019年2月1日終わり値)

下がり過ぎててチャートが見えてませんね。(2019年3月の段階では2900円まで下落)

大日本住友 2,577円(2019年2月1日終わり値)

大日本住友もせっかくSB623のおかげで爆上げしてましたけど、

残念ですね。

サンバイオの株はどこまで下がるのか

サンバイオの株価はどこまで下がるのか予想がつきませんが、

もともとこれまでの株価は、今回の慢性期脳梗塞への期待値も含まれていた価格でした。

外傷性脳損傷に成功しただけの期待値というのが、

2018年の11月の段階で発表されていて、

3800円程度と米国のアナリストが予想していたようです。

なので約7000円分は慢性期脳梗塞への期待値からくる上乗せだったと考えられます。

現在(2019年1月30日)の段階で、

サンバイオの発行済株式4900万に対して1200万の売りが出ていると発表されていますので、

4000円近までは下がるかもしれませんね。(2019年3月の段階では2900円まで下落)

しかもサンバイオは全く自社株を現金化してなかったようなので、

単純に現金がないかもしれません。

これは今後の経営や治験の進行にも響そうです。

SB623の治験はなぜ失敗したのか?

今回のSB623の治験がなぜ失敗したのか?そして、

今後どうなっていくか?っていうのはサンバイオの森社長、

もしくはIRがQ&Aで何かしらのお知らせをする可能性があると言われていますので、

その辺の情報を待ってみても良いと思います。

もし出たらこちらに追記します。

今回の治験失敗で巷に出ている理由で個人的に納得感のあったものをまとめてみます。

・そもそも主要評価項目が厳し過ぎた(手技にばらつきがあることで効果にばらつきがあるものはそもそも医薬品としてダメという意見ももちろんある)

・P1/2aの段階では優秀な脳外科が均一な手技を提供していたので、P2bに拡大されてから手技のばらつきがあり、容易に達成できるように見えた主要評価項目を満たせなかった

・P2bには発症から経過が長い症例、逆に軽度の症例、術後リハビリも容認されていて、治験進行を慌ててプロトコールを改変したのが対照群にとって想定外に好成績を生んだのでは?

こんなご意見がありました。

SB623の慢性期脳梗塞への治験は今後どうなるのか?




今回の治験の失敗はかなり残念ですが、

今後の慢性期脳梗塞への開発はどうなるのでしょうか?

サンバイオから今後のスケジュールや資金を見直すとは一応発表されていました。

僕の予想を書かせていただくと、

こういった期待されていた治験が失敗した後によく行われるのが、

レトロ解析を行って、治験でよかった材料だけを集めてリトライする方法があります。

がん領域でもよくやられますが、

対照群と比較して有意差のあった患者さんのポピュレーションだけを集めて、

再度P2なり、もしかしたらP3を行うという方法です。

ただ、まぁほとんど失敗します。

それでリトライして良かった事例をあくまでオンコロジー(がん領域)のなかで、

僕はみたことがありません。

脳梗塞の領域ではわかりません。

なんらかの方法でリトライして仮に成功したとしても、

今後慢性期脳梗塞に対しては欧米での治験は早くても5年以上は結果が出ないと思います

あくまで私見です。

SB623の外傷性脳損傷(TBI)に対する開発は?

今回慢性期脳梗塞に対しては失敗してしまいましたが、

外傷性脳損傷(TBI)に対しての開発はどうか?というところですが、

日本でのSB623のTBIは最速で進め国内承認を狙っていくとされていたので、

日本でのTBIの上市のスケジュールは変わらないと思います。

ただ、これもP2だけで国内の承認になるわけです。

なんか、わからないですが、あくまで私の試験ですが、

欧米諸国から非難を浴びそうな気がします。

P3をやれと。

今回の治験失敗を受けて、SB623の価値に疑問符がついたのは間違い無いでしょうからね。

その辺は今後の動向を見てみたいと思います。

最後に

SB623のようなMSC(間葉系幹細胞)を使った開発は、

iPSやES細胞の開発と比べるとだいぶ進んでいるので、

今回の治験失敗を受けてプロトコールを工夫してくることも考えられますね。

MSCは他家細胞を使っても拒絶がなかったし、

そこまで侵襲度の高い治療ではなかったし、

とても待たれていた治療であったことは間違いないので、

残念で仕方ないです。

とはいえ、SB623は、

・加齢黄斑変性(ドライ型)

・網膜色素変性

・パーキンソン病

・脊髄損傷

・認知症

こちらへの開発(非臨床段階)が進んでいます。

また、SB618は末梢神経障害、SB308は筋ジストロフィーにも開発(非臨床段階)が進んでいます。

資金繰り次第ではわかりませんが、

期待したいと思います。




 

 

 

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