こんにちは、だいさくです。
こちらの記事、
製薬会社のカレンダーやボールペンも禁止!今度はお弁当か?という話
にご質問をいただいたので僕なりの回答を書かせていただきます。
平凡な主婦からの質問なのですが、
飲食の接待(講師慰労会・製品説明会や講演会の弁当)、
ノベルティの配布を禁止すると営業費用(接待費)が削減されます。
今までかかっていた費用が浮く分は各製薬会社は内部留保するのですか?
2012年の接待規制後のように研究会・講演会を増やし、
スポンサーとして開催費用に回すのでしょうか?
個人的にはノーベル賞の京大教授が言われていたように、
大学の基礎医学講座への寄付金を増やして医学研究・製薬研究の発展に貢献してもらいたいです。
製薬会社の浮いた経費は何に使われるのか?
コメントありがとうございます。
これって僕も大手で働いていた時にめちゃくちゃ思ってました。
今まで普通に行っていた接待が行われなくなったり、
全国講演会の時などはかなり高価なお土産(ノベルティ)が渡されていたりしたので、
これが全部なくなったら、一体うちの会社は何にお金を使ってるんだ?
っていうのはちょくちょくやっぱ考えていましたね。
製薬会社の規制を簡単におさらい
接待は2011年から規制が入りましたが、
ノベルティやお弁当に関しては正確には2019年からです。(お弁当は未確定)
接待規制→製薬会社の接待規制により200億程度市場が減ったと言われてる、講演会や社内勉強会後の慰労会はOK(会社によってはこれも自主規制してるとか)
ノベルティの廃止→カレンダーやボールペンは研究会、説明会ではOKとなってますがボールペンはまだしもカレンダーは廃止するところが多いみたいですね。2018年が最後。
お弁当規制→これはまだ決まってませんが、自主的に1500円までなどに設定してる会社も多いです。残された規制はお弁当だけなので個人的な予想では十中八九2019年度中に何らかの規制が入るのではないかと思います。製薬会社のお弁当市場は100億円とも。。
製薬会社の経費は規制によって浮いたのか?
そもそも論ですが、製薬会社の経費は様々な規制によって浮いたのでしょうか?
2018年の薬価算定の改定によって、
製薬会社の利益は非常に圧迫されています。
まだ決算見てみないとわからないですが、
予想をはるかに超えて赤字決算する製薬会社も多いと言う話です。
また新薬候補化合物の枯渇化により、
新薬開発に難渋してる会社も多いため、儲かってない会社も多いのです。
おそらくもっと儲かりづらくなると考えられます。
浮いた経費が無いと言う会社も多いのも実情ではあるんですよね。
ただ、そんな中でもめちゃくちゃ儲かってる会社というのはあります。
ではそんな儲かってる会社は浮いた経費的な部分をどのようなものに使っているんでしょうか?
内部留保と寄付の増額は十中八九無い
ご質問者さんからは、内部留保?講演会などの開催費?大学などへの寄付?
とあ3つございましたが、
おそらく内部留保と寄付金額の増額は十中八九無いと思います。
内部留保は昔はあり得ましたがそこまで余裕のある会社は無いですし、
内部留保するくらいなら使った方がよっぽど良いので、これは無いと思います。
また大学への寄付ですが、これもおそらく無いです。
大学は専門施設への寄付自体がその使い道の不透明さ、
寄付することによる処方促進など、
いくつかの理由からどんどん削減されています。
製薬会社への寄付依頼もどんどん複雑化されております。
実際の額がどれくらい減ったかはわかりませんが、
かなり減額されていると考えられます。
浮いた経費の使い道①講演会
これも領域や会社によって異なるかもしれませんが、
講演会への経費を増やしてる会社もあります。
講演会を行うことによる医師への謝礼金の開示をしなければならないので、
医師側が拒絶してる部分も多少はあるかもしれませんが、
講演会費を増やすというのはあり得ると思います。
以前書いたんですが、講演会ってリアルよりWEBにシフトしてるんですよね。
今ネットが発達したことによってMRがWEB講演会を全部仕切ってやってる会社も多いです。
(特にスタジオが充実してる都市部)
わざわざリアル講演会で担げるような先生では無いんだけど、
処方に影響力がめちゃくちゃある、
訪問規制も厳しいし、普通のアポイントでは中々返信くれない、
そんな時にすごく役立つのがWEB講演会だったりします。
謝礼金入れて50万もあればできちゃうので、
大御所の先生よりは中堅の大学や関連施設だけ入れてWEB開催したりする会社はとても増えました。
リアル講演会よりも断然経費も労力も少ないのに、
得られる効果はほとんど同じだったりします。
リアル講演会1回やって交通費や会場費込みで250万飛ぶなら、
WEB講演会5回やった方が処方への影響が高いというデータもあるそうです。
※WEB講演会やるというのはあくまで自分が仕切ってやるということです。
僕の前の会社は週に3、4回はなんかしらWEB講演会が入ってました。
今の会社でもWEB講演会は全部MRが戦略的に行うようにしてますので、
ご質問者さんがいうように講演会(WEB含む)費用が増えてる可能性はあると思います。
浮いた経費の使い道②社員に還元
あくまで儲かってる会社の話ではありますが、
社員に還元してる会社は少なく無いと思います。
インセンティブの他に成績優秀者への旅行券30万円分とか、
ギフト券とか、ブランド物のネクタイ、名刺入れとか、
あくまで単発での話らしいですが、
いろいろな方法で社員に還元してる会社があるというのは聞いたことがあります。
まぁ他からどう思われるかわからないですが、
社員としてはやっぱり嬉しいですよね。
浮いた経費の使い道③やっぱ開発費
これはあくまでうちの会社の話ですが、
うちの会社は一通り規制が入ってから立ち上がった会社なので、
そもそも接待もしてなかったしというのはありますが、
儲かったお金はほとんど研究と開発費に消えてます。
寄付も一切してませんし、
m3への配信も処方に影響されないということで、
やめてしまいました。
まぁやっぱり研究開発の費用に回されるのが一番多いのでは無いかと思います。
規制で浮いたお金は製薬会社の研究開発費用に比べたら、
ミジンコくらいのお金かと思いますが、
やっぱそれでもそうなると思います。
最後に
ご質問いただいて、とりあえずざっと書いて見ましたが、
あんまりしっかりとした答えがなくてすいません。
本庶さんのいうように答えのない研究にお金をもっと出せというのはわかるけど、
営利企業である以上成果の見えない投資はやっぱ厳しいです。
製薬会社は出口戦略ですし、出口なき入口は通りません。
それはAMEDなどの公的機関がやるべきだと僕は思います。
そのAMEDの研究を見てるとやっぱ製薬会社と同じ出口戦略です。
そういう意味では本庶基金に規制で余ったお金を集めるのは、
絶対実現しないと思うけど悪いアイデアでは無いなと思いました。
ただ、まぁそもそもそこまで儲かってないだろうなというのはあります。
儲かっていそうな中外製薬なんかを見てると、
宣伝方法もいろいろな形にシフトしていってるので、
営業経費は結局は違った営業経費に変わっている気もします。
あんまりしっかり答えられなくてすんません。
ではまた!
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