どうもこんにちは。
現役のMRのだいさくです。
僕は現在3社目のベンチャー系製薬会社で働いています。
大手外資系→大手内資系→現在の外資系ベンチャーの順番です。
私はあまり大手内資系が肌に合いませんでしたが、
思い返してみると良い部分も沢山ありました。
今日はそんな私が大手内資系製薬会社で働く
メリット・デメリットをまとめてみたいと思います。
内資系製薬会社に転職するメリットデメリット!
私はずっとオンコロジー(がん領域)MRでしたので、
オンコロジー領域ではない人はその辺を踏まえて読んでいただければと思います。
まずメリットを6つ紹介します。
1、雇用に怯えない
何と言っても内資系製薬会社は雇用に怯えません。
クビになるという話を聞いた事がありませんし、
外資系の時と比べてもやめていく人数は100分の1くらいかと思います。
外資系は組合が無いところも多く、
あったとしてもあまり機能してないので、
その辺も影響していると思います。
公務員か?と思うくらい安心して長く働けると思います。
年功序列である部分は否めないので若者には刺激が足りないと思いますが、
我慢して20年も勤めればかなりかなり良い老後が迎えられると思います。
2、日本の為に資金を使ってくれる
「資本力」という意味では製薬会社は全体的に資本力があります。
しかし、外資系の場合は本社が外国にあるので、
日本はあくまで支店になります。
日本は予算を割り振る対象なので、
日本の社員からすると限られた予算の中でやりくりをしなければなりません。
しかし、内資系では多少のわがままは聞いてくれます。
予算は一応あるのですが、お金が足りなくなったらなんとかしてくれる事が殆どです。
日本だけで臨床試験をしてくれる
僕がオンコロジーMRだったというのもあるかも知れませんが、
臨床試験の結果というのは、
基本的にはアメリカで行なった臨床試験の結果を
そのまま日本人にもあてはめるのが一般的でした。
一応数十例を対象とした日本での臨床試験は行いますが、
アグレッシブな臨床試験にはお金を払ってくれませんでした。
しかし、内資系の場合は普通に日本人だけを対象にしたphaseⅢ試験をやってくれます。
まぁ多分2、3億円はかかると思いますがドンと出してくれますね。
その辺は日本人にとっても日本のお医者さんにとっても良いことですし、
誇りなのではないかと思います。
3、沢山の薬の知識が付く
私は外資系との一番の違いはここだと思っています。
外資系の場合は良くも悪くも領域が縦割りでした。
同じ会社なのに自分の担当してる病院の他の領域の担当者が
誰なのかわからないという事も珍しくない事です。
内資系ではそういった事がまずあり得ないので、
領域間で協力するのが至極あたりまえです。
他の領域の説明会にも参加するし、
自分の説明会の時間の最後3分くらいを他の領域のために
使わせてあげたりもします。
普通に生活習慣病の勉強をして自分の担当の先生に自社医薬品(他領域の)
を訴求したりもします。
そのため主に生活習慣病に関する知識がめちゃくちゃつきます。
私は今までオンコロジーしかやっていなかったので、
その辺は内資系を経験して本当に良かったなと思っています。
4、患者さんの流れや医療全体が学べる
生活習慣病などを経験している方からすると、
そんなの当たり前だろと言われそうですが、
私のようにオンコロジーMRしかやっていないと、
患者さんというのはいつの間にか現れると思っているのです。
実際は癌の疑いから検査くらいまでは開業医の先生が行っているケースが多く、
確定診断くらいから大きな病院に送られてきて、
その患者さんがⅣ期や再発すると化学療法の対象になるわけです。
内資系にいると開業医の先生がどういうことを考えているのか、
どういう視点で患者さんを送る病院を選んでいるのか、
そんな事を深く学ぶ事ができます。
また、僕は急性期病院と慢性期病院の違いや、
1次医療圏、2次医療圏の意味を考えることもなく
これまでMRをやってきたのでそういった意味でもとても貴重な時間だったと思います。
5、大企業にいるブランド
大手の内資系製薬会社って沢山あると思いますが、
誰もが知ってる大手企業が多いですね。
それは僕の両親も友達もみんな知ってる企業なので、
誇らしいわけです。
合コンではモテるし、
ローンも通りやすいし、
カードの限度額も格段に高いです。
それくらい大手内資系製薬会社の社会的信用は高いのです。
製薬業界は良くも悪くも官民一体なので、
まず潰れることは無いと思いますしね。
「大企業にいるブランド」を選んで生きていくか、
「大企業にいたというブランド」を活かして生きていくか、
僕の場合は後者でしたがどちらにしても経歴としては悪いものでは無いのです。
6、キャリアプランが豊富
内資系の場合は当然なんですが、
本社が日本にあるので、キャリアが豊富です。
外資系の場合は日本支店で採用になるので、
まずグローバルポジションにつくことは不可能です。
内資系のグローバルポジションの可能性は十分にありえますし、
頑張り次第で海外勤務も夢ではありません。
その他にも、PMSや学術、マーケティングやMSLなども、
外資系と比べるとポジションが多くそこまで専門性を求められていないので、
MRからも十分行ける可能性が高いと思います。
デメリット5選
それではここからは内資系製薬会社に転職するデメリットを紹介していきたいと思います。
1、地方に飛ばされる
メリットのところで雇用に怯えないと書きましたが、
その代わりにパフォーマンスの悪い人は僻地に飛ばされます。
クビになることは無いですが、
凄い場所に飛ばされることがあることは覚悟しておいたほうが良いかもしれないですね。
2、働き方の効率が悪い
外資系と比べると働き方に関してはかなり遅れています。
いまだに判子文化ですし、
ちょっとした書類でも色々な人の決済を求めなければならずに、
まさに大人のスタンプラリーです。
営業所を設けてほぼ毎日しっかり出勤して、
家でやれる仕事をわざわざ営業所で行います。
不必要な書類や会議も多いですし、
働き方という面ではダントツで外資系の方が優れています。
3、男尊女卑
言い方は悪いですが、
内資系は完全なる男尊女卑だと思います。
形じょうは女性の活躍!を掲げていますが、
実際は全く進んでませんし、進めようという姿勢もあまり見えません。
女性管理職の割合は大手の外資系製薬会社が約30%に対して、
以前の内資系は3%程度でした。
セクハラ的発言は多いですし、
見ていてかわいそうになることもあります。
女性の方で特にキャリアを目指したい人は間違いなく、
外資系に行った方が良いと思います。
外資系は男も女も平等です。
4、成果主義では無いのに成果を求められる
内資系は外資系ほど成果主義ではありません。
成果を出したところでボーナスの額はそこまで変わりませんし、
昇格人事が優遇されるわけではありません。
でもなぜか成果は求められます。
成果を出しても何も良い事がないのに、
なぜ成果を出さなければならないのだろうか?
という疑問は今でもあります。
5、良くも悪くもコネ社会
上述したように内資系では成果や数字は二の次です。
その代わり上の人の権限が非常に大きいので、
ボーナスの査定を良くしたい人や、
昇格したい人はとにかくゴマスリです。
内資系では誰についていくか?がとても重要になります。
そのついて行った人がどれだけの力を持っているのか、
その人の力量に自分の出世や今後の方向性が左右されます。
ですので基本的には末端の人間は社内で敵を作らないようにして、
上の人にはとことんゴマスリます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
内資系製薬会社のメリット・デメリットをまとめると、
メリット
・雇用に怯えない
・日本の為に資金を使ってくれる
・沢山の薬の知識がつく
・患者さんの流れや医療全体が学べる
・大企業にいる(いた)ブランドが自分につく
・キャリアプランが豊富
デメリット
・地方に飛ばされる
・働き方の効率が悪い
・男尊女卑
・成果主義ではないのに成果を求められる
・良くも悪くもコネ社会
僕の場合は内資系が合わなかったので、
「大手内資系にいた」ということを自分のブランドの一つにして
生きていくという選択をしましたが、
本当に人それぞれの価値観です。
もし内資系製薬会社の転職に興味のある方はこちらの記事もご参考ください。
自分のタイプに合う会社を選ぶことは今後の人生を考える上で、
とても大切なことだと思いますね。
ネットで自分の転職力診断なんかもできますので、
こういうのも活用しても良いかもしれませんね。
では。
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