MRの数が2年間で1万人以上減少!猛烈な減少原因を解説!

MRと早期退職

どうもこんにちは、だいさくです。

ここ2、3年、凄まじい勢いで、製薬業界でリストラが行われていました。

以前のデータでは製薬会社の42%がMR職と言われていましたので、

リストラはMRだけでは無いのですが、どうしても目立ってしまいます。

今日はMRの人数を最新の情報と、

今なぜMRの人数が減少しているかという理由も交えてご紹介させていただきます。

MRの数が2年で1万人以上減少!原因をがっつり解説!




こういうニュースを見ると、

これから新卒でこの業界に足を踏み入れようとしていただいている方とか、

あとは若い方にはやっぱり不安になるニュースだと思います。

しかし、今、なぜMRの数がこんなに減少しているかという理由をしっかり理解することは、

不安の軽減にもなりますし、それに対する対策も打てると思いますので、

是非最後まで読んでいただければと思います。

現在のMRの人数は5万5千人となり、ピークから1万人以上が減少

下記の図はMRの人数を時系列で示したものになります。

そもそもMRの人数ってどうやってわかるのか?という部分ですが、

ご存知の通り、MRはMR認定試験に合格すると、MR認定証がもらえます。

しかし、MR認定証を持っているのに実際はMRをやってない人というのが、

製薬会社の本社には結構沢山いるので、

毎年、MR認定センターから各製薬会社に、

「実際にMRやってる人って何人いますか?」的なアンケートが届きます。

その返信は基本マスト事項なので、その返信されたMRの正確な人数をまとめたのが、

「MR白書」というものになります。

そしてそのMR白書を一つずつ閲覧してデータをまとめたのが上記の表になります。

ただ、そのMR白書は毎年夏頃に認定センターのHPにアップされるので、

2020年版はまだアップされてないのですが、

先駆けて日刊薬業がMRの人数を製薬会社のいくつかにアンケートをとって集計してみたところ、

平均8.6%減少していました。

アンケートが返信された会社の数は53社なので、全ての会社では無いのですが、

その平均を業界全体に当てはめるとすると、

今のMRの人数は大体5万5千人だろうという仮説になりました。

国内MR数、1年で5000人以上減少か  20年度新卒採用・雇用調査

減少したMRの内訳

減少したMRの一部の内訳としては、

MSD300人、ファイザー 249人、中外製薬307人、

鳥居薬品244人、小野薬品工業90人、協和発酵キリン70人、

報道されているデータベースではこのような内訳になります。

小野薬品以外は昨年度に大きく報道されましたので、

理由はご存知かと思います。

今なぜ大きくMRの人数が減少しているか?

MRの人数はピークの時が2014年度の6万5752人でしたが、

ピークから数えると1万人以上減少してしまった事になります。

では、今なぜ大きくMRの人数が減少しているか?と言うところですが、

まず1つ目ですが、

そもそも製薬会社が投資してない領域に沢山のMRの人数がいすぎたと言う状況があります。

この業界を長らく引っ張り、盛り上げてきた領域は何と言っても生活習慣病の領域で、

プライマリーケアの領域の方達でした。

下記はアンサーズさんのデータから引っ張ってきたのですが、

MRの人数がピークを迎えて居た2014年度頃の医療用医薬品の売上高ランキングなんですが、

降圧剤、DPP-4、PPI、etc、いわゆるプライマリーケアの領域の薬が沢山あります。

この時代というのは、このランキングからもみて分かるように、

同じような作用を持つ薬で違うメーカーの薬というのがあります。

DPP-4も今だと確か5社くらいで扱っていたと記憶してます。

降圧剤なんかは、多い時だと10社近くが同じ作用を持つような薬剤を扱っていた時代でした。

逆にいうとそれ故に、過剰な競争が起きてしまい、

製薬企業のプロモーション違反が頻発し、

ノバルティスのディオバン問題や、武田薬品のCASE-J事件が起きたとされ、

現在の厳しいプロモーションコードが制定される所以となりました。

とにかく、同じような薬効を持つ薬剤に、沢山のMRが居たので、MRの人数は相対的に多くなって居たという時代になります。

MR人数減少の1番の理由は受け皿が無い事




MRの人数が多くなっても、次に出る新薬が沢山あればMRは必ず必要になりますが、

プライマリー全盛時代の頃に大手外資製薬会社の投資先は、

完全にオンコロジー、CNS、オーファンへの投資時代に突入しました。

これはよく出しているデータですが、

その後、オンコロジーは巨大すぎる市場になりました。

しかし、オンコロジーはそもそも同じ薬効の薬剤が5個も10個も出るような事はまずありません。

今では僕は若干オンコロジーは飽和してると感じてますが、

それでも投資額の大きさはまだまだ多いので、

オンコロジーで仮にリストラされても拾う神が訪れてるのが現状なのです。

患者さんの数が基本的に少ない疾患なので、

MRの人数も多くありません。

なので、今MRの人数が減少してる1番目の理由は、

投資されてない領域にそもそもMRの人数がいすぎたという事になります。

創薬難易度の上昇とCNSの失敗

繰り返しになりますが、新薬がバンバン出ればMRは必要なので、

仮に溢れたとしてもその受け皿はありました。

しかし、現在では新薬のタネとなるシーズの枯渇化が叫ばれて居ます。

10年前と比べると、そもそも新薬のタネとなるシーズが枯渇化されているのも、

各製薬会社の投資先が似通ってる要因にもなっているんですが、

とにかく今、シーズが無いのです。

しかも!

その少なくなってきているシーズに対して、

創薬難易度は10年前は1万のシーズに1つ新薬が出てたのですが、

現在は2.5万のシーズに1つの新薬が出る割合になり、

なんと2.5倍創薬難易度が上昇してしまいました。

そりゃー新薬は出づらいですし、

製薬会社のマジョリティであるMRの人数も溢れてしまうのは必然の事になってしまいます。

あとは、やはりCNSの失敗です。

CNSはオンコロジーの次に大きなお金が投資されて居ました。

ファイザー 、米メルク、リリー、etc、

名だたるビッグファーマがとてつもない額の投資をしてました。

Aβ抗体、BASE阻害剤、

このCNSという巨大市場でもし成功していれば・・・

多分こんなに人数は減ってなかったんじゃないかなぁとかは考えてしまいます。

ただ、それでもCNSへの投資はまだまだ続いて居ますし、

製薬企業の飽くなきチャレンジャー精神で大きなお金が使われている以上、

きっと何かの結果を出してくれるとは思います。

若い人は絶対に製薬会社の投資先を勉強する事!これは絶対にやりなさい!

僕はこのブログを2016年頃に始めたんですが、

そのころはまだプライマリーの領域も元気でした。

ただ、色んな記事でも書いちゃってますが、

1つの大学にそこしか担当しない専属の担当者が4人、5人といる状況を見て、

その領域って全然投資されてないけど大丈夫かな?と。

既にオンコロジーやCNS、オーファンに投資先は変わっているし、

当時はまだ未経験でもオンコロジーに行けた時だったので、

早くそっちに行った方が良いと書いていたんですが、

そう書いていると、ブログを始めた当初に、

「お前プライマリー舐めてる?」とか、

「オンコなんてプライマリーで使えない奴が行くとこ」っていうコメントされた方が本当にいたんですよね。

その一方で、オンコとか、オーファンに転職していった人達もいて、

今普通に幸せに暮らしてる人っていうのがいるんですよね。

若い人たちにお伝えしたいのは、

そういう両者にどんな違いがあったか?ということを、

真剣に考えて欲しいんですよね。

そうしないと、今せっかく仕事を一生懸命頑張っているのに、

自分や社会の未来に活かされなくなってしまう可能性があるんですよね。

それは真剣に考えないと絶対にダメ。

MRが減少してるのは、MRが不要とかそういうくだらない戯言に耳を傾けないで欲しいんですよね。

新薬がコンスタントに出ているメーカーはMRの数って減ってないし、

新薬こそMRは絶対に必要なので、

要はどこで頑張るかをしっかり投資先から見出す必要があります。

それで具体的にどんな会社の投資先を見たほうが良いかというと、

大手の外資系です。

こちら2019年度の株主説明文書を元に作成しましたが、

研究開発費用は外資大手に比べたら内資はかなり少ないです。

会社名(内資) 研究開発費用 会社名(外資) 研究開発費用
武田薬品 3千3百億 ロシュ 1兆3千億
アステラス 2千1百億 アッヴィ 1兆1千億
大塚HD 2千1百億 米メルク 1兆円
第一三共 1千9百億 ノバルティス 1兆円
ジョンジョン 9千億

※各製薬会社株主説明文書から作成
※武田薬品はシャイアー 買収後5千6百億になる予定

内資は内資のビジネスモデルがあるし、

いきなりのライセンスインも考えられるので一概に言えませんが、

大手外資の方向性を勉強しておけば、

とりあえず大体のマジョリティは網羅できます。

あとは、それに合わせて自分の会社の方向性も見ておくことです。

20代の若者は今の投資先を勉強して、

未来のある方向に自分から変化して行くことが大切だと思います。

なのでマジでしっかり情報を取るというのはやっぱり大事なのです。

希少疾患(オーファン)系製薬会社への転職を考える人にオススメの転職サイト

30代後半のプライマリーの方にお伝えしたい事




僕も同じ30代後半なんですが、以前の会社からお世話になってる、

沢山のプライマリーの友達がいます。

確かに自分の仕事に将来性が薄いと言われるとムカつくと思います。

ブログを始めた当初は辛辣なコメントももらいましたが、

実際には、子供がまだ小さいとか、奥さんが共働きで身動き取れないとか、

将来性の薄さは知っているけど、

様々な理由で一歩踏み出せない人の方が大半だったと感じています。

とりあえず今は会社にしがみつくしか無いんだっていう人も多いと思います。

お前にそんなこと言われる筋合いないと思われるかもしれませんが、

そういう方は是非人脈を大切にされたら良いと思っています。

人脈は絶対に自分を救ってくれます。そういう業界なので。

僕も今後衰退して行くオンコロジーで生きていかなければいかないと思いますが、

僕が50代くらいになった時に助けてくれる人脈を今から大切にして仕事をしています。

人脈は経験云々というよりその人の人となりが大切だと思います。

色々経験されている方が多いと思うので、

腐らず、愚痴らず、いぶし銀で頑張ってください。

では、失礼いたします。

 

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