米VERTEX(バーテックス)が日本にやって来る?現状をまとめてたよ!

VERTEX

どうもこんにちは、だいさくです。

米系バイオベンチャーの中でも最注目とされておりました、

VERTEXがやっと日本に参入するのでは無いか?という話を聞きまして、

今日はVERTEXに関して情報をまとめてみましたので、ご紹介をさせていただければと思います。

米VERTEX(バーテックス)が日本にやって来る?現状をまとめてたよ!




VERTEXは米国のバイオベンチャーになります。

正確には、Vertex Pharmaceuticals(バーテックス ファーマシューティカルズ)で、

日本にはまだ正式な支店は無く、日本のHPもありません。

こちらが米国のHPになります。

VERTEX

後述いたしますが、CF(嚢胞性線維症)という疾患に対して、画期的な薬剤を開発した会社です。

日本ではウルトラオーファンになりますが、特にユダヤ系や、欧米人に多い疾患で、

とても大きなビジネスに発展し、急成長している会社です。

米国でも最も価値の高い研究開発プロジェクトとして取り上げられました。

株価も高く、2020年10月段階で時価総額はすでに7兆円を超えました。

日本でも治験を行うような噂(あくまで噂)があるとの事で、

まだコマーシャル部門の立ち上げは先かと思いますが、

こんな会社が今米国でも注目されているんだぁ、

へ〜くらいの感覚でお読みいただけると嬉しいです。

VERTEXのTRIKAFTAは今後の医薬品業界の成長を牽引する

一応日本では公式に政府が医薬品業界は今後0%成長か、マイナス成長になると発表してるので、

あくまで世界全体での話になりますが、

2024年までに処方箋医薬品の売上成長は+6.9%と言われていて、

その成長を牽引する一つがオーファンドラッグ(2018年比で約+100兆円)とされています。

そしてそのオーファンドラッグの成長を牽引する筆頭と言われているのが、

VERTEXになります。

※この表の1番上の部分

注目されているTRIKAFTA含めて200億ドルの価値を生み出す会社とされています。

VERTEXの現在の立ち位置

将来有望なのは分かったけど、

バイオベンチャーに転職された時に一番辛いのが、

お金のないベンチャーに行ってしまう事でもあると思いますが、

VERTEXの現在の立ち位置などはどうでしょうか。

実際、米国で上場してるVERTEXですが、

冒頭にもお伝えしましたが、時価総額は円換算で7兆3400億(武田薬品が6兆9000億)になります。

業績の推移ですが、2015年は営業赤字でしたが、順調に成長し、

今年度の予測は、売上高6000億超営業利益はなんと3000億を超えるまでに成長しました。

VERTEXが取り組むTRIKAFTAとは?

では、VERTEXがここ数年で大きく成長している要因となった薬剤ですが、

それはTRIKAFTA(トリカフタ)という薬剤になります。

ただ、元々はC型肝炎の治療薬(INCIVEK)も開発されてましたし、

TRIKAFATAの前段階の薬剤(KALYDECO)等も扱っていますので、その限りではないですが、

大きな成長の要因、注目の要因となっているのは2019年にFDAに承認されました、

TRIKAFTAという薬剤になります。

もちろんバイオベンチャーですので、自社開発になります。

TRIKAFTAは、Elexacaftor/Tezacaftor/Ivacaftorという3つの薬剤の合剤になります。

多分ですが、3つの(Tri)caftorという意味で、TRIKAFTAなのでは無いかと思います。

TRIKAFTAの適応症となるCF(嚢胞性線維症)とは?




では、日本では馴染みのない嚢胞性線維症(以下:CF)とはどんな疾患でしょうか。

この説明は厚労省の小児希少疾患の研究班のデータを参照して噛み砕いて記載しております。

嚢胞性線維症:小児期・移行期を含む包括的対応を要する希少難治性肝胆膵疾患の調査研究班

CFはCFTR(cystic fibrosis transmembraneconductance regulator)という遺伝子の異常が原因となる疾患です。

※CFTRは全身の上皮(肺、気管支、消化管、胆管、輸精管、汗腺など)に存在しています。

CFTRの遺伝子異常を保有していても全員が発症するわけでは無いですが、ヨーロッパでは、

25〜30人に1人が保有者(キャリア)で、出生児の3,000人に1人が発症すると言われています。

発症すると、正常な塩化物イオンチャネルを形成するタンパク質が作られないことによって、

全身の粘膜の塩化物イオンの輸送能力が弱いため、生まれて間も無い頃から、

特に気管支、消化管、膵管などが粘り気の強い分泌液で詰まりやすくなり多様な症状が現れる病気です。

日本の患者会のHPを見ると、

親御さんがお子さんにキスをした時に塩辛く感じたりする事で発見される事もあるそうです。

あとは、生後間も無く胎便性イレウスを起こしたり、咳が多い、便の量が多く匂いが特有、

体重が増えない、副鼻腔炎があるなどが臨床症状の代表的なものかと思われます。

いわゆる対症療法しかなかった時代は、数年で死にいたるという感じだったようですが、

現在は予後は大体20年前後と言われています。

日本では知られていない疾患ですが、冒頭の通り、欧米人に多い疾患で、

欧米ではとても深刻な病気の一つになります。

日本のCF患者の数はとても少ない

諸所のデータがありますが、大体欧米では1,500人〜2,500人に1人の割合で発症し、

患者数は3万人以上と言われ、

キャリア人数も考えるととても多い患者数になります。

では日本国内ではどうかというと、

これもまた調査段階ではあるのですが、60万人から150万人に1人程度で、

4,5年前のデータでは、国内の確認されている患者数は100人程度では無いかという事です。

ですが、2015年から小児慢性特定疾患に指定されてきましたので、

今後の啓蒙活動や、

疾患の特定が進むこと(疾患が特定できずに亡くなるケースを無くす)によって、

日本の市場もこれまでよりは大きくなって来るのでは無いかと思いますが、

市場はそれくらいになります。

VERTEXのCF治療

日本では、VERTEX社の治療薬は全て未承認ですので、

欧米と日本では治療内容は異なるのでは無いかと思います。

ただ、日本での治療法を記載しますと果てしなく長くなってしまいますので、

下記をご参照いただければと思います。

嚢胞性線維症の診療の手引き【改訂2版】

VERTEXのTRIKAFTAはCFTR調節薬とも言われており、

Elexacaftor/Tezacaftor/IvacaftorはいずれもCFTR調節薬に分類される薬剤ですが、

それぞれタイプが違います。

IvacaftorはCFTRタンパク質(イオンチャネル)の開口確率を上昇させる役割があり、

残りのTezacaftor,ElexacaftorはCFTRタンパク質を正しく、細胞膜へ輸送させる役割を持っていたり、Keepさせたりします。

今回はTRIKAFTAですが、VERTEXはこれまでIvacaftor単剤、

Orkambiという、Lumacaftor/Ivacaftorの合剤などを開発、販売しております。

なので、これまでのCF治療に対する開発の集大成のような薬剤このTRIKAFTAになります。

TRIKAFTAの薬剤効果

こちらNEJに報告されたP3の論文より引用しておりますが、

この疾患の臨床的な評価指標はppFEV1という最大吸気位というものが採用されてます。

これは検診とかでやった記憶があるんですが、

これ以上息を吸えないとこまで吸って、できるだけ早く息を吐いた時の最初の1秒間で吐き出すことができた息の量の予測値になります。

こちらが結果です。

これは既存薬OrkambiとSymdekoと比較してますが、Trikaftaはかなりの改善が認められました。

またCFTRが関与するイオンチャネルが正常に活動すると塩化物イオンが体内に取り込まれますので、

汗の中に含まれる塩化物イオンに変化が起きます、下記はその変化量の指標で、

マイナス出るほど良いです。

こちらもしっかり改善してます。

最後に下記はそれによる生活の質を見た指標になります。

バッチリ改善してますね。

TRIKAFTAの薬価

2019年にFDAに承認されたTRIKAFTAですが、

年間薬価は日本円で薬3000万円です。

単発投与で終わる薬剤ではありませんので、とても大きなビジネスになります。

こちら欧米ではとても重要な指標になっていますQALYですが、

BSCと比較すると5年程度予後を伸ばせるとされており、

1年予後を伸ばすのにTRIKAFTAは1,2億かかるとされています。

超希少疾患の場合1QALYは500,000ドルですが、欧米ではオーファンでは無いので、

TRIKAFTAのベースは150,000ドルになるためかなり高いのですが、

これだけ売れているというのはQALY評価が妥当では無いのか、

もしかしたら薬価が下げられる可能性があるのかというところですが、

もし日本に参入した場合には年間3千万の薬価は妥当と言えます。

(QALYの定義で言ったらです)

TRIKAFTAはCF市場を独占する

CF治療って実はいわゆる対症療法しか治療ができない状態でした。

多分日本の治療を見てるとそんな感じに見えますが、

CF治療は単純なものではなく、いくつかのタイプによって変わって来ますし、

様々なベンチャーがトライしてきましたがどこも撤退しています。

その治療法を画期的に変えたのがVERTEXになり、

IRから引っ張ってきましたが、今後市場を独占できるとされています。

また、バーテックスのパイプラインも半端ないです!

VERTEX Pipeline

しばらくはCFに特化していきますが、

いくつかの異なる疾患に対しても開発が進んでいます。

外資大手ほどでは無いですが、それに匹敵するくらいの大きな将来性を持ってる会社です。

また、CFを根本的に治療する遺伝子治療の分野も記載されてませんが、取り組んでいます。

最後に

TRIKAFTAの開発がされる?という情報があったのでまとめてみたのですが、

まだそんなに具体的な情報ではなかったので申し訳ないのですが、

経営層が決まったら開発、安全性などが募集になると思います。

多分承認まではそこまで遅くはならないと思いますが、

この後の開発状況次第ですがライセンスアウトする可能性もありますが、

会社としてはとても有望な会社ですし、

2025年頃には世界のTOP20に入って来るのでは無いかという話もあります。

是非今後も情報チェックしていただければと思います。

希少疾患の将来性って大丈夫?という方はこちらの記事もご参照いただけると嬉しいです。

希少疾患を担当するMRが何故今後重宝され勝ち組となっていくのか解説

それではまた!




 

 

 

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