シンバイオは今後どうなるか?現役MRの目線で考察してみる!

シンバイオ

どうもこんにちは、だいさくです。

シンバイオ製薬の今後ってどうなっていくんでしょうかね。

シンバイオは2021年から自販体制に切り替えることも発表しています。

エーザイ切り離して本当にやっていけるのかとか、

シンバイオの株を購入してる人もその辺結構興味のあるところかなと思います。

シンバイオとは?

シンバイオ製薬株式会社

【設立】2005年

【本社】東京都港区虎ノ門

【従業員数】87人

【平均年齢/年収】49歳/1,195万

【社長】吉田 文紀


シンバイオは2005年に設立されたバイオベンチャーになります。

社長は吉田文紀さんという方です。

※写真右

現在は69歳くらいだと思います。ハーバード大学大学院で経営学、医療政策論の研究をし、
三菱商事などを経て2005年まではアムジェンの米国本社の副社長をしていた方です。
アムジェン退社後にシンバイオ製薬を設立してます。

ちなみにソレイジアの荒井社長も元アムジェンですね。

シンバイオのビジネスモデル




シンバイオのビジネスモデルは、

研究機関を持たない、工場も持たないという、

コストを抑えるハイブリッドなビジネスモデルを敷いている会社です。

コンパウンドを買い付けて自社で育てて、

他社に導入するというビジネスモデルになります。

同じようなビジネスモデルを敷いてる会社がソレイジアファーマや、

最近では、Delta-Fly Pharmaという会社もそれに近いビジネスモデルになります。

そのハイブリッドなビジネスモデルを成功させるために必要なものは、

目利きです。

良いコンパウンドをしっかり目利きして、安く仕入れることがとても重要です。

現在は下記のグラフが表すように、大手の製薬会社でも自社創薬が困難な時代です。

大手製薬会社の多くがどこかのバイオの会社からコンパウンドを仕入れてくる時代です。

シンバイオのように、

自社で創薬をしないというのはその名の通りハイブリッドなビジネスモデルだと思います。

シンバイオに目利き力はあるのか?

シンバイオに限らずですが、目利き力は今の製薬業界でとても重要なスキルです。

僕は自分自身のキャリアプランとしても医薬品の買い付けに携わる、

BD(Bussines Development)に行きたいと思っているので、

BDのことは自分なりに勉強してはいるんですが、

内資系にいた時はBDは英語が堪能なMBAフォルダーとかがやってたりします。

一方外資系は研究職とか理系の方がヘッドでやっている事が多いです。

主要な学会で良い材料が発表された後のコンパウンドは高値をつかまされるし、

それがPhaselllでこけるということも珍しくありません。

Phaselllで良い結果が出たものは大抵買われているし、

そこから買おうと思うとそれこそ高値をつかまされます。

なので、BDに大切なのは目利きに加えて、人脈だったりするそうです。

外資系が買い付けがうまいのは、

研究者で、それこそ有名な研究者がBDに入っているのも一理あると思います。

ではシンバイオはどうかと言いますと、

社長の吉田さんはじめほとんどの方が米国歴の長い人が揃っています。

一応こちら大体のシンバイオの上から5人の上層部です。

名前 肩書き キャリア
吉田 文紀 CEO 元アムジェン米国副社長
浅川 一雄 COO 元日本ノバルティス常務取締役
松本 茂外志 取締役(社外) 元アポプラス顧問
ミルトン・グラナット 取締役(社外) 元アムジェン副社長、腫瘍遺伝子学者、造血因子の先駆者
ロビン・キャンベル 取締役(社外) 元ノバルティス事業開発、M&A

あくまで人材だけ見るとですが、

目利きできる人材と、研究者同士の人脈を持ってる人がいるので、

しっかりしたメンバーなのかなとは思います。

日本では、医者が製薬会社に転職したりすると、

あんまり良い目で見られない(医者から)風潮があるという話を聞いた事がありますが、

米国では成功の証のように扱われる事が多いので、

製薬会社と研究者やMD同士は密に繋がってるケースが多いです。

シンバイオは今後どうなるか?現役MRの目線で考察してみる!




シンバイオの今後を測る上ではトレアキシンと、

リゴセルチブナトリウムを抑えておいた方が良いと思います。

特にトレアキシンはシンバイオにとって非常に重要な薬剤です。

 

トレアキシン


トレアキシンですが、一般名はベンダムスチンです。

適応は、

低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病です。

こちら薬価ベースのトレアキシンの売上推移です。

薬価ベースでは100億程度ですが、実際はシンバイオの計上するトレアキシンの売上は40億程度です。ほとんどエーザイが持っていっています。

トレアキシンは特に低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫に使われる事が多いと思います。

特にFL(follicular lymphoma)、日本語でいうと濾胞性リンパ腫に使われるケースが多いです。

FLの中ではなくてはならないキードラッグと言えますし、

ガイドライン上でしっかり推奨されています。

また、現在上から4番目に記載されているDLBCLに対する治験が進行中で、

DLBCLは日本で最も患者数が多いリンパ腫になります。

トレアキシンは元々米国のイーグルファーマという会社からライセンスを取得しています。

ちなみに米国ではテバが「ベンデカ」という名前で販売しています。

シンバイオの今後にとってトレアキシンは超重要!

シンバイオは2021年から自販体制を敷いて行きますが、

シンバイオにとってトレアキシンは非常に重要な薬剤です。

トレアキシンは2020年に特許が切れますが、

おそらくこのままいくと低く見積もっても薬価ベースで130億の売上はキープできます。

しかも!現状トレアキシンに向かい風が全くありません。

一番多く使用されているFLにおいても新薬の治験は全てトレアキシンベースで行われており、

懸念材料が全くと言って良いほど見当たりません。

さらに!2020年に特許が切れる予定でしたが、

現在のトレアキシン(ベンダムスチン)は凍結乾燥製剤で、

現在ベンダムスチンのRTD製剤とRI製剤を開発しています。

そのためトレアキシン自体の特許期間が2031年まで延長されました。

なので、シンバイオの今後を支えていく基盤となるトレアキシンには懸念材料がほとんどありません。

シンバイオの今後を考える上での懸念材料

ただ、シンバイオに懸念材料が全くないか?というとそういうわけではありません。

1つ目はエーザイから切り離してやっていけるのか?という部分です。

エーザイは単体での従業員数が3,177人で、

MR(営業)の人数は1012人います。

もちろん全員がトレアキシンを扱ってるわけではありませんが、

シンバイオも今後人数をかなり増やすと発表はしていますが、

もちろんエーザイほどの人数はあり得ません。

おそらく多く見積もっても100人弱くらいの体制かと思います。

ただ、トレアキシンはエーザイのおかげもあり、

すでにFLのキードラッグの位置付けを勝ち取っていますし、

あくまでオンコロジーのマーケット情報ですが、

血液内科は一番情報提供に人数を必要としない診療科と言われています。

※ちなみに人数を要する診療科はウロや乳腺と言われています。

なので少ない人数でも個人的には問題ないかなと思います。

2つ目は薬価が守られるか?というところです。

現在の薬価算定の状況を考えると、

特許が延長にはなりましたが、

若干の薬価低下になるのでは?という懸念は個人的に抱いてはいます。

そこは考えてもわかりませんが。

シンバイオの今後のコンパウンドは?

またトレアキシン以外に何かあるのか?というところですが、

現在リゴセルチブナトリウムという薬剤が、

MDS(骨髄異形成症候群)に対して治験が行われています。

現在第lll相臨床試験が進行中です。

MDSも領域は血液内科なので、

もし成功すればトレアキシンビジネスの延長で活動できるのでリーズナブルだと思います。

シンバイオのイオンシスはどうなった?

シンバイオ ってイオンシスっていうオピオイド(麻薬)もライセンス契約してたんですが、

出てこないので調べてみたら一方的な破棄をされたようですね。

イオンシスは米国のMEDCOとの間で術後疼痛管理の医薬品として、

導入を予定していましたが、破棄されたようです。

あんまり情報は沢山ないのでこれ以上はわかりません。

オピオイドは米国でもトランプが躍起になって批判してて、

オピオイドクライシスというのは聞いた事がある人も多いと思います。

オピオイドビジネス自体が下火でオピオイドの会社は軒並み赤字転落してます。

日本では元々あんまりオピオイドを使う習慣が無いし、

緩和ケア科が中心ではありますが、

沢山の診療科の先生が使うと言われているので、

個人的にはシンバイオは手を出さない方が良いと思います。

しっかりMEDCOから違約金をがっぽりとって、とっとと撤退して欲しいとは思います。

シンバイオの株買ってみた

シンバイオの良い材料、悪い材料まとめると、

良い材料

・トレアキシンが2021年から自販するので、収益率が大幅アップする

・シンバイオの上層部はそれなりに優秀そう(社長ワンマン説は若干あり)

・リゴセルチブナトリウムも期待できる

・オピオイド撤退による違約金が期待できる

悪い材料

・エーザイを離すことへの不安

・トレアキシンの薬価減額の不安

・社員が定着するか?

と行った感じです。

以上のことからシンバイオの株買ってみました。

2018年から少しづつ株の勉強し始めておりまして、

当初はブログで会社のこと書くときに便利だなと思ったんですが、

せっかくNISA制度もあるしということで、

1500株買ってみました。

早速マイナス3000円になってます(汗)

2021年末まではガチホしたいとおもっているのと、

段階的に200万くらいまでは買ってみたいなと思っています。

最後に

株の話は余計でしたが、

シンバイオのようなビジネススタイルはリーズナブルではあると思います。

創薬してないなんて製薬会社じゃ無い!とか思う人もいるのかもしれませんが、

大手の会社でTOP10に入ってくる会社でも創薬できてない会社もあるので、

特に気にする必要はないと思います。

吉田社長も色々な記事で書いてますが、

シンバイオのなどの小さい会社の良いところは、

大手が手が出せない希少疾患の領域を人数が少ないからこそ手がけられると言ってます。

希少疾患は特に日本では光が当たらず、そのほとんどがアメリカの会社が手がけています。

希少疾患の領域は今後もどんどん立ち上がって行きます。

僕も今希少疾患の会社で働いていますが、

人数が少ないため一人当たりの仕事量が大変多く大変ですが、

魅力のある仕事です。

ご興味ある方是非チャレンジしてみてください!

希少疾患(オーファン)系製薬会社への転職を考える人にオススメの転職サイト

ではまた!




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