こんにちは、現役MRのだいさくです。
みなさんはドラマ「ブラックペアン」見ていますか?
現在(2018年5月)TBSで放送されている、
天才心臓外科医である、渡海征司郎(二宮和也)と、
研修医の世良(竹内涼真)を中心としたドラマです。
とても面白いです。
もし見てない方は、U-NEXT で見ることができます。
1ヶ月無料で使えます。
TBSドラマ「ブラックペアン」より
ドラマ・ブラックペアンのCRCがありえない!とMRの僕は思います。
このドラマはかなり面白いです。
医局のことや、論文のこと、学会の評議員がなんなのか、
どんな役目をしているのか、とてもわかりやすいですし、
MRを10年やってる僕もとても学ぶことが多いです。
実際、視聴率も最新の第3話が12.3%と好評のようです。
ただ、このドラマも含めて、医療系のドラマでは、
製薬企業なんかも非常に悪く描かれることが多いです。
いや、実際はこんなんじゃ無いよね?と思うことが多いんですが、
ブラックペアンの場合はCRCさんですが、
これがまた、かなり印象が悪い。
印象が悪いというか、嘘の姿を描かれています。
ちなみに、このCRCの役を演じているのが、
アナウンサーの加藤綾子さん、カトパンさんです。
ブラックペアンのCRC3つのありえない所
ブラックペアンに出てくるCRCさんの姿は完全に嘘です。
ちょっとありえないレベルだし、本当に頑張っているCRCさんがかわいそうだし、
今後治験にエントリーするような患者さんに誤解を招くような内容だと思い、
今日はブラックペアンのCRCさんの3つのありえない部分を書いていきたいと思います。
この記事が少しでも届いてくれたら嬉しいです。
ありえない部分①ドラマの中のCRCはそもそもCRAのことです
ドラマの中で描かれているCRCさんはCRAのことです。
そもそもCRCさんはあんな綺麗なスーツ着て、
いろんな病院を飛び回るような職種ではありません。
CRCはそもそも医療機関の中に存在していて、
治験責任医師の元で臨床研究を支援する役割を担う職業になります。
なので、そもそもCRCとされている加藤綾子さん演じる「木下」の仕事は、
CRAになります。
CRCは医療機関と契約します。
CRAさんは主に製薬会社と契約します。
詳しくはこちらの記事を見てみてください。
ありえない部分②CRCは医師に接待しません
ドラマの第1話の中で、CRCさんが医師二人を相手に、
「勉強会」と称して、高級フランス料理店にて接待を行っています。
CRCさんが(もちろんCRAも含めて)医師に接待することは100%ありません。
何よりメリットがありません。
今時は、製薬会社の営業マン(MR)も医師には接待をしません。
数年前から製薬協会での取り決めにより、
医師への接待は全面的に禁止になっています。
慰労会などを行うケースは稀にありますが、
いわゆる一般の人が思い描くような接待はなくなりました。
この、医療系ドラマでは必ずと言っていいほど、
製薬会社の人間が悪い顔して、医師に接待してる姿が描かれています。
僕は現役MRですがいまだに世間的には医師に過激な接待をしてると誤解されています。
MRもCRCさんも当然CRAさんも医師には接待しません。
ありえない部分③患者さんへの負担軽減費用300万は酷い
僕が見ている中で一番ありえないと思ったのがこれです。
これは第2話の中で出てきますが、
最新の医療器具、スナイプの治験にエントリーされる患者さんに対して、
CRC役の加藤綾子さんが、
「早急にご入用かと思いまして」
と、封筒に入った300万円を手渡しします。
ありえません。
確かに治験にエントリーされる患者さんへの負担軽減費用というものは存在しますし、
その金額は取り決めがされていません。
しかし、その費用は概ね7,000円前後です。
この金額は、治験にエントリーされる患者さんとそのご家族の交通費や、
昼食費という名目で支給されるもので、
まず300万円とかありえません。
これは今後新しい治験薬や器具の治験にエントリーされる患者さんがいたら、
大きな誤解を招くような内容ではないかと思います。
ありえない部分④CRCは医師にお金を渡しません。
これは第3話の中で、天才外科医渡海が、
最新器具スナイプを立て続けに2人の患者さんに使用した御礼に、
CRCから300万円入った封筒を手渡しされています。
ありえません。
300万という高額なお金を医師に、しかも手渡して渡すことなんてありえません。
なぜこんな誤解を招くようなことをするんでしょうか。
日本臨床薬理学会がTBSに抗議文を出しました。
このドラマは面白いです。
ただ、このCRCさんの姿は完全に嘘だし、
僕はまだMRとして、医療現場を少しは知っていますので、
それが嘘だということがわかりますが、
もしかしたら信じてしまう人だっているかもしれません。
ありえないな〜、TBSのリテラシーって低いな〜と思っていましたが、
日本臨床薬理学会がTBSに対して抗議文を出していました。
私の今回の記事は学会が出した抗議文も参考にさせていただいています。
ちなみに、なぜ臨床薬理学会が抗議文を出したかというと、
臨床薬理学会が、CRC認定制度というものを学会の事業の一つとしてあるからです。
恐らくドラマを取り直したりはしない
ただ、こういうのはドラマを取り直したりなんてまずしないですよね。
この間違ったCRCさんの姿はそのまま放送されます。
恐らく、ドラマの最後などに、フィクションです的な文言が入るだけかと思います。
MRも本来の活動の姿とはかなり異なった誇張された姿を放送されることがありますが、
CRCさんやCRAさんももしかしたら、今後今回のようなドラマの姿が、
本来の姿であるかのような印象をもたれるかもしれません。
CRCさんは元々接待や賄賂とは全く無関係の仕事ですし、
とても細かい仕事が求められる貴重な存在であるにも関わらず、
本来の姿が放映されないのは悲しいですね。
ぜひ、今回の臨床薬理学会の抗議文がしっかりTBS側にも届くように祈っております。
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