バイオシミラーMRへの転職ってどう?リアルな活動内容を聞いてきた!

インタビュー企画!

どうもこんにちは、だいさくです。

みなさん、バイオシミラーに関する活動ってご存知でしょうか?

バイオシミラーは実は、今後、この製薬業界の中でも成長産業の一つと言われており、

2022年頃までに、現在の4倍超の600億を超えるまで成長すると言われています。

日本国としても、高い抗体医薬品からバイオシミラーに切り替えて欲しいと願うのは当然ですが、

普通の後発品とは違い、臨床試験が必要であったり、

薬局だけでなく、医師への情報提供も必要であったり、

学会なんかでも結構バイオシミラーの会社が主催してる会なんかも見受けられますよね。

ただ、少しその活動内容の全貌が見えない部分があるのではないかと思います。

今後バイオシミラーの領域に関する転職市場も活発になってくると予想される中で、

いち早くバイオシミラーを扱う会社に転職された「ロン」さんにお話を聞いてまいりましたので、

今日はそのインタビュー内容をご紹介させていただきます。

バイオシミラーMRへの転職ってどう?リアルな活動内容を聞いてきた!




だいさく
だいさく

ロンさん、こんにちは。今日はありがとうございます。簡単に自己紹介をお願いします!

皆様はじめまして。現在バイオシミラーを担当しているロンと申します。

私はこれまで新薬しか扱ってきませんでしたが、

現職においてバイオシミラーに携わることになり、現在も活動しております。

バイオシミラーに興味を持たれているMRの方の一助となればと思っております。

バイオシミラーMRに興味を持ったきっかけ

だいさく
だいさく

僕自身、バイオシミラーの領域やその担当者として働く方に興味があったんですが、なぜバイオシミラーのMRとして働きたいと考えたのですか?

昨今の製薬会社の環境は皆さんのご承知の通り、厳しくなってきております。

数々の領域でレッドオーシャン化している中で、

バイオシミラーについては市場成熟度や、

MRのバイオシミラー経験などはまだまだ成長市場です。

また現在国内の医薬品売上高上位のほとんどがバイオ製剤です。

今後ブロックバスターのバイオ製剤が次々にパテントオフとなる為、

内資、外資問わず大手の製薬会社もバイオシミラー製剤を売り出しています。

このようなことを考え、

今バイオシミラーを経験しておけば今後のMR人生において役に立つと思いチャレンジしました。

バイオシミラーMRの働き方

だいさく
だいさく

後発品の会社だと、とにかく薬局に足繁く通うイメージがあるんですが、バイオシミラーMRの方の働き方や考え方など、後発品の会社、もしくは先発品の会社との違いなど教えてください。

バイオシミラーMRの働き方は先発MR、後発MRのハイブリットだと私は思っています。

そのためバイオシミラーMRとしての訪問についてはドクターと薬剤師は1:1です。

そこは施設のキーマンがドクターなのか薬剤部なのかによって、

どちらのウェイトを高くして訪問するかはバラバラですが、

トータルすればこのような形になると思います。

診療科を抑えていたのにも関わらず、

最後に薬剤部にひっくり返され他社が採用になるといったケースもあります。

先発MRが当たり前に行う学会協賛、講演会、説明会、社外講師もありますし、

後発MRが行う薬剤部や卸活動もありますので日々の業務量は多いと思います。

このため自分のエリアや施設ごとにターゲティングやストラテジーが重要になってきます。

だいさく
だいさく

薬局がひっくり返せる事があるんですね。以前、オピオイド訴訟の記事書いた時にも、オピオイド系は薬剤師の金庫管理とかもあって、医師の採用権より薬剤師の方が強い病院があるって教えてくれたんだけど、ちょっとなんとなくだけど、イメージが被る。。




だいさく
だいさく

AGはおいといて、後発品だと中々医療機関に浸透していかないイメージですが、バイオシミラーは抗体も高いし、普通の低分子医薬品より浸透しやすいのかなと感じるんですが、医療機関のバイオシミラーに対する意識ってどうなんでしょうか?臨床データもあるし浸透しやすそう。

いえいえ、全然ですよ。

一般的に低分子のジェネリックよりバイオシミラーは浸透しにくいと言われております。

ただバイオシミラーについてはその薬剤によって浸透しにくい薬剤と浸透しやすい薬剤があります。

その大きな理由は3点です。

(1)患者負担
単純にバイオシミラーを使用した方が先行品の時と比べ患者負担が下がる薬剤は浸透しやすいです。インスリンのバイオシミラーが浸透している理由はこれにあります。

しかし抗がん剤などはレジメンで他の高額薬剤と併用するケースもあり、高額療養費制度で患者負担が変わらないケースもあります。

そのため患者負担が変わらない薬剤については医師が先行品を選ぶ傾向にまだあります。

(2)包括算定or出来高算定
院内において包括算定(入院)で使うことが多い薬剤はバイオシミラーに変えた方が病院経営にメリットがありますので、バイオシミラーに切り替えがなされます。

しかし出来高算定の場合は薬価から納入価を差し引いた差益で検討がなされるため、薬価の高い先行品の方が一般的に有利とされています。

(3)医療機関へのインセンティブ
僕は経験が少ないのであまり詳しくありませんが、ジェネリックが浸透した理由は政府の誘導策が大いに影響したと聞いています。

それに比べバイオシミラーは具体的にまだインセンティブなどが存在しておりません。

よって何らかのインセンティブが付くようになれば、ジェネリック同様に普及が加速すると言われております。

医師のバイオシミラーの反応としては医療費削減をしなければならないという考えをお持ちの先生や、時代の流れなのでしょうがない(勤務医に多い)といった先生が多い印象です。

しかしバイオシミラーはあくまでシミラーですので先行品と同じとは言えません。

その為に臨床試験をするわけですが、同じ作用機序であれば外挿という概念で臨床試験を行った適応症とは違う適応症でも承認がおります。これに反発する医師も一定数おられます。

だいさく
だいさく

なるほど〜。オンコロジーやってると薬が高い高いってお医者さんからめっちゃ言われるんで、バイオシミラーはてっきり打ち出の小槌かと・・

だいさく
だいさく

そんな事よりも、「外挿」って、そんな考え方があるんですか?ちょっとビックリなんですが、それは例えば、

①、Aという疾患で有効性を示せたので、Bという疾患では臨床試験をせずにも承認が降りるという意味合いですか?

それとも、

②、Aという疾患で有効性が示せたので、海外で承認されてる本邦未承認の疾患にも臨床試験をせずに承認がされる的な?

外挿については、①番の理解になります。

例えば、ハーセプチンならHER2陽性の乳がんで臨床試験を行えば、

同じ作用機序で使用する胃がんにも承認されると言ったものです。

臨床試験はあくまで先行品との非劣勢をみてますので・・

だいさく
だいさく

そうなんだ〜。なんか全部の疾患に行うのかなって思ってたけど、確かに考えてみると、わざわざ臨床試験をやる必要性ってない気がしますね。医療資源の無駄よね。

バイオシミラーは儲かるのか?

だいさく
だいさく

特に低分子の後発品って、1億もあれば製剤化できちゃうから、結構儲かるって聞いた事あるんですが、バイオシミラーは抗体自体が高いし、臨床試験も必要で、タスクもかかると考えると、儲かるんですかね?

国内で流通しているバイオシミラーは多くが海外のバイオ製造メーカーが開発しており、

日本では導入品として売っているため薬価が7掛けから下がり出すと厳しくなると思います。

ただ大量生産や生産ノウハウが備わっていれば製造メーカーもコストを下げたり、

新しいバイオシミラーを開発できると思うので、

どの製造メーカーから導入するかが重要ではないかと思います。
(あまり答えになっておらず申し訳ございません)

だいさく
だいさく

アステラスが1000億で抗体製造工場作ったって記事になってましたね。日本は抗体の製造自体を海外に依存しているので、その辺も関わってくるんですね。内資の製造工場に期待したいっすね。

 

 バイオシミラーとバイオセイム

だいさく
だいさく

最近AGが台頭してますが、協和発酵キリンなんかも抗体薬のAGとしてバイオセイムを出してきてますが、バイオセイムの存在に関してはどうお考えですか?ぶっちゃけ、バイオセイムってずるくないですか?

ずるいですね(笑)

バイオセイムを認めるのであれば、

全てバイオセイムを出した方が浸透も早いので、

そちらに国としてシフトした方がいいかとも考えます。

ただ先行品メーカーとしてはバイオセイムを開発した場合、

その品目に対してリソースかけ続けないといけないわけなので、

外資がバイオセイムをやらない理由はここにあるのではないかと思います。

だいさく
だいさく

なるほど〜。確かにね。バイオセイム出すって事はいつまでもその薬剤に依存しなきゃいけない背景があるんでしょうね。確かに外資はすごい薬剤でも次に価値を見出すべき薬剤が控えていて、製材変更とかしないですよね。なるほどね。

だいさく
だいさく

先発品の会社とは色々な意味で違うし、一長一短な部分があるんだと思いますが、バイオシミラーを扱う上で苦労することを教えてください。

おそらくどの会社もこうやれば売れるという形がまだ定まっていないことが多いと思います。

ですのでただコールするだけではなく、

自分で戦略を考えて活動しないといけないので、この辺は苦労しています。

だいさく
だいさく

全然ニュアンス違うけど、僕も今の小さい会社に来て思うのが、大手の時って本当に色々な人に支えられていたなぁって思います。現場にいた時もびっくりするくらい自分で何もかもやらなきゃならなかったんで、ご苦労はなんとなくですがわかります。

バイオシミラーへの転職に必要な事




だいさく
だいさく

バイオシミラーを扱う領域を今後立ち上げる会社なんかも増えてくる中で、転職に必要な経験なんかはいかがですか?

基本的にはMR経験があれば良いと思います。

異業種からのMR未経験からは難しいです。

あとは、バイオ製剤の性質上、処方が病院メインとなるので、病院経験はあった方が良いです。

あとは、バイオ経験、オンコロジー経験は優遇されやすいです。

とは言いつつも、卸との交渉もあるので、

プライマリー経験も活きます。(広く浅くというイメージです)

だいさく
だいさく

バイオシミラーの領域に興味がある人に向けてメッセージのほどお願いします!

バイオシミラーMRは先発MR、後発MRのどちらの分野にも属さない新ジャンルのMRです。

昨今の業界再編で現状に満足されてない方や、

今のMR活動にマンネリを感じている方も多いと思います。

皆さんのMR経験は活きますので自社内でバイオシミラーの部署が立ち上がったり、

バイオシミラーの求人などがありましたら積極的にチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

バイオシミラーに強い転職エージェントについて

一応ロンさんに転職エージェントを聞いたら、

どのエージェントでも基本的に扱っているとのことでした。

現役MRが厳選したMR転職サイトおすすめランキング!

ただ、パソナキャリアがMR以外の職種も扱ってるケースが多く、

強いイメージがあるとのことでした。

転職エージェントのパソナキャリア

あと、一応ロンさんから、社内公募もあるので、

もしロンさんの紹介で受検してみたい方がいらっしゃったら、

僕がおつなぎいたしますので、僕のプロフ欄のアドレスまでご連絡いただければと思います。

最後に

正直、実際話を聞いてみるとイメージと全然違うんだなって思いました。

臨床試験もしてれば全然OKでしょとか思い込んでました。。。

バイオセイムとかAGって本当にずるいというか、

まぁ当然そういう流れはあるんだろうけど、

革新的な抗体医薬を作ってる会社ほど次のパイプラインがしっかり控えている会社も多いので、

まだまだバイオシミラーの会社も求められてくると思いました。

ご参考いただけましたら嬉しいです。

ではまた!

コメント

  1. 独身MR より:

    日本国内でBSメーカーは全然儲かってないと思いますね。
    レミケードが未だに先行品のまま9割以上残っているのが現状を物語っていると思いますし、医師も経済的な部分や時代背景は理解しつつも、BSに関してはまだまだ信用が無いですね。
    インスリンに関しては生活習慣病で患者の懐に直結するのでGEと同じような感覚ですが、抗がん剤やリウマチ、IBDなんかは定額の患者も多いですので、下手に安くしたら逆に高額医療費制度の対象外になる可能性もあるので、あえて先行品のままにしてるケースも多いです。
    先行品からBSに切り替えて抗体が出来てしまった例もよく聞くし、実際に文献もありましたね。

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