製薬会社から医師への謝礼金問題に関して現役MRの僕が思う事

製薬会社と医師

どうもだいさくです。

2012年度分から開始されました、

製薬会社から医師への謝礼金の開示に関して、

2016年度分が発表されていましたね。

僕はあまり詳しく見たことなかったんですが、

結構色々驚いた事もあったので、その辺含めて書いていきたいと思います。

製薬協の定める謝礼金開示とは?




これはよくご存知だと思いますが、

謝礼金の開示制度は、2012年度から始まった制度になります。

なぜ行うようになったかというと、

きっかけはアメリカでのゲルシンガー事件が発端になります。

ゲルシンガー君という18歳のお子さんが、

ある医師の勧めによってエントリーした治験で、

副作用のリスクを伝えられないままエントリーされ、

その副作用により死亡してしまった事件がきっかけになっています。

その医師は治験薬を扱う製薬会社の大株主だったことから、

この事件以降、製薬会社と医師のお金のやりとりをすべて公表して、

透明性を担保するという流れが米国でできました。

2010年にアメリカでその制度が開始され、

日本でも2012年から製薬協が定めるルールとして開始されました。

あくまで製薬協が定めているだけなので、

製薬協に加入している71社の製薬会社にのみ開示義務があります。

私の会社も含めて、日本には約400強の製薬会社がありますが、

330社程度は製薬協に加入してません。

製薬協には入らない方がええやん!と思いそうですが、

私の会社も製薬協のルールに従って開示はしております。

なので、この制度自体はそもそも、

治験での医師と患者との公平性を担保するために始まった制度になります。

製薬会社から医師への謝礼金はいくらか?

2016年度に製薬会社から医師に支払われた金額ですが、こちらになります。

※ワセダクロニクルより

最大受け取り先はあくまで最大受け取り先ですので、

この会社が全てではございません。

製薬会社から医師への謝礼金問題に関して現役MRの僕が思う事

多分、僕がずっとオンコロジー領域だったこともあると思いますが、

僕は正直上位10位の先生方は存じておりません。

率直な感想としては、ほぼ内資、ほぼプライマリーなんだなということです。

このデータが開示された当初は上位をほとんど独占していた会社は、

武田薬品だったんですよね。

確か1番は順天堂の糖尿病の河盛教授で4千万くらいありましたよね。

その後武田薬品がCASE-Jの問題で業務改善命令を受けてからは、

さっぱり顔を出さなくなりました。

 

これは癒着を疑われると思う


上位がプライマリー領域ですよね。

循環器と糖尿病です。

僕はプライマリー領域を担当した事はないけど、

やっぱりこの金額は多いと思いますよ。

謝礼の全体の内訳としては、83%が講演謝礼だそうです。

1番の千葉大学の横手先生は年間2千万で、155件です。

155件って2.35日に1回の頻度で何かしてるわけですよね。

もしかしたら1日に2件とかもあるかもしれないですが。。

ずっとオンコにいる僕としては、

何をそんなにやることがあるのか?と思ってしまうんですな。

なんのお金なんですかね?

なんでこんなに払う必要があるのか全然理解できない。

本当に適正使用のための講演会なのか?とか、

元々は治験での医師と患者の公平性を保つためのものですが、

日本はアメリカと違って危ない治験がガンガン行われるような国ではないので、

どうしても普段の処方での公平性を見られるわけです。

このデータを患者さんが見たら、

疑われてもしょうがないのでは?と思ってしまいます。

製薬会社から謝礼金をもらってる医師は評議員になれない説

なんか既に循環器系はそうなってるという話を聞いたことがあるんですが、

製薬会社から学会の定める金額以上の謝礼金をもらってる、

もしくは、製薬会社から金銭自体をを受理している医師はガイドラインの評議員になれない

という話が出ているんだそうです。

これはかなり困りますよね。。

循環器、糖尿病はまだ医師が沢山いると思うんで良いと思うんですが、

KOL自体がほとんどいないオーファンとかは、

KOL=ガイドライン評議員だったりするわけで、

本当にこの流れは困るんですよ。

製薬会社からお金をもらったらガイドラインの評議員になれないから、

講演は受けられないとかって、

講演会やるなって言われているのと同じだと思うんですよね。

上位10人の医師のうち6人の最大受け取り先が第一三共なわけで、

本当にこのデータを患者さんが見てもOKなんでしょうかね?

製薬会社からの謝礼金問題はもっと問題視されるべきでは?

これってもっともっと問題視されないといけないと思うんですよね。

結局この問題を大きくクローズアップしてるのって、

医療ガバナンスの上昌広さんだけです。

製薬企業から謝礼金270億円をもらう10万人の医師

本人も僕は完全に無視されているって仰ってます。

この問題がなぜそこまでクローズアップされないのか、

少し推測してみます。

内資優遇




今回のランクってほぼ内資系製薬会社ですよね。

だからだと思っています。

これが仮に、外資系の会社がズラッと並んでいたら、

もっと国が問題視するし、なんか嫌な感じでクローズアップされるのではないかと思います。

なぜそう思うかというと、

ちょっと前に問題になった製薬会社の副作用報告漏れを読んだ時です。

※アンサーズニュースより

これって、おかしくないですかね?

ほぼ外資ですよ。

セルジーンって日報掘られたんですよ。

日報掘られて4573件の副作用の報告漏れが指摘されて、

業務改善命令になったわけです。

セルジーンて当時はレナリドミドしか扱ってないんです。

もっともっと沢山の薬を扱ってる内資系の日報はほじくったんでしょうかね?

セルジーンに対して行ったように同じことをしたんでしょうかね?

ただの儲かってる外資系イジメに他ならないんじゃないかと思うんですよね。

なんかそういうのを考えるとただ単にに内資を守ってるだけなんだろうな〜と思ってしまうんですよね。

最後に

今回の謝礼金の内容は結構びっくりしました。

内資のプライマリーの謝礼金払い過ぎなのは多分間違い無いと思いますし、

これは多分同じような状況ではこの先もいかないだろうなと思います。

しかも、製薬企業から謝礼金をもらっている医師はガイドラインの評議員になれない

みたいな話が出ているのはちょっと本当に勘弁してもらいたいなと思いました。

本当に何もできなくなってしまうなと。。




コメント

  1. とと より:

    たまたまサイトを訪問させていただきました。
    外資の安全性報告漏れが多い理由は内資が優遇されているからではなく、安全性報告のグローバル体制が整っていない、社員が頻繁に転職するなど業務の落ちが出やすい、などの理由があります。
    国内企業で謝礼金が多いのは、海外の方がCOIに対する考え方がしっかりしているからで、今後日本でも海外と同じ様になっていくと思われます。

    • 大作 大作 より:

      貴重な情報ありがとうございます!
      勉強になります。
      確かに内資優遇というのは仮説ではありますので、
      おっしゃる通りなんだと思います。

      謝礼金の方もありがとうございます。

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