どうもこんにちは、だいさくです。
デジタルの波が製薬業界にもどんどん押し寄せてますね。
来るぞ来るぞと言われてましたが、
本格的にITやAIの時代に入りそうな予感がしております。
製薬業界にAIの波!AI創薬からMRのAI化も進んでいる!?
今回かなり時間がかかってしまったんですが、
製薬×ITというテーマで書いていこうと考えておりましたが、
内容が膨大すぎてとりあえずAIの部分に焦点を当ててご紹介させていただければと思います。
特に後半は僕の理想論、空想である部分も大いにありますので、
なんとなくでも自分のいる業界の機械化がどのように進んでいるのかというのを、
把握しておこうという感じで読んでいただければ嬉しいです。
AIとは何か?
AI(Artificial Intelligence)ですが、人工知能と呼ばれていますよね。
人工知能って何かって実はその道の専門家の方でも定義がはっきりと定まっていないようです。
少し長くなりますがとても大事な部分なのでご一読いただければと思います。
AIは機械学習、ディープラーニングを同一と考えてるケースもあるし、
全く違うものだと考えてる場合もあります。
いくつかAIの定義を調べていく上で個人的にわかりやすいなぁと思った定義は、
東京大学の研究者の松尾豊さんという方が定義してる、
『人工的に作られた人間のような知能、ないしはそれを作る技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピュータ、つまり、データの中から特微量を生成し現象をモデル化することのできるコンピュータという意味である』
という定義です。
人工知能には特化型人工知能、汎用型人工知能この2つがあります。
しかし現代で今普及されているのは特化型人工知能です。
なのでAIを指すのは特化型人工知能だと考えてください。
例えば有名な特化型人工知能といえば、「将棋」かと思います。
これは将棋のパターンを全て機械学習させ目標を「勝利」に設定し、
どのパターンからでも勝利に導かせる事ができるというものです。
2017年に行われた電王戦で、
AIを搭載したPONANZAに佐藤天彦名人が敗れたのは有名な話です。
またとてもみじかなものだと、音声認知機能です。
これはGoogle MAPなどで、
いきたい場所を伝えると現在ではほぼ間違いなく正しく認識してくれます。
これもAIに様々な日本人のタイプの声を機械学習させて、
「この声の高さのこの喋り方はこれを意味する」という風に認識し、
人間がどんな感じで喋っても正しく理解する事ができるようになりました。
確か日本語はGoogleの音声機能の中で一番難しかったっていう話もあります。
「お」と「を」や、「わ」と「は」の区別がつかなかったり、
「美味しいご飯」の「ご飯」ってどうしてもRiceになってしまって、
その「ご飯」がいわゆるDinnerやlunchと認識してくれなかったり。
日本語はそう考えると難しいですよね。
簡単に表現すると、AIとはいわゆる膨大なビックデータを活用して、
そこから目的(目標)に応じて最適な「解」を素早く導いてくれるというものです。
また最近では、AIに対して人間がプログラムしなくても、
勝手にAIが新しいことを学んだり、未来予想をしてくれる、
ディープラーニングというのもあります。
2019年ASCOのAI関連の発表は49演題
AIは医療現場への活用に関しては研究が進んでいます。
有名なのは画像診断ですが、最近は人工知能腫瘍学(WFO)という名の分野も出てきています。
参考までに2019年のASCO(米国腫瘍学会)における、
AI関連の発表をこちらにまとめてますのでご興味ある方ご参照ください。
サーチした感じだとAIに関わる発表は全部で49演題ありました。
多くはやはり画像診断、
そして各癌腫(多いのは大腸癌、乳がん、肺癌)における、
治療への介入や遺伝子変異に関するプロファイリングの実行や検証に関するAIの関わり、
あとは、予後に関する最適解を導くためのAIの活用方法などが多かったイメージです。
全部がっつり読む必要はないと思いますが、
AIの発表があるというのも時代の変化を感じれると思うので、
斜め読みでも読んでみると面白いので暇な時間に読んでみてください。
AIが製薬業界に何を巻き起こす?
ではこのAIが製薬業界、そしてMRの現場にどのような風を吹かすのか?というところですが、
まずは創薬の現場がだいぶ変わりそうです。
いわゆる「AI創薬」と言われるものです。
創薬をする研究者の作業として、
「仮説を立てる、実験を通じて検証する」というプロセスがあります。
まずこのプロセスが全て自動化して、
従来は難しかった発見や技術の開発速度の向上が見込めます。
この分野に関しては、日本でも理化学研究所と産業技術総合研究所が、
こうした研究者の作業をAIとロボットで置き換えて、
生命科学の研究を全自動化するプロジェクトが進んでいます。
外資系大手製薬会社のAI創薬の動き
また実際にAIを活用して創薬に取り掛かろうとしてる動きも沢山あります。
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)や、
アストラゼネカ(AZ)、グラクソ・スミスクライン(GSK)など、
外資系製薬会社10社が、AIとブロックチェーンを活用し、
互いの創薬に関する保有データなど企業秘密を競合他社に晒すことなく、
洗い出せる(最適解を導き出す)アルゴリズムを確立しました。
実際そのシステムを開発したのは、
グーグルの支援を受けたスタートアップ企業であるOwkinという会社です。
費用はどのように変わるのか?
では、AIが創薬することでどのように変わっていくのか?というところですが、
現状では、
創薬までの期間が約4分の1、費用が7分の1、失敗確率を6分の1まで減らせるそうです。
長い未来を考える上ではもっともっと費用と開発までの速度を短くできると考えられています。
AIは実際に創薬したのか?
そんなの理想論だろ?と思う人も中にはいるかもしれませんが、
統合失調症治療剤として開発中のSEP-363856を対象としたブレイクスルーセラピー指定の受領について
こちらの記事で紹介されている、
SEP-363856という統合失調症治療剤はAIのアルゴリズムを用いて創製されています。
ちなみに開発したのはPsychoGenics社というアメリカの会社ですが、
大日本住友がすでに買収しております。
日本の製薬会社の状況は?
AI創薬に限ったことではありませんが、外資系の動きが目立ちます。
先ほどのSEP-363856の創製方法を真似して大日本住友さんに是非頑張ってほしいと思います。
ただ、現状の状況を考えると、
おそらく日本の製薬会社は、
AI創薬をしてる会社やその関連の会社を買収するという方法しかないと思います。
なぜかというと、1番の理由はAI人材がそもそも日本には少ないからです。
いわゆる世界トップ級と言われるAI人材が日本は世界の中で4%程度しかいないと言われているそうです。
なので、そもそも日本の製薬会社がAIを使って創製することを考えたときに、
どうしても米国など海外に出ていかなければいけない事情がありそうです。
2020年にはAI創薬は標準になっていると考えられており、
塩野義製薬の澤田拓子さんをはじめかなり焦った動きをされているので、
日本が蚊帳の外にはならないと考えております。
中央大学の教授で、田口善弘先生という方がクラファンを立ち上げているので、
支援できる方覗いてみてください。
AI創薬における「教師なし学習による変数選択」の活用を広げたい!
MRの現場にはAIはどのように活用されそうか?
では、MRの現場にはAIはどのように活用されるでしょうか。
まず無くなりそうなのが、市販後調査や副作用調査です。
これはMID-NETというシステムで電子カルテやレセプトなど、
電子診療情報をデータベース化して、それらを解析するシステムになります。
MID-NETのシステムは現在の医療関係者が副作用を疑わなければ報告されない状況の中で、
MID-NETのシステムを構築してデータベース化した診療情報を用いて、
副作用を直接把握したり評価したりすることができます。
ただ現状では、一部の医療機関しか協力されてないことなど課題もありますが、
そこまで遠くない未来に市販後調査や副作用報告などはなくなるのではないかと思います。
ちなみにMID-NETはPMDAの監視下にあるシステムですのでご安心を。
MID-NET(Medical Information Database Network)
DTL活動
DTL活動は完全になくなるというよりは、
AIの解析した「最適解」にそって人間が動くような感じになるのではないかと思います。
そもそもMRに限らずAIによって営業マンの92%は必要なくなると言われています。
現在でも売り上げデータやシェアデータから、
この施設では処方が変わったことが算出されアラートがなったり、
おそらくm3のAIシステムによって、
医師の処方への影響がどのような情報から強く影響されるか?
そんなことがわかるようになると思います。
以前ツイートしたんですが、
そのAIはDr.毎のタイプ分け、処方が何に寄って影響されてるか?とか、気持ち悪いくらい分かってしまうようです。
Deep learningによって?そこからそのDr.が1番欲しい情報だと思うものを提供する事を目指してるとかです。
おっしゃる通りで、自動化されてしまう仕事しかできない状況になっております😔— だいさく@バイオベンチャーの魅力発信中 (@TRtURd8KFi5ROk3) 2019年6月6日
このような感じになるのではないかと思います。
現状を踏まえるとITを使う以外の選択肢が無い
MRの活動をAI化させることは、
そもそもm3などのICTのデータが合ってるかどうかわかりませんが、
その辺かIMS系のデータを活用することになっていくと思います。
現在の手足を縛られた状態では活用する以外の選択肢もないと思います。
医師がどんな情報に影響されるのか、
どんなタイプなのか?
それによって今最適解となるDTLは何か?
そしてその最適解となる情報を機械が届ける、そんな流れになりそうな気がします。
何となくなんだけど、最終的に最後まで生き残るMRって、開業医担当ではないかという気がしてくるんさな。
— だいさく@バイオベンチャーの魅力発信中 (@TRtURd8KFi5ROk3) 2019年6月6日
こちらAIに関することを勉強した上でなんとなく思ったことなんですが、
最終的に最後まで生き残るMRというのは開業医担当では?というところです。
なんとなくこのITの波に乗らないおじいさま開業医を担当するのが実は一番生存するのでは?
なんて思ってしまいました。
この辺はあくまで妄想です。
個人的にはそもそものm3のデータベースがも怪しいのではと思っていたりもします。
最後に
現在では数年前と比較して、
外資系製薬会社ではITが仕事を担うことによって6割程度の仕事が減ったそうです。
なので人間が数年前よりも4割程度の仕事量で済んでるそうです。
しかし内資系ではまだ9割程度が人間が行なっているという記事もありました。
もしかしたら内資系の方がIT化は本当の意味で遅れているのかもしれません。
でもめんどくさい仕事は機械がやってくれるっていうのは良いですよね。
副作用調査とか市販後調査ってMRの大事な仕事だけど、
やってくれるならやってくれるで全然嬉しいと思います。
僕はやはり大事なのは時代の波をしっかり捉えて、
努力をすることだと思いました。
ではまた!
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