どうもこんにちは、だいさくです。
Argenx(アルジェニクス)の案件上がってますね。
書こうと思っていて時間が空いてしまっており若干乗り遅れ気味ではございますが、
非常に魅力的な案件になるかと思いますので、
今日はArgenxについて情報をまとめてみました。
Argenxの転職求人の案件がとても魅力的!色々情報をとってみた!
Argenxは何が魅力的かというととにかく高年収であり、
RSUも豊富で、開発力もあって、
ザ・バイオベンチャーって感じのワクワクする案件だなぁと思います。
ただ、領域が神経内科になり、
もう7、8年前のデータになってしまいますが、
神経内科ってあくまで製薬会社目線ではありますが、
中々やりにくい、苦戦しやすい診療科の第1位と言われています。
そのため人間関係というよりは、
サイエンスの部分からしっかり話を展開できるような人材を求めているそうです。
報酬が高い分、そして昨今人気のベンチャーの希少疾患というのもありハードルも高そうですが、
チャレンジしてみる価値がありそうだなぁと思います。
結構色々なエージェントが扱っているっぽいですが、
かなり応募者を絞っていて、比較的窓口を広く受け入れているエージェントが、
ランスタッドになるそうです。
Argenxとは?
Argenxは今は米国でも上場してますが、
最初に上場したのがベルギーであったためベルギーの会社と記載されていたりもしますが、
Argenxは本拠地はオランダの製薬会社になります。
(Youtubeで「Argenx」と検索するとオランダ語で出てきますし間違い無くオランダの会社です)
ちなみに時価総額は大体1兆6千億円なので、
内資系でいうと塩野義さんや小野薬品さんと同じくらいになります。
また呼び名もアルジェニクス、アルジェン、アルジェンックスだったり様々ですが、
とりあえずアルジェニクスで今回は統一したいと思います。
そしてArgenxと言えばラマです。ラマ抗体。
ラマの免疫系の特徴を利用したプラットフォームであるSimple Antibodyを開発・運用していて、
ラマから分化した抗体治療薬のパイプラインの開発をしている会社になります。
設立(日本):2008年4月(2019年5月)
本社(日本):オランダ(東京都港区)
(設立はオランダですが、主なオペレーションはベルギーになります)
社長:Tim Van Hauwermeiren
多分ですが、創業者ではないと思います。
2008年の創業時代からBoardメンバーにいるようですが、いくつかの製薬会社で事業開発や、CEOを経験されております。
日本の社長は元アレクシオンのヘルマン・ストレンガー社長
日本法人の社長を務めるのは、
ヘルマン・ストレンガー社長で元々アレクシオンファーマで社長をされていた方になります。
ドイツ人で、個人的にはアレクシオンでソリリスの問題が起こった時も、
真摯に対応されていたイメージで、小さい会社から徐々に徐々にMRの数を増やしていって、
うまく組織を拡充されていた記憶があります。
あとは、「芸術家を育てる」活動を熱心にされていて、
麻布にご自身のギャラリーもお持ちです。
ちなみにベルギーもオランダも社員の雇用を守る雇用保護指標は日本より高めです。
オランダの会社がどのような風土かはわかりませんが、
本国の風土をそのまま日本でも当てはめるケースと、
日本は日本のやり方でやる風土と様々ですが、一応目安として記載してみました。
まずは全身型重症筋無力症(MG)のEfgartigimod
今回立ち上げにあたって中心となる薬剤は全身型重症筋無力症(以下MG)の、
Efgartigimodになります。
作用機序はIgGに対してFcRn(主要組織適合抗原クラスI様胎児型Fc受容体)の活性を阻害します。
聞き慣れないと、ん?ちょっと難しい、と思いますよね。
でも、勉強すれば大抵のことはわかる様になりますので、難しいと思っても根気良く理解しようとすることが非常に大切です。(僕がMRになって学んだ一番大切な事だったりします)
MGは抹消神経から筋肉側に、動かすための信号が送られるのですが、
その信号を受け取る筋肉側の受容体が自己抗体(IgGの過剰発言)によって破壊されてしまい、
筋肉が動かなくなってしまう自己免疫疾患になります。
主には全身の筋力低下、易疲労性、目の症状(目があきづらい、複視)が特徴です。嚥下機能ができなくなったりもします。重症化すると呼吸筋の麻痺を起こし呼吸困難に陥ります。
Efgartigimodは、FcRnに結合する事で、MGを引き起こす自己抗体(IgG)の抗体を減少させ、IgGのリサイクルを阻害するのが作用機序になります。
重症筋無力症(MG)の疫学
MGですが、日本国内では、
2007年の調査では人口10万人あたり約12人の有病率でしたが、
年々患者数は増加傾向にあり、
2018年の調査では人口10万人あたりの有病率が23人となり2倍となっています。
男女比は1:1.7で女性に多いです。
女性は30代から50代に多く、男性は50代から60代での発症が多いようです。
病気の発症に関する因果関係は不明とあります。
ちなみに遺伝性のものではありません。遺伝性のものは先天性筋無力症になります。
MGは後天的に神経と筋肉の接合部にある特定の分子の遺伝子変異が原因になります。
Efgartigimodの臨床成績
Efgartigimodの臨床成績ですが、
これは是非Argenxのプレスリリースを読んでください。
これ以上にわかりやすいものは無いです。
一応簡単に要約しますと、
第lll相試験ADAPT試験(ピボタル試験)にてMGの患者を対象にEfgartigimodの安全性と有効性をプラセボと比較し検討した。北米、欧州、日本のMG患者167名を対象に、プラセボと1:1の割合でランダムに割り付け。週1回投与を計4回で構成。初回投与の効果に基づいて再治療サイクルを開始。
※ピボタル試験とは承認取得のための試験でその薬剤にとって一番重要な試験になります。
結果です。赤字は主要データになります。
Efgartigimod群 | プラセボ群 | p値 | |
MG-ADLスコア2点以上改善率 | 67.7% | 29.7% | p<0.0001 |
QMGスコア改善割合 | 63.1% | 14.1% | p<0.0001 |
症状無しの達成割合 | 40.0% | 11.1% |
副作用に関しては、プラセボと同等なので、安全性は非常に高いと言えます。
また副次評価項目でも非常に良いデータが確認されています。
Efgartigimodは売れるのか?
Efgartigimodの臨床成績はどうやら良さそうですが、
実際この薬は売れるのでしょうか?
下記がMGに対する各薬剤のガイドラインにおけるCQになります。
これを眺めていると恐らく売れると思います。
標準療法がタクロリムスなどの免疫を抑える薬であったり、ステロイドになりますので、
まず圧倒的に副作用が少ないので使いやすいこと、
標準療法と比較してどうか?というのは今後の検討かと思いますが、
それでも臨床効果がはっきりしている点が良いと思います。
ただ、そう遠く無いうちにUCBジャパンからRozanolixizumabという全く同じ作用機序を持った同種同効薬剤が出てきそうです。
まだ前臨床段階なので多くの情報はないですし、臨床効果もわかりませんが、
頭の片隅に入れておいても良いのかなと思います。
Argenxの将来性
Argenxのパイプラインは下記のようになります。
Cusatuzumabはヤンセンの導出することが確定してます。
ただ上記の画像のそれ以外のものは成功すれば自社で販売していくと思います。
なので方向性としては神経内科の領域がメインになりそうですかね。
あとは画像にはないですが、レオファーマ、AgomAB、アッヴィ、STATENなどに導出予定の薬剤がありますので、非常に開発力の高い会社だと思います。
Argenxの求人は魅力的である(まとめ)
Argenxの求人は非常に魅力的だと思います。
まず社長がどこぞの人では無くしっかり実績を持ってる人であるという事、
年収面では給与のアッパーは1400万+RSUという昨今あまりないくらい報酬が高い事。
そして、時価総額が高く世界的にはすでに評価を受けており、
(ただ、現状は赤字計上中)
開発力が高いと言えます。
僕ももう少し若ければ受けてみたいです。
是非興味のある方チャレンジしてみてください。
冒頭にもお伝えしましたが、
求人はランスタッドが持っています。
ではまた!
コメント
だいさくさん、すごく勉強になります。
UCBさんもRozanolixizumabを申請中、UCBさんはzilucoplanというのもフェーズ3で試験中でしたでしょうか。
競争が激しくなりますね、患者さんとしては治療選択肢が広がるのはありがたいのでしょうか。
どうもこんにちは、コメントありがとうございます。
まぁ選択肢が広がるのは良いですよね。
UCBも試験がどうなるかはわからないですし、
基本的には最初に出した会社の方が全然強いので大丈夫だと思います!!