日本の製薬会社はなぜ買収をして失敗するのか?

だいさくの愚痴

こんにちは、だいさくです。

今日は愚痴です。

この記事に特に何も期待しないでください。

ただの僕の愚痴なので。

僕は悔しいのです。

なぜ税金で賄われている医薬品の多くは外資系の製剤なのか。

なぜこんなに日本の製薬会社は買収が下手くそなのか。

このままだとまだまだ日本の医薬品ビジネスの貿易赤字は進みます。

武田の買収のこと




武田薬品さんのシャイアー買収は本格的に動きそうですよね。

武田薬品さんはこれで何社目なんでしょうか。

僕は、今までの記事でも書いてますし、

様々な専門家の方がいう様に、

この買収が成功しても失敗に終わったとしても、

待ってるのは失敗じゃないかなと・・

僕は日本男児ですので、

税金で賄われている医薬品に関しては、

心から日本の製薬会社に頑張ってほしいっておもっています。

僕自身は内資系で働くのは肌に合わなかったけど、

心の中でめっちゃ応援してます。

小野薬品さんのオプジーボなんて嬉しかったし、

今後もあんな良い新薬が出てきたら良いなって思っています。

新薬開発の継続は無理

Is curing patients a sustainable business model?” Goldman Sachs analysts ask

こちらの記事の中で、ゴールドマンサックス社が、

病気を治す薬剤を開発することは持続可能なビジネスモデルではない、

あまりにもブラックな状態だと指摘されています。

そりゃそうですよね。

製薬会社がいつまでも新薬を開発し続けることなんてできるわけがありません。

よっぽど何かの技術に特化した会社であったとしても、

結局はその領域での技術は頭打ちになるし、

時の流れとともに衰退していってしまいます。

そのため新しい技術を求め続ける必要がありますが、

製薬業界というのは群雄割拠の業界です。

一社独占になれるほどあまり業界ではないのです。

製薬会社はなぜ買収するのか

日本の製薬会社に限らず、

現在世界ランキングに載ってくる様な会社で単独でその位置にいる

製薬会社はありません。

必ず歴史の中で別の製薬会社やバイオベンチャー を買収しています。

今回武田薬品が買収をかけているシャイアーに関しても、

シャイアー自体がいくつかの会社を既に買収していますので、

買収戦略は製薬会社の存続に必要不可欠になります。

そもそも新薬開発には多額のお金がかかります。

新薬開発は研究者の情熱に加えて資本というのが絶対に必要になりますので、

製薬会社が別の製薬会社を買収して相乗効果をもたらすということは、

よくあることなのです。

日本の製薬会社はなぜ買収に失敗するのか




では、製薬会社にとって重要な買収ですが、

日本の製薬会社の買収で成功した例はほとんどありません。

なぜ日本の製薬会社は買収に失敗するのでしょうか。

これは僕のこれまでの製薬会社で働いてきた経験上のもとで分析して見ます。

日本の製薬会社が買収失敗する理由①投資ではないから

まず理由の一つに、投資として買収をしてないからというのが挙げられます。

これはどういうことかというと、

例えば今回の武田薬品のシャイアーば買収にしても、

すぐ売り上げに直結しそうな会社しか選んでいないのです。

創薬に関する投資として会社を選んでません。

シャイアーの持つ薬というのは希少疾患であり、

しかも2番煎じの薬も多いのです。

シャイあーの時価総額は大体4兆円。

それを買収しようとすると5兆円は必要になります。

しかし、シャイアーを買収すれば世界8位が見えてきます。

ランクアップすることが目的なのです。

本来買収というのは資本を持っている製薬会社が、

資本はそこまでないけど新薬の化合物や優れた技術を有している会社と

提携や買収をすることで相乗効果が得られるのです。

日本の製薬会社の買収には「創薬」が欠けているのです。

「創薬」が欠けており、ただのランクアップしか見てないからです。

武田薬品にしてもランクアップをし、是が非でも国内1位を維持し、

世界ランクの一桁に入りたいと思っています。

それ以上でもそれ以下でもないのです。

日本の製薬会社に「創薬」に対する情熱はありません。

日本の製薬会社が買収に失敗する理由②BDがポンコツ

BDとはビジネスデベロップメントのことです。

このBDという部署が基本的に買収に関する案件を請け負っています。

BDというのは製薬会社にとっては生命線となっており、

とても大事な部署になります。

外資系の場合はこのBDには基本的に科学者をおきます。

科学や、創薬技術に精通して、且つビジネスもできる、

非常に優秀な人間を置く様になっています。

このBDが優秀なことで有名な会社が、

ヤンセン社やイーライリリー社などが挙げられます。

言わずもがなで非常に良い薬を扱っている、

イノベイティブ度の高い薬剤を扱う会社です。

一方で日本の製薬会社のBDというのは、

基本的にこれから出世する人です。

英語が喋れる人やMBAホルダーが多いのです。

しかもコンサルに操られてしまうパターンも多く、

買収専用のコンサルにコンサルされた結果、

よくわからない会社に多額のお金で買収をかけて、

多額のお金をコンサル料として払い、挙句失敗します。

買収を独断で決める外資系、みんなで決める内資系

ビジネス書をひらけばよく載ってる言葉で、

「みんなが賛成したものは大抵失敗する」とあります。

これはみんなが知る頃には世間に認知されており、

情報は既に古い。だからみんなが賛成することを待ってはならないというものです。

常識です。

外資系は成果にコミットしているし、

一人の優秀な人間に大きな責任のある仕事をさせる傾向にあります。

そのため優秀な人間の決断には従うのです。

しかし、内資系ではそういうわけにはいきません。

内資系では様々な人にお伺いを立てます。

その様々な人がOKといえばGOです。

それではダメなのです。

なのでコンサルを頼ってしまうのです。

コンサルなんて所詮言い訳を作成するプロなだけです。

彼らは買収が成功すれば報酬がもらえるだけなんですから。

買収を成功させるための段取りや大義名分は考えますが、

それ以降のことはどうでも良いのです。

一人のビジネスのできる科学者が決める外資系、

みんなにお伺いを立てて影でコンサルに操られる内資系。

この違いがどういう結果を生み出してるかは歴史が知っています。

武田國男さんの本読まれました?

武田國男さんは武田家三男坊のおちこぼれです。

長男は医者、次男が会社を継ぐはずだったが突然の他界。

窓際社員だった國男さんに社長になる運命が待ち受けています。

「僕はずっと武田の窓際社員だった。だから武田の悪いところは全て見えていた」

そういってどんどん改革を進めていきます。

当時はプライマリー全盛期、治らない癌治療に開発費をかけるなんて馬鹿げていると、

今お思うとアホかと思う様な話に足を引っ張られながらリュープリンの開発を

独断で決意します。

「当時は本当にストレスで、僕はそのせいで癌になった」

そんなコメントも出てきます。

國男さんのおかげでリュープリンとブロプレスのおかげで、

2兆円の内部留保を獲得します。

「僕の様な落ちこぼれではなく、帝王学を学んだしっかりした人が後継になるべき」

と長谷川さんに社長を譲ることに。

この本はつまらない

ただ、この本を読んだ方はご存知かもしれませんが、

つまらないです。

なぜつまらないかというと、國男さんが色々な人に気を使って、

書かれているからです。

おそらく、株主の方や、ほかの役員の方、

社員、全てに気を使った表現をしているのです。

だからつまらないのです。

内資系のドロドロした感じを想像しながら読むと逆に面白いかもしれません。

最後まで僕の愚痴にお付き合いいただきありがとうございます。

皆様にとって良い1日になります様に。

では!




 

コメント

  1. 独身MR より:

    マジで武田がんばれよ!!って感じですね~…。
    先生方にはアンチ武田も多いし、同業者たちからも嫌われてる率は結構高いけど、それでも武田は武田なんだから…。

    武田が舐められる=日本が舐められる
    の図式が成り立ちますし。

    そもそも論ですけど、日本の製薬企業とグローバルの製薬企業は向いてるベクトルが違うなと、最近はひしひしと感じます。
    日本の企業ってイノベーティブじゃないなって、そこはリアルに実感します。

    グローバル企業は、やはりイノベーション度の高い薬剤を扱っている確率が高いし、そもそもその疾患領域でリーディングカンパニーとして市場を開拓している企業が多いです。
    日本企業、特に武田は最たる例だと思うけど、既に出来上がっている・大きな伸びが期待できる市場に、ちょっと化学構造式を先行品から変えた類似薬(場合によっては劣っているモノも多い)を出して、人・モノ・金を最大限に投下した上で、先行企業が一生懸命耕した畑から作物を奪っていく、そういうイメージですよね…。

    今までは国内市場が伸び続けていたから、二番煎じでも国内企業は地場の強みで商売が成り立ってたけど、もう完全にそれは頭打ちでむしろ市場はマイナス成長だし、海外で商売できない会社に未来はない状況ですね。

    日本の中堅以下のメーカーも危ないと思ってて、欧米や中国、韓国の新興勢力に買収されるリスクがこれからはでてくるやろうなと。
    マイナス成長だとはいえ、腐っても世界3位の市場がある国ですから、まだ日本国内に基盤がないグローバルメーカーにとっては格好のターゲットだよなと。

    いやはや、この業界は5年どころか、3年先も全く予測できなくなってきましたね…。

    • 大ちゃん 大ちゃん より:

      返信遅くなりました。。
      最近、アホみたいに忙しくて。。

      それにしてもその通りです。
      日本の大手製薬会社に創薬に対する情熱は無いなと、今回の買収を見てひしひしと感じました。
      まぁ日本の医療の状況がそうさせない部分もあるんですけどね。

      ペプチドリームとか、そうせい、とかめっちゃ頑張ってますけどね。

      なんか巷では、武田がシャイアー買収して、ウェバーの手腕が問われるみたいなこと書いてありますけど、
      実際はウェバーを始め武田の外国人のミッションっておそらく世界の一桁に入ることなんだとおもうんですよね。
      だから、全然わからないですけど、完全なる僕の予想ですけど、
      ウェバーを始め武田の外国人トンズラするんじゃないんですかね。

      ウェバーはサノフィからヘッドハンティングの話も上がってるという噂もありますし。

      やるせない気持ちでいっぱいです。

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