【最新版!】MRの将来性や今後は?製薬会社の現役マネジャーが書く!

MRの今後

どうもこんにちは、だいさくです。

MRの今後や将来性に関しては昨今のリストラ報道や、

MRへの規制のニュースなどを読んでいると、

かなり気になるところですよね。

これまでもMRの今後や将来性に関しては沢山記事を書いて参りましたが、

2018年度はお弁当規制やリストラに関するニュースも沢山ありましたので、

改めて最新版というところで書いていければと考えております。

MRの将来性や今後どうなっていくか?というのはほとんど見えてきています。

これまで書いた記事のまとめ版のような形にはなりますが、

昨今の製薬業界を取り巻く現状をお伝えしながら、

MRの今後や将来性についてお伝えすることができれば幸いです。

新薬が出せる会社のMRにしか将来性は無い




まずMRの将来性を考えるにあたっては、

今後どのような会社が生き残るかを考えると早いのかなと思います。

MRの今後はバイオベンチャー か内資系メガファーマかの2択時代になるぞ

この記事にも書きましたが、MRを配置している会社で生き残るのは、

大手かバイオ系オーファン系の会社がほとんどだと考えられます。

この記事では内資系メガファーマと書きましたが、

日本で生き残っていける会社のMRは、

・大手外資系

・大手内資系

・オーファン

この3つは間違いなく生き残ると考えられます。

 

 

大手とバイオ(オーファン)だけの時代に必ずなる


なぜ大手とバイオの会社だけが生き残るかというと、

大手とバイオの会社は、

「創薬する力があること」

「会社を買う資本力があること」

この二つがあるからです。

簡単にいうと、創薬にせよ、買収にせよ、

新薬が出せる力があるからです。

逆にいうと、

この2つのうちどちらかでも実行できる力の無い会社は、

統合されるか、廃業していく可能性が非常に高いです。

今MRをやっていて、その将来性に不安を感じてない人も沢山いますよね。

正直僕もそこまで悲観的になっていないのも事実です。

そういう人は、

大手のスペシャリティにいる人、

どこ行ってもやっていける力のあるオーファンやベンチャーの会社でMRをやっている人。

そんな人だと思います。

逆にそれ以外のMRの方はその将来性にかなり不安を持っているのでは無いかと考えられます。

新薬が出せない中堅製薬会社の将来性はかなりヤバイ

製薬会社の今後を考えるにあたっては、

小中規模の製薬会社の今後はかなりヤバイです。

なぜヤバイかというと、先ほどの裏返しになりますが、

創薬する力が無い、他社を買収する体力が無いからです。

逆にいうと小中規模の製薬会社でも、

創薬がしっかりできて、他者を買収する体力があるなら良いと思います。

でもそういう会社は本当に少ないです。

それは内資でも外資でも同じです。

こちらは日本における製薬会社の総数を示したものです。

年度 総数 医療用医薬品を製造販売する会社
2000 1123 476(71)
2003 1062 474(71)
2005 972 477(72)
2006 364 121(25)
2010 370 107(27)
2011 341 100(23)
2012 349 101(22)
2013 327 110(31)
2014 310 113(34)

製薬協DATA 2017

この推移を見てわかるように日本においては、

製薬会社の数というのは年々減少しています。

そのほとんどは創薬ができない、

淘汰されるのは体力の無い小中規模の製薬会社になります。

例えばあすか製薬の日当・家賃補助廃止

小中規模の製薬会社が廃業したり、撤退しても、大抵の人は気づきません。

小中規模で2018年にマズイ動きをしてる会社は実は結構あります。

例えば、あすか製薬。


資本関係のみの武田薬品の子会社。

2018年より、75%出ていたMRの家賃手当が全面廃止。さらに日当も全面廃止。

単純に売上が悪い、売る薬が無いが、リストラする体力もないため、

自然に辞めていくような流れを作っている模様。

まさに小中規模の代表的な会社ですが、

非常にまずい状態です。

富士フィルムファーマのリストラ

あとはニュースになっていましたが、

富士フィルムファーマの医薬品事業撤退。

流石に撤退とかになると取り上げられていますね。

富士フイルムファーマ 19年3月末に解散、従業員は退職へ GE事業の収益確保難しく

あとは、富士フィルムRIファーマと大正富山の合併ですね。

グループ会社の統合により、診断薬・治療薬の新薬開発を加速 富士フイルム富山化学株式会社を設立

正直この合併自体に明るい未来が本当にあるのかというのはわからない状況です。

あとは日本ベーリンガー。

2018年製薬会社のリストラまとめと世間の勘違いについて

こちらの記事でも書きましたが、若手込みのMR300人のリストラ。

これはかなりマズイですよね。

なので、まだ体力のある大手は良いですが、

小中規模の製薬会社はかなりマズイのです。

 

MRに限らず医療業界が衰退産業の一つ

余談になりますが、

色々悲観的なニュースも多いですし、諸説ありますが、

そもそも日本においては医療業界自体が実は衰退産業の一つだとも言われています。

その原因の一つが医療費の高騰による税金の圧迫です。

それにより、高須クリニックの高須先生なんかは、

日本の医療業界は衰退産業だとしょっちゅう言っています。

また、今後の日本における成長産業は、

娯楽・IT・観光だといくつかのアナリストの方の記事を見ても書いてあります。

今後は少子高齢化はもっと加速していくわけですが、

その恩恵を一番受けるのはITだと言われています。

医療×loTはかなり成長産業では?と言われていますが、

莫大なお金のかかる医薬品や医療機器をふくめた、

医療事業というのは伸び代のある産業ではないという意見もあります。

ただ、確実に衰退する業界として、

タクシー業界・パチンコ業界・出版業界と言われており、

衰退する業界の中に医療業界自体が入ってるのを見たことがありませんので、

医療業界自体は衰退するというよりやや横ばいな感じになるのではないかと考えられます。

これから伸びる業界、衰退する業界

【最新版!】MRの将来性や今後は?製薬会社の現役マネジャーが書く!




ここまでで、生き残る製薬会社とそうではない製薬会社の違いというのが

なんとなくお伝えできましたでしょうか。

今後生き残るMRは新薬を出せる会社に勤務してるMRです。

ここからはその現状を踏まえて、

今後製薬業界やMRがどうなっていくかというのを書いていきたいと思います。

 

そもそも製薬会社の数が多い日本


上述しましたが、そもそも製薬会社の数が日本は多いのです。

製薬会社の数が多いために、

同じような薬効の薬を日本だけで売るような小中規模の製薬会社が多く誕生してしまい、

そのため意味のない競争が起きてしまい、癒着、不正が起こっていると言われています。

MRの接待禁止、お弁当禁止(案)、ギミック禁止、臨床試験法の改定、

などなど、この10年間の間にMR活動のほとんどが禁止になりました。

イギリスやEU諸国は大手の製薬会社数社と

創薬をしているバイオベンチャーの会社ばかりです。

大きいメガファーマ数社と沢山のバイオベンチャーという、

EUのような図に日本もなっていくのではないかと思います。

MRは今後こうなる!

MRの人数は現在6万2千人です。

こちら大手の製薬メーカーにおける開発費用の領域別のデータになります。

現在は、癌、免疫、中枢神経、感染症、大きな領域でいうとこの4つです。

そして、今後はこれに再生医療が莫大な開発費用が注がれていくことが分かっています。

しかし!

現在のMRの人数6万2千人の内、癌、免疫、中枢神経と言われる、

いわゆるスペシャリティ領域にはMRの人数がそこまで多く無いのです。

現状は今後開発費用が注がれない、

糖尿病などのいわゆるプライマリー領域のMRの人数が非常に多いのです。

今後開発費用が注がれているスペシャリティ領域にはMRの人数は少なく、

今後将来性が薄いプライマリー領域のMRの人数は少ないという、

非常に矛盾した現状があります。

将来性のあるMRはスペシャリティ領域

2018年、2019年とプライマリー領域の代表格のような会社である、

日本の内資系製薬会社がこぞってリストラを行っています。

2019年の製薬会社リストラ状況と原因、今後まで全部まとめてみる!

現状リストラの原因は様々ありますが、

スペシャリティ領域で成功してる会社でリストラしてる会社は多くありません。

上述の通り現状の矛盾状態がリストラすることによって、

適正なMRの人数になろうとしてる、

いわば過渡期のような状態が現在です。

プライマリーMRの将来性はかなりまずい

また、平成27年から厚労省がMRへのモニター制度というのを開始しました。

厚労省の覆面モニターが増員!次はスペシャリティとMSLが対象っぽい・・

これは医療機関に対して厚労省が指定した医師、薬剤師がモニターとなり、

MRの活動を監視するというものです。

2017年は50件程度逸脱したMR活動の報告が上がっています。

これは今後2019年以降はスペシャリティ領域も監視下に置かれてますが、

元々はプライマリーの領域が中心にモニタリングされていたそうです。

背景として、

日本には同じ薬効を扱う製薬会社が多すぎる、

そのため不適切な競争が起こり、

ディオバン問題など不正が起こる。

そういったことが背景として言われていたそうです。

今後の市場的にも厚労省の目論見としても、

やはりプライマリーMRの将来性は非常に厳しいと言わざる得ないと思います。

MRの将来性はとりあえずスペシャリティ一択

2019年1月から製薬会社から医療従事者の方に提供していた、

いわゆるノベルティやギミック関連が基本的に廃止されました。

お弁当は現状はまだOKですが、今と同じような状況にはならないと考えられます。

僕の予想では、医師への謝礼金ももっと規制されるんではないかと思います。

講演会もやりづらい環境になります。

とにかく新薬、しかもできれば画期的な新薬を扱える会社にいないと、

MRは今後は厳しいです。

またMSLが本当の意味で機能してる会社も現状では少ないですし、

MSLとマーケの軋轢も酷いものがあります。

現在MRに関するルールが緩和され、

医師からの要望ベースで適応外の情報もMRが扱えるようになりました。

今後MSLが微妙な存在になる可能性も考えられるので、

MRはやはりより学術的な仕事になっていくと思います。

オーファンの会社にいない人はイメージしづらいと思いますが、

それはオーファンMRのような活動です。(本当に)

なので、薬で勝負できるオーファンか、

買収してでも新薬の導入ができる大手の二極化していくと考えられるわけです。

それが良いと言ってるわけではなくて、

今の現状を考えるとMRはスペシャリティのようになるという意味であり、

実際そういう風になってる会社は生き残っています。

自分の会社の将来性はバランスシートに書いてある

僕は転職相談をいただく際に、

自分の会社と転職したいと思ってる会社の、

バランスシートと、開発状況を見てない人が多いのにびっくりすることがあったりします。

その会社が黒字だと思い込んでたりします。

自分の会社のバランスシートや開発状況を知らないことは、

目隠しして車の運転するくらい危ないことです。

まして転職しようと思ってる会社のバランスシートと、

開発状況くらいは絶対にチェックした方が良いです。

バランスシートを見る際は新薬への投資率がどれくらいか?

それが少なく見ても10%以上ないとちょっと厳しいと思います。

逆にいうと、バランスシートを見て、健全な利益体質で、

開発費に10%以上の研究費を注いでる会社は小中規模でも全然OKです。

例えば、中外、塩野義あたりは全然良いと思います。

MRは結局能力主義

MRの数は現在大体6万2千人いますが、

内資大手、外資大手のMRの数を足していくと、大体4万くらいになりますので、

全体の約7割は大手のMRです。

大手は会社自体は恐らく生き残っていくと思いますが、

そこで働いている社員が全員生き残ってはいけないです。

言っても製薬業界も競争社会です。

MRも能力主義です。

しっかり会社に貢献するために頑張らない人は生き残れません。

別にそれは今の厳しい状況だからそうというわけではなく、

そもそもそういうものです。製薬会社の社員は公務員ではないので。

営業力と、勉強量、行動量というのはもちろんなんだと思います。

 

英語は絶対やっておいた方が良い


英語は絶対にやった方が良いですよ。

英語は普段使わないからとか、周りの人もやってないとかいう理由で、

英語の勉強をしないのであれば君だけはやったほうがよいです。

100%英語の勉強しないと生き残れません。

生き残るチャンスすら与えてくれません。

製薬会社で働いてい英語の勉強を全くしてないというのは、

正直お話にならないと思っています。

英語を話せることによって訪れるチャンスって本当に沢山あるので。

製薬会社の社員におすすめの英語勉強法9選!

一応下記の記事はこれから英語を勉強しようと思ってる方向けに、

かなり魂込めて書いたのでぜひご参考下さい。

【初心者向け!】大人になったら始める英会話おすすめ勉強法!

最後に

いかがでしたでしょうか。

僕自身は正直全くMRという職種に悲観的ではありません。

MRは何より製薬会社にとって必要な職種です。

絶対になくなるはずがありませんし、不要な職種では絶対に無いです。

ただ、その将来性は会社によるのと、それぞれの能力によると思います。

オーファンMRはかなり激務ですが、

僕は未来のMRの姿だと考えております。

あまり求人はありませんが、

チャンスはいきなり準備してないときに現れたりしますので、

ぜひ情報とって見て下さい!

希少疾患(オーファン)系製薬会社への転職を考える人にオススメの転職サイト




 

 

コメント

  1. りぼん より:

    だいさくさんこんにちは。毎度勉強させて頂いております。私は転職を考えている内資で働く20代後半の女です。
    将来的にも長く働きたい、今後の新薬も訪問重視の人間関係で売っていく姿勢に不安を感じ、且つ結婚もそろそろしたいと思っている為、転職を考えはじめました。以前より女性は外資系に行くべきだというご意見を拝見してます通り、私も外資系を中心に活動しようと思っております。
    将来性、女性、長く働くという三点を考えた際にオススメのメーカー等あれば参考等に教えて頂きたいです。個人的なご質問となり申し訳ありません。宜しくお願い致します。

    • 大作 大作 より:

      コメントありがとうございます!
      20代後半女性で将来性、女性、長く働く。
      これは中々難しいですよね。。。
      成果を出すために邁進し続けることができるのであれば、
      リリー、ヤンセン。じゃないですかね。
      リリーの悪い噂は全て男性に適用されるのでね。
      ただ、リリーとヤンセンは女性管理職とかの目標値をほとんど達成してしまってるので、
      もしかしたらそろそろ女性だから美味しい会社というわけでもないかもしれないですね。

      これまでの経験とか色々そういうのにもよるんだと思うんですけど、
      僕がもし今20代の女性だったら、アレクシオン行きますかね。
      僕はやっぱオーファン好きなので。
      アレクシオンは営業部隊が確か40人くらいで、手当とかあまりないけど、
      年収がかなり高いのと、女性をかなり優遇して採用してるので、
      これから女性の活躍に力を入れて行くんではないかと考えられます。
      結構広域担当するので結婚とか視野に入れてると、
      ローカル担当になっちゃうと出張が多いかもしれないです。
      ただ、適応追加と新薬が一つ出てきていずれもオーファンなのであと10年くらいは間違いなく大丈夫じゃないかと。

      比較的スーパーオーファンでもうまくいってる会社の一つですし、
      挑戦しても良いかもねって感じです。

      逆にいうと、2020年から内資系の女性優遇が始まると推測されるので、
      今後は内資の方が良いかも知れないですけどね。

      難しいですね。
      ちょっと深く考えて見て、もしかしたら記事にできたら記事にしてみたいと思います。

      ありがとうございます!

      • りぼん より:

        ご丁寧なご回答ありがとうございます。
        結婚も控えており、相手は業界の関係者ではないので自分が頑張って働いていかないとという思いもあります。
        当方、中堅の内資に属していますが女性のロールモデルが少なく、外資の方々の話を聞くと、やはり外資にいくべきか非常に悩んでおります(お誘いも受けております)
        ただ、だいさくさんのツイッターやニュース等を拝見すると、今頃外資の転職は逆に遅いのかもしれないと思う自分もいるので非常に決めかねております…。
        今の会社に残るメリットとしては実績を残している方なので、今後結婚、出産となっても優遇されやすいんじゃないか等はある一方で、内勤業務の多さやおろし訪問など、子供ができても続けていけるか不安です。
        外資は組合がなかったり、リストラ等が不安な一方で、合理主義、年収と上がるというのは非常に魅力的です。
        一長一短とは思いますが時間が無いためだいさくさんの意見を参考にしたくご相談させて頂きました。
        個人的な話となり申し訳ありません

        • 大作 大作 より:

          難しい問題ですね。。
          結婚して子供産んでというのを3年以内くらいに考えているのであれば、
          今の会社にいた方が良いと思うけど、それで時短とかになったら、
          多分転職のチャンスってなくなっちゃうような気がするんですよね。

          外資の方が両立という意味では僕の場合はおろし訪問も全くしてなかったし、
          内勤作業も内資の頃と比べると10分の1位だったかなと。
          何を優先するかなんだろうけど、子供できちゃうと子供1番になると思いますよ。
          僕の嫁さんもあんまり子供好きじゃなかったけど産んだらやっぱりかけがえのない存在になるので。。。

          難しいっすな。

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